JPH0411816Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、孔版印刷機の版胴に装着されている
使用済の孔版原紙を、前記版胴から剥離し、排出
する排版装置に関するものである。

(ロ) 従来の技術 使用済の孔版原紙を版胴から剥離し、排出する
装置は例えば実開昭60−102956号公報に記載され
ている。

この公報に記載されている排版装置は、孔版印
刷機の版胴の外周面の近傍に、版胴の回転軸と平
行な軸によつて揺動自在に取り付けられ、弾性部
材によつて先端部が版胴に接近する方向に付勢さ
れているアームと、このアームの前記軸に回転自
在に取り付けられた第１ローラと、アームの先端
部に、第１ローラと互いに圧接された状態で回転
自在に取り付けられており、アームが弾性部材の
付勢によつて回動されることによつて、版胴に圧
接されるようになつている第２ローラと、この第
２ローラに接続され、第２ローラを版胴に粘着さ
れた原紙を排版する際の版胴の回転方向と逆方向
に回転するようになつている駆動装置と、アーム
を第２ローラが弾性部材の付勢力に抗して版胴か
ら離間した状態で、保持することのできる保持部
材とを有してすることを特徴とするものである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前述のように従来の技術では、第１ローラと第
２ローラは同一のアームに装着されており、両ロ
ーラは常時圧接されているので、第２ローラにて
剥離された孔版原紙は両ローラに誘導され難かつ
た。

また、両ローラ間で孔版原紙が詰つた場合に、
大変取除き難いという問題点も有していた。

本考案は、斯る従来の問題点に鑑みてなされた
もので、原紙剥離ローラが版胴に圧接されている
場合に、原紙搬送ローラとの間に空間が形成され
ることによつて、前記問題点を解決せんとするも
のである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、版胴に巻着されている孔版原紙を、
前記版胴に接離し得る原紙剥離ローラにて、剥離
し搬送する孔版印刷機の排版装置において、前記
版胴から離間した位置に、原紙剥離ローラによつ
て剥離された孔版原紙を、この原紙剥離ローラと
協動して搬送するための原紙搬送ローラが回転自
在に備えられており、前記原紙剥離ローラは版胴
と原紙搬送ローラとの間を揺動し得る揺動アーム
の自由端部近傍に設けられ、前記原紙剥離ローラ
が版胴に接触している際に、この原紙剥離ローラ
と前記原紙搬送ローラとの間に空間が形成されて
いることを特徴とする孔版印刷機の排版装置であ
る。

(ホ) 作用 本考案では、原紙剥離ローラが、版胴に巻着さ
れている孔版原紙に圧接された状態で回転し、当
該孔版原紙が版胴から剥離され、剥離された孔版
原紙が、この原紙剥離ローラによつてたくし上げ
られ、両ローラ間の空間に誘導される。

斯様にして、孔版原紙の下流側端縁部が前記空
間に誘導された状態で、前記揺動アームが動作
し、原紙剥離ローラは回転しつつ前記原紙搬送ロ
ーラに圧接される。

そうすると前記孔版原紙は、両ローラによつて
挟持されつつ順次剥離され、搬送、排出される。

(ヘ) 実施例 図面はいずれも本考案の要部を示す側面図であ
る。

これらの図において、１は孔版原紙２が印刷イ
ンキの粘着力によつて巻着されている版胴であつ
て、時計方向に回転するものである。３は、本体
（図示せず）に固設されている支持軸４に揺動自
在に装着されている揺動アームであつて、その自
由端部近傍に、原紙剥離ローラ５が回転自在に装
着されている。

前記原紙剥離ローラ５には、図示せぬ回転伝達
手段を介してモータが接続され、原紙剥離ローラ
５の揺動位置の如何に拘らず、この原紙剥離ロー
ラ５に、排版指令に応答して回転力を付与し得る
ように構成されている。なお、原紙剥離ローラ５
は、ゴム、スポンジ等の、孔版原紙２に対して、
見かけ上の摩擦係数が高い材料にて形成され、そ
の周側に多数の突起６……又は突条が形設されて
いる。

