JPS6227939B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は工具マガジンに挿着された工具の段取
替えを容易にした工作機械に関するものである。

本発明の目的とするところは複数の工具マガジ
ンを用意し、一方の工具マガジンを使用している
間に他方の工具マガジンでもつて工具の段取替え
を行い、機械の稼動率を向上させることである。

本発明の目的とするところはコラム上に位置さ
れた工具マガジンを作業のしやすいコラム側方へ
移動させ、簡単に工具の段取替えを行えるように
することである。

一般に多品種少量生産の工作物を加工するマシ
ニングセンタにおいては、生産スケジユールの変
更によつて対象工作物がかわつた場合、同時に工
具マガジンに挿着された工具の段取替えが必要と
なる。

しかしながらオーバーヘツドタイプのマシニン
グセンタでは、コラムの上方に工具マガジンが設
置されているため、踏み台を用意しなければ工具
の段取替えができず、また高所であるため作業性
が悪く能率的な段取替えができなかつた。

しかも工具マガジンを１台しか備えていないた
め、機械の運転を止めなければ工具の段取替えが
できず、稼動率が低下する欠点があつた。

本発明は従来のこのような欠点を解消するため
になされたものであり、以下その実施例を図面に
基づいて説明する。

第１図は工具交換装置を備えた工作機械を示し
ており、１０はベツド、１１はベツド１０上に固
定された門型コラム、１２はこのコラム１１に形
成された案内面に沿つて上下方向に摺動自在に支
持された主軸頭、１３は前記ベツド１０上で第１
図紙面に垂直な方向に摺動自在に載置されたサド
ル、１４は前記サドル１３上に左右方向に摺動自
在に載置されたクロステーブル、１５はこのクロ
ステーブル１４上で回転割出し可能に載置された
回転テーブルで、その上面に工作物Ｗが取付られ
ている。前記主軸頭１２には工具Ｔを装着する主
軸１６が回転自在に軸架され、図略の駆動モータ
によつて回転されるようになつている。

前記コラム１１の上部には工具交換装置本体１
７が固定されている。この装置本体１７には両端
に工具把持部１８を有する交換アーム１９が進退
ならびに回転可能に支持され、前記装置本体１７
内に設けられた周知の作動機構によつて交換アー
ム１９を前記主軸軸線と平行な方向に進退させか
つこの進退方向と直角な面内で回転させるように
なつている。

また前記コラム１１の後方上部には支持体２０
が固定され、この支持体２０には支持軸２１によ
つて旋回体２２が旋回可能に軸承されている。こ
の旋回体２２はその一端を前記工作機械のコラム
上方位置Ｐ１に延長され、その先端には工具マガ
ジン２３のマガジン本体３０が固定軸３１によつ
て鉛直軸線の回りに回転可能に軸承されている。
同様に前記旋回体２２はその他端を前記工作機械
のコラム側方位置Ｐ２に延長され、その先端には
工具マガジン２４のマガジン円板３０が固定軸３
１によつて水平軸線の回りに回転可能に軸承され
ている。前記支持軸２１は前記工具マガジン２
３，２４の各回転軸線がなす角の２等分線上に位
置し、かつこの支持軸２１には図略の駆動モータ
によつてウオーム３２ならびにウオームホイール
３３を介して回転が与えられるようになつてお
り、この支持軸２１の回転によつて旋回体２２上
の工具マガジン２，２４はコラム上方位置Ｐ１な
らびにコラム側方位置Ｐ２間で旋回され、この旋
回と同時に工具マガジン２３，２４を垂直状態か
ら水平状態あるいはその逆の状態に姿勢を変更す
るようになつている。２５はノツクピン作動用シ
リンダで、このシリンダ２５内に摺動自在に嵌合
されたピストン２６上のノツクピン２７を位置決
め穴２８，２９内に挿入することにより旋回体２
２を高精度に位置決めするようになつている。

