JPH041105Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案はステレオ装置、冷蔵庫などの角型被
包装体を包装するＣ型包装箱構造に関し、詳しく
はＣ型包装箱の身部と底部緩衝体との固定構造の
改良に関する。

(ロ) 従来技術 従来のＣ型包装箱構造は、第１〜２図に示すよ
うに側壁を四方に有し、上部が開放した身部１及
びこの身部をその側壁外から被う蓋箱としての外
箱（図示しない）からなるＣ型包装箱と、発泡ス
チロール製の１対の角棒状底部緩衝体２，２とを
備え、被包装体４を包装する際に、前記底部緩衝
体２，２を、身部１の左右側の対向側壁３，３の
内面及び上端面に沿つて密着させて身部１内に設
置し、これらの底部緩衝体２，２に被包装体４を
載置固定して包装するものである。この際、被包
装体４は、その底面が身部１の側壁内に、身部１
側壁上端面の高さと略同等の高さに保持され外箱
によつて被われる。一方、底部緩衝体２，２は、
それらの両端外壁面に設けた４つの凸部５，５…
…を、身部１の前後側の対向側壁内面に設けた４
つの凹部６，６……に嵌合させて身部１に固定さ
れる。

しかし、上記構造では、身部１の左右側の対向
側壁３，３と底部緩衝体２，２とが結合されてい
ないため、被包装体４を底部緩衝体２，２に載置
した際に、その重みで底部緩衝体２，２が弾性変
形して左右方向にふくらみ、身部１の左右側の対
向側壁３，３を身部１外にそれぞれ押圧すると、
これらの対向側壁３，３は、その前後方向の略中
央部が逆ハの字状に拡き、第２図に示すようにそ
れらの外壁上端間の間隔l₀が外箱の左右内壁間の
間隔l₁よりも大きくなる。そのため、被包装体４
を包装する際に、外箱の下端が左右側の対向側壁
３，３の中央部の上端に引つかからないように、
それらの中央部を底部緩衝体２側に押えながら外
箱を身部１に被せなければならない煩わしさがあ
つた。

(ハ) 考案の目的 この考案は以上の事情に鑑みなされたもので、
身部の左右側の対向側壁の上端面と、この上端面
に沿つた底部緩衝体の面との結合を容易に、且つ
確実にして、被包装体を包装する際に、被包装体
の重みによつて底部緩衝体が弾性変形してふくら
んでも、前記対向側壁の中央部付近が身部外へ逆
ハの字状に拡がるのを防止できるようにしようと
するものである。

(ニ) 考案の構成 この考案は側壁を四方に有し、上部が開放した
身部及びこの身部をその側壁外から被う蓋箱から
なるＣ型包装箱と、前記身部の底内面に設置さ
れ、被包装体の底面を身部の側壁より内側で、身
部側壁の高さと略同等の高さに載置固定する底部
緩衝体とを備え、さらに、この底部緩衝体が、身
部の左右側の対向側壁の内面及び上端面に沿つて
前後方向に延びる横外向面及び下向面をそれぞれ
備え、前記底部緩衝体に被包装体を載置した際
に、蓋箱の左右方向の内壁面間の間隔より、前記
対向側壁の外面間の間隔を小さく保持するため
に、前記対向側壁上端面の前後方向略中央部に、
それぞれ上向きに突出片を設け、 さらに、前記底部緩衝体の各下向面に、それぞ
れ前記突出片を押し込み得る押し込み凹部を設け
るとともに、前記突出片の両側縁に沿つてそれぞ
れ切り込み部を設けてなるＣ型包装箱構造であ
る。

(ホ) 実施例 以下図に示す実施例に基づいてこの考案を詳述
する。なお、これによつてこの考案が限定される
ものではない。

Ｃ型包装箱構造７は、第３〜７図に示すよう
に、身部８と、従来と同一構成の外箱９及び１対
の天部緩衝体１０，１０と、１対の底部緩衝体１
１，１１とから主として構成され、ステレオ装置
などの被包装体１２の天部角部及び底部角部を各
緩衝体１０，１１に係合させて包装するもので、
包装後、２本の結束バンド１３，１３によつて身
部８と外箱９とを結合させるものである。

