JPH0319021B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はFMCに最適に適用されると共にFMS
ラインに適用される工作機械のワーク交換装置に
関するものである。

工作機械に複数個のワークを供給して多様の加
工を行うFMC（フレキシブル・マシニング・セ
ル）のAWC（自動ワーク交換装置）において、比
較的多量のワークをセツトするには装置が大形化
し、大きな設置面積を専用する欠点が生ずる。ま
たFMSラインに使用されるワークストツカを適
用すると設備が大がかりのものとなり、FMCに
は不適当となり、かつ高価となる欠点が生ずる。
更に、従来のAWCはFMCに専用的に配設される
固定的のもので、FMCからFMSへのライン拡張
および変更には対応し得ない欠点があつた。

本発明は上記欠点を解決するもので、その目的
は、多数個のワークを小スペースで載置でき、該
ワークを簡単に工作機械側に受渡しできると共
に、ワークの段取が容易でセツト交換可能であ
り、かつライン編成に柔軟性を有しFMCから
FMSへの拡張、変更を可能とする工作機械のワ
ーク交換装置を提供することにある。

本発明は上記目的を達成するために、ワーク自
動供給系路に配設され、工作機械に所望のワーク
を自動供給するワーク交換装置において、前記工
作機械に近接して設けられた固定台と、該固定台
に支持され回動割出し位置決め可能な回転テーブ
ルと、前記固定台に固定され上記回転テーブルを
割出し位置決めする駆動モータと、前記回転テー
ブルに案内体を介して自転可能に、かつ、前記回
転テーブルに対して短時間で着脱可能に係合支持
される複数のカセツトテーブルと、前記回転テー
ブルが回動し、所望するカセツトテーブルを所定
位置に割出したとき、前記回転テーブルを位置決
めする位置決め手段と、前記回転テーブルに設け
られ、この回転テーブルが割出し回転中に前記カ
セツトテーブルの回転を停止させるための回り止
め手段と、前記回転テーブルに設けられ、所定位
置に位置決めされた前記カセツトテーブルの回り
止め手段を外し、回転可能にすべくカセツトテー
ブルに係合する進退移動可能な係合手段と、前記
固定台に設けられ、この係合手段に押圧係合し、
進退移動させる第一の駆動手段と、前記固定台に
設けられ前記係合手段の進退動作でこの係合手段
と係合したとき、カセツトテーブルを回転させる
第二の駆動手段と、前記カセツトテーブルに設け
られ多数個のワークを着脱可能に保持するワーク
ホルダと、前記カセツトテーブルと前記工作機械
との間で該ワークホルダの所望のワークを受渡し
する受渡し手段とからなる構成で、このワーク交
換装置をFMSラインへのワーク自動供給系路に
係合せしめてFMCからFMSへの拡張変更を図る
ようにした構成をとることを特徴としたものであ
る。

所望のワークを載置したカセツトテーブルを所
定位置で回転テーブル上に乗せ、該回転テーブル
および上記カセツトテーブルを所定位置に位置決
め手段により回転割出しして所望ワークを工作機
械側に移送すると共に、搬入手段により該ワーク
を工作機械に受渡すことによりワーク交換が簡単
に行われる。また上記回転テーブルをFMSライ
ンのワーク自動供給系路に配置することにより、
FMSライン化に適合せしめることができる。

以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。

本実施例を適用した工作機械の側面図、平面
図、正面図を第１図、第２図、第３図に示す。

工作機械のコラム１０に支持される主軸１１は
矢視のＺ方向およびＹ方向に移動する。ベツド１
２上に載置されるテーブル１３（第２図）は矢視
Ｘ方向に移動し、テーブル１３上に支持されるパ
レツト１４上にはワークを把持して回動割出しす
る割出台１５が載置される。

ワーク交換装置１は工作機械のベツド１２と連
結するフレーム１６上に載置され、カバ１７によ
り囲まれて配設される。後に詳説するが、ワーク
交換装置１のカセツトテーブル上のワーク１８は
搬入手段のアーム５０１に把持され割出台１５内
に挿入される。ワーク１８が挿入されると割出台
１５の回動、Ｘ方向の移動、主軸１１のＹ、Ｚ方
向の移動が行われ、ワーク１８が加工される。加
工済のワーク１８はアーム５０１によりワーク交
換装置１側に戻される。