前記揺動アーム３には、原紙剥離ローラ５を版
胴１から離間させる方向に付勢するためのばね７
が本体との間に張架されており、また、前記原紙
剥離ローラ５を版胴１に圧接させる方向に駆動す
るためのソレノイド８が接続されている。９は揺
動アーム３のストツパである。

また、前記揺動アーム３の上方で、版胴１から
離間した位置に、原紙搬送ローラ１０が回転自在
に装着されている。

而して、印刷中には、第２図に示すようにソレ
ノイド８が不動作状態にあつて、揺動アーム３は
ばね７にて時計方向に偏倚され、原紙剥離ローラ
５は版胴１から離間している。

そして、使用済の孔版原紙２を取除く際には、
先ず、版胴１が所定の位置（原紙剥離ローラ５が
孔版原紙２の下流側端部近傍に圧接される位置）
に到来することによつて信号が出力され、斯る信
号によつて前記ソレノイド８への給電が開始され
る。そうすると、原紙剥離ローラ５は、前記ソレ
ノイド８によつて、版胴１に巻着されている孔版
原紙２の下流側端部近傍（当該部位には印刷イン
キは付着されていない。）に、圧接される。

原紙剥離ローラ５が、孔版原紙２に圧接された
状態で、時計方向に回転すると、この孔版原紙２
は手繰られ、端部から剥離されて、原紙剥離ロー
ラ５と原紙搬送ローラ１０との間の空間にまで搬
送される（第１図参照）。

剥離された孔版原紙２が両ローラ５，１０間の
空間に誘導された状態で、ソレノイド８への通電
が遮断されると、前記ばね７によつて両ローラ
５，１０は孔版原紙２を挟持する（第２図参照）。

斯る状態で、原紙搬送ローラ１０が更に回転を
続けると、版胴１に巻着されている孔版原紙２は
順次剥離されて、外方へ搬送、排出される。

なお、このとき版胴１も原紙剥離ローラ５の回
転と同期して緩速回転するものとする。

そして、版胴１から剥離された孔版原紙２が、
何等かの原因で両ローラ５，１０間にて詰つた場
合は、前記揺動アーム３を反時計方向に回転させ
ると、両ローラ５，１０が離間し、詰つた孔版原
紙２を容易に取除くことができる（第３図参照）。

(ト) 考案の効果 本考案では、原紙剥離ローラは揺動アームに装
着され、また、原紙搬送ローラは版胴から離間し
た位置に備えられているので、両ローラ間に大き
な空間が形成され得る。

従つて、孔版原紙を両ローラ間に容易に誘導す
ることができると共に、両ローラ間で孔版原紙が
詰つた場合には、簡単にこれを取除き得る。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案の一実施例を示し、第１
図は原紙剥離ローラが版胴に接触している状態を
示す側面図、第２図および第３図は原紙剥離ロー
ラが版胴から離間している状態を示す側面図であ
る。 １……版胴、２……孔版原紙、３……揺動アー
ム、４……支持軸、５……原紙剥離ローラ、６…
…突起、７……ばね、８……ソレノイド、９……
ストツパ、１０……原紙搬送ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 版胴に巻着されている孔版原紙を、前記版胴に
   接離し得る原紙剥離ローラにて、剥離し搬送する
   孔版印刷機の排版装置において、 前記版胴から離間した位置に、原紙剥離ローラ
   によつて剥離された孔版原紙を、この原紙剥離ロ
   ーラと協動して搬送するための原紙搬送ローラが
   回転自在に備えられており、前記原紙剥離ローラ
   は版胴と原紙搬送ローラとの間を揺動し得る揺動
   アームの自由端部近傍に設けられ、前記原紙剥離
   ローラが版胴に接触している際に、この原紙剥離
   ローラと前記原紙搬送ローラとの間に空間が形成
   されていることを特徴とする孔版印刷機の排版装
   置。