JPS625743B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数個の工具マガジンを備えた工作機
械に関するものである。

本発明の目的とするところは複数の工具マガジ
ンを用意し、一方の工具マガジンを使用している
間に他方の工具マガジンでもつて工具の段取替え
を行い、機械の稼動率を向上させることである。

本発明の他の目的とすることろはコラム上に位
置された工具マガジンを作業のしやすいコラム側
方へ移動させ、簡単に工具の段取替えを行えるよ
うにすることである。

一般に多品種少量生産の工作物を加工するマシ
ニングセンタにおいては、生産スケジユールの変
更によつて対象工作物がかわつた場合、同時に工
具マガジンに挿着された工具の段取替えが必要と
なる。

しかしながらオーバヘツドタイプのマシニング
センタでは、コラムの上方に工具マガジンが設置
されているため、作業性が悪く能率的な段取替え
ができなかつた。

しかも工具マガジンを１台しか備えていないた
め、機械の運転を止めなければ工具の段取替えが
できず、稼動率が低下する欠点があつた。

本発明は従来のこのような欠点を解決するため
になされたものであり、以下その実施例を図面に
基づいて説明する。

第１図は工具交換装置を備えた工作機械を示し
ており、１０はベツド、１１はベツド１０上に固
定された門型コラム、１２はこのコラム１１に形
成された案内面に沿つて上下方向に摺動自在に支
持された主軸頭、１３は前記ベツド１０上で第１
図左右方向に摺動自在に載置されたサドル、１４
は前記サドル１３上で第１図紙面に垂直な方向に
摺動自在に載置されたクロステーブル、１５はこ
のクロステーブル１４上で回転割出し可能に載置
された回転テーブルで、その上面に工作物Ｗが取
付られている。前記主軸頭１２には工具Ｔを装着
する主軸１６が回転自在に軸架され、図略の駆動
モータによつて回転されるようになつている。

前記コラム１１の上部には第２図に示すように
取付ベース２０が固定され、この取付ベース２０
には回転軸２１が鉛直な回転軸線の回りで回転可
能に軸承されている。この回転軸２１には図略の
駆動モータによつてウオーム２３ならびにウオー
ムホイール２４を介して回転が与えられるように
なつており、その一端に形成された割出プレート
２５を回転割出しできるようになつている。この
割出プレート２５の中心部には案内溝２６が形成
され、この案内溝２６には保持体２７が上下方向
に摺動可能に案内されている。この保持体２７は
Ｌ字状をした一対の保持部２８を有し、この保持
部２８に工具マガジンＭ１のマガジン本体４０が
案内保持されている。この保持体２７は前記回転
軸２１の中心部に形成されたシリンダ２９ならび
にピストン３０の作用によつて上下方向に移動さ
れ、前記マガジン本体４０を押上げたりあるいは
割出プレート２５上に位置決め固定するようにな
つている。３１はこのマガジン本体４０を位置決
めする位置決めピンである。

前記工具マガジンＭ１のマガジン本体４０には
放射方向に向く多数のリセス４１が円周方向に適
当間隔をおいて形成され、このリセス４１にはそ
れぞれ工具ソケツト４２が枢支ピン４３により起
立転倒可能に保持されている。この工具ソケツト
４２の一端にはそれぞれ工具Ｔが挿着され、また
他端には摺動ピン４４がスプリング４５によつて
発力が付された状態で摺動自在に嵌合されてい
る。この摺動ピン４４は通常マガジン本体４４に
固定された環状リング４６の環状溝４７内に突入
して工具ソケツト４２の姿勢を拘束し、この環状
溝４７より外れたときにはカム面４８によつてガ
イドされるようになつている。

一方前記コラム１１の後方上部には第３図に示
すように支持ブロツク５０が固定され、この支持
ブロツク５０には支持軸５１によつてマガジンホ
ルダ５２が前記回転軸線に対して傾斜した傾斜軸
線の回りで旋回可能に支持されている。このマガ
ジンホルダ５２は前記支持軸５１を中心として両
側に延長され、その先端には第４図に示すように
工具マガジンＭ２のマガジン本体４０を支承する
Ｌ字形の支承部５３，５４がそれぞれ形成されて
いる。前記支持軸５１には図略の駆動モータによ
つてウオーム６８ならびにウオームホイール６９
を介して回転が与えられるようになつており、こ
の支持軸５１の回転によつて前記支承部５３およ
び５４を前記保持体２７と整列する整列位置Ｐ１
あるいはコラム後方の待機位置Ｐ２に位置決めさ
せるようになつている。

