JPH04109832U - 工具交換装置 - Google Patents
工具交換装置Info
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- JPH04109832U JPH04109832U JP2351391U JP2351391U JPH04109832U JP H04109832 U JPH04109832 U JP H04109832U JP 2351391 U JP2351391 U JP 2351391U JP 2351391 U JP2351391 U JP 2351391U JP H04109832 U JPH04109832 U JP H04109832U
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- Automatic Tool Replacement In Machine Tools (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 機械的動力伝達機構を介し各部を同期駆動さ
せる工具交換装置において、動力伝達部に磨耗などが生
じた場合に、これを最少の検知手段により検知できるよ
うにする。 【構成】 本体ケース10に対し進退し且つ回動するア
ーム軸11と、このアーム軸11の先端に設けられた交
換アーム12と、前記アーム軸11を回動させる旋回駆
動機構(ロ)(ハ)と、アーム軸11を進退駆動する進
退駆動機構(ニ)と、交換アーム12による工具ホルダ
4の保持と保持解除を行うクランプ駆動機構(イ)とが
設けられ、1つのモータMの動力が機械的な動力伝達機
構21、22、23、24、25を介して前記各駆動機
構に伝達される。前記アーム軸11が正規の位置に後退
したか否かを検知スイッチ56により検出し、これによ
り動力伝達機構のいずれかの部分に磨耗などによるガタ
が生じていることを検出できるようにした。
せる工具交換装置において、動力伝達部に磨耗などが生
じた場合に、これを最少の検知手段により検知できるよ
うにする。 【構成】 本体ケース10に対し進退し且つ回動するア
ーム軸11と、このアーム軸11の先端に設けられた交
換アーム12と、前記アーム軸11を回動させる旋回駆
動機構(ロ)(ハ)と、アーム軸11を進退駆動する進
退駆動機構(ニ)と、交換アーム12による工具ホルダ
4の保持と保持解除を行うクランプ駆動機構(イ)とが
設けられ、1つのモータMの動力が機械的な動力伝達機
構21、22、23、24、25を介して前記各駆動機
構に伝達される。前記アーム軸11が正規の位置に後退
したか否かを検知スイッチ56により検出し、これによ
り動力伝達機構のいずれかの部分に磨耗などによるガタ
が生じていることを検出できるようにした。
Description
【0001】
本考案は、加工装置の主軸と工具ホルダとの間を旋回移動して工具の交換を行
う工具交換装置に係り、特に全ての動作がモータの動力により機構的に行われる
工具交換装置に関する。
【0002】
マシニングセンタなどの加工装置では、個々の加工機の主軸に装着されている
工具と工具マガジンに設けられている複数の工具のうちの1つとを交換する工具
交換装置が設けられる。
図7は上記工具交換装置による工具交換動作を示しているものである。
図7において、アーム軸1はY方向へ進退駆動され且つθ方向へ旋回駆動され
る。アーム軸1の先端には交換アーム2が設けられており、この交換アーム2の
両側部に工具ホルダ4を保持する保持部3が設けられている。
工具ホルダ4は、テーパシャンク部4aとその上端のプルスタッド4bとを有
し、下部外周には保持溝4cさらには位置決め用のキー溝4dが形成されている
。これに対し、前記各保持部3の内周には工具ホルダ4の保持溝4cに嵌合する
凸条3aが形成されているとともにキー溝4dに係合するキー3bが設けられて
いる。各種の工具5はこの工具ホルダ4に保持されている。図7において符号6
は加工機の主軸を示しており、この主軸6に工具ホルダ4が保持される。また図
7において図示左側にて鎖線で示している工具ホルダ4は工具マガジン側に保持
されたものを示している。
【0003】
図7において(A)で示している状態が交換アーム2の原位置である。この状
態から反時計方向へ例えば60度回転して(B)で示す位置へ回動すると、交換
