JP2575259Y2 - 液体計量注出容器 - Google Patents

液体計量注出容器

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JP2575259Y2
JP2575259Y2 JP1992089590U JP8959092U JP2575259Y2 JP 2575259 Y2 JP2575259 Y2 JP 2575259Y2 JP 1992089590 U JP1992089590 U JP 1992089590U JP 8959092 U JP8959092 U JP 8959092U JP 2575259 Y2 JP2575259 Y2 JP 2575259Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は液体計量注出容器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、液体計量注出容器として、実公昭
58-2769 号公報に記載される如く、圧搾可能な容器本体
の開口部に計量体を連設し、容器本体の内部に挿入され
る通液チューブを上記計量体の計量室に連通可能とする
とともに、上記計量体の計量室にて計量された液体を注
出可能とする注出部を備えてなるものがある。そして、
計量体は、注出させたい液量の計量レベルに、当該液量
の計量目盛を付すものとしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
には、下記、の問題点がある。
【0004】計量体に付されている計量目盛によっ
て、注出させたい液量を計量しても、計量された液量の
全てが容器外部へ投入できるか否かは疑問である。何故
なら、注出に伴う計量室壁面への液付着或いは注出部か
らの液垂れにより、計量された液量の全てが投入される
ことはなく、注出後にいくらかの残存液量が見込まれる
ことが一般的だからである。これは、高粘度の液体で顕
著に現れる。即ち、従来技術では、本当に必要とされる
液量を外部へ取出すことに困難がある。
【0005】注出部からの液垂れが、液量の無駄を生
ずるものとなる他、注出部の外周を汚損するものとな
る。
【0006】本考案は、液体計量注出容器において、本
当に必要とされる液量を外部へ取出し可能とすることを
目的とする。
【0007】また、本考案は、液体計量注出容器におい
て、液量の無駄を生ずることなく、かつ注出部の外周を
清浄に維持可能とすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本考案
は、圧搾可能な容器本体の開口部に計量体を連設し、容
器本体の内部に挿入される通液チューブを上記計量体の
計量室に連通可能とするとともに、上記計量体の計量室
にて計量された液体を注出可能とする注出部を備えてな
る液体計量注出容器において、前記計量体は、注出させ
たい液量に、注出後に見込まれる残存液量を加えた液量
の計量レベルに、注出させたい液量の計量表示を付して
なるようにしたものである。
【0009】請求項2に記載の本考案は、請求項1に記
載の本考案において更に、前記注出部の周辺に、該注出
部から垂れた液体を計量室へ戻す傾斜状液回収路を設け
てなるようにしたものである。
【0010】
【作用】請求項1に記載の本考案によれば、下記の作
用がある。 注出させたい液量の計量表示を、注出後に見込まれる
残存液量を加えた液量の計量レベルに付した。従って、
計量表示に従って計量された液体のうち、予め見込まれ
ている残存液量分は、計量室壁面への液付着、或いは注
出部からの液垂れによって外部へと注出されることがな
い。そして、計量表示に従って計量された液体のうち、
上記残存液量分を除いた計量表示値そのものである液
量、即ち本当に注出させたい液量分だけが外部へと取出
されるものとなる。
【0011】請求項2に記載の本考案によれば、下記
の作用がある。 注出部の周辺に傾斜状液回収路を設けた。従って、注
出部から垂れた液体を確実に回収することができ、結果
として、液量の無駄を生ずることなく、且つ注出部の外
