JPH04116086U - 管継手のシール構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 雌継手と雄継手から成る管継手に関して、従
来のシール構造と同様のシール性を有し、且つ、Ｏリン
グの交換が容易な管継手のシール構造を提供すること。 【構成】 管継手のシール構造に関して、雄部材の挿入
部よりも僅かに大きな小径孔、及び雄部材の挿入部より
も大きく且つ雄部材の接続側に開放する大径孔を有する
雌部材の主体と、内径が雄部材の挿入部よりも僅かに大
きく且つ外径が大径孔の径と略一致する筒状のシール押
さえと、前記シール押さえの外周面及び内周面に形成し
た全周凹部に装着されたＯリングとから成り、前記シー
ル押さえを雌部材の大径孔に挿入し、シール押さえの外
周面側のＯリングによりシール押さえと雌部材の内壁相
互間を、シール押さえの内周面側のＯリングにより前記
シール押さえと雄部材の挿入部相互間を、それぞれシー
ルするようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この出願の考案は、雌部材と雄部材とから成りこれら相互の接続・分離が可能 な管継手のシール構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

雌部材と雄部材とから成る管継手のシール構造としては、例えば、図８のよう なものがあり、このものは同図に示すように、雌部材Ａの挿入孔９０を雄部材Ｂ の挿入部の直径よりも僅かに大きく設定すると共に前記挿入孔９０の構成壁に二 本の周溝９１を形成し、前記周溝９１にそれぞれ所定のＯリング９２を装着させ ている。

【０００３】 しかしながら、上記シール構造では、雌部材Ａの挿入孔９０の奥深い部分に設 けた周溝９１にＯリング９２を装着していることから、Ｏリング９２の交換が非 常に困難であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、この出願の考案では、雌継手と雄継手から成る管継手に関して、従来 のシール構造と同様のシール性を有し、且つ、Ｏリングの交換が容易な管継手の シール構造を提供することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この出願の請求項１記載の考案では、雄部材の挿入部よりも僅かに大きな小径 孔、及び雄部材の挿入部よりも大きく且つ雄部材の接続側に開放する大径孔を有 する雌部材の主体と、内径が雄部材の挿入部よりも僅かに大きく且つ外径が大径 孔の径と略一致する筒状のシール押さえと、前記シール押さえの外周面及び内周 面に形成した全周凹部に装着されたＯリングとから成り、前記シール押さえを雌 部材の大径孔に挿入し、シール押さえの外周面側のＯリングによりシール押さえ と雌部材の内壁相互間を、シール押さえの内周面側のＯリングにより前記シール 押さえと雄部材の挿入部相互間を、それぞれシールするようにしている。

【０００６】 又、請求項２記載の考案では、雄部材の挿入部よりも僅かに大きな小径孔、及 び雄部材の挿入部よりも大きく且つ雄部材の接続側に開放する大径孔を有する雌 部材の主体と、内径が雄部材の挿入部よりも僅かに大きく且つ外径が大径孔の径 と略一致する筒状のシール押さえと、前記シール押さえの挿入端面及び内周面に 形成した全周凹部に装着されたＯリングとから成り、前記シール押さえを雌部材 の大径孔に挿入し、シール押さえの挿入端面側のＯリングによりシール押さえと 雌部材の内壁相互間を、シール押さえの内周面側のＯリングにより前記シール押 さえと雄部材の挿入部相互間を、それぞれシールするようにしている。

【０００７】

【作用】

この出願の考案は次の作用を有する。 この考案のシール構造を採用した場合、Ｏリングの交換は以下のようにして行 われる。 ．シール押さえを雌部材から引き抜くと、Ｏリングはシール押さえに付着し た状態で確実に抜き出される。

【０００８】 ．前記Ｏリングをシール押さえの内外面（請求項２の発明の場合は内面と挿 入端面となる）の全周凹部から外し、前記全周凹部に新しいＯリングを装着する 。 ．そして、新しいＯリングを装着したシール押さえを、再び大径孔に挿入す る。このシール押さえが大径孔に挿入された状態では、Ｏリングの交換前と同様 に、シール押さえの外周面側（請求項２の発明の場合には挿入端面側となる）の Ｏリングによりシール押さえと雌部材の内壁相互間が、シール押さえの内周面側 のＯリングにより前記シール押さえと雄部材の挿入相互間が、それぞれシールさ れることとなる。

