JP2714592B2 - 昇華型熱転写用受像媒体 - Google Patents

昇華型熱転写用受像媒体

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JP2714592B2 JP63189785A JP18978588A JP2714592B2 JP 2714592 B2 JP2714592 B2 JP 2714592B2 JP 63189785 A JP63189785 A JP 63189785A JP 18978588 A JP18978588 A JP 18978588A JP 2714592 B2 JP2714592 B2 JP 2714592B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、熱昇華性染料を含有した転写層を有する熱
転写記録媒体と組合せて使用される昇華型熱転写用受像
媒体に関する。
〔従来の技術〕
熱昇華性染料を含有した転写層を有する熱転写記録媒
体と、該記録媒体の裏面から熱印字によって昇華した染
料を受容する受像媒体とを用いる昇華型熱転写記録方式
は、優れた中間調記録が可能で、カラー写真に近いフル
カラーハードコピーを提供するものとして、近年注目さ
れている。
この記録方式で用いられる受像媒体の染料受容層とし
ては、熱昇華性染料に対して強い染着性を示す熱可塑性
のポリエステル樹脂が、主として用いられている。しか
し、この樹脂は耐熱性が低いため、記録時に転写記録媒
体(インクシート)と融着するという欠点や保存後に退
色するという欠点がある。
これらの点を解決するために、例えば塩化ビニル/酢
酸ビニル系共重合体樹脂を用いること(特開昭63-51181
号公報)、酢酸ビニル系樹脂(塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体を含む)を用いること(特開昭63-42892号公
報)、あるいはポリエステルと塩化ビニル/酢酸ビニル
系共重合体との混合樹脂を用いること(特開昭61-28359
5号、同62-294595号各公報)等が提案されている。これ
らの塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂、特に樹脂
成分として塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂のみ
を用いた染料受容層は、ポリエステル樹脂を用いた場合
と比べると、耐熱性や記録後のインクシートとの剥離
性、画像の保存安定性等の点で優れていると言える。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが染料受容層を構成する樹脂として、塩化ビニ
ル/酢酸ビニル系共重合体樹脂のみを用いた場合でも、
通常の酢酸ビニル含有量の高い(即ち塩化ビニル含有量
の低い)塩化ビニル/酢酸ビニル系共重合体樹脂を用い
た場合には、画像の感度や記録後のインクシートとの剥
離性、画像の保存性等の点で、未だ満足されるものでは
なかった。
従って、本発明は画像の感度、記録後のインクシート
との剥離性及び画像の保存性に優れた受像媒体を提供す
ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明によれば、基体上に熱昇華性染料が染着可能な
染料受容層を有する受像媒体において、該受容層が90重
量%を超える塩化ビニル成分含有量の塩化ビニル/酢酸
ビニル共重合体を主成分とするものであることを特徴と
する昇華型熱転写用受像媒体が提供される。
即ち、本発明の昇華型熱転写用受像媒体は、塩化ビニ
ル含有量が90重量%を超える塩化ビニル/酢酸ビニル共
重合体を主成分とした染料受容層を基体上に設けたもの
であるが、上記構成としたことから、耐熱性はもとよ
り、画像の感度、記録後のインクシートとの剥離性及び
画像の信頼性に優れたものとなる。
次に本発明を図面により説明すると、本発明の具体的
構成及び作用は以下の通りである。
第1図において、本発明の受像媒体は受像基体A及び
染料受容層Bから構成されている。即ち、本発明の受像
媒体は、受像基板A上に、90重量%を超おる塩化ビニル
成分含有量の塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体を主成分
とする染料受容層Bを塗布した構成となっている。ま
た、1はサーマルヘッドを示し、昇華転写記録媒体は耐
熱層2、転写基体3及び染料転写層4から構成されてい
る。
サーマルヘッド1からの加熱により、昇華転写記録媒
体の染料転写層4から熱昇華性染料が昇華及び拡散し、
昇華した染料は受像媒体の染料受容層Bに転移する。受
像媒体へ移った昇華染料は、染料受容層Bを形成する染
料染着性樹脂中を拡散し、染着する。
従来から、塩化ビニル樹脂が染料受容層用材料として