周を清浄に維持可能とすることができる。
【0012】
【実施例】図1は第1実施例を示す模式図、図2は図1
の要部を示す模式図、図3は計量値調整方法を示す模式
図、図4は計量状態を示す模式図、図5は第2実施例を
示す模式図、図6は図5の要部を示す模式図、図7は図
6の各部分解状態を示す模式図である。
【0013】(第1実施例)(図1〜図4) 液体計量注出容器10は、図1に示す如く、合成樹脂等
の可撓性を有する素材で形成された圧搾可能な容器本体
11の開口部11A回りに計量キャップ12を封着し、
容器本体11の内部に挿入される通液チューブ13を上
記計量キャップ12の計量室12Aに連通可能としてい
る。
【0014】ここで、注出容器10にあっては、容器本
体11の開口部11Aに設けてある雄ねじ部11Bに中
栓14の外筒雌ねじ部14Aを螺着して液密的に封着
し、この中栓14に設けてある内筒雌ねじ部14Bに計
量キャップ12の下端雄ねじ部12Bを螺着して被着し
ている。このとき、中栓14及び計量キャップ12は容
器本体11の中心軸に対し、容器前面側へと下向きとな
るように傾斜して設けられる。
【0015】中栓14は、内筒雌ねじ部14Bの下端に
仕切り部16を設け、この仕切り部16の中心部を貫通
する如くに設けられる筒状通液部17を有している。そ
して、通液部17の下端接合部17Aに上記通液チュー
ブ13の上端部を液密的に嵌合して接合している。この
とき、通液チューブ13の上端部は中栓14の中心軸上
に接合される。
【0016】また、中栓14は、仕切り部16の通液部
17回りに複数の注液口18を開口している。注液口1
8は、中栓14を容器本体11に封着した状態下で、容
器本体11への詰替え用液体充填口とされて機能する。
尚、一部の注液口18は、他の注液口18から容器本体
11への詰替え用液体の充填時に空気抜き口としても機
能する。
【0017】計量キャップ12は、上方の筒状部20
と、筒状部20の基端側から計量室12Aの中間部の内
方に張り出る棚状部21と、棚状部21の内周部から下
方に延びる前述の下端雄ねじ部12Bと、下端雄ねじ部
12Bの下端に設けられる計量室底部23とを有し、前
述の計量室12Aを画成している。そして、この計量室
底部23の中心部を貫通する如くに設けられる筒状通液
部24を有し、この通液部24の下端連通部24Aを前
記中栓14に設けられている通液部17の上端連通部1
9Bに液密的に嵌合接続している。
【0018】尚、中栓14に計量キャップ12を被着し
たとき、計量キャップ12の下端雄ねじ部12Bの下端
外周部が中栓14の内筒雌ねじ部14Bの下端内周部に
液密に衝合し、且つ計量キャップ12の棚状部21下面
が中栓14の外筒雌ねじ部14Aと内筒雌ねじ部14B
の連結部14C上面に液密に衝合せしめられ、容器本体
11の内部空間に連通する中栓14の注液口18を外部
空間に対して二重に液密封止するものとしている。
【0019】ここで、計量キャップ12の筒状通液部2
4は上端部を開口され、この開口を覆う有天筒状の液量
調整体26を螺着されている。液量調整体26は、天部
下面に環状シール部26Aを備えるとともに、天部寄り
側面に吐液口26Bを開口している。液量調整体26
は、(a) 通液部24に締切り位置まで螺合された状態で
シール部26Aを通液部24の上端開口に液密に螺着さ
せて、輸送中や容器未使用時の液もれを防止し、(b) 通
液部24との螺合を締切り位置からゆるめた状態で吐液
口26Bを通液部24の内部空間に連通させ、容器本体
11内液体を吐液口26Bから後述する如くにより計量
室12Aに吐出させることを可能とする。
【0020】これにより、容器本体11の開口部11A
に中栓14を封着し、中栓14に計量キャップ12を被
着し、液量調整体26の吐液口26Bを通液部24の内
部空間に連通させた容器使用状態において、容器本体1
1を圧搾すると、容器本体11内液体は通液チューブ1
3、中栓14の通液部17、計量キャップ12の通液部
24を通って、液量調整体26の吐液口26Bから計量
キャップ12の計量室12A内に吐出する。このとき、
吐液口26Bが容器後面側の筒状部20内面に臨むよう