第４図にワーク交換装置１の側面図を示す。

４個のカセツトテーブル２（図では２個しか表
われていない）にはワーク１８を着脱可能に収納
するワークホルダ２０１が同一円周に複数個（実
施例では10個）配設される。カセツトテーブル２
はボール３０２を介し回転テーブル３のガイドリ
ング３０３に自転可能に、かつ着脱可能に支持さ
れる。回転テーブル３の円板３０１の中央に固定
されるボス部３０４は軸受３０５を介し、円筒軸
３０６に支持される。円筒軸３０６は工作機械の
ベツド１２に連結されるフレーム１６に固定され
る。またボス部３０４には円筒軸３０６内に嵌挿
される中心軸３０７の一端側が連結し、中心軸３
０７の他端側には減速機３０８の出力軸３０９が
連結する。減速機３０８にはモータ３１０が接続
する。以上の構成により回転テーブル３はモータ
３１０により回動され、これに載置するカセツト
テーブル２もこれに伴つて回動する。なお回転テ
ーブル３は図示しない制御手段によりカセツトテ
ーブル２の数だけ割出し回動位置決めされるよう
に形成される。

割出し位置決め手段４はカセツトテーブル２の
それぞれに係合して設けられ第５図に詳しく示し
ている（後に詳説する）。

搬入手段５はロボツトで構成され、本体５０２
と、ワーク１８を把持するアーム５０１と、アー
ム５０１を開閉回動操作する操作部５０３と、ア
ーム５０１をワーク１８に係合、離脱する方向お
よびこれと直交する方向に移動する移動機構５０
４およびアーム５０１を工作機械側に回動させる
回動機構および割出台１１にワークを挿入せしめ
る機構（本体５０２内に設けられ、いづれも図示
せず）等から形成される。

なおワーク１８は詳しくには、ワークホルダ２
０１内に挿着されるホルダー１８ａに支持固定さ
れ、アーム５０１の把持部はホルダ１８ａに形成
される溝部１８ｂに係合してこれを把持するよう
に形成される。

次に割出し位置決め手段４を第５図により説明
する。

円板３０１上に複数個（本実施例では４個）固
定されるガイドリング３０３の中心部にはブツシ
ユホルダ４０１が円板３０１に固定されて配置さ
れ、ブツシユホルダ４０１内にはブツシユ４０２
を介し回転軸４０３が枢着される。回転軸４０３
の上面に固定した鍔板４０５の側縁にピン４０４
が複数個固定され、ピン４０４はカセツトテーブ
ル２の中心部の同一円周上に配置されるブツシユ
２０２に着脱可能に係合する、また、回転軸４０
３の下端側には歯車４０６が形成される。

回転軸４０３の一部に形成される縮小段付部４
０３ａには第６図に示すごとく摺動レバ４０７の
一端側の二叉部に枢着される一対のカムフオロア
４０８が設けられ、摺動レバ４０７の他端側は位
置決めピン４０９に係合され、この位置決めピン
４０９の上端はカセツトテーブル２に固定される
位置決めブツシユ２０３に着脱自在に挿着され
る。これによつてカセツトテーブルは回り止めさ
れる。なお位置決めピン４０９は円板３０１に固
定するブツシユ４１０に摺動可能に支持される。
摺動レバ４０７の中心部は同じく円板３０１に固
定するブラケツト４１１にピン４１２を介しこの
ピン４１２を支点に揺動可能に支持される。

第４図右方に示す如く、搬入手段５に最も近い
位置に回動位置決めされるカセツトテーブル２に
対応する回転軸４０３の歯車４０６と対峙する位
置には、シリンダ４１３がフレーム１６に固定さ
れて配置され、その近傍には上記位置にある歯車
４０６と噛合し得るラツク４１４が配設される
（第二の駆動手段）。第５図に示す如く第一の駆動
手段であるシリンダ４１３内にはピストン４１５
が収納され、ピストン４１５は図示しない油圧手
段により往復動し、端部４１５ａのが歯車４０６
に当接し回転軸４０３をカセツトテーブル２側に
押圧するように動作する。第６図にも示す如く、
ラツク４１４はラツクガイド棒４１６に固定さ
れ、ラツクガイド棒４１６はガイドブロツク４１
７に摺動可能に支持される。またラツクガイド棒
４１６にはこれを往復動させるシリンダ４１８が
連結している。