適していることは知られていたが、該樹脂は溶剤への溶
解性が悪いため、製造面から、より溶解性の高い塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体の使用が提案されてきた。し
かしながら、該共重合体樹脂はその酢酸ビニル成分が増
すと、溶解性は増加するものの、逆に画像の感度、イン
クシートとの剥離性及び画像の保存性が低下する。とこ
ろが本発明においては、塩化ビニル成分の含有量を90重
量%超過(即ち酢酸ビニル成分の含有量を10重量%未
満)とすることにより、上記両方の特性が満足される。
本発明の染料受容層Bにおいて使用される、90重量%
を超える塩化ビニル成分含有量の塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合体としては、市販品として電気化学工業社製の
MHE100、ME120等や積水化学社製のエスレックCN等があ
る。
また、本発明においては、染料受容層B中にアミノ変
性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルキッド変
性シリコーン等の離型剤を含有させることができる。こ
れらシリコーン類の使用により、転写記録媒体との熱融
着防止効果が更に向上する。その添加量は、該受容層B
の樹脂量に対して0.5〜10重量%が好ましい。
なお、染料受容層B中には、充填剤を含有させること
もできる。充填剤としては、シリカ、酸化チタン、炭酸
カルシウム等の白色顔料が挙げられ、その添加量は、該
受容層の樹脂量に対して、5〜60重量%が好ましい。そ
の他、染料受容層には、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤等を適宜含有させることができる。
また、本発明の受像媒体における基体Aとしては、合
成紙、アート紙、上質紙、コート紙、グラビア紙、バラ
イタ紙、セルロース繊維紙、プラスチックフィルム等が
単独で又はそれらの積層体で、好適に使用される。
なお、上記媒体上への染料受容層の塗布量は、固形分
量で0.1〜20g/m2が好適である。
〔発明の効果〕
本発明の昇華型熱転写用受像媒体は、90重量%を超え
る塩化ビニル成分含有量の塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合体を主成分とした染料受容層を基体上に設けた構成と
したことにより、記録時の熱融着が防止され、しかも画
像の感度、記録後のインクシートとの剥離性及び画像の
信頼性に優れたものである。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。な
お以下において示す部はいずれも重量基準である。
実施例1 下記組成の混合物を、充分混合分散させ、受容層用塗
液〔A液〕を調製した。
〔A液〕
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル/酢酸
ビニル比=92/8) 15部 シリコーンオイル(商品名KF393;信越化学社製) 0.15部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 次に〔A液〕をワイヤーバーを用いて、厚さ約150μ
mの合成紙(商品名ユポFPG−150;王子油化合成紙社
製)上に塗布し、乾燥温度75℃で1分間乾燥して、厚さ
約5μmの染料受容層を形成させて、本発明の受像媒体
を作成した。
一方、昇華転写記録媒体として、バック層としてシリ
コーン硬化樹脂膜(厚さ約1μm)を設けた厚さ6μm
のPETフィルム上に、下記処方のインク層(即ち染料転
写層)用塗液〔B液〕を、約2μmの厚さに塗布して、
転写記録媒体を得た。
〔B液〕
ポリビニルブチラール樹脂(商品名BX-1;積水化学社
製) 10部 シアン用昇華分散染料(商品名カヤセット714;日本化
学薬社製) 6部 メチルエチルケトン 45部 トルエン 45部 得られた転写記録媒体と受像媒体とを、転写記録媒体
のインク層と受像媒体の染料受容層とが対面するように
重ね合わせ、転写記録媒体の裏面からサーマルヘッドで
加熱エネルギーを変えて、画像記録を行なった。なお、
サーマルヘッドの記録密度は6ドット/mmであり、記録
出力は0.42W/ドットであった。また記録後のサンプルに
ついて、保存性試験を行なった。それらの結果を第1表
に示す。
実施例2 実施例1において、〔A液〕の代わりに下記〔C液〕
を用いた以外は、実施例1と同様にして染料受容層を形
成させて、本発明の受像媒体を作成した。
〔C液〕
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル/酢酸
ビニル比=93/7) 15部 シリコーンオイル(商品名SF8417;トーレンシリコー