さらに前記支承部５３，５４の中央空間にはそ
れぞれシフト装置５５が設置されている。このシ
フト装置５５は係脱用シリンダ装置５６と、シフ
ト用シリンダ装置５７より構成され、係脱用シリ
ンダ装置５６は図略の適宜回り止め装置によつて
回り止めされたシフト用シリンダ装置５７のピス
トンロツド上に装備されている。この係脱用シリ
ンダ装置５６によつてノツチ５８を前記マカジン
円板下面に固着された係合プレート５９の係合溝
６０に係脱させ、またシフト用シリンダ装置５７
によつてノツチ５８を前記支承部５４に沿つて移
動させるようになつている。従つてこの係脱用シ
リンダ装置５６ならびにシフト用シリンダ装置５
７を交互に３回動作させてノツチ５８を順次係合
溝６０に係合させることにより前記保持体２７上
の工具マガジンＭ１をマガジンホルダ５２の支承
部５３上へ移替えることができるようになつてい
る。

なお、一旦この支承部５３，５４上に受入れら
れた工具マガジンＭ１，Ｍ２はノツチ５８によつ
てその移動が拘束されており、工具マガジンＭ
１，Ｍ２がその自重によつてマガジンホルダ５２
から脱落しないようになつている。また６１はノ
ツクピン作動用シリンダで、このシリンダ６１内
に摺動自在に嵌合されたピストン６２上のノツク
ピン６３を位置決め穴６４内に挿入することによ
りマガジンホルダ５２を高精度に位置決めするよ
うになつている。

前記取付ベース２０上には第５図に示すように
ブラケツト７０が固定され、このブラケツト７０
には回動リンク７１が枢軸７２によつて回動可能
に枢支されている。この回動リンク７１の先端は
連結ロツド７３によつて互いに連結され、その中
央部分には作動体７４が固定されている。この作
動体７４は第３図に示すように円弧形状をなし、
その両端は姿勢変更位置Ａに割出された工具ソケ
ツト４２に対応するようになつている。一方前記
取付ベース２０の上部にはシリンダ装置７５が固
定され、このシリンダ装置７５によつて昇降され
るラツク７６は前記枢軸７２上のピニオン７７と
噛合されている。この枢軸７２は姿勢変更位置Ａ
に割出された工具ソケツト４２の枢支ピン４３と
同一軸線上に設けられており、前記シリンダ装置
７５の運動を前記ラツク７６、ピニオン７７、枢
軸７２ならびに回動リンク７１を介して連結ロツ
ド７３に伝えると、作動体７４は前記枢支ピン４
３を中心として揺動し、前記工具ソケツト４２の
姿勢を変更するようになつている。

なお、８０は両端に把持部８１を有する交換ア
ームで、前記取付ベース２０内に組込まれた周知
の作動機構によつて前記主軸軸線と平行な方向に
進退させ、かつこの進退方向と直角な面内で回転
させることにより工具交換を行うようになつてい
る。

次に上記構成における作動を説明する。図面は
主軸１６に挿着された工具Ｔによつて工作物Ｗの
加工を開始する直前の状態を表わし、これよりサ
ドル１３ならびにクロステーブル１４を摺動させ
ることにより工作物Ｗは工具Ｔによつて必要な加
工が行なわれる。

そして主軸１６に挿着された工具Ｔによる加工
が終了すると同時に主軸頭１２は工具交換のため
に上昇端まで上昇される。この主軸頭１２の上昇
動作と併行してシリンダ装置７５が作動され、こ
れによつてラツク７６、ピニオン７７、枢軸７
２、回転リンク７１ならびに連結ロツド７３を介
して作動体７４が揺動され、その結果姿勢変更位
置Ａに割出された工具ソケツト４２は垂直姿勢か
ら水平姿勢に姿勢変更される。しかる状態におい
て交換アーム８０は周知のごとく回転運動ならび
に軸方向進退運動を行なつて主軸１６ならびに工
具ソケツト４２に挿着された工具Ｔを相互に交換
する。

工具交換終了後主軸頭１２は主軸１６に新しい
工具Ｔを挿着したまま下降し、再び前記と同様の
要領でもつて工作物Ｗの加工が行なわれる。この
主軸頭１２の下降動作と併せて再びシリンダ装置
７５によつて作動体７４が揺動され、使用ずみの
工具Ｔを挿着した工具ソケツト４２は水平姿勢か
ら垂直姿勢に姿勢変更される。その後図略の駆動
モータによつて保持体２７を回転すると、これと
一体をなすマガジン本体４０は所定角度割出し回
転され、これによつて次に使用すべき工具Ｔを挿
着した工具ソケツト４２が姿勢変更位置Ａに割出
され、次の工具交換動作に備えられる。

このようにして一方の工具マガジンＭ１に収容
された工具Ｔを順次取出して工作物Ｗを加工して
いる間、他方の工具マガジンＭ２は使用されてい
ないため手動で工具Ｔの差替を行うことができ
る。このとき工具マガジンＭ２はコラム後方の待
機位置Ｐ２に位置されかつ各工具Ｔがほぼ水平方
向に向いているため、楽な姿勢でもつて簡単に工
具Ｔの差替えを行うことができる。この差替え作
業によつて工具マガジンＭ２の各ソケツト４２に
は次に加工すべき工作物Ｗに必要な工具Ｔが挿着
され、次の工具マガジンＭ１，Ｍ２の交換動作に
備えられる。