身部８と底部緩衝体１１，１１とはいずれもお
およそ従来と同様に構成され、それらの位置関係
もほぼ従来と同様であるが、身部８には、その左
右側の対向側壁１４，１４における前後方向の中
央部に、上向きに突出片（突端部）１５，１５が
それぞれ設けられ、これらの突出片の側縁に沿つ
て、前記対向側壁１４，１４に４つの切り込み部
１６，１６……が設けられている。一方底部緩衝
体１１，１１は、その最大前後幅が従来と同一で
あるが、その前記対向側壁１４，１４の上端面に
沿つた下向面１７，１７の前後幅をそれぞれ広く
するために、被包装体１２載置面より下方の前後
幅ｗが従来よりも数10mm位狭く成形されている。
前記下向き面には、その前後方向中央部の被包装
体１２寄りの各部に、前記突出片１５，１５を押
し込み得る押し込み凹部（切断部）１８，１８が
垂直に埋設されている。なお、１９，１９は底部
緩衝体１１の横外向面である。

これらの凹部に前記突出片１５，１５を内向き
に曲げて押し込むことによつて、第３図に示すよ
うに、身部８の左右側の対向側壁１４，１４をそ
れぞれ底部緩衝体１１，１１に固定することがで
きる。従つて、底部緩衝体１１，１１に被包装体
１２を載置しても、第４図に示すように、上記対
向側壁１４，１４の前後方向中央部間の左右間隔
l₁を、外箱９の内壁面間の左右間隔l₀と同等もし
くは以下に、手も用いることなく押さえることが
できる。そのため、包装作業性が向上でき、また
底部緩衝体１１，１１は、その変更個所が最小限
であるため、その仕様は従来の基本設計通りとす
ることができ、従つてその被包装体１２保護効果
も従来と同等に維持することができる。

(ヘ) 考案の効果 この考案は、身部の左右側の対向側壁上端面の
前後方向略中央部にそれぞれ突出片を設け、これ
らの突出片を、前記上端面に沿つて延びる底部緩
衝体の各下向面にそれぞれ設けた押し込み凹部
に、押し込み確実に固定することによつて、被包
装体を底部緩衝体に載置した場合でも、前記対向
側壁の前後方向の中央部付近が逆ハの字に拡がる
のを防止できる。また、突出片の両側縁に沿つて
切り込み部が設けられているので、突出片を押し
込み凹部に押し込む際に、小さな力で容易に押し
込むことができる。更に、身部と底部緩衝体を組
み立てた状態で運搬や取り扱う際に、身部と底部
緩衝体が分離せず、底部緩衝体に被包装体を載置
して包装する場合、身部の左右側の対向側壁を手
で押えることなく蓋箱を身部に被せることができ
るようにするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のＣ型包装箱構造における底部緩
衝体を身部に組み込む状態を示す斜視図、第２図
はこの底部緩衝体を身部に組み込んだ状態を示す
断面図、第３図はこの考案に係るＣ型包装箱構造
の一実施例を示す斜視図、第４図はこの第２図相
当図、第５図はこの身部の斜視図、第６図はこの
一方底部緩衝体の斜視図、第７図は第５図Ａ部の
拡大図である。 ７……Ｃ型包装箱構造、８……身部、９……外
箱（蓋箱）、１１……底部緩衝体、１２……被包
装体、１４……左右側の対向側壁、１５……突出
片、１６……切り込み部、１７……下向面、１８
……押し込み凹部、１９……横外向面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 側壁を四方に有し、上部が開放した身部及びこ
   の身部をその側壁外から被う蓋箱からなるＣ型包
   装箱と、前記身部の底内面に設置され、被包装体
   の底面を身部の側壁より内側で、身部側壁の高さ
   と略同等の高さに載置固定する底部緩衝体とを備
   え、さらに、この底部緩衝体が、身部の左右側の
   対向側壁の内面及び上端面に沿つて前後方向に延
   びる横外向面及び下向面をそれぞれ備え、 前記底部緩衝体に被包装体を載置した際に、蓋
   箱の左右方向の内壁面間の間隔より、前記対向側
   壁の外面間の間隔を小さく保持するために、前記
   対向側壁上端面の前後方向略中央部に、それぞれ
   上向きに突出片を設け、 さらに、前記底部緩衝体の各下向面に、それぞ
   れ前記突出片を押し込み得る押し込み凹部を設け
   るとともに、前記突出片の両側縁に沿つてそれぞ
   れ切り込み部を設けてなるＣ型包装箱構造。