JPH04112087A - 感熱転写記録用の被転写シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は感熱転写記録用の被転写シートに関するもので
ある。

（従来の技術） 熱昇華性の染料を色材とする感熱転写記録に用いる被転
写シートには、染料が染着するための染料受容層が必要
であり、一般に該染料の染着性が良好なポリエステル樹
脂、ビニル樹脂。

ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂等
の熱可塑性樹脂を用いて上記受容層が形成されている。

しかしこれらの熱可塑性樹脂は、記録の際にサーマルヘ
ッドが２００℃以上の高温となるために軟化、あるいは
溶融して、インクシートとの間で熱融着する現象を起こ
すことはよく知られている。この熱融着を生ずると、記
録後、被転写シートとインクシートの剥離が困難となる
ばかりでなく、記録画像の品質を著しく悪化させたり、
プリンター内部で紙詰まりを生じてプリンターが停止し
てしまうという不都合を招く。

従来このような被転写シートとインクシートとの間の熱
融着を防止するための方法として、受容層に熱硬化性樹
脂を配合し、耐熱性を付与する方法（例えば特開昭５８
−２１５３９３号、特開昭５８−２１２９９４号）や、
受容層中の樹脂に顔料を配合して、受容層表面な粗面化
する方法（例えば特開昭５７−１０７８８５号）が提案
されている。

しかしこれらの提案方法のうち前者の方法では、熱融着
を生じない程度まで受容層に耐熱性をもたせると、染料
に対する受容層の染着性が著しく低下してしまうという
難があり、記録画像の濃度が低下する。また後者の方法
では、受容層を粗面化したためにインクシートとの密着
性が悪くなり、特に低濃度記録部（ハイライト部）に白
ヌケを生じやすくなるという不都合がある。

また、被転写シートとインクシートの熱融着を防止する
他の方法として、シリコーン界面活性剤、ワックス、リ
ン酸エステルに代表される滑剤を配合することも提案さ
れているが、滑剤を単に受容層に混入させてもこの滑剤
が経時的に受容層表面に移行するというブリード現象が
あるため、例えば被転写シートを重ねて保管した場合に
、受容層が接している他のシートの裏面に滑剤が移り、
そのため受容層の滑剤の濃度が低下する結果となって、
記録時においてインクシートとの間の熱融着を起こすよ
うになるといった問題がある。またこのような滑剤を受
容層に配合した被転写シートを使用して記録した記録画
像は、このシートを高温高湿な環境下に保管すると、受
容層に染着した染料のブリードを助長し、記録画像がボ
ケるという不都合がある。

このような滑剤を配合した場合の難点を考慮して、硬化
型シリコーンを用いるという提案もされている。このよ
うな硬化型シリコーンとしては種々のものが提案されて
いて、例えばアミノ変性シリコーン（特開昭６２−２９
４５９６号、特開平１−１５９２８９号）、アルコール
変性シリコーン（特開平１−１２３７９４号）、エポキ
シ変性シリコーンとアミン変性シリコーンの反応硬化物
（特開昭６０−３４８９８号）等の変性シリコーンが知
られている。

（発明が解決しようとする課題） しかし、上記のような変性シリコーンを受容層中に配合
した被転写シートについても、記録画像の濃度を一層向
上させるという要望や、記録画像の保存安定性をより一
層向上させることが更に望まれている。

本発明は、以上のような種々の従来技術に対して、イン
クシートとの間の熱融着を生ずることがなく、しかも優
れた記録画像濃度と、改善された記録画像の保存性を確
保できる新規な感熱転写記録用の被転写シートを提供す
ることを目的としてなされたものである。

（課題を解決するための手段及び作用）上記の目的を達
成するための本発明よりなる感熱転写記録用の被転写シ
ートの特徴は、シート状の支持体と、この支持体表面に
形成された染料受容層とを有し、熱昇華性の染料を色材
とする感熱転写記録に用いられる被転写シートであって
、上記染料受容層には、シリコーンポリエステル樹脂が
含有されているという構成をなすところにある。

上記において支持体には、バルブシート、合成紙、合成
フィルムシート等の従来と同様のものを用いることがで
きる。この支持体上に形成される受容層は、熱昇華性の
染料に対する染着性が良好な熱可塑性樹脂、例えばポリ
エステル樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂等の少なくと
も一種以上を主要樹脂として、これにシリコーンポリエ
ステル樹脂を配合し、これらにメチルエチルケトン（Ｍ
ＥＫ）やアセトン。

