JPS5935740B2 - 工具自動交換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ＮＣ工作機械の如き自動制御される工作機械
の工具自動交換装置に関する。

かかる工作機械においては、多数の工具を収納するマガ
ジン本体から必要な工具を取り出しスピンドルに供給し
、及びそのスピンドルから用済の工具を抜き去り次の加
工工程に供するための工具と取り替えるための工具自動
交換装置が簡潔な構成を有し、円滑確実な動作を迅速に
行うことが要求される。

しかも加ニスペースがストック工具や待機工具などによ
って狭められることなく十分な広さで確保されることが
作業性や安全性の面からも要請されるところである。

しかるに、従来のこの種工具自動交換装置では上記要求
に必ずしも十分には応えていない。

たとえば、スピンドル軸とマガジン本体の工具軸とが所
定の間隔を置いて直交する場合には、マガジン本体の工
具は、その脱着位置において、まず、いわゆるポットダ
ウンされる。

次いで該ポットから適当な挟み部材によって工具を取り
出し、さらに適当な角度回動すると共に水平移動して該
工具軸をスピンドル軸に合致せしめたのち、その工具を
スピンドルに装着する構造となっている。

このような場合には、ポットダウンによってスピンドル
軸と工具軸とが平行に保たれるので、その後の動作を比
較的容易に遂行し得る反面、マガジン本体のポットダウ
ン動作と挟み部材の３次元的交換動作との２段階の動作
をシーケンス制御する必要があるため、構造が全般的に
複雑になるばかりでなく、マガジン本体に収納可能な工
具数が比較的少ない。

しかもこれを多くしようとすると、マガジン本体が後方
に長く伸び工作機械の据付面積が犬となる欠点がある。

一方、マガジン本体の一部をベッド上方に伸ばすことは
、たとえそれによって工具交換が一層容易になるとして
も作業性や安全性の面から好ましくないことである。

このように工具自動交換装置の円滑確実な動作を保証す
ることと、作業性や安全性などを確保することとは相反
する面があり、しかもマガジン本体の配置や構造いかん
によって大いに影響を受け、この種の工作機械としての
死命を制するものである。

本発明は、上述した諸点を熟慮のうえ、この種の工作機
械としての使い良さを重視して案出されたものであり、
その目的とするところは、一方では工具交換動作を一連
のもとに円滑確実にかつ迅速に行いうるように、他方で
は十分なる加ニスペースを確保しうるようにした工具自
動交換装置を提供することにある。

本発明による工具自動交換装置は、スピンドル軸とマガ
ジン本体の工具脱着位置における工具軸とが所定の間隔
を置いて好ましくは直交するように設けられた自動制御
の工作機械において、前記スピンドル軸と工具軸との間
に位置し、斜設された軸を中心として旋回可能であり、
該旋回軸に装着された基台に移動体を進退可能に設け、
該移動体に両端に工具挟み爪を有するアームを半回転可
能に、かつ前記移動体の進退方向と直角方向に出入可能
に設け、該挾み爪が前記スピンドル軸及び工具軸にそれ
ぞれ直交するように構成されたことを特徴とするもので
ある。

次に、本発明の好ましい実施態様をＮＣフライス盤を例
にとって図面を参照しながら詳述すると、第１図はその
正面図、第２図はその側面図であり、このＮＣフライス
盤は、ベッド１上において水平面内で互いに直交するＸ
軸及びＹ軸方向に移動可能なテーブル２と、該テーブル
２の上方においてコラム３に鉛直（Ｚ軸）方向に上下動
可能に装着されたヘッド４と、該ヘッド４に回転可能に
装着されたスピンドル５と、コラム３の側面にＺ軸方向
に間欠送り可能に装着されたマガジン本体６と、及び該
マガジン本体６とヘッド４との間に配設された本発明に
係る工具自動交換装置７とから主として構成され、これ
らの各要素は操作盤８によってシーケンス制御される。

前記マガジン本体６は、上下のスプロケット（図示せず
）に巻き掛けられたローラチェーン９に多数の工具Ｔを
収納し得るポット１０を設けたものであり、この縦形に
ループ状に形成される多数のポット１０の列によって、
工具Ｔを可能な限り多数用意することができると共に、
テーブル２の後方に位置するためテーブル上を広く使用
することができる。

また、多数の工具を収容し得るにもかかわらず、左程マ
ガジン本体６がテーブル２の後方に伸びることはないの
で、このＮＣフライス盤の据付面積がそれほど大きくな
ることはない。