ン社製) 1部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 続いて、実施例1と同様にして画像記録を行ない且つ
記録後のサンプルについて保存性試験を行なった。それ
らの結果を第1表に示す。
実施例3 実施例1において、〔A液〕の代わりに下記〔D液〕
を用いた以外は、実施例1と同様にして染料受容層を形
成させて、本発明の受像媒体を作成した。
〔D液〕
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル/酢酸ビ
ニル比=96/4 商品名ME120;電気化学工業社製) 10部 シリコーンオイル(商品名KF393;信越化学社製) 0.1部 テトラヒドロフラン 80部 続いて、実施例1と同様にして画像記録を行ない且つ
記録後のサンプルについて保存性試験を行なった。それ
らの結果を第1表に示す。
比較例1 実施例1において〔A液〕の代わりに下記〔E液〕を
用いた以外は、実施例1と同様にして染料受容層を形成
させて、比較用の受像媒体を作成した。
〔E液〕
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル/酢酸
ビニル=68/32、商品名1000D;電気化学工業社製) 15部 シリコーンオイル(商品名KF393;信越化学社製)1部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 続いて、実施例1と同様にして画像記録を行ない且つ
記録後のサンプルについて保存性試験を行なった。それ
らの結果を第1表に示す。
比較例2 実施例1において〔A液〕の代わりに下記〔F液〕を
用いた以外は、実施例1と同様にして比較用の受像媒体
を作成し、画像記録を行ない且つ記録後のサンプルにつ
いて保存性試験を行なった。それらの結果を第1表に示
す。
〔F液〕
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル/酢酸
ビニル比=75/25、商品名1000LT3;電気化学工業社製) 15部 シリコーンオイル(商品名KF393;信越化学社製)1部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 比較例3 実施例1において〔A液〕の代わりに下記〔G液〕を
用いた以外は、実施例1と同様にして比較用の受像媒体
を作成し、画像記録を行ない且つ記録後のサンプルにつ
いて保存性試験を行なった。それらの結果を第1表に示
す。
〔G液〕
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル/酢酸
ビニル比=86/14、商品名VYHH;ユニオンカーバイド社
製) 15部 シリコーンオイル(商品名KF393;信越化学社製)1部 メチルエチルケトン 40部 トルエン 40部 第1表から、本発明の昇華型熱転写用受像媒体による
と、飽和記録画像濃度1.80以上が得られ、且つ熱融着が
防止され、その上画像の保存性も優れていることが判
る。即ち、本発明の昇華型熱転写用受像媒体は、感度、
剥離性及び保存性に優れている。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係る昇華型熱転写用受像媒体の受像機
構を示すための模式断面図であり、昇華転写記録媒体の
模式断面図も含んでいる。 A……受像基体、B……染料受容層、1……サーマルヘ
ッド、2……転写記録媒体の耐熱層、3……転写記録媒
体の転写基体、4……転写記録媒体の染料転写層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 秀洋 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭63−51181(JP,A) 特開 昭61−283595(JP,A) 特開 平1−264896(JP,A) 特開 平1−271291(JP,A) 特開 昭62−294595(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に熱昇華性染料が染着可能な染料受
    容層を有する受像媒体において、該受容層が90重量%を
    超える塩化ビニル成分含有量の塩化ビニル/酢酸ビニル
    共重合体を主成分とするものであることを特徴とする昇
    華型熱転写用受像媒体。
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JPS6351181A (ja) * 1986-08-20 1988-03-04 Mitsubishi Chem Ind Ltd 感熱転写記録用受像体

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