トルエン、酢酸エチル等の一般に知られている溶剤を加
えて調製した塗工液を、支持体上に塗工し、乾燥して形
成される。

上記のシリコーンポリエステル樹脂は、高分子量の物質
であるため受容層中に配合されてもブリード現象を起こ
すことがなく、また分子内にジメチルシロキサン結合と
ポリエステル骨格を有しているため、優れた熱融着防止
効果を示すだけでなく、記録画像の濃度、保存安定性に
おいても優れた効果を示す。

受容層に対して配合されるシリコーンポリエステル樹脂
の配合量は、インクシートのバインダー樹脂の性状によ
って適宜調整する必要があるため一律には特定できず、
使用する条件に応じて試験を行ってその適正配合量を決
めるようにすればよいが、一般的には受容層を構成する
熱可塑性樹脂に対し１％〜１００％程度の割合で用いる
のが適当である場合が多い。

また本発明の被転写シートの受容層中には、上記シリコ
ーンポリエステル樹脂と共に多官能イソシアネート化合
物を配合することができ、この多官能イソシアネート化
合物を配合した場合には、シリコーンポリエステル樹脂
が３次元的に架橋されて、耐久性、耐熱性が向上されて
より好ましい結果が得られる。

この多官能イソシアネート化合物として具体的には、例
えば硬化剤ＥＨ（商品名：信越化学工業社製）等を例示
することができ、受容層中への配合量は、シリコーンポ
リエステル樹脂に対して０．０１％〜５０％、好ましく
は０．０２％〜１０％程度とすることが望ましい場合が
多い。

（発明の効果） 本発明によれば、熱昇華性の染料を色材とする感熱転写
記録に用いられる被転写シートが、インクシートとの間
の熱融着を生ずることがなく、しかも従来の被転写シー
トと比べて優れた記録画像濃度と、改善された記録画像
の保存性を得ることができるという効果がある。

（実施例） 以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。

実施例１ 受容層形成のために次の塗工液を調製し、ワイヤーバー
にて市販の合成紙（ユボＦＰＧ−２００：王子油化合成
紙社製）の上に塗工後、８０’Ｃで３０分乾燥して塗工
量４　ｇ／ｍ”の被転写シートｌを作成した。

ポリエステル樹脂　　　　　　　　１００重量部（バイ
ロン２００：東洋紡績社製） シリコーンポリエステル樹脂　　　２重量部（Ｘ−２４
−８３００：信越化学工業社製）Ｍ　Ｅ　Ｋ　　　　　
　　　　　　　　５００重量部実施例２ 実施例１で調製した塗工液に多官能イソシアネート化合
物（硬化剤ＥＨ：前出信越化学工業社製）を０．０４重
量部配合し、実施例１と同様にして被転写シート２を作
成した。

比較例１ 実施例１におけるシリコーンポリエステル樹脂を配合し
ない他は同様の塗工液を調製し、実施例１と同様にして
被転写シート３を作成した。

比較例２ 実施例１におけるシリコーンポリエステル樹脂の代りに
、アミノ変性シリコーン（Ｘ−２２−３４３：信越化学
工業社製）　１．２５重量部、エポキシ変性シリコーン
（ＫＦ−３９３：信越化学工業社製）　１．２５重量部
を配合した塗工液を調製し、実施例１と同様にして被転
写シート４を作成した。

以上のように作成した被転写シート１〜４を、市販のプ
リンターＶＹ−１００（日立製作所社製）を用いて、Ｎ
ＥＣ−ＰＣ−９８０１ＸＬで作成シタグラフィック画面
を印字し、熱融着を観察した。またイエロー（Ｙｅｌｌ
ｏｗ）、マジエンタ（Ｍａｇｅｎｔａ）、シアン（Ｃｙ
ａｎ）、ブラック（Ｂｌａｃｋ）の各ベタ部の反射濃度
をマクベス濃度計（ＲＤ−５１４）にて測定後、市販の
コート紙（ニトリロコート：大王製紙社製）を重ねて６
０℃、９０％Ｒ，Ｈ，の環境下に４８時間放置して、記
録画像の濃度変化とコート紙面への染料の転写を評価し
た。

この評価結果を表−１に示したが、本発明の被転写シー
トは、インクシートとの熱融着が全く生じず、記録画像
の濃度、保存安定性の点できわめて良好な結果を示した
。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、シート状の支持体と、この支持体表面に形成された
   染料受容層とを有し、熱昇華性の染料を色材とする感熱
   転写記録に用いられる被転写シートであって、上記染料
   受容層には、シリコーンポリエステル樹脂が含有されて
   いることを特徴とする感熱転写記録用の被転写シート。 ２、シリコーンポリエステル樹脂が、多官能イソシアネ
   ート化合物により架橋されていることを特徴とする請求
   項１に記載の感熱転写記録用の被転写シート。