むしろ在来のものに比し同等ないしそれ以下にすること
が可能である。

前記ローラチェーンの各々のポット１０に収納される工
具Ｔの軸はすべてＸ軸方向に向けられており、上部の位
置Ａにおいて後述する工具自動交換装置７により該当す
る工具を脱着するようになっている。

そして、この実施例では、マガジン本体６の工具脱着位
置Ａにおける工具軸（Ｘ軸）と、前記スピンドル軸（Ｚ
軸）とが所定の間隔を置いて直交するようになされてい
る。

本発明による工具自動交換装置は、このスピンドル軸（
Ｚ軸）と工具軸（Ｘ軸）との間に配設されている。

その構成は、さらに第３図ないし第６図を参照して、先
端がＸ、Ｙ、Ｚの３軸からそれぞれ傾斜するハウジング
１１をコラム３に突設し、該ハウジング１１に旋回可能
な旋回軸１２を設けると共に、該旋回軸１２に基台１３
を固着し、さらに該基台１３上において進退可能な移動
体１４と、該移動体１４に装着され両端に工具挟み爪１
５．１６を有し、かつ半回転可能及び移動体１４の進退
方向と直角方向に出入可能なアーム１７とを設けてなる
ものである。

旋回軸１２は、第３図に示すようなギャードモータから
なる旋回装置１８によって基台１３を上方から見て時計
方向に所定の角度旋回せしめられる。

なお、この旋回軸１２の一端には実際には三角形状の旋
回ブラケット１９が固着され、該ブラケット１９を介し
て前記基台１３が取付けられている。

旋回軸１２はハウジング１１に軸受２０により軸支され
、基端に取付けた歯車２１に歯車減速機構２２を介して
モータ２３の歯車２４が噛み合って連結されている。

次に旋回ブラケット１９の先端に第６図に示すように取
付けられる基台１３には移動体１４がエアシリンダ２５
によって所定のストロークで摺動可能に設けられている
。

すなわち、移動体１４の直角な後面には基台１３との間
にクローズドローラガイド２６が設けられており、他方
の上面の先端部にはガイド棒２７に沿う筒状のガイド受
２８が設けられている。

さらに該上面と平行な下面には第４図に示すように、エ
アシリンダ２５のピストンロッド２９先端を連結する突
片３０が設けられている。

この移動体１４の前面は開放されているが、その前方へ
移動体１４の進退方向と直角方向に出入可能の別の移動
枠３１がさらにこの移動体１４に装着されており、移動
枠３１はエアシリンダ３２によって移動体１４に対し出
入せしめられる。

そして、第５図に示すようにこの移動枠３１の一側に回
動軸３３が軸受３４により軸支され、該回動軸３３の先
端には、両端に工具挟め爪１５．１６を有するアーム１
７が直角に固着され、また基端には該回動軸３３を半回
転せしめるアクチュエータ３５が連結されている。

２つの対向する円弧片からなるフォーク状に形成された
一方の工具挟み爪１５は移動体１４の前進によって、対
応する工具Ｔの胴部に設けられた環状溝３６に弾性的に
係合する。

また、他方の同様の工具挟み爪１６は、このようにして
係合した工具を待機状態に置くべく待機ポット３７に収
容する。

この待機ポット３７は工具Ｔのシャンク部を塵埃等から
保護すると共に、スピンドル５に対する迅速な脱着を可
能にする。

また、各々の工具挟み爪１５，１６には工具の位置決め
用ノツチ３８と解除用ノツチ３９とが設けられている。

移動枠３１を出入せしめるエアシリンダ３２は、移動体
１４との間に介装され、そのピストンロッド４０先端に
該移動枠３１がバネ４１を介して連結されている。

待機ポット３７は他方の工具挟み爪１６と同心に移動体
１４に固着され、移動枠３１とは相対的な動きをする。

なお、４２は移動枠３１のガイドを示す。

次に、本発明による工具自動交換装置の作動をを説明す
る。

まず、エアシリンダ等の進退装置２５によって、移動体
１４をＹ軸方向に前進せしめ、アーム１７の一方の工具
挟み爪１５をマガジン本体６の工具脱着位置Ａにおける
工具Ｔの環体溝３６に係合せしめる（第２図参照）。

次いで、移動枠３１をエアシリンダ等の出入装置３２に
よってＸ線方向に突出せしめ、工具Ｔをその収納ポット
１０から抜き出し、その後移動体１４を元の位置に後退
せしめる。