第５図においてフレーム１６に支持されるガイ
ドローラ４１９は円板３０１を支持するものであ
り、検出スイツチ４２０は位置決めピン４０９の
挿脱を検出し、検出スイツチ４２１はワークの挿
脱を検出し、第６図の検出スイツチ４２２はラツ
ク４１４の移動量すなわちカセツトテーブル２の
割出し位置を検出するためのものである。

また第５図に示す如く、カセツトテーブル２の
外周面にはカセツトテーブル２を着脱する場合に
用いる係止部２０４が凹設されている。

第４図に示す如く、搬入手段５から離れた位置
にあるカセツトテーブル２に対応する回転軸４０
３の歯車４０６と対峙する位置には、回転軸４０
３を上下動させるためのロツド４２３が設けら
れ、ロツド４２３はフレーム１６に支持される足
踏式ペダル４２４により往復動される。

次に、本実施例の作用を説明する。

まず割出し位置決め手段４を説明する。

回転テーブル３が回動し、カセツトテーブル２
の１つが工作機械側に最も近い位置に割り出され
ると、シリンダ４１３のピストン４１５の端部４
１５ａが第５図の上方に移動し、歯車４０６に当
接しこれを持ち上げる。これにより鍔板４０５の
ピン４０４がカセツトテーブル２のブツシユ２０
２に挿入される。同時に揺動レバ４０７が図示の
右回転し、位置決めピン４０９は位置決めブツシ
ユ２０３から離脱し、カセツトテーブル２を自由
にする。同時にこの状態で歯車４０６はラツク４
１４と噛合する。シリンダ４１８によりラツク４
１４を移動すると歯車４０６は回動し、これに伴
つてカセツトテーブル２が回動する。ラツク４１
４の移動量とカセツトテーブル２の回動量を関係
づけることによりワーク１８が割出しされ、所望
のワークを搬入手段５に最も近接する位置に割出
すことができる。この位置でシリンダ４１３のピ
ストン４１５を逆方向に移動して下降することに
より歯車４０６とラツク４１４の噛合とカセツト
テーブル２のブツシユ２０２とピン４０４の係合
は開放され、位置決めピン４０９が位置決めブツ
シユ２０３に挿入され、位置決め固定される。

次に、第４図に示す如く搬入手段５のアーム５
０１は所定位置に位置決めされたワーク１８を把
持し、これをワークホルダ２０１から引き抜き、
これを上下に反転して工作機械の割出台１５に移
送し、割出台１５内に挿入する。

回転テーブル３は上記の如くオイルモータ３１
０の回転により円筒軸３０６外周に軸受３０５、
ボス部３０４を介して円板３０１を回動し、カセ
ツトテーブル２を所定位置に割出し位置決めす
る。

カセツトテーブル２は上記の如く工作機械の近
接位置に割出され、割出し位置決め手段４により
回動されるが、第４図に示す如く、工作機械から
離れた位置において、足踏式ペダル４２３を作用
することにより自由に自転し得る状態になる。従
つて、手動等によりカセツトテーブル２を自転さ
せ、一定位置でワーク１８を搭載または取り外し
することができる。更に、カセツトテーブル２は
ガイドリング３０３のボール３０２上に載置する
構成であるため簡単にセツト交換できるため、予
め所望ワークを搭載したカセツトテーブル２をセ
ツトで準備し、公知のフオーク型搬送装置等で係
止部２０４（第５図）と係合して搬送し、回転テ
ーブル３にセツトで搭載することにより多種多量
のワークの段取時間を大巾に短縮することができ
る。

次に、本実施例のワーク交換装置１を用いた
FMCからFMSに拡張、変更する応用例を示す。

第７図ないし第９図において、工作機械を
MAMBとし、これに対応するワーク交換装置を
１Ａ，１Ｂとする。またそれぞれのワーク交換装
置１Ａ，１Ｂのカセツトテーブルを工作機械側に
あるものを２Ａとし、以下右まわりに２Ｂ，２
Ｃ，２Ｄと便宜上称呼する。

第７図に示す如く、ワーク自動供給系統１９に
はワーク１８を供給する搬送車２０が連行してい
る。この場合、工作機械MA，MBはワーク自動
供給系統１９に直交して並設されるため、カセツ
トテーブル２Ｃの位置がワーク自動供給系統１９
側に配設される。

従つて、搬送車２０内のワーク１８又はカセツ
トテーブル２０Ａ，２０Ｂのワーク１８をカセツ
トテーブル２Ｃの所に搭載することによりワーク
の自動供給ができる。以下、それぞれのFMCに
従つてワークの自動交換および加工が行われる。