【０００９】

【実施例】

以下、この出願の考案の構成を実施例として示した図面に従って説明する。 この実施例の管継手は、図１に示すように、雄部材Ｂを雌部材Ａに挿入接続す る形式のものであり、雄部材Ｂと雌部材Ａ相互間の流体密性をこの出願の考案の シール構造により確保させている。又、この管継手では、図１〜図３に示すよう に、雌部材Ａに、配管Ｐにより構成させた雄部材Ｂを直接挿入接続する形式とし てあり、このため、前記配管Ｐの外周面に先端から一定距離の位置に外方突出片 ４１を形成している。

【００１０】 上記した雌部材Ａは、弾性合成樹脂により構成してあり、図４に示すように、 一端に配管接続部１０を有する主体１と、前記主体１の雄部材Ｂとの接続端側に 設けられた環状体２と、前記環状体２と主体１とを１８０°間隔で接続する一対 の接続片３と、前記環状体２に回転可能に外挿せしめられた環状操作体５と、シ ール押さえ６とから構成されている。

【００１１】 上記した主体１は、図１及び図２に示すように、パイプＰの直径よりも僅かに 大きな小径孔１８と、接続端側に開放する大径孔１９とを有する筒状に形成され ている。 環状体２は、図２及び図４に示すように、薄板を円形状にしたもので、上記し た接続片３近傍部分に、端部に向かって拡径すべく傾斜した乗り上げ面２１と接 続片側に位置する係止面２２とを有する一定幅の抜止爪２０を具備させてあり、 又、前記抜止爪２０，２０相互間の中程にそれぞれ突出部２９を形成してある。

【００１２】 接続片３は、図４に示すように、細板状のもので、環状体２近傍の外面部分に 突起３０を設けると共に主体１近傍の内面部分に溝３１を設けてある。 環状操作体５は、図２及び図４に示すように、環状体２の突出部２９，２９相 互間距離よりも少し大きな大径孔５０と、環状体２の直径よりも大きく且つ突出 部２９，２９の先端部相互間距離よりも小さな小径孔５１とを有する円形状のも のであり、前記大径孔５０の内周面に１８０°間隔でカム面５３を具備させてあ ると共に前記カム面５３，５３相互間距離を環状体２の直径と略一致させてある 。尚、この環状操作体５は、上記した環状体２よりも剛性を大きくしてあるが、 その方法としては板厚を大きくする剛性の大きい部材を使用する、がある。

【００１３】 シール押さえ６は、図１及び図４に示すように、その内径を上記したパイプＰ の外径よりも少し大きく設定すると共にその外径を上記した主体１の大径孔１９ よりも僅かに小さく設定した筒状のものであり、一端側外周面に鍔部６０を具備 させてある。又、前記シール押さえ６の外周面には周溝６１（手段の欄の全周凹 部と対応する）を形成してあると共に前記周溝６１内にはＯリング７８を装着し てあり、又、シール押さえ６の内周面には周溝６２（手段の欄の全周凹部と対応 する）を形成してあると共に前記周溝６２にＯリング７９を装着してある。そし て、このシール押さえ６を雌部材Ａの大径孔１９内に挿入装着した状態において 、上記したＯリング７８によりシール押さえ６と雌部材の大径孔１９構成壁相互 間を、Ｏリング７９により前記シール押さえ６と雄部材の挿入相互間を、それぞ れシールするようにしてある。

【００１４】 尚、前記シール押さえ６は、これの鍔部６０を上記した接続片３の溝３１に嵌 入することにより、主体１から不用意に離脱しないようにしてあるが、必要に応 じて、接続片３，３相互をこれの弾性力に抗して広げれば、作用の欄に記載した ように容易にＯリング７８，７９の交換ができる。 そして、上記した環状操作体５の環状体２への取付け状態において、環状操作 体５は接続片３の突起３０と環状体２の突出部２９により挟まれた状態となるよ うにしてあり、これにより、環状操作体５は環状体２に対して回転のみが可能と なるようにしてある。

【００１５】 この実施例の管継手は上記のように構成してあるから、従来の技術の欄に記載 したものと同様に、パイプＰを雌部材Ａに強制挿入するだけで接続できる。 又、前記接続状態において環状操作体５を回転させると、環状操作体５の回転 途中において、環状操作体５のカム面５３は環状体２における突出部２９部分を 内方に押込んで抜止爪２０，２０相互を離反せしめるととなる。そして、前記環 状操作体５の回転に伴い、図５にしめすように、抜止爪２０，２０相互間距離が パイプＰの外方突出片４１の直径よりも大きくなり、この状態でパイプＰを引張 ると、パイプＰと雌部材Ｂとは容易に分離できることとなる。

