JPH0411119Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は幅方向の中心から離れた位置に竪方向
の軸支部が設けられた竪軸回動のガラス障子に関
する。

従来技術 開き窓、偏芯竪軸回転窓、竪滑り出し窓、反転
窓あるいは框ドアなど軸支部が幅方向の中心から
外れた位置にある竪軸回動のガラス障子では、嵌
込んだガラスの荷重が軸支部の左右で不均一に作
用し、軸から遠い側が垂れ下がる傾向がある。こ
れを防止するには、障子においてガラスの荷重が
作用する個所をなるべく軸支部の近くに配置する
ことが有利である。また、ガラス障子ではガラス
を取付けるための押縁構造を少なくすることが組
立て時の嵌込み工数や材料費の低減、および竪框
と押縁のメタルタツチ個所による気水密性の低下
を防止する上で有利である。

したがつて、前記のような竪軸回動のガラス障
子では、框組を上框のみ押縁を備えた一方押縁構
造とし、嵌込んだガラスの荷重を障子の軸支部に
近い個所で支持するのが好ましい。

ところで、一方押縁構造を持つ障子の場合、普
通は上框に押縁を設け、ガラスを横方向にケンド
ン方式で嵌込むのであるが、実開昭58−21683号
公報に開示されているように、ガラスを障子の内
周に形成されているガラス呑み込み溝に取付けら
れたスペーサ（保持材）や敷板（保護材）で位置
決めして装着する従来のガラス装着構造である
と、右あるいは左の竪框に取付けたスペーサが邪
魔になつてガラスを前記のケンドン方式で装着す
ることができなくなる。逆に左右のスペーサを除
去すると、框組内でガラスが左右に移動すること
を規制することができないという事情がある。

考案が解決しようとする問題点 この考案は、障子を上框のみ押縁を備えた一方
押縁構造とし、しかも、嵌込んだガラスの荷重を
障子に設けた竪方向の軸支部に近い個所で支持さ
せ、かつ、框内でガラスが左右に移動しない竪軸
回動のガラス障子を提供することを課題とする。

問題を解決するための手段 幅方向の中心から外れた位置に竪方向の軸支部
を設けたガラス障子において、当該障子の内周に
形成されるガラス呑み込み溝を上框のみ押縁の取
付けにより形成されるものとし、軸支部に近いガ
ラス障子の下方コーナー部におけるガラス呑み込
み溝にガラス位置規制用立上り部を備えたＬ字形
敷板を設け、前記立上り部の高さ寸法は前記押縁
を外した部分の障子内周面から下框のガラス呑み
込み溝底面までの寸法とガラスの高さ寸法との差
よりも小さくし、ガラスはＬ字形敷板の水平部に
載置し、また、軸支部に遠い側の竪框のガラス呑
み込み溝の上方に固定されたスペーサと前記Ｌ字
形敷板の立上り部との間に位置させてガラス呑み
込み溝内に装着する。

作 用 障子の一方押縁構造は障子におけるメタルタツ
チ個所および組立て時に嵌込む部品の数を少なく
する。

Ｌ字形敷板はガラスの荷重を障子の軸支部に近
い個所で支持する。

Ｌ字形敷板における立上り部とスペーサは框内
におけるガラスの左右移動を規制する。

実施例 第２，３図は開き窓を示し、サツシ枠１にガラ
ス障子２の一側がヒンジ３で軸支され室外側へ回
動可能にされている。ガラス障子２の内周にはガ
ラス呑み込み溝４がぐるりと形成され、ここにガ
ラス５が嵌込まれる。ただし、上框６だけは室内
側に押縁７を着脱自在に備え、この押縁７をその
上面に備えた係合爪８で上框６の内周面に形成し
た係合受け９に装着することで、上框６にガラス
呑み込み溝４が形成される。

第１図に示すように、ガラス障子２のヒンジ３
による軸支部に近い側の下方コーナー部１０では
下框１１のガラス呑み込み溝４にＬ字形敷板１２
が固定され、また、前記軸支部から遠い側の竪框
１３上部のガラス呑み込み溝４にはスペーサ１４
が固定されている。

Ｌ字形敷板１２は第４図に示すように水平部１
５とその端部に立設されたガラス位置規制用立上
り部１６とからなり、該立上り部１６の高さ寸法
ｈは前記押縁７を外した上框６の係合受け９の下
面、すなわち、押縁７を外した部分の障子内周面
から下框１１のガラス呑み込み溝４底面までの高
さ寸法Ｈ１とガラスの高さ寸法Ｈ２との差よりも
小さくする。