に設定されると、容器本体11を急激に圧搾したとして
も、吐液が上方に強く噴出して周囲に飛散することな
く、筒状部20の内面に当たって計量室12A内に貯留
せしめられる。
【0021】尚、容器本体11を圧搾して計量室12A
内に吐液口26Bの下縁レベルを越える液体を貯溜せし
めた後、その圧搾を解除すると、下縁レベルを越えてい
る過剰液体は吐液口26Bを逆流して容器本体11内に
戻り、計量室12Aでの貯溜レベルを吐液口26Bの下
縁が規定する計量レベルに自然に設定せしめるものとな
る。
【0022】従って、液体計量注出容器10にあって
は、通液部24に対する液量調整体26の螺合位置を調
整することにより、計量キャップ12の計量室12Aに
よる計量レベルを調整できる。
【0023】そして、液体計量注出容器10にあって
は、計量キャップ12を透明素材で構成し、キャップ1
2における筒状部20の内面に計量目盛リブ25を付
し、計量調整体26の外周部における吐液口26Bの下
縁レベル(計量室12Aでの計量レベル)相当位置に上
記目盛リブ25に相対する板状の計量ゲージ27を一体
成形している(図2(B))。即ち、計量キャップ12
の中心軸を鉛直にするとき、計量ゲージ27が指す目盛
リブ25は、吐液口26Bの下縁と同一レベルに位置
し、計量室12Aでの計量レベルを視認可能とする。
【0024】このとき、計量目盛リブ25は、計量室1
2Aから注出させたい液量(L)に、注出後に見込まれ
る残存液量(計量室12Aの壁面への付着液量或いは注
出口32からの液垂れ量)(△L)を加えた液量(L+
△L)の計量レベルに、注出させたい液量(L)を表示
するものとされている。
【0025】また、計量キャップ12の筒状部20上端
部には液回収キャップ28の二重筒状嵌着部28Aが液
密に嵌着されている。このとき、液回収キャップ28の
嵌着部28Aの外筒内周面に設けられている環状凸部2
8Bが筒状部20の上端外周面に設けられている環状凹
部20Bに係着される。液回収キャップ28は、前述の
液量調整体26を通液部24に対して螺合調整すると
き、筒状部20から取外される。
【0026】ここで、液回収キャップ28は、筒状部2
0の上端部の内外面に嵌着される嵌着部28Aの内側
に、短筒状の液垂れ受口31を備え、更にこの液垂れ受
口31の内側に、短筒状の注出口32を備えている。
【0027】注出口32は上縁部を外方に向けて湾曲
し、計量室12Aからの注出時の液垂れ量の低減を図っ
ている。
【0028】液垂れ受口31は注出口32の外周下位に
設定され、注出口32からの液垂れを受ける。そして、
液回収キャップ28は、液垂れ受口31の下端環状部と
注出口32の下端環状部との間に、容器後面側へ向けて
下り勾配をなす傾斜状液回収路33を設け、液回収路3
3の最下位置に回収口34を開口している(図2
(C))。これにより、注出口32からの液垂れは、液
垂れ受口31、液回収路33を介して回収口34から計
量室12Aへと戻される。
【0029】尚、液回収キャップ28は、嵌着部28A
の容器後面側の上縁部に一体成形ヒンジ35を介してカ
バー36を開閉可能に連結している。カバー36は、そ
の前縁部に設けてある舌片状操作部37を嵌着部28A
回りに係脱可能とし、その天井内面にシール部38を突
設している。カバー36の舌片状操作部37がキャップ
28の嵌着部28A回りに係着された閉鎖時に、シール
部38は液垂れ受口31の内周部に液密的に嵌合して、
計量室12Aを外部空間に対し液密封止する。
【0030】以下、液体計量注出容器10の使用方法に
ついて説明する。
【0031】(1) 容器10の輸送時、未使用時には、液
量調整体26が計量キャップ12の通液部24に締切り
位置まで螺合され、シール部26Aが通液部24の上端
開口に液密嵌着し、液もれを防止する(図2(A))。
【0032】(2) 容器10の使用に先立ち、液回収キャ
ップ28が計量キャップ12の筒状部20から取外され
る(図3)。そして、計量キャップ12の通液部24に
対して液量調整体26の螺合位置を調整し、吐液口26
Bの下縁レベルの設定により、計量室12Aによる今回