アーム2に形成された保持部3が、主軸側とマガジン側のそれぞれの工具ホルダ
4に嵌合する。工具ホルダ4はその保持溝4cならびにキー溝4dにより保持部
3に位置決めされる。次に(B)で示す回転位相において、交換アーム2内のク
ランプ機構が動作して工具ホルダ4が保持部3内にてクランプされる。このクラ
ンプ行程を説明の便宜上行程(C)とする。この交換アーム2による工具ホルダ
4のクランプ動作にあわせて、主軸6内のクランプ機構がクランプ解除動作し、
主軸6に保持されている工具ホルダ4が交換アーム2に受け渡される。工具マガ
ジン側においても同様である。
【0004】
次に(D)で示すように、アーム軸1が図示下方へ移動し、交換アーム2が同
方向へ下降して交換アーム2に保持されたそれぞれの工具ホルダ4が主軸6なら
びに工具マガジン側から下方へ引き出される。次に、アーム軸1が下降した状態
のまま、(E)で示すようにアーム軸1が時計方向へ180度旋回し、工具ホル
ダ4が入れ替わる。次に(F)で示すように、アーム軸1が上昇し、入れ替わっ
た工具ホルダ4が主軸6ならびに工具マガジン側に挿入される。次に主軸6内の
クランプ機構により交換後の工具ホルダ4がクランプされ、また工具マガジン側
でも工具ホルダ4がクランプされる。次に(G)の行程にて交換アーム2内のク
ランプ機構が動作し、保持部3により保持された工具ホルダ4のクランプが解除
され、各工具ホルダ4が主軸6ならびに工具マガジン内に受け渡される。この(
G)で示すアンクランプ動作の後に、交換アーム2は時計方向へ例えば60度旋
回し、(A)で示す原位置に戻る。
【0005】
上記のように交換アーム2を各行程に基づいて動作させるための機構として、
従来は例えばアーム軸1を(D)と(F)で示す方向へ進退させるための進退用
シリンダ機構を設け、また交換アーム2をθ方向へ旋回させるための旋回用シリ
ンダ機構を2つの旋回角度に対応してそれぞれに設け、かつそれぞれにラック・
ピニオン等を使用した駆動機構などを設け電磁弁などで電気的に動作タイミング
をとっている。
ところが上記のように、交換アーム2を進退させる機構と旋回させる機構とが
別個に設けられていると、多種の駆動源を用いることになり、装置が大型化する
とともに、制御も複雑になる。そこで最近では、1個のモータを使用し、その回
転力を機械的な動力伝達機構により各駆動部に伝達し、各駆動部においてアーム
軸の進退と回転ならびに保持部3での工具ホルダ4のクランプとクランプ解除な
どを行ういわゆるメカATC装置が検討されている。
【0006】
しかしながら、上記のように、全ての動作を機械的な動力伝達により行う装置
では、動力伝達機構にギヤ噛合部や、カムとカムフォロワの摺動部あるいはリン
クの支点部での摩耗によるガタや変形が生じた場合に、各機構部に動作位置ずれ
が生じる。例えば図7において交換アーム2が(A)で示す原位置にあるときの
軸方向の位置ずれが生じると、そのまま交換アーム2を(B)で示す位置へ旋回
させて保持部3により工具ホルダ4を保持しようとしたときに、保持部3内の凸
条3aと工具ホルダ4の保持溝4cとの軸方向の相対位置がずれて、工具ホルダ
4を確実に保持できない状態となる。この状態で交換アーム2内のクランプ機構
により工具ホルダ4をクランプすると、不完全な工具ホルダの保持状態となる。
さらに、この位置ずれの状態で無理に保持しようとすると、交換アーム2の保持
部3と工具ホルダ4との間で衝突が起き、その衝撃が、アーム軸と連結している
アーム旋回用のカム機構部にかかってカムおよびカムフォロワを破損してしまう
結果になる。このような状態は動作中に検知することができず、継続して動作が
行われることにより、交換アーム2に不完全に保持されている工具ホルダ4が交
換動作中に落下するなどの問題も生じる。
本考案は、上記従来の課題を解決するものであり、機械的な動力伝達機構によ
り各駆動部に動力を伝達している機構において、各動力伝達部分に磨耗などによ
るガタや変形が生じた場合にそのガタや変形を確実に検知して、動作中止などの
対策を施すことにより、機構部の破損や交換アームの動作不良を未然に防止する
ことができる工具交換装置を提供することを目的としている。
【0007】
本考案による工具交換装置は、装置本体に対し進退し且つ回動するアーム軸と