スペーサ１４は単なる棒状あるいは直方体状で
ある。そして、Ｌ字形敷板１２、スペーサ１４は
いずれも半硬質塩ビなどの合成樹脂から成形され
る。

障子２のガラス５は、上框６における押縁７を
外しておき、第５図イ〜ニのようにＬ字形敷板１
２に向かつて側方からケンドン方式で嵌込まれ
る。同図イでは押縁７が外されていることによ
り、その部分の障子内周面から下框１１のガラス
呑み込み溝４底面までの高さ寸法Ｈ１がガラスの
高さ寸法Ｈ２より大きいガラス５を軸支部に近い
側の竪框１７のガラス呑み込み溝４に嵌込むこと
ができる。同図ロではＬ字形敷板１１におけるガ
ラス位置規制用立上り部１６の寸法ｈは前記の障
子内周面から溝底面までの高さ寸法Ｈ１とガラス
の高さ寸法Ｈ２の差より小さいから、ガラス５の
軸支部側側縁を一旦、Ｌ字形敷板１２における前
記立上り部１６の上を通過させることができる。
また、同図ハではガラス５を引戻しスペーサ１４
とＬ字形敷板１２のガラス位置規制用立上り部１
６の間に位置させ、さらに、同図ニではガラス５
を引き降ろしてガラス５の下方コーナー部１０側
をＬ字形敷板１２に落しこみ、同時に同ガラス５
の軸支部に遠い側の側縁上部をスペーサ１４に当
接して落着かせ、最後に押縁７を上框６に装着す
る。

この結果、ガラス５はＬ字形敷板１２の水平部
１５で荷重が支持され、また、軸支部に遠い側の
竪框１３のガラス呑み込み溝４の上方に固定され
たスペーサ１４と前記Ｌ字形敷板１２のガラス位
置規制用立上り部１６との間に位置規制されてガ
ラス呑み込み溝４内に装着される。

以上のように構成された開き窓では、押縁７が
設けられるのは上框６のみで、ガラス装着時の嵌
込み部品数およびメタルタツチとなる個所がきわ
めて少なく、さらに、窓を開いた時、ガラス障子
２がその幅方向の中心から外れた位置で竪方向に
軸支されるが、嵌込まれたガラス５の荷重はＬ字
形敷板１２により軸支部に近い位置で支持され
る。また、前記Ｌ字形敷板１２のガラス位置規制
用立上り部１６とスペーサ１４によりガラス５の
転がり（Ｌ字形敷板１２個所を中心とした回転）
と左右への移動が規制される。

考案の効果 幅方向の中心から外れた位置に竪方向の軸支部
を備えたガラス障子において、嵌込み部品および
メタルタツチ個所を少なく、気水密性を向上させ
ることができる。

前記のガラス障子において、ガラスの荷重によ
る障子の垂れ下がりを極力防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は内部を破線で示した正面図、第２図は
開き窓の横断面図、第３図は同縦断面図、第４図
はＬ字形敷板の斜視図、第５図イ〜ニはガラスの
装着を説明するための正面図である。 １……サツシ枠、２……ガラス障子、３……ヒ
ンジ、４……ガラス呑み込み溝、５……ガラス、
６……上框、７……押縁、８……係合爪、９……
係合受け、１０……下方コーナー部、１１……下
框、１２……Ｌ字形敷板、１３……軸支部から遠
い側の竪框、１４……スペーサ、１５……水平
部、１６……ガラス位置規制用立上り部、１７…
…軸支部に近い側の竪框。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 幅方向の中心から外れた位置に竪方向の軸支部
   を設けたガラス障子であつて、当該障子の内周に
   形成されるガラス呑み込み溝は上框のみ押縁の取
   付けにより形成され、軸支部に近いガラス障子の
   下方コーナー部におけるガラス呑み込み溝にガラ
   ス位置規制用立上り部を備えたＬ字形敷板を設
   け、前記立上り部の高さ寸法は前記押縁を外した
   部分の障子内周面から下框のガラス呑み込み溝底
   面までの寸法とガラスの高さ寸法との差よりも小
   さくし、Ｌ字形敷板の水平部に載置されたガラス
   は軸支部に遠い側の竪框のガラス呑み込み溝の上
   方に固定されたスペーサと前記Ｌ字形敷板の立上
   り部との間に位置してガラス呑み込み溝内に装着
   されていることを特徴とした竪軸回動のガラス障
   子。