JPH04119666U - ロツカーカバーガスケツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ シリンダヘッドと加工穴を密封するロッカー
カバーガスケットに対して過大変形部に変形吸収構造を
設けることにより均一な面圧を得、密封力と耐久性能を
向上せしめる。 ［構成］ ロッカーカバーガスケット（４）に設けた凸
出シール部（３）から繋がる平面部に陥没部（５）を形
成すると共に、凸出シール部（３）の側面にビード条
（６）を設けたことを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車等の内燃機関にシール材として用いられる弾性体からなった ガスケットに関し、詳しくはシリンダヘッドとロッカーカバー間に装着されそれ らの部材を密封するロッカーカバーガスケットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、エンジンのシリンダヘッドではカム取付部の機械加工の際、切削の容易 性からその外側フランジの一部を貫通せしめて切削加工しているため、ロッカー カバー組付時にはこの加工穴を何らかの手段をもって封鎖する手段を講じなけれ ばならない。 以下、図面を参照しつつ詳述する。

【０００３】 この加工穴（２）を封鎖するためには、該加工穴（２）と同形状の半円形詰め 物を挿着して対処するが、具体的には、所望の厚みと弾性を有する半円形パッキ ングをガスケットと共に用いる構造から、図４で示すような、実開昭５６−１０ ５４２号の如くのロッカーカバー（７）の密封をなすロッカーカバーガスケット （４）と半円形パッキングとを一体化せしめ凸出シール部（３）を造形したもの まで多岐にわたっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記の凸出シール部（３）を一体的に形成したロッカーカバー ガスケット（４）にあっては、部品点数を減少させ装着性を向上せしめる利点を 有するが、一体が故に圧縮変形量が一様でなく接触面がシリンダヘッド（１）の 全面に正確に沿わず、なじみ性が複数部品密封体に対して著しく劣っている。

【０００５】 すなわち、図４に示すように前記ロッカーカバーガスケット（４）をシリンダ ヘッド（１）とロッカーカバー（７）間に装着し、これに締付具をもって圧縮を 加えると、該ロッカーカバーガスケット（４）の凸出シール部（３）と近接する 部分が変形許容質量の多い該凸出シール部（３）に流れ込む作用を見せ、従って 該凸出シール部（３）の両肩部（３１）はこの流れ込みによって内方に引っ張ら れその部分の接触面圧を極端に弱める。こうなると該両肩部（３１）の密封力は 無いに等しく振動とか材質劣化などによって簡単にその密封性能を放棄する。

【０００６】 本考案はこれらの欠点を除去し、装着なじみ性及び密封性を大きく向上させ長 期間繰り返しての使用にも耐えうるロッカーカバーガスケットを提供することを 目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、図１に示すように、自動車等エンジンにおけるシリンダヘッド（１ ）の周縁に沿う環形状を持ち、前記シリンダヘッド（１）に形成された加工穴（ ２）に対応する箇所に被加工穴（２）とほぼ同一形状をなす半円形の凸出シール 部（３）を一体に設けた合成ゴム等の弾性体からなるロッカーカバーガスケット （４）であって、前記ロッカーカバーガスケット（４）における平面部の前記凸 出シール部（３）の端部近傍に陥没部（５）を形成すると共に、凸出シール部（ ３）のシール面に前記陥没部（５）の底面まで延びるビード条（６）を設けたこ とを特徴としている。

【０００８】

【作用】

本考案のロッカーカバーガスケット（４）は、上記のように一体に設けた凸出 シール部（３）の両端部から陥没部（５）をその平面部に設けており、これを図 ３に示すようにロッカーカバー（７）とシリンダヘッド（１）間に装着して圧縮 を加えると、圧縮変形する前記ロッカーカバーガスケット（４）の平面部は凸出 シール部（３）の肩部（３１）に向かって流れ変形しようとするが、陥没してそ の質量を減じられた前記陥没部（５）によってその殆どが吸収され横流れを防い で形状変形を阻止する作用をなす。

【０００９】 この作用を助けるのが前記凸出シール部（３）の両肩面に設けたビード条（６ ）であって、微量でも前記流れ移動によって該肩部（３１）の圧縮面圧が低下し たとしても、該ビード条（６）が前記陥没部（５）の底部から繋がって該肩部（ ３１）を面圧低下から防ぐ。

【００１０】

【実施例】

本考案を実施するに、ここで設けた陥没部（５）及びビード条（６）の形状設 定は、双方が作用し合う密接な関係にあるので極めて重要であり、該陥没部（５ ）の深さとか巾あるいは広さ、及びビード条（６）の長さとか高さあるいは本数 などをそれぞれ調節して形状決定しなければならない。もちろん、この形状設定 には弾性体からなるロッカーカバーガスケット（４）の硬度と巾及び厚みが基礎 的要素となることは言うまでもない。

【００１１】

【考案の効果】

上記のような構造によって、以下に示す優れた作用が得られる。 本考案の陥没部（５）及びビード条（６）によってロッカーカバーガスケット （４）の平面部と凸出シール部（３）は勿論、面圧の最も得難いその繋がり角部 に最適面圧を得さしめ弱部分の無い強い密封性能を発揮するガスケットとなった 。また、前記作用によって過大な変形流れ移動を防止することは切れとか破断を 未然に防ぎその材質の耐久性を飛躍的に向上させるものである。

【００１２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のロッカーカバーガスケットの一実施例
を示した下面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ′断面図である。

【図３】本考案のロッカーカバーガスケットが装着され
た状態の拡大側面図である。

【図４】本考案を使用しない従来の構造を示した側面図
である。

【００１３】

【符号の説明】

１ シリンダヘッド ２ 加工穴 ３ 凸出シール部 ３１ 肩部 ４ ロッカーカバーガスケット ５ 陥没部 ６ビード条 ７ ロッカーカバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダヘッド（１）の周縁に沿う環形
   状を持ち、前記シリンダヘッド（１）に形成された加工
   穴（２）に対応する箇所に被加工穴（２）とほぼ同一形
   状をなす半円形の凸出シール部（３）を一体に設けた弾
   性体からなるロッカーカバーガスケット（４）におい
   て；前記ロッカーカバーガスケット（４）における平面
   部の凸出シール部（３）の端部近傍に陥没部（５）を形
   成し、凸出シール部（３）のシール面に前記陥没部
   （５）の底面まで延びるビード条（６）を設けたことを
   特徴とするロッカーカバーガスケット。