所望の計量レベルを定める。具体的には、計量ゲージ2
7が目盛リブ25の所望の表示値に合致するように液量
調整体26を螺動する(図4)。図4の実線は計量レベ
ルを20mlとする例、図4の鎖線は計量レベルを30mlとす
る例である。
【0033】(3) 液注出時には、カバー36を液回収キ
ャップ28から開く(図4)。そして、容器本体11を
圧搾すると、容器本体内液体は通液チューブ13、中栓
14の通液部17、キャップ12の通液部24を通っ
て、液量調整体26の吐液口26Bからキャップ12の
計量室12A内に吐出される。計量室12Aにて液体を
計量する方法は、容器本体11の圧搾によって計量室1
2A内にその計量レベルを越える液体を貯溜せしめた
後、その圧搾を解除し、計量レベルを越えた過剰液体を
吐液口26Bから容器本体11内に戻す。このようにし
て計量室12Aに計量された液体は、液回収キャップ2
8の注出口32から注出される。その後カバー36を液
回収キャップ28に封着する。
【0034】尚、上記の液注出時における注出容器10
の姿勢は、容器本体11をテーブル面等の上に載置して
鉛直配置しても良く、或いは使用者にて容器本体11を
保持し計量キャップ12を略鉛直保持する等であっても
良い。
【0035】(4) 液注出時に注出口32から垂れた液体
は、液垂れ受口31により受けられた後、液回収路33
を介して回収口34から計量室12Aへと回収される。
尚、図1の如く、液回収キャップ28を容器本体11の
中心軸に対し、容器前面側へと下向きとなるように傾斜
して設ける場合には、容器本体11を(棚などに)置い
た状態で、液回収キャップ28の液回収路33を回収口
34に向って下り勾配に傾斜させるように設定すること
はいうまでもない。
【0036】(5) 液詰め替え時には、計量キャップ12
を中栓14から取外す(図1参照)。そして、中栓14
の注液口18を用いて、詰め替え液体を容器本体11に
充填する。
【0037】従って、本実施例によれば、下記〜の
作用がある。
【0038】通液チューブ13を中栓14に接合し、
計量キャップ12を中栓14に被着しており、通液チュ
ーブ13は計量キャップ12に直接的には接合されな
い。
【0039】このため、容器本体11内液体の詰め替え
に際し、通液チューブ13は中栓14とともに容器本体
11側に残したまま、計量キャップ12のみを容器本体
11から取外しできる。従って、計量キャップ12を容
易に取外しできる他、液体が付着している通液チューブ
13を容器10外に持ち出して周辺汚損する如くがな
い。即ち、詰め替え作業性が良い。
【0040】計量キャップ12、中栓14、及び通液
チューブ13は容器本体11の中心軸に対して傾き配置
される。このため、計量キャップ12内の液体を完全に
注出するに必要な容器10の傾き角が90度未満で足りる
ものとなる。また、通液チューブ13の容器本体11内
吸込口が容器本体の断面外側寄りに位置するから、計量
キャップ12からの注出時、通液チューブ13の吸込口
を容器本体11内気相側に位置し易くなり、容器本体1
1内液体が通液チューブ13から余剰液体(計量外液
体)となって注出するのを回避できる。即ち、注出作業
性が良い。
【0041】注出させたい液量の計量表示(計量目盛
リブ25)を、注出後に見込まれる残存液量を加えた液
量の計量レベルに付した。従って、計量表示に従って計
量された液体のうち、予め見込まれている残存液量分
は、計量室12Aの壁面への液付着、或いは注出口32
からの液垂れによって外部へと注出されることがない。
そして、計量表示に従って計量された液体のうち、上記
残存液量分を除いた計量表示値そのものである液量、即
ち本当に注出させたい液量分だけが外部へと取出される
ものとなる。
【0042】注出口32の周辺に傾斜状液回収路33
を設けた。従って、注出口32から垂れた液体を確実に
回収することができ、結果として、液量の無駄を生ずる
ことがなく、且つ注出口32の外周を清浄に維持可能と
することができる。
【0043】尚、本考案の実施において、液量調整体2
6は計量キャップ12の通液部24の外周部の軸方向複
数位置のそれぞれにラチェットによって選択的に係止さ
