JPH0411469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は刈取つた穀稈を後方の脱穀装置に搬送
供給して脱穀処理するコンバインにおける揚送装
置に関する。

(ロ) 従来技術 従来、刈取装置で刈取つた穀稈を縦搬送装置で
後方へ搬送して脱穀装置に供給する方式のコンバ
インは実公昭59−21613号公報に示されているよ
うに縦搬送装置の終端で脱穀装置に直接供給して
いた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知のコンバインは縦搬送装置で後送する
間に地面際で刈取つた穀稈を後方へ搬送する間に
供給口の高さまで徐々に揚送していたので、大型
コンバインでは機体の前後長さ及び重量が異常に
大になり、機体の回行性及び湿田に対する適応性
が悪化すると共に著しくコスト高になつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は前述の問題点を縦搬送装置と脱穀装置
との間にチエンからなる株元揚送体を介装し、該
チエンの連結ピンを側方へ突出させ、該連結ピン
の突出部に、掻上爪を起伏自在に装着し、この掻
上爪をガイドにより上昇過程で起立させて穀稈を
掻上爪により受止めて揚送し、その終端で脱穀装
置のフイードチエンに継送するようにすることで
解決した。

しかし、前記株元揚送体に多量の穀稈が供給さ
れると前記掻上爪がチエンと共に浮き上がつて揚
送方向後位側へ傾動し、穀稈が崩れ落るという別
個の問題点が発生したので更に研究を重ねた結
果、前記チエンの側方へ突出した連結ピンにロー
ラーを回動自在に装着し、前記チエンの揚送側に
ローラーの上部を案内するガイドを設けることに
より新たな問題点をも解決した。

(ホ) 作用 刈取つた穀稈を縦搬送装置により後方へ搬送す
ると、その終端で揚送装置が受継して穂側を脱穀
装置の供給口に、また株元側をフイードチエンの
始端に継送する。

その際、株元部は株元揚送体の掻上爪のチエン
上に受継がれるが、掻上爪は株元部が揚送中に落
下しないように受止め、前後で相隣る掻上爪の間
ではチエンの突起が株元部を前後に分散させて係
止して揚送することとなり、稈量の多少に拘らず
平均化されてフイードチエンに継送される。

そして、刈取搬送される穀稈が多い場合、揚送
爪に大きな荷重がかかるので前方へ傾倒せんとす
るが、チエンの連結ピンの突起部に装着したロー
ラーは上方のガイドにより案内された状態で転動
するので、チエンが浮き上がることがなく、掻上
爪が前方へ傾動するのを阻止して穀稈を確実に揚
送すると共にフイードチエンに整然と継送するこ
とができる。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は走行装置を有する機台上に搭載した自脱型の
脱穀装置であつて、他側には前部から順に操作
盤、操縦席、その下部にエンジンを、また後部に
は穀粒タンク等を配設してあり、前方には複数の
分草体、穀稈引起装置、掻込輪、穀稈掻込帯、刈
刃及び横搬送チエン等からなる刈取装置を設け、
該刈取装置の一側から後方上方に向けて株元挟持
搬送体２及び穂側搬送体３で構成された縦搬送装
置４を配設し、該縦搬送装置４の終端と前記脱穀
装置１の供給部との間には株元揚送体５と穂側揚
送体６を並列に配設してなる揚送装置を設けてあ
る。

そして、前記株元揚送体５と穂側揚送体６は前
記脱穀装置１の前面から突出したフレーム７にＵ
字杆８を介して支持されており、それらの揚送体
５，６の始端部は前記株元挟持搬送体２の終端よ
り下方に臨み終端は脱穀装置１の供給口１０の下
部から突出した入口板より高くなつてり、前記縦
搬送装置４の株元挟持搬送体２及び穂側搬送体３
の終端部は揚送体５，６の始端部間に入り込むよ
うにしてあり、株元揚送体５は各プレートに高い
突起ａと低い突起ｂを有するチエン１１と、その
連結ピン１２の外側へ突出した部分に回動自在に
枢着した掻上爪１３とで構成されており、前記連
結ピン１２の突出部は第１図に示す如く大径にな
つており、この大径部に１２ａに前記掻上爪１３
とローラー１５とを遊嵌してあり、前記チエン１
１のプレート間の下部に嵌合するガイドレール１
６の外側面には、掻上爪１３のシユー１３ａとロ
ーラー１５が摺接する一連の板からなる下ガイド
１７を取付けてあり、該下ガイド１７の外側面に
は上部を掻上爪１３に向けて折曲してローラー１
５上に近接させた上ガイド１８を螺着してあるの
で、掻上爪１３はチエン１１の上昇行程でシユー
１３ａが下ガイド１７に摺接することにより起立
し、ローラー１５は上昇行程で、下ガイド１７と
上ガイド１８により挟持されて案内される。

