JP6080650B2 - 液だれ防止キャップ - Google Patents
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Description
しかしながら、油などの粘性のある内容液を収容した容器では、閉蓋状態で容器が倒れたり、容器が振られたりした場合に内容液が上蓋の頂壁裏面に付着し、上蓋を開閉する際や内容液を注出する際に、頂壁裏面に付着した液が流れ出して、キャップ周辺に液がたれて容器本体や周囲を汚してしまうという問題があった。
また、封止筒部24内周下部の隅部に付着液が滞留しやすいため、当該隅部に滞留した付着液が、開蓋時や内容液注出時に封止筒部24の下端からたれて周辺を汚すという問題があった。
また、ヒンジ側の上蓋裏面では、密封筒基部の隅肉のない隅部に付着液が滞留しやすいが、上蓋の開度が小さい範囲では密封筒下端が注出筒内側に位置するとともに、回動半径が比較的小さいので開閉時に液が注出筒外にたれることがなく、他方、容器を傾ける注出時には、開蓋した上蓋がヒンジ側を下側にして立ち上がり、上蓋裏面に付着した液がヒンジ側の注出筒基部に流下してくるが、付着液は隅肉のない垂直壁の隅部に滞留して密封筒下端まで流下して液だれを起こすことを防止する。
また、ヒンジ側において、密封筒内周面に所定範囲にわたる内周突条を設けたり、密封筒内側の頂壁のヒンジ側裏面に所定範囲にわたる裏面突条を設けたりする構成や、密封筒の下端部に内側下方に突出する舌片を設ける構成など、ヒンジ側の上蓋裏面および密封筒に付着液の流下を防止する構造を付加すれば、内容液注出時の液だれをさらに防ぐことができ、キャップ周辺を清潔に保つことができる
キャップ本体Aは、環状の基壁1と、環状の基壁1の内周側に垂設された内筒2と、基壁1の外周縁から垂設された外筒3とにより、容器本体の口部に嵌合する嵌合溝4が形成されている。
隔壁11には、破断可能な薄肉弱化部12が設けられ、薄肉弱化部12は、破断されたときに注出口を形成する除去部13を画成している。
本実施例では、緩衝部18は、プルリング16を指に掛けた際、外側(ヒンジと反対側)へ屈曲が容易な薄肉の板状をなしている。
本実施例では、注出筒10の中心と密封筒32の中心とは、それぞれキャップ全体の中心と一致している。
注出筒10の上端にはラッパ状の湾曲部19が形成され、ヒンジC側よりヒンジCの反対側がやや高くなって注出側流路面を形成している。
また、蓋係止部7の上部内周側には、内側斜め上方に向かって延びるひさし22が、所定円弧範囲にわたって設けられている。
本実施例では、これら膨出部21およびひさし22が設けられる円弧範囲は、それぞれキャップの中心における中心角が約270°、約120°であるが、これらの円弧範囲は適宜設定できる。
ヒンジCの近傍位置の外周には、容器本体に装着する際の周方向の位置決めを行う位置合わせリブ25が一個所突設されている。
頂壁30の裏面と連設する密封筒32の基部33の内周側は、ヒンジC側の所定範囲で隅肉のない垂直壁33aとされ、ヒンジCの反対側の所定範囲でR状の隅肉が形成された湾曲壁33bとなっている。
密封筒32の下端34は、ヒンジC側からヒンジCの反対側に向けて、頂壁30の裏面からの高さが高くなるように形成されている。
本実施例では、傾斜面35は、密封筒32の中心から密封筒32の湾曲壁33bに向けて勾配が形成されているが、必ずしもこのようにする必要はなく、湾曲壁33bが形成される範囲に応じて適宜変更可能であるが、平面視で注出筒10と密封筒32に共通する中心線X−Xに沿って谷部36が形成されるように傾斜勾配が形成されることが望ましい。
また、密封筒32のヒンジ側Cの内周面には、ヒンジC側を中央とする所定範囲にわたって、内周突条39が設けられている。
これらの裏面突条38、内周突条39は微小な突条であり、本実施例では約0.1mm程度である。また、本実施例では、各突条はそれぞれ2つ設けられているが、2つに限らず適宜の数を設けることができる。
舌片40を形成する範囲は、内周突条39より大きい中心角度を有するように適宜決定されるが、本実施例では、密封筒32の中心における中心角度が約120°程度の範囲である。
図2(a)に示すように、摘み部42は、下端に手指をかけるための指かけ突部43を有する外枠44と、外枠44と側周壁31との間に設けられた肉抜き部45と、肉抜き部45の複数個所に設けられ外枠44と側周壁31との間を連結する補強リブ46とからなっている。
また、側周壁31の高さ方向の中間部には、下方に拡径する横段部49が環状に形成されている。横段部49は、その下面が少なくとも蓋係止部7より若干高い高さに設けられている。