、このアーム軸の先端に設けられ且つ両端に工具ホルダの保持部が形成されてい
る交換アームと、前記アーム軸を回動させる旋回駆動機構と、アーム軸を装置本
体に対し進退駆動する進退駆動機構と、前記交換アームに形成された保持部にお
いて工具ホルダをクランプするクランプ駆動機構とが設けられて、共通のモータ
の動力が機械的な動力伝達機構を介して前記各駆動機構に伝達され、且つ装置本
体側には前記アーム軸が後退した位置を検知し正規の後退位置であるか否かを検
知する検知手段が設けられていることを特徴とするものである。
また、検知手段は、アーム軸の後退時にアーム軸に接触して軸方向に進退移動
される検知ロッドと、この検知ロッドのアーム軸との接触時にこの検知ロッドを
介してアーム軸を前進方向に付勢しアーム軸の軸方向のガタを吸収するスプリン
グと、上記検知ロッドに対向し検知ロッドの後退移動により所定位置にて作動さ
れる検知スイッチとから成るものである。
【0008】
上記手段では、モータの動力がギヤやカムやリンクなどによる機械的な動力伝
達機構によって各駆動機構部に伝達されて、それぞれの駆動機構により動作が行
われる。上記動力伝達機構のギヤ進退駆動機構のカムフォロワやリンクの支点部
などに磨耗によるガタや変形が生じた場合には、そのガタや変形は進退駆動機構
によって移動されるアーム軸の後退位置での軸方向の位置ずれとして表われる。
よってアーム軸の後退位置を検知手段により常に監視することによって、アーム
軸の位置ずれによっておこるアームの工具ホルダの保持不良や工具ホルダとの衝
突による他の機構部の破損などを未然に防止することができる。
【0009】
以下、本考案の実施例を図1から図6の図面により説明する。
図1は本考案による工具交換装置を示す断面図である。
図1では、アーム軸11が水平向きで且つその右端に交換アーム12が設けら
れた構造として示しているが、アーム軸11を垂直方向ヘ向けその下端に交換ア
ーム12が設けられている構造であってもよい。この場合には図7に示したのと
同じ配置構成となる。
図1に示す装置では、前記アーム軸11が本体ケース10に設けられた軸受ス
リーブ13aと13bにより、(D)と(F)方向へ進退自在で且つ回動自在に
支持されている。アーム軸11の後端(図示左端)には歯車14が設けられてい
る。またアーム軸11内にはクランプ駆動軸15が図の左右方向に進退自在に挿
入されている。このクランプ駆動軸15の図示右端は交換アーム12内に延びて
おり、この右端にラック16が設けられて、このラック16が交換アーム12内
に設けられた一対のピニオン17と噛み合っている。
【0010】
図2に示すように、交換アーム12の両端には工具ホルダ4を保持するための
保持部12aが形成されている。図1と図2に示すように、この保持部12aは
凹形状であり、その内部には凸条12bが形成されている。また保持部12a内
には位置決め用のキー18が設けられている。交換アーム12内にはクランプピ
ン19が進退自在に挿入されている。クランプピン19の後端にはラック19a
が形成されて、これが前記ピニオン17と噛み合っており、またクランプピン1
9はスプリング20により突出方向に付勢されている。図1に示しまた図7にお
いて説明した工具ホルダ4の保持溝4cは、前記保持部12a内の凸条12bに
嵌合しまたキー溝4dはキー18に嵌合して、工具ホルダ4は保持部12a内に
て位置決めされる。さらにアーム軸11内のクランプ駆動軸15が図の左方向へ
駆動されると、ラック16によりピニオン17が駆動され、ピニオン17により
クランプピン19が進出する。そしてこのクランプピン19の先端が工具ホルダ
4の外周部を押し付けて工具ホルダ4が交換アーム12に完全に保持される。
本体ケース10の図示左側にはモータMが設けられている。このモータMの動
力は動力伝達機構により各駆動機構に伝達される。この動力伝達機構の構成は、
モータMの出力軸に設けられた歯車21と、この歯車21に噛み合う歯車22と
、この歯車22をスプライン係合にて支持している第1の動力伝達軸23と、こ
の動力伝達軸23の右端にスプライン係合された歯車24と、この歯車24に噛
み合う歯車25と、この歯車25をスプライン係合により支持している第2の動
力伝達軸26とから構成されている。
【0011】
次に上記動力伝達機構により動力が伝達される各駆動機構について説明する。