また、穂側揚送体６は前記株元揚送体５の掻上
爪１３より長い掻上爪２０……を有しており、こ
の掻上爪２０の下ガイド板により上昇行程で起立
する。

また、前記株元揚送体５の駆動スプロケツト２
１及び穂側揚送体６の駆動スプロケツト２２はフ
イードチエン１ａの従動スプロケツト２３を軸支
した軸２４に装着してあり、クラツチケース２５
内のクラツチ２６はシフター２７の作動により上
記従動スプロケツト２３の側面に刻設したクラツ
チ爪に係脱し、前記シフター２７は走行クラツチ
ペタル２８にワイヤー２９により連動連結してあ
るので、作業中に走行クラツチペタル２８を踏込
むと走行クラツチが切れ、刈取装置及び縦搬送装
置４は走行装置に連動しているので、機体及び刈
取装置等が停止し、同時に前記クラツチ２６が切
れて揚送装置も停止する。

更に、前記株元揚送体５の上面にはガイド杆３
０を対設してあり、このガイド杆３０の下端部は
株元挟持搬送体２の挟持レール２ａを保持する枠
体３１の後端外側面にピン３２で第２図に実線と
鎖線で示すように前後回動自在に枢支されてお
り、縦搬送装置４を上下傾動して扱深さ調節を行
なつた時、ピン３２は縦搬送装置４の回動中心と
なる横軸Ｐに側面視で極めて接近した位置になる
ので、ガイド杆３０の基部を中心として自在に傾
動して株元揚送体５の搬送面に近接して常に押え
作用をなし、前記ガイド杆３０を前方へ傾動して
株元揚送体５及び穂側揚送体６に手刈穀稈を供給
して脱穀処理する。

また、前記株元揚送体５及び穂側揚送体６の駆
動スプロケツト２２，２３の直径はフイードチエ
ン１ａの従動スプロケツト２１の直径より小であ
るからフイードチエン１ａの搬送速度は揚送装置
の揚送速度より大になつている。

前述の装置において、刈取装置で刈取られた穀
稈は縦搬送装置４の株元挟持搬送体２と穂側搬送
体３斜め上方後方へ搬送され、その終端で下面を
株元揚送体５と穂側揚送体６の始端により掬い上
げられるようにして受継がれ、上面をガイド杆３
０により押さえられ、受継がれた穀稈の株元部は
株元側の掻上爪１３により大きく区分して支持さ
れ、この区分された穀稈を更にチエン１１の突起
ａと、ｂとにより前後の小分けした状態で支持し
ながら揚送する。

そして、穀稈量が多い場合、株元側の掻上爪１
３は大きな荷重を受けるので、第５図に示すよう
に前方へ傾倒せんとするが、ローラー１５は下面
を下ガイド１７で支持されるだけでなく、上面を
上ガイド１８で押さえられているので、第４図に
示すように傾倒することなく所定の起立姿勢を保
持して上昇するので、太くかつ藁屑等が多く付着
した多量の穀稈を確実に支持しながら揚送するこ
とができる。

(ト) 考案の効果 本考案は前述のように刈取装置で刈取つた穀稈
を縦搬送装置４で脱穀装置１に向けて搬送し、脱
穀装置１で脱穀処理するようにしたコンバインに
おいて、前記縦搬送装置４と脱穀装置１との間に
チエン１１からなる株元揚送体５を介装し、該チ
エン１１の連結ピン１２を側方へ突出させ、該連
結ピン１２の突出部に、掻上爪１３とローラー１
５を回動自在に装着し、前記チエン１１の揚送側
に掻上爪１３を起立させるガイドとローラー１５
の少なくとも上面を案内する上ガイド１８を設け
たので、縦搬送装置４を小型に構成しても穀稈を
揚送装置により確実に脱穀装置１に供給すること
ができるものでありながら、多量の穀稈が刈取搬
送された場合、その株元部は、稈自体が太くかつ
藁屑が多く付着しており、その上、含水率が高く
重量が極めて大であるが、掻上爪１３……を装着
したチエン１１の連結ピン１２は、それに装着し
たローラーが上ガイドにより押さえられながら案
内されるので、掻上爪１３……が傾倒することな
く、脱落させることなく揚送して脱穀装置１のフ
イードチエン１ａに継送することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は要部の横断面図、第２図は縦搬送装置の
後部と揚送装置と脱穀装置の前部の側面図、第３
図は揚送装置の一部を破断した正面図、第４図は
要部の作用図、第５図は対象例の作用図である。 ４……縦搬送装置、５……株元揚送体、１２…
…連結ピン、１３……掻上爪、１５……ローラ
ー、１７……下ガイド、１８……上ガイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 刈取装置で刈取つた穀稈を縦搬送装置４で脱
   穀装置１に向けて搬送し、脱穀装置１で脱穀処
   理するようにしたコンバインにおいて、前記縦
   搬送装置４と脱穀装置１との間にチエン１１か
   らなる株元揚送体５を介装し、該チエン１１の
   連結ピン１２を側方へ突出させ、該連結ピン１
   ２の突出部に、掻上爪１３とローラー１５を回
   動自在に装着し、前記チエン１１の揚送側に掻
   上爪１３を起立させるガイドとローラー１５の
   少なくとも上面を案内する上ガイド１８を設け
   たことを特徴とするコンバインにおける揚送装
   置。 (2) 前記掻上爪１３を起立させるガイドを延出し
   てローラー１５の上下を案内規制するようにし
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載のコンバ
   インにおける揚送装置。