れるものであっても良い。このとき、液量調整体26は
軸方向に付与される引き上げ操作力により、前述の吐液
口26B下縁レベルが定める計量レベルを多段調整可能
とする。
【0044】(第2実施例)(図5〜図7) 液体計量注出容器110は、図5に示す如く、合成樹脂
等の可撓性を有する素材で形成された圧搾可能な容器本
体111の開口部111A回りに計量キャップ112を
封着し、容器本体111の内部に挿入される通液チュー
ブ113を上記計量キャップ112の計量室112Aに
連通可能としている。
【0045】ここで、注出容器110にあっては、容器
本体111の開口部111Aの内周面に設けてある環状
凹部111Bに中栓114の筒部114Aの外周面に設
けてある環状凸部114Bを嵌合して液密的に封着し、
この中栓114の筒部114Aの内周面に設けてある雌
ねじ部114Cに計量キャップ112の下端雄ねじ部1
12Bを螺着して被着している。このとき、中栓114
及び計量キャップ112は容器本体111の中心軸に対
し、容器前面側へと下向きとなるように傾斜して設けら
れる。
【0046】中栓114は、筒部114Aの下端に仕切
り部116を設け、この仕切り部116の中心部を貫通
する如くに設けられる筒状通液部117を有している。
そして、通液部117の下端接合部117Aに上記通液
チューブ113の上端部を液密的に嵌合して接合してい
る。このとき、通液チューブ113の上端部は中栓11
4の中心軸上に接合される。
【0047】また、中栓114は、仕切り部116の通
液部117回りに複数の注液口118を開口している。
注液口118は、中栓114を容器本体111に封着し
た状態下で、容器本体111への詰替え用液体充填口と
されて機能する。尚、一部の注液口118は、他の注液
口118から容器本体111への詰替え用液体の充填時
に空気抜き口としても機能する。
【0048】計量キャップ112は、上方の筒状部12
0と、筒状部120の基端側から計量室112Aの中間
部の内方に張り出る棚状部121と、棚状部121の内
周部から下方に延びる前述の下端雄ねじ部112Bと、
下端雄ねじ部112Bの下端に設けられる計量室底部1
23とを有し、前述の計量室112Aを画成している。
そして、この計量室底部123の中心部を貫通する如く
に設けられる筒状通液部124を有し、この通液部12
4の下端連通部124Aを前記中栓114に設けられて
いる通液部117の上端連通部119Bに液密的に嵌合
接続している。
【0049】また、計量キャップ112は、通液部12
4の上端部を閉塞部124Bとし、閉塞部124Bに吐
液口126を開口している。吐液口126は、容器後面
側の筒状部120内面に臨む上半部の左右両側に2個開
口せしめられている。
【0050】尚、中栓114に計量キャップ112を被
着したとき、計量キャップ112の下端雄ねじ部112
Bの下端外周環状凹部112Cが中栓114の筒部11
4Aの下端内周環状凸部114Dに液密に衝合し、且つ
計量キャップ112の棚状部121下面が中栓114の
上端フランジ面に液密に衝合せしめられ、容器本体11
1の内部空間に連通する中栓114の注液口118を外
部空間に対して二重に液密封止するものとしている。
【0051】これにより、容器本体111の開口部11
1Aに中栓114を封着し、中栓114に計量キャップ
112を被着した容器使用状態において、容器本体11
1を圧搾すると、容器本体111内液体は通液チューブ
113、中栓114の通液部117、計量キャップ11
2の通液部124を通って、通液部124の吐液口12
6から計量キャップ112の計量室112A内に吐出す
る。このとき、吐液口126は容器後面側の筒状部12
0内面に臨んでいるから、容器本体111を急激に圧搾
したとしても、吐液が上方に強く噴出して周囲に飛散す
ることなく、筒状部120の内面に当たって計量室11
2A内に貯留せしめられる。
【0052】また、計量キャップ112は、透明素材で
構成され、その筒状部120の外面に目盛リブ125を
備えている。目盛リブ125は計量キャップ112の中