なお以下においてその駆動機構がどの動作を司るものであるかを、図7において
説明した各動作並びに行程(A)から(G)に対応させて説明する。
まず前記動力伝達機構の動力伝達経路の第1段目には、図7において(C)と
(G)で示す行程にて、前記クランプ駆動軸15を動作させるクランプ駆動機構
(イ)が設けられている。
このクランプ駆動機構(イ)は、前記歯車22に固定されたドラムカム31と
、このドラムカム31の外周に形成されたカム溝31a内を摺動するカムフォロ
ワ33ならびにこのカムフォロワ33とともに動作して前記クランプ駆動軸15
をアーム軸11に対して進退動作させる駆動部材32とから構成されている。
動力伝達機構の次の段には、第1の旋回駆動機構(ロ)が設けられている。こ
の旋回駆動機構(ロ)は、図7において、交換アーム12を(A)の原位置と(
B)の工具ホルダ受け渡し位置との間にて所定角度例えば60度旋回させる機構
である。
【0012】
図3は図1のIII断面を示すものである。図1と図3に示すように、この旋
回駆動機構(ロ)は、第1の動力伝達軸23にスプライン係合するカム円盤35
と、このカム円盤35のカム溝35a内を移動するカムフォロワ36と、このカ
ムフォロワ36が支持されて、軸37を中心として揺動動作する扇歯車38とか
ら構成されている。アーム軸11が図示左方向へ移動している状態にて、アーム
軸11の基部に設けられた前記歯車14は扇歯車38の歯38aと噛み合う。モ
ータMの動力は第1の動力伝達軸23によりカム円盤35に伝達され、カム溝3
5aによって扇歯車38が揺動駆動され、扇歯車38の歯38aによって歯車1
4ならびにアーム軸11が前記所定角度だけ旋回させられる。
動力伝達機構の次の段には第2の旋回駆動機構(ハ)が設けられている。この
旋回駆動機構は、図7の(E)の行程にて、交換アーム12を180度旋回させ
るためのものである。
【0013】
図4は図1のIV断面を示すものである。図1ならびに図4に示すように、第
2の旋回駆動機構(ハ)では、第1の動力伝達軸23を中心として揺動動作する
扇歯車44、ならびにこの扇歯車44と一緒に揺動動作する駆動板43が設けら
れている。駆動板43には溝43aが形成されて、前記動力伝達軸26とスプラ
イン係合している歯車25に設けられたローラ42がこの溝43a内に挿入され
ている。前記アーム軸11が図1において図示右方向へ前進しているときには、
アーム軸11の基部に設けられた歯車14が上記扇歯車44の歯44aと噛み合
う。そして歯車25の動力により扇歯車44が揺動駆動されると、その歯44a
によってアーム軸11が180度旋回させられる。
前記動力伝達機構の伝達経路の最終段には、アーム軸11の進退駆動機構(ニ
)が設けられている。この進退駆動機構は、図1ならびに図7においてアーム軸
11を(D)方向と(F)方向とへ駆動するものである。
【0014】
図5は図1のV断面図である。この図にも示すように、この進退駆動機構では
、第2の動力伝達軸26にドラムカム46が固定されており、その外周にはカム
溝46aが形成されている。また本体ケース10には軸48により駆動レバー4
7が回動自在に支持されており、その基部に設けられたカムフォロワ50が前記
カム溝46a内にガイドされている。また駆動レバー47の下部には一対のロー
ラ49が設けられており、このローラ49が、アーム軸11の外周に形成された
溝11a内に挿入されている。前記第2の動力伝達軸26によりドラムカム46
が駆動されると、そのカム溝46aにより駆動レバー47が揺動駆動され、駆動
レバー47の下端のローラ49によりアーム軸11が進退駆動される。
さらに図6は図1のVI断面を示すものであるが、前記ドラムカム46には検
知歯車51が固定され、本体ケース10にはこの検知歯車51に対向する近接ス
イッチ52が設けられている。
この近接スイッチ52により検知歯車51の回転角度すなわちドラムカム46
の回転角度が検知される。この検知動作により、例えば加工機の主軸の工具ホル
ダクランプ機構ならびに工具マガジンの工具ホルダクランプ機構の駆動タイミン
グが設定されるようになっている。さらに、後述する検知スイッチ56の検知信
号に応じたモータ停止タイミング等も設定できるようになっている。
【0015】
さらに図1の、図示左側には本体ケース10に固定した支持台55上に検知ス
