JPS6129640Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は小物部品収納部を有する梱包装置に関
し、収納する小物部品を汚損することなく、しか
も収納、取出作業を能率的に行うことができる梱
包装置を提供することを目的とする。

従来、小物部品を同時に梱包する必要がある場
合、発泡スチロール等の緩衝体にて被梱包体を外
装体に収納する時は前記緩衝体に小物部品収納用
凹所を形設し、テレビジヨン受像機等においては
セツト脚やイヤホーン等を、扇風機においては羽
根固定用スピンナ等を、前記凹所に収納してい
た。だが近年、発泡スチロールは廃棄処理に問題
があり使用が少なくなつており、小物部品収納部
の形成が困難になつていた。たとえば、実開昭56
−81882号公報に開示されているように、段ボー
ル紙等よりなる外装箱体と、該箱体内に収納する
前後ガード間に挾持されると共に、その内部に羽
根を収納する段ボール紙製略円筒状緩衝体とより
なる梱包装置においては、別梱包されている扇風
機主体に、前記前後ガード及び羽根を固定するた
めのスピンナ等の収納部がなく、同時に梱包でき
ないものであつた。

本案は上記点に鑑み、被梱包体を収納した外装
体の隅部に形成される余空間を利用し、前記外装
体隅部に沿つて緩衝体を内装し、該緩衝体より切
起した切起片にて前記外装体隅部に略三角枠部を
形成すると共に、前記緩衝体より切起した別の切
起片にて前記枠部の底を形成して部品収納部を形
設した構成とすることで、従来収納部が形成しに
くかつた梱包装置にも容易に収納部を形設できる
と共に、底を形成する切起片の端部を枠部を形成
する切起片の切込みに挿入することで、十分な強
度の安定した収納部を形成できるようにした梱包
装置を提供するものである。

以下、扇風機の前後ガードと羽根を同時に梱包
した装置を例として示した第１図乃至第５図に基
づき本案を説明する。

扇風機は、図示しないスタンドと図示しないモ
ータ部と前後ガード１，２と羽根３とに分解さ
れ、各部品の形状を考慮してスタンドとモータ部
とを同時に梱包し、前後ガード１，２と、羽根３
とは複数個同時に梱包される。前記羽根３は４枚
重ねた状態で段ボール紙製略円筒状緩衝体４内に
収納され、該緩衝体４を複数個重ねた前ガード１
と後ガード２とで包むように挾持した状態で段ボ
ール紙製箱状外装体５に収納される。前記前後ガ
ード１，２と羽根３が収納された前記外装体５の
４隅部には余空間６が形成される。また前記外装
体５の補強及び緩衝効果を向上させるために、前
記外装体５内面と、前記前後ガード１，２間に一
対の略くの字状四角筒状段ボール紙製緩衝体７が
前記隅部に沿つて挿入される。よつて前記両緩衝
体７にて略口字状緩衝体が構成され、より緩衝効
果がよいものであるが、特に一対必要とするもの
ではない。また略くの字状緩衝体を１対でなくと
も、略口字状緩衝体であつてもよい。

前記緩衝体７には切り込み８が形成されて２枚
の切起片９，１０が形設される。一方の切起片９
は、水平方向に切り起こされて、前記隅部の余空
間６につつぱる如く位置せしめられ、前記緩衝体
７と切起片９と外装体５にて略三角枠部が形成さ
れる。前記他方の切起片１０は垂直方向に切り起
こされて前記略三角枠部の底を形成する。前記切
起片１０はその一隅部１０ａを前記切起片９に形
設した切込み１１に挿入することで、切り起こさ
れた状態に保持されると共に、前記切起片１０が
つつかいとなつて前記切起片９を切り起こした状
態に保持する。よつて前記余空間６には前記両切
起片９，１０と、緩衝体７と外装体５とで囲まれ
た上面開口の小物部品収納部１２が形成される。
該収納部１２には後ガード２をモータ部に装着す
るための螺子１３および羽根３をモータ部に装着
するためのスピンナ１４が収納される。また前記
収納部１２は前記緩衝体７を切り起こすことで必
要に応じて適宜前記余空間６に容易に形成できる
ものである。さらに前記収納部１２を形成するこ
とで、前記外装体５隅部の強度が向上するもので
ある。また前記切起片９，１０にて前記前後ガー
ド１，２の側部および上面外周部を押さえること
で梱包した時の前後ガード１，２のガタツキが防
止できるものである。

第６図及び第７図に示すものは本案の第２の実
施例で、前記切起片９を切り起こした状態に確実
に保持するために、該切起片９の端縁に突部１５
を形設し、前記端縁が当接する部分に前記記突部
１５が挿入される係合孔１６を形設したものであ
る。また前記切起片１０の切起しを容易に行なえ
るように、前記切込み８に連続して指挿入孔１７
を形設したものである。

第８図及び第９図に示すものは本案の第３の実
施例で、前記緩衝体７より切り起こす切起片９，
１０を、前述の実施例の如く、収納部１２が形成
される隅部のみから行なうのではなく、一方の切
起片９を前記緩衝体７の中程から切り起こすもの
である。よつて前記隅部の強度がより向上するも
のである。

なお詳述した各実施例とも、前記外装体５の上
方隅部にのみ、収納部１２を形成したものである
が、前述した如く収納部１２には外装体５隅部の
補強を行なう作用効果もあることから、前記外装
体５の下方隅部にも形設してもよいことは明らか
である。また被梱包体としては前記前後ガード
１，２および羽根３に限定される種々の梱包にも
用いることができるものである。

以上の如く本案は、被梱包体を収納した外装体
の隅部に余空間が形成されるものに於て、前記外
装体隅部に沿つて緩衝体を内装し、該緩衝体より
切起した切起片にて前記外装体隅部に略三角枠部
を形成すると共に、前記緩衝体より切起した別の
切起片にて前記枠部の底を形成して部品収納部を
前記余空間に形設したもので、収納部を適宜必要
に応じて容易に形成することができると共に、収
納部が外装体隅部の補強を行なうことができる。
また底を形成する切起片の端部を枠部を形成する
切起片の切込みに挿入することで、収納部が形成
保持が安定して行なわれ収納品を確実に収納でき
ると共に、収納品の重量により底が抜けるといつ
たこともない等、実用的効果大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案梱包装置の外観斜視図、第２図は
第１図の−断面図、第３図は緩衝体の斜視
図、第４図は同展開図、第５図は梱包装置開梱状
態の平面図である。第６図と第７図は第２の実施
例を示す緩衝体の斜視図と展開図、第８図と第９
図は第３の実施例を示す緩衝体の斜視図と展開図
である。 １，２……前後ガード（被梱包体）、３……羽
根（被梱包体）、５……外装体、６……余空間、
７……緩衝体、９，１０……切起片、１２……部
品収納部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 被梱包体を収納した外装体の隅部に余空間が
   形成されるものに於て、前記外装体隅部に沿つ
   て段ボール紙製緩衝体を内装し、該緩衝体より
   切起した切起片にて前記外装体隅部に略三角枠
   部を形成すると共に、前記緩衝体より切起した
   別の切起片の端部を前記枠部を形成する切起片
   下部に形成した切込みに挿入して底を形成して
   部品収納部を前記余空間に形成してなる梱包装
   置。 ２ 前記緩衝体を前記外装体内面に挿入される略
   口字状に形成してなる実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の梱包装置。