一方機械では工作物Ｗの加工が前記と同様にし
て続行され、そして所要ロツト数の工作物Ｗの加
工が終了し、次に今までとは異なつた種類の工作
物Ｗが回転テーブル１５上に搬入された場合に
は、先ず図略の駆動モータによつて割出しプレー
ト２５が回転され、この割出しプレート２５上の
保持体２７はマガジンホルダ５２上の支承部５３
と同じ方向に揃えられる。しかる状態においてシ
リンダ２９に圧油を供給してピストン３０を上昇
させると工具マガジンＭ１は前記保持体２７とと
もに上方へ移動され、その結果ノツクピン３１は
工具マガジンＭ１より抜け、工具マガジンＭ１の
移動を可能にする。

その後シフトシリンダ装置５７によるノツチ５
８の前進動作、その前進端における係脱用シリン
ダ装置５６によるノツチ５８の係合動作、シフト
シリンダ装置５７によるノツチ５８の後退動作、
係脱シリンダ装置５６によるノツチ５８の離脱動
作を順次３回繰返すことにより保持体２７上の工
具マガジンＭ１はマガジンホルダ５２の支承部５
３上にシフトされる。シフト動作終了後ノツクピ
ン６３を抜き、その後図略の駆動モータを作動す
ることによりウオーム６８、ウオームホイール６
９ならびに支持軸５１を介してマガジンホルダ５
２は回転され、待機位置Ｐ２においてすでに段取
替えが行なわれた予備の工具マガジンＭ２は整列
位置Ｐ１へ、また整列位置Ｐ１にある工具マガジ
ンＭ１は待機位置Ｐ２へとそれぞれ旋回され、さ
らに位置決め穴６４にノツクピン６３が挿入され
て各工具マガジンＭ１，Ｍ２は高精度に位置決め
される。

この旋回動作によつて他方の支承部５４は支持
体２７と整列され、この状態で再びシフトシリン
ダ装置５７の往復動作ならびに係脱シリンダ装置
５６の係脱動作を前記同様にして３回繰返すこと
により、支承部５４上の工具マガジンＭ２は保持
体２７上にシフトされる。この工具マガジンＭ２
を受取つた保持体２７は再びシリンダ２９の作用
によつて下降され、その結果工具マガジンＭ２は
ノツクピン３１によつて位置決めされると同時に
保持体２７によつて割出しプレート２５上に強固
にクランプされる。

この工具マガジンＭ２が割出しプレート２５上
に位置決めクランプされることによつて工具マガ
ジンＭ２上の工具ソケツト４２の１つが再び作動
体７４と対応するため、引続き前記と同様の要領
でもつて工具Ｔを転倒させ、さらに交換アーム８
０によつて主軸１６に工具Ｔを挿着することがで
き、そのまま異る工作物Ｗの加工を開始すること
ができる。

前記したように本発明は、コラムの上方に工具
マガジンを装備したタイプの工作機械において、
さらに別の工具マガジンを用意し、この工具マガ
ジンをコラム上の支持軸を中心として旋回してコ
ラムの側方に移動させ、工具の段取替えを行うよ
うにしたものであるため、工具マガジンを支持す
るための特別の支持台が不用となつて設置スペー
スが少くてすみ、また比較的楽な姿勢で工具の段
取替えを行うことができる利点がある。しかもこ
の段取替えは機械の運転中に行うことができるた
め機械の稼動率を向上することができる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
本発明装置を示す側面図、第２図は第１図の−
線断面矢視図、第３図は第２図の−線断面
矢視図、第４図は第３図の矢視図、第５図は第
３図の矢視図である。 Ｔ……工具、Ｍ１，Ｍ２……工具マガジン、２
３……ウオーム、２４……ウオームホイール、２
７……保持体、５２……マガジンホルダ、５３，
５４……支承部、５５……シフト装置、６８……
ウオーム、６９……ウオームホイール。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数の工具を着脱可能に保持する複数個の工
   具マガジンと、この複数個の工具マガジンの１つ
   の工作機械のコラムの頂部においてほぼ鉛直な回
   転軸線の回りで回転可能に保持する保持体と、こ
   の保持体上に保持された工具マガジンを回転割出
   しする割出し装置と、前記回転軸線に対して傾斜
   した支持軸によつて前記コラム上に回転可能に支
   持されかつ前記複数個の工具マガジンを着脱可能
   に支承する複数の支承部を有するマガジンホルダ
   と、このマガジンホルダ上の支承部の１つを前記
   コラム上の保持体と整列するように前記マガジン
   ホルダを回転する駆動装置と、互いに整列された
   前記支持部ならびに保持体間において工具マガジ
   ンを入替えるシフト装置とを設けたことを特徴と
   する複数個の工具マガジンを備えた工作機械。