側周壁31の下部内周には、ヒンジC側と摘み部42側との周方向中間部位に、蓋係止部7の膨出部21に係止する係止突部50が、それぞれ所定円弧範囲にわたって突設されている。
本実施例の液だれ防止キャップは、図1に示す閉蓋状態で打栓され、嵌合溝4に容器本体の口部が嵌合装着される。
打栓工程で、外筒3内周の嵌合突条5が容器口部のくびれ部に嵌合し、容器口部が、内筒2の外周と外筒3の内周、および基壁1とによって挟持されキャップが装着される。
本実施例のキャップは全体として薄肉に形成されているが、嵌合突条5には補強支持部6が設けられているので、外筒3が薄肉であっても嵌合強度を保つことができる。
プルリング16のヒンジCと反対側の下部には、薄板状の緩衝部18を設けているので、手指が当たると緩衝部18が容易に屈曲して、手指への接圧をやわらげることができる。
上蓋Bを開閉する際、手指をかける摘み部42は、肉抜き部45により薄肉に形成されているが、補強リブ46により十分な強度が確保されている。
倒れた容器を正立状態に戻すと、密封筒32の内側の頂壁30裏面のヒンジCと反対側では、付着した液は、傾斜面35によって谷部36に集められながら湾曲壁33bに到達し、R状の湾曲面を伝って速やかに密封筒32の下端34に達し、注出筒10の内周面を通って容器本体内に還流する。
容器を使用するために、この付着液が残った状態で上蓋Bを開けると、上蓋Bが回動して立ち上がるにつれ、頂壁30裏面に付着した液はヒンジC側に流下するが、裏面突条38と垂直壁33aの隅部に滞留して流下が阻止される。
さらに、付着液が垂直壁33aの隅部から密封筒32内周に流下した場合でも、内周突条39および舌片40により流下してきた液を滞留して液だれを起こさない。
本実施例では、外筒3の嵌合突条5を補強する補強支持部6や、摘み部42の肉抜き部45を補強する補強リブ46設けるなどの工夫により、キャップ全体をより薄肉にすることができているとともに、上蓋BのヒンジCと反対側が薄肉に形成されているので開閉が容易になっている。
とくに、食用油や各種のたれ、つゆなどを収容する、衛生的で清潔な使用が要求される食品用容器のヒンジキャップに好適に利用できる。
B 上蓋
C ヒンジ
1 基壁
2 内筒
3 外筒
4 嵌合溝
5 嵌合突条
6 補強支持部
7 蓋係止部
10 注出筒
11 隔壁
12 薄肉弱化部
13 除去部
15 支柱
16 プルリング
17 滑り止め突条
18 緩衝部
19 湾曲部
21 膨出部
22 ひさし
25 位置合わせリブ
30 頂壁
31 側周壁
31a 厚肉部
31b 薄肉部
32 密封筒
33 密封筒基部
33a 垂直壁
33b 湾曲壁
34 密封筒下端
35 傾斜面
36 谷部
38 裏面突条
39 内周突条
40 舌片
42 摘み部
43 指かけ突部
44 外枠
45 肉抜き部
46 補強リブ
48 縦段部
49 横段部
50 係止突部
Claims (5)
- 容器本体の口部に装着されるキャップ本体と、ヒンジを介してキャップ本体と連設された上蓋とからなるヒンジキャップであって、
上蓋の頂壁の裏面には、閉蓋時にキャップ本体の注出筒の内周に嵌合して注出口を密閉する密封筒が垂設され、
密封筒の頂壁裏面と連設する密封筒基部の内周側は、ヒンジ側の所定範囲が隅肉のない垂直壁とされ、ヒンジの反対側の所定範囲がR状の隅肉が形成された湾曲壁とされ、
密封筒内周の頂壁は、湾曲壁から続く裏面にヒンジ側に向けて傾斜面が形成され、湾曲壁側からヒンジ側に向かって薄肉になるように形成されていることを特徴とする液だれ防止キャップ。 - 湾曲壁から続く頂壁裏面に設けられた傾斜面は、平面視で開蓋状態の密封筒の中心と注出筒の中心を結ぶ共通中心線に沿って谷部が形成されるように傾斜勾配が形成されていることを特徴とする請求項1記載の液だれ防止キャップ。
- 密封筒のヒンジ側内周面には、ヒンジ側を中央とする所定範囲にわたって、少なくとも一つの内周突条を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の液だれ防止キャップ。
- 密封筒内周の頂壁のヒンジ側裏面には、平面視で開蓋状態の密封筒の中心と注出筒の中心を結ぶ共通中心線に略垂直方向の所定範囲に、ヒンジ側を中央とする少なくとも一つの裏面突条を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液だれ防止キャップ。
- 密封筒の下端部には、ヒンジ側を中央とする所定範囲にわたって、内側下方に突出する舌片が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液だれ防止キャップ。
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