イッチ56が設けられている。この検知スイッチ56のアクチュエータ56aの
前方には検知ロッド57が設けられ、これは上記支持台55と一体のホルダ58
に進退自在に保持されている。そしてこの検知ロッド57はスプリング60によ
りアーム軸11へ向って突出方向へ付勢されている。なおホルダ58には検知ロ
ッド57の回転止め用のピン59が設けられている。また検知ロッド57の先部
にローラ61が設けられ、これがアーム軸11の後端11bに接触している。ア
ーム軸11が図の右方向へ前進しているときには、ローラ61はアーム軸11か
ら離れ、スプリング60の付勢力により検知ロッド57は図示右方向へわずかな
距離だけ突出している。そしてアーム軸11が図示左方向へ後退したときに、そ
の後端11bによりローラ61が押され、スプリング60が収縮して検知ロッド
57の後端がアクチュエータ56aを押し、検知スイッチ56が例えばONとな
ると、アーム軸11が正規の後退位置であることが検知され、OFFのとき位置
ずれが生じていることを検知できるようになっている。
なお、前記検知スイッチ56の接点切換えは検出回路71により検出され、そ
の検出出力が主制御部72に与えられる。そして主制御部72の判断により必要
に応じてアラーム73が動作する。
【0016】
次に動作について説明する。
この工具交換装置の動作は図7に示しているのと同じであり、まず第1の旋回
駆動機構(ロ)により、アーム軸11と交換アーム12が図7に示す原位置(A
)から所定角度(例えば60度)回動して(B)の工具ホルダ保持位置へ移動す
る。次にクランプ駆動機構(イ)の駆動部材32が後退移動することによりクラ
ンプ駆動軸15のクランプ解除方向への力が解除され、スプリング20によって
クランプピン19が突出し、加工機の主軸ならびに工具マガジンに設けられた工
具ホルダ4が交換アーム12の保持部12aにクランプ保持される。これとほぼ
同時に加工機の主軸側ならびに工具マガジン側の図示しない周知のクランプ機構
がそれぞれクランプ解除動作し、交換アーム12に工具ホルダ4を受け渡し可能
な状態となる。次に、進退駆動機構(ニ)によりアーム軸11ならびに交換アー
ム12が(D)方向へ前進させられる。アーム駆動軸11が前進すると、基部の
歯車14が第2の旋回駆動機構(ハ)の扇歯車44の歯44aと噛み合い、この
第2の旋回駆動機構(ハ)の動作により、図7において(E)で示すように、交
換アーム12が180度旋回する。これにより加工機の主軸と工具マガジンとの
間で工具ホルダ4の交換が行われる。次に進退駆動機構(ニ)によりアーム軸1
1が(F)方向に戻され、このときアーム軸11が正規の後退位置に完全に戻っ
たか否か検知スイッチ56により検知される。このとき、加工機の主軸側と工具
マガジン側のクランプ機構がクランプ動作し、各工具ホルダ4は確実に保持され
る。この後交換アーム12側のクランプ駆動機構(イ)の駆動部材32が前進し
クランプ駆動軸15がスプリング20に抗して前進されピニオン17を介してク
ランプピン19が引き込められて交換アーム12の保持部12aに保持された工
具ホルダのクランプが解除される。そして第1の旋回駆動機構(ロ)により交換
アーム12が所定角度駆動され、図7に示す原位置(A)に復帰する。
上記1サイクル動作の間、第1の動力伝達軸23は2回転し、第2の動力伝達
軸26は1回転する。
【0017】
この装置において、動力伝達機構を構成する歯車21、22、24、25の噛
み合い部、ならびに各歯車と動力伝達軸のスプライン係合部、および進退駆動機
構(ニ)のカム溝46aとカムフォロワ50との摺動部、駆動レバー47とその
支点となる軸48との摺動部、さらにはアーム軸11の溝11aとローラ49と
の摺動部などのいずれかに磨耗などによるガタや変形が生じると、そのガタや変
形は累積されて上記全ての動力伝達経路の最終段にあるアーム軸11の進退方向
の位置ずれとして現れる。アーム軸11が(F)方向へ復帰したときには、その
後端11bがローラ61に当たり、スプリング60の付勢力によりアーム軸11
は(D)方向へ押される。よって前記ガタが生じた場合、スプリング60の付勢
力によりそのガタの量だけアーム軸11ならびに検知ロッド57が(D)で示す
突出方向へ移動させられるため、検知スイッチ56のアクチュエータ56aをO