心軸を鉛直にするとき、計量室112Aでの計量レベル
を視認可能とする。
【0053】このとき、計量目盛リブ125は、計量室
112Aから注出させたい液量(L)に、注出後に見込
まれる残存液量(計量室112Aへの壁面への付着液量
或いは注出口132からの液垂れ量)(△L)を加えた
液量(L+△L)の計量レベルに、注出させたい液量
(L)を表示するものとされている。
【0054】尚、容器本体111を圧搾して計量室11
2A内にその充満レベル(吐液口125の下縁レベル)
を越える液体を貯溜せしめた後、その圧搾を解除する
と、充満レベルを越えている過剰液体は吐液口126を
逆流して容器本体111内に返り、計量室112Aでの
貯溜レベルを自然に充満レベルに設定することができ
る。
【0055】また、計量キャップ112の筒状部120
上端部には液回収キャップ128が液密に嵌着されてい
る。
【0056】ここで、液回収キャップ128は、筒状部
120の上端部の内外面に嵌着される嵌着部128Aの
内側に、短筒状の液垂れ受口131を備え、更にこの液
垂れ受口131の内側に、U字壁状の注出口132を備
えている。
【0057】注出口132はU字壁中央部を容器前面側
に向けて開口している。
【0058】液垂れ受口131は注出口132の外周下
位に設定され、注出口132からの液垂れを受ける。そ
して、液回収キャップ128は、液垂れ受口131の下
端環状部と注出口132の下端U字状部との間に、容器
後面側へ向けて下り勾配をなす傾斜状液回収路133を
設け、液回収路133の最下位置に回収口134を開口
している(図7)。これにより、注出口132からの液
垂れは、液垂れ受口131、液回収路133を介して回
収口134から計量室112Aへと戻される。回収口1
34は注出口132に連通している。
【0059】尚、液回収キャップ128は、嵌着部12
8Aの容器後面側の上縁部に一体成形ヒンジ135を介
してカバー136を開閉可能に連結している。カバー1
36は、その前縁部に設けてある舌片状操作部137を
嵌着部128A回りに係脱可能とし、その天井内面にシ
ール部138を突設している。カバー136の舌片状操
作部137がキャップ128の嵌着部128A回りに係
着された閉鎖時に、シール部138は計量キャップ11
2の通液部124の上端閉塞部124B外周部に液密的
に嵌合して吐液口126を封止する。
【0060】以下、液体計量注出容器110の使用方法
について説明する。
【0061】(1) 液注出時には、カバー136を液回収
キャップ128から開く。そして、容器本体111を圧
搾すると、容器本体111内液体は通液チューブ11
3、中栓114の通液部117、キャップ112の通液
部124を通って、通液部124の吐液口126からキ
ャップ112の計量室112A内に吐出される。計量室
112Aにて液体を充満させる場合には、容器本体11
1の圧搾によって計量室112A内にその充満レベルを
越える液体を貯溜せしめた後、その圧搾を解除し、充満
レベルを越えた過剰液体を吐液口126から容器本体1
11内に戻す。他方、計量室112Aでの計量レベルを
中間レベルとする場合には、容器本体111の圧搾程度
の調整により、所望の計量レベルを得る。このようにし
て計量室112Aに計量された液体は、液回収キャップ
128の注出部132から注出される。その後カバー1
36を液回収キャップ128に封着する。
【0062】尚、上記の液注出時における注出容器11
0の姿勢は、容器本体111をテーブル面等の上に載置
して鉛直配置しても良く、或いは使用者にて容器本体1
11を保持し計量キャップ112を略鉛直保持する等で
あっても良い。
【0063】(2) 液注出時に注出口132から垂れた液
体は、液垂れ受口131により受けられた後、液回収路
133を介して回収口134から計量室112Aへと回
収される。
【0064】(3) 液詰め替え時には、計量キャップ11
2を中栓114から取外す。そして、中栓114の注液
口118を用いて、詰め替え液体を容器本体111に充
填する。
【0065】従って、本実施例によれば、下記〜の
作用がある。
【0066】通液チューブ113を中栓114に接合