【００１６】 他方、上記実施例に関して、図６に示すように、シール押さえ６の挿入端面に 周溝６３を、内周面に周溝６２をそれぞれ形成し、これら周溝６２，６３にＯリ ングを装着する構成を採用してもよく、又、図７に示すように、シール押さえ６ の挿入端面に開放する全周凹部６４を、外周面に周溝６１をそれぞれ形成し、こ れら周溝６１，６４にＯリングを装着する構成を採用してもよい。

【００１７】 尚、上記実施例では、シール押さえ６は、これの鍔部６０を上記した接続片３ の溝３１に嵌入するようにして、雌部材Ａの主体１から不用意に離脱しないよう にしているが、これに限定されることなく、接続片３側に突部を設け、シール押 さえ６側に溝部を設け、前記突部と溝部との係合により上記した離脱を防止する ようにしてもよい。

【００１８】 そして、この実施例のものでは、パイプＰを直接雌部材Ｂに挿入接続するもの としたが、これに限定されることなく、パイプＰを従来の技術の欄に記載したよ うな通常の雄部材Ｂとしてもよい。

【００１９】

【考案の効果】

この出願の考案は、上述の如くの構成を有するものであるから、次の効果を有 する。 この考案の管継手のシール構造では、作用の欄に記載した如く、従来の管継手 のものと同様にシール性が確保でき、更に、従来の管継手において困難であった Ｏリングの抜取り及び装着が容易となる。

【００２０】 即ち、従来のシール構造と同様のシール性を有し、且つ、Ｏリングの交換が容 易な管継手のシール構造を提供することができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】この実施例の管継手の接続状態における半断面
図。

【図２】前記管継手の側面図。

【図３】前記管継手における図１の断面と直角方向の面
の半断面図。

【図４】前記管継手の分解斜視図。

【図５】前記管継手における環状操作体を操作したとき
の図。

【図６】前記管継手に使用される他の構成のシール押さ
えの説明図。

【図７】前記管継手に使用される他の構成のシール押さ
えの説明図。

【図８】従来の管継手のシール構造

【符号の説明】

Ａ 雌部材 Ｂ 雄部材 １ 主体 ３ 接続片 ６ シール押さえ ３１ 溝

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 雄部材の挿入部よりも僅かに大きな小径
   孔、及び雄部材の挿入部よりも大きく且つ雄部材の接続
   側に開放する大径孔を有する雌部材の主体と、内径が雄
   部材の挿入部よりも僅かに大きく且つ外径が大径孔の径
   と略一致する筒状のシール押さえと、前記シール押さえ
   の外周面及び内周面に形成した全周凹部に装着されたＯ
   リングとから成り、前記シール押さえを雌部材の大径孔
   に挿入し、シール押さえの外周面側のＯリングによりシ
   ール押さえと雌部材の内壁相互間を、シール押さえの内
   周面側のＯリングにより前記シール押さえと雄部材の挿
   入部相互間を、それぞれシールするようにしたことを特
   徴とする管継手のシール構造。
2. 【請求項２】 雄部材の挿入部よりも僅かに大きな小径
   孔、及び雄部材の挿入部よりも大きく且つ雄部材の接続
   側に開放する大径孔を有する雌部材の主体と、内径が雄
   部材の挿入部よりも僅かに大きく且つ外径が大径孔の径
   と略一致する筒状のシール押さえと、前記シール押さえ
   の挿入端面及び内周面に形成した全周凹部に装着された
   Ｏリングとから成り、前記シール押さえを雌部材の大径
   孔に挿入し、シール押さえの挿入端面側のＯリングによ
   りシール押さえと雌部材の内壁相互間を、シール押さえ
   の内周面側のＯリングにより前記シール押さえと雄部材
   の挿入部相互間を、それぞれシールするようにしたこと
   を特徴とする管継手のシール構造。
3. 【請求項３】 雌部材の主体に雄部材との接続端側にの
   びる延長部を形成させ、前記延長部又はシール押さえの
   うち、一方に突片を設けると共に他方に溝を設け、前記
   溝と突片とを係止させるようにしたことを特徴とする請
   求項１又は２記載の管継手のシール構造。