この移動体１４の復帰位置に゛おいて、次にアーム１７
の回動軸３３をアクチュエータ等の回動装置３５によっ
て半回転したのち移動枠３１を再び引っ込める。

そうすれば、当該工具Ｔは待機ポット３７に収納され待
機状態に置かれる。

さらに、スピンドル５に装着されている前工程の工具Ｔ
−１と交換する場合には、次にギャードモータ等の旋回
装置１８によって旋回軸１２及び旋回ブラケット１９を
介し基台１３を所定の角度旋回せしめる。

すると、基台１３の螺旋運動によって、空き側の他方の
工具挟み爪１６が第７図に示すようにスピンドル軸（Ｚ
軸）に直交するように向けられ、次いで上述の場合と同
様に移動体１４を前進して工具Ｔ−１の環状溝３６にそ
の工具挟み爪１６を係合させ、その後移動枠３１を突出
して工具Ｔ−１をスピンドル５から抜き去るものである
。

この状態では、待機ポット３７に収納されている次工程
の工具Ｔも同時に一方の工具挟み爪１５によって待機ポ
ット３７から引き抜かれており、次いでアーム１７を半
回転すれば、工具Ｔの軸はスピンドル軸（Ｚ軸）と同心
に合致し、工具Ｔ−１の軸は待機ポット３７の軸線と同
心に合致する。

したがって、次にアーム１７を引っ込めることにより、
工具Ｔをスピンドル５に装着することができ、移動体１
４を後退せしめることによって工具Ｔ−１からＴへの交
換が完了する。

基台１３は再び元の位置に旋回せしめられて次の工具を
用意すると共に、用済の工具Ｔ−１をマガジン本体６の
ポット１０に収納すべく作動せしめられる。

この動作は工具Ｔによる加工中に行われ、また、工具脱
着位置Ａには次の工具Ｔ−２が来るようにローラチェー
ン９が１ピツチだけ送られる。

その後は、上述した作動により次の工具Ｔ−２は待機ポ
ット３７へ、用済の工具Ｔ−１は工具Ｔ−２が抜き取ら
れた後のポット１０へ、それぞれ収納される。

本発明において、以上の実施例は１例にすぎないもので
ある。

たとえば、マガジン本体は収納工具軸がスピンドル軸と
直角となるように直立して設けられているが、収納すべ
き工具数を一層多くするために傾斜して設けることも可
能である。

この場合には、工具軸が少くともその脱着位置において
この実施例の場合と同様に水平になるようにしてもよい
し、或は必ずしもスピンドル軸と直角にならなくてもよ
い。

前者の場合にはこの実施例の装置がそのまま適用し得る
が、後者の場合には修正して適用することになる。

以上のように本発明によれば、工具交換装置の進退、出
入、半回転及び螺旋の一連の運動によって、互いに間隔
を置いて好ましくは直交するスピンドル軸と工具軸との
各々に工具挟み爪を直交するように位置せしめることが
できるものであり、工具の交換を簡潔な構成でもって円
滑確実にかつ迅速に行うことができる。

またテーブル上は広く使用することができ、作業性、安
全性の面で優れており、より多くの工具数を収納するこ
とができ、さらには工作機械の据付面積を減少できるな
ど多犬の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の工具自動交換装置を備えたＮＣフライ
ス盤の正面図、第２図は同側面図、第３図は本発明によ
る工具自動交換装置の旋回部を示す断面図、第４図は第
３図の旋回部に装着される工具挟み部を示す正面図、第
５図は第４図の縦断側面図、第６図は第５図の下面図、
第７図は工具挟み部がスピンドル側に向けられた状態を
示す平面図である。 ５ニスピンドル、６：マンガン本体、１３：基台、１４
：移動体、１５，１６：工具挟み爪、１７：アーム、Ｔ
、Ｔ−１，Ｔ−２：工具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スピンドル軸とマガジン本体の工具脱着位置におけ
   る工具軸とが所定の間隔を置いて好ましくは直交するよ
   うに設けられた自動制御の工作機械において、前記スピ
   ンドル軸と工具軸との間に位置し、斜設された軸を中心
   として旋回可能であり、該旋回軸に装着された基台に移
   動体を進退可能に設け、該移動体に両端に工具挟み爪を
   有するアームを半回転可能に、かつ前記移動体の進退方
   向と直角方向に出入可能に設け、該挾み爪が前記スピン
   ドル軸及び工具軸にそれぞれ直交するように構成された
   ことを特徴とする工具自動交換装置。