JPH0117641Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関等のシリンダヘツドに使用す
るセミサーキユラ・パツキングに関する。

従来、内燃機関等のシリンダヘツドではカム取
付け部の機械加工の際、外側環を通して加工しな
ければならないため、組付け時にはこの外側環の
加工穴を封鎖しなければならない。この加工穴を
封鎖するためには、半円形のパツキングを使用し
ている。この形状は第１図のごとく所望の厚みを
もつた弾性を有するパツキング１で、シリンダヘ
ツドの加工穴に該半円形のパツキング１を嵌着し
この上にロツカーカバーガスケツトをロツカーカ
バーに装着したものを装着固定する。

この折パツキング１の両角部はシリンダヘツド
の加工穴の肩部と同位置になるが、上部よりの圧
力によりパツキング１の中央部が下方におされて
両角部は中心部へ引張られ肩部に空隙が生じ、オ
イル洩れしてしまう。さらに繰返し使用する場合
あるいは長期間連続使用する場合、パツキング上
部のゴムのヘタリ現象が強く現われ、シール性が
不完全になつてしまう。

これを防ぐため、パツキング１内に金属製の芯
金２を内含せしめる構造が開発され、該芯金２は
第２図のような半円形の板状の２ａ、または第３
図のような帯板を半円形に折曲げた形の芯金２ｂ
等が考えられた。しかしこれらのパツキング１を
シリンダヘツド７の加工穴に装着した場合、半円
形の芯金２ａを内含するパツキング１では、タテ
方向の締め圧に対して十分であつてもその両肩部
の形状維持力に乏しくどうしても過大な変形を許
してしまい部分的に面圧を不足させるから満足で
きるシール性が得られず、また、帯板からなる半
円形の芯金２ｂでは第４図のように、該パツキン
グ１の両肩部６の剛性が高すぎるため締圧が加わ
ると変形をあまり起こさず、該肩部は半円形のシ
リンダヘツド７のフランジ面に沿つて押上げられ
上部にはみ出しガスケツト間に空隙を生じ易いな
どシール性を悪化させる大きな欠点があつた。

本考案はこれらの欠点を除去し、シール性能を
向上させるものである。

本考案を図面に基づいて説明すると、第５図の
ごとく、弾性を有するゴムまたは合成樹脂等の材
料からなるセミサーキユラ・パツキング１の芯金
であつて、該パツキング１はシリンダヘツドに開
けられた総体的に半円形の加工穴の被密封個所と
ほぼ同一の外形を有し、該被密封個所を密封する
パツキングであつて、このパツキング１の外形よ
り小なる金属製の芯金を内含するものであるが、
該芯金は第５図のごとく、該パツキング１の上面
平坦部に平行に平板状芯金３と、中央部にほぼ垂
直に補強用芯金４ａを設け、さらにこれと一体に
該補強用芯金４ａの下端部より両側に、該パツキ
ング１の円弧部分に沿つて半円形の芯金５ａとを
内含すると共に、平板状芯金３と半円形の芯金５
ａの両端部が接していない様に、パツキング１に
内含して設ける。

また該芯金は第６図のごとく、平板状芯金３を
有し、かつ補強用芯金がその中央部でコの字ある
いはＵの字形を有し、その先端部より両外側へ連
続的に円弧状の芯金５ｂを設けた形状的に中央は
切れているがほぼ半円形を形成する略弓形状のも
のでもよい。

本考案のパツキング１は前述の形状の芯金を内
含するものであるから、従来のものではパツキン
グをシリンダヘツドに嵌着時、弾性材料（ゴムま
たは合成樹脂等）はフランジ面に沿つて押上げら
れ、肩部においてつき上げが起き、シール不良を
起していたが、パツキング１の肩部の芯金はお互
いに離れて設けられているため自由であつて、肩
部の弾性材料は、第７図のごとく、フランジに嵌
着せしめた時上部より圧力を受けた時、Ｂ方向に
変形しようとする力が働き、上部へ材料を押上げ
ることなくシール性を向上させる。さらに全体に
過荷重がかかるとＡ方向に芯金が変形して過荷重
を避け、シール性能を劣化する心配は全くない。
なお補強用芯金４ａは平板状芯金３と当接してい
るからタテ方向への力を受け止めるに十分で、さ
らにこれに続く半円形の芯金５ａへ力を分散し
て、シリンダー７の半円形部分へ弾性材料を押つ
ける作用をなし、しつかりとシールがなされる効
果を有する。さらに圧力を取り除くと芯金は元に
もどるので、パツキングは元の形状になり、ヘタ
リは生じないので繰返しの使用にもすぐれたシー
ル効果を発揮する。また、平板状芯金３は横方向
へのパツキングの上部の変形を防ぐ働きをする。

なお、第６図の様な形状の芯金であれば、補強
用芯金４ｂはバネの様な働きをなし、上部からの
圧力をそのまま円弧状の芯金５ｂへ圧力として伝
え、弾性材料のフランジ７への密着力をさらに増
強すると共に、余分の圧力を吸収する働きも有す
るので大変効果的である。なお、平板状芯金３と
補強用芯金４ａ，４ｂはお互に接している方が望
ましい。

この様に本考案のパツキングは芯金が肩部で離
れている構造のため、圧力を分散して効果的なシ
ール効果を発揮する理想的パツキングである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のパツキングの斜視図である。第
２図および第３図は従来の芯金の斜視図である。
第４図は従来のパツキングをフランジに嵌着した
状態の断面図である。第５図は本考案のパツキン
グの芯金の斜視図である。第６図は本考案の芯金
の実施態様の斜視図である。第７図は本考案のパ
ツキングをフランジに嵌着した状態の断面図であ
る。 １……パツキング、３……平板状芯金、４ａ，
４ｂ……補強用芯金、５ａ……半円形の芯金、５
ｂ……円弧状の芯金。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 弾性を有するゴムまたは合成樹脂等の材料か
   ら成るパツキングであつて、内燃機関等のシリ
   ンダヘツド側壁上端に設けられた半円形の加工
   穴の被密封個所とほぼ同一の外形と一定の厚み
   を有したパツキングにおいて、該パツキングに
   内含される芯金が、該パツキングの上面平坦部
   に平行となる平板状の芯金を備え、該平板状芯
   金の下中央部に当接しここからほぼ垂直に垂下
   する補強芯金を設けると共に、該補強用芯金の
   下端部より両側に該パツキングの円弧部分に沿
   う半円形の芯金を一体に設けてなり、前記平板
   状の芯金と半円形の芯金の両端部は接していな
   いことを特徴としたパツキング。 (2) 補強用芯金が下向きコの字形を有し、その下
   端部より両外側へ連続的に円弧状の芯金へ連な
   らせ略弓形状をなさしめたことを特徴とした実
   用新案登録請求の範囲第１項記載のパツキン
   グ。