JPH0411591Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は仏壇の厨子に取り付けられる開閉扉、
特に自動開閉機構により開閉される扉に対する鎖
錠装置に関する。

〔従来の技術〕

上記厨子の扉の開閉機構としては、例えば本考
案者が先に提案した実願昭59−111533号（実公昭
63−159号）に示す構造のものがある。この扉開
閉機構は左右対をなす円弧状の扉を共通の駆動モ
ータにより左右反対方向に回動される回動腕に連
繋し、駆動モータの回動によりそれぞれの扉を円
弧状の溝に沿つて移行し、開閉するようにしたも
のである。

〔考案が解決しようとする課題〕 上記扉は閉塞時において外力もしくは振動等に
際し、密閉保持することが困難で扉間に隙間を生
ずる欠点がある。このため仏壇、特に厨子を耐火
構造としても、地震火災等により転倒したとき、
そのシヨツクにより扉間に隙間を生じ、厨子に安
置する本尊等を焼損するおそれがある。

本考案はかかる点に鑑み、両扉の閉塞状態を確
実に保持する鎖錠装置を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案の開閉扉鎖錠
装置はそれぞれの回動腕に着脱可能に係合する係
合レバーと、ソレノイドにより進退する係止レバ
ーとを備え、係合レバーは回動腕に対し扉閉塞位
置において係合し、これを保持し、かつ係止レバ
ーに係合し、回動腕の復行を阻止すると共に、ソ
レノイドの作動により係止レバーは移行し係合レ
バーとの係合を解き、回動レバーの復行を許容す
るようにしたものである。

〔作用〕

扉の閉塞位置において回動腕は係合レバーを回
動し、かつこれに係合保持され、係合レバーは回
動により係止レバーと係合する。これにより回動
腕の復行即ち扉の開放方向への移行は阻止され
る。またマグネツトの作動により係止レバーを移
行し係合レバーとの係合を外す。これにより係合
レバーは移動可能となり回動腕を復行し、扉の開
放を可能とする。

〔実施例〕

図は本考案の実施例を示す。厨子１は第１図、
第８図及び第９図に示す如く天蓋２、基台及び側
壁４とにより前部を開口した筐体状としたもの
で、内部に裏板５及び対をなす左右の扉６，７と
により本尊安置室８を形成する。９は前部飾板で
ある。これらは周知の如く耐火断熱資材を以て構
成される。

扉６，７は断面円弧状とし、天蓋２に形成され
た円弧状の切欠孔１１，１２及び基台３に形成し
た円弧状の凹溝１２に嵌挿し、扉開閉機構２０に
連結される。

この扉開閉機構２０は対をなすプーリ２１，２
２間にベルト２３を交叉状に懸架し、一方のプー
リ２１の支軸２５には駆動モータ２４を連結し、
プーリ２１，２２を同期して反対方向に回動す
る。それぞれのプーリの支軸２５，２６には回動
腕２７，２８の一端を固着し、先端は前記扉６，
７に連結する。第３図において２９は回動腕２７
と扉６とを連結する連結杆であり、他方の回動腕
２８と扉７とは同様に連結杆により連結されてい
る。

３０は扉鎖錠装置であり、上記回動腕２７，２
８の上方に突設したピン３１，３２に係合する係
合レバー３３，３４と、この係合レバーの移動を
阻止する係止レバー３５及び係止レバー作動用ソ
レノイド３６を備える。係合レバー３３，３４は
それぞれレバー本体３３ａ，３４ａと係合片３３
ｂ，３４ｂとからなる。レバー本体３３ａ，３４
ａは先端を上記ピン３１，３２を嵌入する切込み
３７ａ，３７ｂを形成する二叉のフオーク状と
し、係合片３３ｂ，３４ｂは一端に係合用切欠部
３８ａ，３８ｂを形成する。これら係合レバー本
体３３ａ，３４ａ、係合片３３ｂ，３４ｂは共に
ソレノイド３６に取り付けられる上部支持片３９
と支承板４０間に挿入し、かつピン４１，４２に
より軸支され、それぞれ切込み３７ａ，３７ｂと
切欠部３８ａ，３８ｂとは反対側に位置し、後述
する要領により連結ビス４３，４４により締結さ
れる。

係止レバ３５はソレノイド３６を取り巻くよう
に平面略々コ字形とし、中央部をソレノイド３６
のロツド４５に連結されている。４６は両側辺に
形成した長孔であり、この係止レバー３５はソレ
ノイド３６と側板４７，４８との間に挿入され、
かつ側板を取り付けるビス４９を上記長孔４６に
貫通し、ソレノイド３６の作動により前後に移行
する。