し、計量キャップ112を中栓114に被着しており、
通液チューブ113は計量キャップ112に直接的には
接合されない。
【0067】このため、容器本体111内液体の詰め替
えに際し、通液チューブ113は中栓114とともに容
器本体111側に残したまま、計量キャップ112のみ
を容器本体111から取外しできる。従って、計量キャ
ップ112を容易に取外しできる他、液体が付着してい
る通液チューブ113を容器110外に持ち出して周辺
汚損する如くがない。即ち、詰め替え作業性が良い。
【0068】計量キャップ112、中栓114、及び
通液チューブ113は容器本体111の中心軸に対して
傾き配置される。このため、計量キャップ112内の液
体を完全に注出するに必要な容器110の傾き角が90度
未満で足りるものとなる。また、通液チューブ113の
容器本体111内吸込口が容器本体の断面外側寄りに位
置するから、計量キャップ112からの注出時、通液チ
ューブ113の吸込口を容器本体111内気相側に位置
し易くなり、容器本体111内液体が通液チューブ11
3から余剰液体(計量外液体)となって注出するのを回
避できる。即ち、注出作業性が良い。
【0069】注出させたい液量の計量表示(計量目盛
リブ125)を、注出後に見込まれる残存液量を加えた
液量の計量レベルに付した。従って、計量表示に従って
計量された液体のうち、予め見込まれている残存液量分
は、計量室112Aの壁面への液付着、或いは注出口1
32からの液垂れによって外部へと注出されることがな
い。そして、計量表示に従って計量された液体のうち、
上記残存液量分を除いた計量表示値そのものである液
量、即ち本当に注出させたい液量分だけが外部へと取出
されるものとなる。
【0070】注出口132の周辺に傾斜状液回収路1
33を設けた。従って、注出口132から垂れた液体を
確実に回収することができ、結果として、液量の無駄を
生ずることがなく、且つ注出口132の外周を清浄に維
持可能とすることができる。
【0071】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、液体計量
注出容器において、本当に必要とされる液量を外部へ取
出し可能とすることができる。また、本考案によれば、
液体計量注出容器において、液量の無駄を生ずることな
く、かつ注出部の外周を清浄に維持可能とすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1実施例を示す模式図である。
【図2】図2は図1の要部を示す模式図である。
【図3】図3は計量値調整方法を示す模式図である。
【図4】図4は計量状態を示す模式図である。
【図5】図5は第2実施例を示す模式図である。
【図6】図6は図5の要部を示す模式図である。
【図7】図7は図6の各部分解状態を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
10 液体計量注出容器 11 容器本体 11A 開口部 12 計量キャップ(計量体) 12A 計量室 13 通液チューブ 25 計量目盛リブ(計量表示) 32 注出口(注出部) 33 液回収路

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧搾可能な容器本体の開口部に計量体を
    連設し、容器本体の内部に挿入される通液チューブを上
    記計量体の計量室に連通可能とするとともに、上記計量
    体の計量室にて計量された液体を注出可能とする注出部
    を備えてなる液体計量注出容器において、前記計量体
    は、注出させたい液量に、注出後に見込まれる残存液量
    を加えた液量の計量レベルに、注出させたい液量の計量
    表示を付してなることを特徴とする液体計量注出容器。
  2. 【請求項2】 前記注出部の周辺に、該注出部から垂れ
    た液体を計量室へ戻す傾斜状液回収路を設けてなる請求
    項1記載の液体計量注出容器。
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