第８図は工作機械MA，MBをワーク自動供給
系路１９に沿つて並べたもので、カセツトテーブ
ル２Ｂの位置がワーク自動供給系統１９側に配設
される。この場合にも第７図と同様に簡単にワー
クの自動供給、自動交換が行われる。

第９図は工作機械MA，MBをワーク自動供給
系路１９を挟んで並設せしめたものでワーク交換
装置１Ａのカセツトテーブル２Ｂの位置とワーク
交換装置１Ｂのカセツトテーブル２Ｄの位置がワ
ーク自動供給系路１９側に配設される。この場合
も上記例と同様の効果が上げられる。

以上により、本発明によれば次の如き効果が上
げられる。

(1) 工作機械の配列に関係なく、ワーク自動供給
系統の近傍にワーク交換装置を配置でき、ワー
クの受渡しがスムースに行われ、FMCから
FMSへの拡張、変更が簡単に実施できる。

(2) カセツトテーブルを使用するため任意のワー
ク組合せが簡単にでき、セツト換えにより段取
り時間が大幅に短縮される。

(3) 回転テーブルとカセツトテーブルとの組合せ
により小スペースで多数個のワークを準備する
ことができる。

(4) 回転テーブルを使用するため円周の任意の位
置からワークの供給が可能となり、ワーク供給
スペースを低減することができる。

(5) ワークの位置決めはすべてワーク交換装置側
で行われ、工作機械側への受渡し機構が簡単の
ものとなり、交換作業時間が短縮される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を設けた工作機械の側
面図、第２図は第１図の平面図、第３図は第１図
の正面図、第４図は実施例の全体構造を示す側面
図、第５図は実施例の主要部を示す側断面図、第
６図は第５図の矢視の平面図、第７図ないし第
９図は実施例をFMSラインに応用した状態を示
す説明用平面図である。 １，１Ａ，１Ｂ……ワーク交換装置、２，２
Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄ……カセツトテーブル、３
……回転テーブル、４……割り出し位置決め手
段、５……搬入手段、１０……コラム、１１……
主軸、１２……ベツド、１３……テーブル、１４
……パレツト、１５……割出台、１６……フレー
ム、１７……カバ、１８……ワーク、１９……ワ
ーク自動供給系統、２０……搬送車、２０１……
ワークホルダ、２０３……位置決めブツシユ、３
０１……円板、３０３……ガイドリング、３０６
……円筒軸、３０８……減速機、３１０……オイ
ルモータ、４０３……回転軸、４０６……歯車、
４０７……揺動レバ、４０９……位置決めピン、
４１３……シリンダ、４１４……ラツク、４１５
……ピストン、４１６……ラツクガイド棒、４１
８……シリンダ、４２０，４２１，４２２……検
出スイツチ、４２４……足踏式ペダル、５０１…
…アーム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ワーク自動供給系路に配設され、工作機械に
   所望のワークを自動供給するワーク交換装置にお
   いて、 前記工作機械に近接して設けられた固定台と、 該固定台に支持され回動割出し位置決め可能な
   回転テーブルと、 前記固定台に固定され前記回転テーブルを割出
   し位置決めする駆動モータと、 前記回転テーブルに案内体を介して自転可能
   に、かつ、前記回転テーブルに対して短時間で着
   脱可能に係合支持される複数のカセツトテーブル
   と、前記回転テーブルが回動し、所望するカセツ
   トテーブルを所定位置に割出したとき、前記回転
   テーブルを位置決めする位置決め手段と、 前記回転テーブルに設けられ、この回転テーブ
   ルが割出し回転中に前記カセツトテーブルの回転
   を停止させるための回り止め手段と、 前記回転テーブルに設けられ、所定位置に位置
   決めされた前記カセツトテーブルの回り止め手段
   を外し、回転可能にすべくカセツトテーブルに係
   合する進退移動可能な係合手段と、 前記固定台に設けられ、この係合手段に押圧係
   合し、進退移動させる第一の駆動手段と、 前記固定台に設けられ前記係合手段の進退動作
   でこの係合手段と係合したとき、カセツトテーブ
   ルを回転させる第二の駆動手段と、 前記カセツトテーブルに設けられ多数個のワー
   クを着脱可能に保持するワークホルダと、 前記カセツトテーブルと前記工作機械との間で
   該ワークホルダの所望のワークを受渡しする受渡
   し手段とからなる工作機械のワーク交換装置。