この係止レバー３５の両側辺の下方には前記係
合片３３ｂ，３４ｂの切欠部３８ａ，３８ｂに対
向して係止突起５０，５１を突設する。

なおこの係止レバー３５の両側辺適所と係合片
３３ｂ，３４ｂ適所間にばね５２，５３を張設
し、係止レバー３５をソレノイドロツド４５の引
出し方向に、また係合レバー３３，３４の切込み
３７ａ，３７ｂを外方に回動する如く附勢する。

６０，６１はリミツトスイツチであり、一方の
リミツトスイツチ６０は回動腕２７，２８による
扉６，７を閉じた位置（以下閉塞位置という）に
移行したとき、これに伴い回動される一方の係合
レバー３４に、また、他方のリミツトスイツチ６
１は、係止レバー３５がソレノイド３６の作動に
より移行し、係止突起５０，５１が係止片３３
ｂ，３４ｂとの係合が外れた位置において当接す
るように設けられる。

上記構成において、第１０図に示す如く回動腕
２７，２８が扉鎖錠装置３０より外方に位置し扉
６，７が開扉状態にあるときは、後述する如く係
止レバー３５はソレノイド３６の作動により第１
０図において左方に移行し、係合片３３ｂ，３４
ｂとの係合が外れ、係合レバー３３，３４は、ば
ね５２，５３により回動し、その後ソレノイド３
６の開放により係止突起５０，５１は係合片３３
ｂ，３４ｂの外周に当接した状態にある。なおこ
の場合、各係合レバー３３，３４の切込み３７
ａ，３７ｂは天蓋２に形成した切欠孔１０，１１
に連通した状態に保持されている。

次に開閉機構２０を作動し両回動腕２７，２８
は閉扉方向に移行する。移行が進みピン３１，３
２が係合レバー３３，３４の切込み３７ａ，３７
ｂに当接し、回動腕の移行に伴つて係合レバー３
３，３４は回動し、閉塞位置に至つたとき、一方
の係合レバー３４はリミツトスイツチ６０に当接
し、開閉機構２０の駆動モータ２４を停止する。
同時に係止レバー３５は、ばね５２，５３により
引張られ係止突起５０，５１は係合片３３ｂ，３
４ｂの切欠部３８ａ，３８ｂに嵌合する。なお係
合片３３ｂ，３４ｂは閉塞位置において切欠部３
８ａ，３８ｂと係止突起５０，５１と係合保持す
る如くレバー本体３３ａ，３４ａに対し調整して
固定されるもので、場合によつてはレバー本体と
係合片とを一体構造としてもい。

上記切欠部３８ａ，３８ｂに係止突起５０，５
１が嵌入することにより扉６，７に外力もしくは
振動が加えられても閉塞位置を保持し両扉間に隙
間を生ずることがない。

次に開扉に際しては、ソレノイド３６に通電し
係止レバー３５を移行して係止突起５０，５１を
切欠部３８ａ，３８ｂから引き出し、係合レバー
３３，３４の回動を許容し、同時に扉開閉機構２
０の駆動モータ２４を作動することにより開扉す
る。なおソレノイド３６への通電は係止レバー３
５がリミツトスイツチ６１を押圧した後、好まし
くは若干時間後に開放される。

〔考案の効果〕

本考案によるときは、扉開閉機構により扉を閉
成方向に移行したとき、該機構の扉駆動用回動腕
は係合レバーを回動し、所定の扉閉塞位置におい
て係合レバーには係止レバーが係合し、いわゆる
鎖錠状態を保持するから、扉は外力あるいは振動
等が加えられても閉扉状態を確実に保持すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例に関し、第１図は扉開閉機
構と扉鎖錠装置との全体平面図、第２図は扉鎖錠
装置の平面図、第３図はその正面図、第４図はソ
レノイド及びその周辺の斜視図、第５図は係止レ
バーの斜視図、第６図ａ，ｂはそれぞれ左右の係
合片の平面図、第７図ａ，ｂはそれぞれ左右のレ
バー本体の平面図、第８図は厨子の正面図、第９
図は第８図における−線に沿う断面図、第１
０図は扉鎖錠装置の開放時の説明図である。 １は厨子、６，７は扉、２０は扉開閉機構、２
７，２８は回動腕、３０は扉鎖錠装置、３３，３
４は係合レバー、３５は係止レバー、３６はソレ
ノイドである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面を円弧状とした左右対をなす扉を開閉機構
   に備えた回動腕により円周溝に沿つて移行する厨
   子の開閉扉において、それぞれの回動腕に着脱可
   能に係合する係合レバーと、ソレノイドにより進
   退する係止レバーとを備え、係合レバーは回動腕
   に対し扉閉塞位置において係合し、これを保持
   し、かつ係止レバーに係合し、回動腕の復行を阻
   止すると共に、ソレノイドの作動により係止レバ
   ーは移行し係合レバーとの係合を解き、回動レバ
   ーの復行を許容すること特徴とする厨子の開閉扉
   鎖錠装置。