Nさせる位置まで後退できなくなる。これにより上記磨耗や変形などが生じ、交
換アーム12の動作不良すなわち、交換アーム12の保持部12aの凸条12b
と工具ホルダ4の保持溝4cとが軸方向にずれている状態であることが検知でき
る。よってこのような検知スイッチ56による位置ずれ検知は図1に示す検出回
路71により検出され、主制御部72に出力される。このとき主制御部72から
の指令により、動作不良検出時点でモータMを直ちに停止させ、あるいはそのサ
イクルの動作が完了して交換アーム12が原位置(A)へ復帰した時点でモータ
Mを停止させる。またその状態をアラーム73などにより知らせるようにするこ
とにより、交換アーム12が軸方向に位置ずれの状態のまま動作が続行されるこ
とを防止できる。これにより、交換アーム12と工具ホルダ4との衝突による衝
撃から交換アーム12の旋回機構部等を破損するようなことを防止できる。
【0018】
さらに例えば(イ)(ロ)(ハ)などに示す各駆動機構において、機構部の噛
みこみなどが生じその負荷によってモータMが停止したような場合を想定すると
、一定時間経過して本来ならばアーム軸11が(F)方向へ復帰して検知スイッ
チ56がONになるべきであるのに、このON信号が出力されないことになる。
よって検知スイッチ56の検知出力が出される時間をタイマーにより監視するこ
とによって、動力伝達機構のみならずそれぞれの駆動機構において動作不良が生
じたことを検知でき、モータMの負荷が長い時間増大しつづけることを防止でき
る。
【0019】
また、図1の実施例では検知ロッド57にスプリング60を設けたことにより
、動力伝達機構などにガタが生じてアーム軸11の軸方向の移動ガタが現れた場
合、アーム軸11が図示左方向へ後退したときに、検知ロッド57を突出方向へ
付勢するスプリング60によってアーム軸11がガタ分だけ図示右方向へ押され
、よって検知スイッチ56のアクチュエータが作動しない状態すなわち位置ずれ
を確実に検知できる。
ただし図7に示すように、アーム軸11が垂直方向に配置され、交換アーム1
2が下向きの場合には、前記ガタ分だけ自重によりアーム軸11が(D)方向へ
突出するため、前記スプリング60を設けなくても、ガタによるアーム軸11の
復帰不足を検知スイッチ56の不作動により知ることができる。
また検知スイッチ56により検知する箇所は必らずしもアーム軸11の後端1
1bに限られず、アーム軸11または交換アーム12のどの箇所であってもよい
。また上記ガタ分が生じたときにアーム軸を突出方向へ付勢するスプリングを検
知ロッド57用のスプリング60とは別個に設けてもよい。
なお、本考案の工具交換装置は、各駆動機構および動力伝達機構、アーム構造
等は実施例で示されるものに限らず、機械的伝動機構を採用したものであれば他
の構造のものも含むものとする。
【0020】
以上詳述した本考案によれば、モータにより駆動される機械的動力伝達経路に
アーム軸の進退駆動機構を設け、アーム軸の後退位置を検知し、正規の後退位置
にあるか否かを検知する検知手段を設けたので、前記動力伝達機構や進退駆動機
構のいずれかの機構部に磨耗によるガタや変形などがあり、アーム軸の後退位置
に位置ずれが生じた場合には前記検知手段によりその状態を確実に検知できる。
これにより、動作中止などの対策を施すことにより、他の機構部の破損や交換ア
ームの動作不良を未然に防止できる。すなわち、ひとつの検知手段により動力伝
達経路のいずれかの位置に生じる磨耗や変形などを検知できることになり、最少
の検知手段で装置の信頼性を高めることができる。
【図1】本考案による工具交換装置の構造を示す縦断面
図。
図。
【図2】交換アームを示す図1の右側面部分断面図。
【図3】図1のIII断面図。
【図4】図1のIV断面図。
【図5】図1のV断面図。
【図6】図1のVI断面図。
【図7】工具交換装置の交換動作を示す説明図。
M モータ
4 工具ホルダ
10 本体ケース
11 アーム軸
12 交換アーム
12a 保持部
15 クランプ駆動軸
19 クランプピン
22 動力伝達機構を構成する歯車
24 動力伝達機構を構成する歯車
25 動力伝達機構を構成する歯車
23 第1の動力伝達軸
26 第2の動力伝達軸
(イ) クランプ駆動機構
(ロ) 第1の旋回駆動機構
(ハ) 第2の旋回駆動機構
(ニ) アーム軸の進退駆動機構
Claims (2)
- 【請求項1】 装置本体に対し進退し且つ回動するアー
ム軸と、このアーム軸の先端に設けられ且つ両端に工具
ホルダの保持部が形成されている交換アームと、前記ア
ーム軸を回動させる旋回駆動機構と、アーム軸を装置本
体に対し進退駆動する進退駆動機構と、前記交換アーム
に形成された保持部において工具ホルダをクランプする
クランプ駆動機構とが設けられて、共通のモータの動力
が機械的な動力伝達機構を介して前記各駆動機構に伝達
され、且つ装置本体側には前記アーム軸が後退した位置
を検知し正規の後退位置であるか否かを検知する検知手
段が設けられていることを特徴とする工具交換装置。 - 【請求項2】 検知手段は、アーム軸の後退時にアーム
軸に接触して軸方向に進退移動される検知ロッドと、こ
の検知ロッドのアーム軸との接触時にこの検知ロッドを
介してアーム軸を前進方向に付勢しアーム軸の軸方向の
ガタを吸収するスプリングと、上記検知ロッドに対向し
検知ロッドの後退移動により所定位置にて作動される検
知スイッチとからなる請求項1記載の工具交換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991023513U JP2540715Y2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 工具交換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991023513U JP2540715Y2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 工具交換装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04109832U true JPH04109832U (ja) | 1992-09-24 |
JP2540715Y2 JP2540715Y2 (ja) | 1997-07-09 |
Family
ID=31908708
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991023513U Expired - Lifetime JP2540715Y2 (ja) | 1991-02-28 | 1991-02-28 | 工具交換装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2540715Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023068316A (ja) * | 2021-11-02 | 2023-05-17 | 本田技研工業株式会社 | 工作機械の加工工具保持不良検出装置および方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5752183A (en) * | 1980-09-16 | 1982-03-27 | Ricoh Co Ltd | Manufacture of thin film transistor |
JPS57127641A (en) * | 1980-09-24 | 1982-08-07 | Toyoda Mach Works Ltd | Automatic tool exchanger |
JPS6029392U (ja) * | 1983-08-02 | 1985-02-27 | 栗原 明 | 半導体(特殊金属)を内蔵した埋込ヒ−タ− |
-
1991
- 1991-02-28 JP JP1991023513U patent/JP2540715Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2023068316A (ja) * | 2021-11-02 | 2023-05-17 | 本田技研工業株式会社 | 工作機械の加工工具保持不良検出装置および方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2540715Y2 (ja) | 1997-07-09 |
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