前記工具マガジン２３のマガジン本体３０には
放射方向に向く多数のリセス３２が円周方向に適
当間隔をおいて形成され、このリセス３２にはそ
れぞれ工具ソケツト３３が枢支ピン３４により起
立転倒可能に保持されている。この工具ソケツト
３３の一端にはそれぞれ工具Ｔが挿着され、また
他端には摺動ピン３５がスプリング３６によつて
発力が付された状態で摺動自在に嵌合されてい
る。この摺動ピン３５は通常マガジン本体３０に
固定された環状リング３７の環状溝３８内に突入
して工具ソケツト３３の姿勢を拘束し、この環状
溝３８より外れたときにはカム面３９によつてガ
イドされるようになつている。前記マガジン本体
３０を回転割出しするための駆動モータ４０は前
記旋回体２２上に固定され、またこの駆動モータ
４０上の駆動ギヤ４１と噛合する回転ギヤ４２が
マガジン本体３０の下面に固定されており、前記
駆動モータ４０の作動によつて駆動ギヤ４１なら
びに回転ギヤ４２を介してマガジン本体３０を回
転割出しするようになつている。尚、工具マガジ
ン２４は前記工具マガジン２３と同一構成である
ため同一番号を付し説明は省略する。

前記工具交換装置本体１７上には第２図に示す
ように取付台５０が固定され、この取付台５０に
は回動リンク５１が枢軸５２によつて回動可能に
枢支されている。この回動リンク５１の先端は連
結ロツド５３によつて互いに連結され、その中央
部分には作動体５４が固定されている。この作動
体５４は円弧形状をなし、その両端は姿勢変更位
置Ａに割出された工具ソケツト３３に対応するよ
うになつている。一方前記工具交換装置本体１７
の側部にはシリンダ装置５５が固定され、このシ
リンダ装置５５によつて昇降されるラツク５６は
前記枢軸５２上のピニオン５７と噛合されてい
る。この枢軸５２は姿勢変更位置Ａに割出された
工具ソケツト３３の枢支ピン３４と同一軸線上に
設けられており、前記シリンダ装置５５の運動を
前記ラツク５６、ピニオン５７、枢軸５２ならび
に回動リンク５１を介して連結ロツド５３に伝え
ると作動体５４は前記枢支ピン３４を中心として
揺動し、前記工具ソケツト３３の姿勢を変更する
ようになつている。

次に上記構成における作動を説明する。図面は
主軸１６に挿着された工具Ｔによつて工作物Ｗの
加工を開始する直前の状態を表わし、これよりサ
ドル１３ならびにクロステーブル１４を摺動させ
ることにより工作物Ｗは工具Ｔによつて必要な加
工が行なわれる。

そして主軸１６に挿着された工具Ｔによる加工
が終了すると同時に主軸頭１２は工具交換のため
に上昇端まで上昇される。この主軸頭１２の上昇
動作と併行してシリンダ装置５５が作動され、こ
れによつてラツク５６、ピニオン５７、枢軸５
２、回動アーム５１ならびに連結ロツド５３を介
して作動体５４が揺動され、その結果姿勢変更位
置Ａに割出された工具ソケツト３３は垂直姿勢か
ら水平姿勢に姿勢変更される。しかる状態におい
て交換アーム１９は周知のごとく回転運動ならび
に軸方向進退運動を行なつて主軸１６ならびに工
具ソケツト３３に挿着された工具Ｔを相互に交換
する。

工具交換終了後主軸頭１２は主軸１６に新しい
工具Ｔを挿着したまま下降し、再び前記と同様の
要領でもつて工作物Ｗの加工が行なわれる。この
主軸頭１２の下降動作と併せて再びシリンダ装置
５２によつて作動体５４が揺動され、使用ずみの
工具Ｔを挿着した工具ソケツト３３は水平姿勢か
ら垂直姿勢に姿勢変更される。その後駆動モータ
４０によつてマガジン本体３０は所定角度割出し
回転され、これによつて次に使用すべき工具Ｔを
挿着した工具ソケツト３３が姿勢変更位置Ａに割
出され、次の工具交換動作に備えられる。

このようにして一方の工具マガジン２３に収容
された工具Ｔを順次取出して工作物Ｗを加工して
いる間、他方の工具マガジン２４は使用されてい
ないため手動で工具Ｔの差替を行うことができ
る。このとき工具マガジン２４はコラム側方位置
Ｐ２すなわち低位置に位置されかつ各工具Ｔがほ
ぼ水平方向に向いているため、踏み台を使用する
ことなく、しかも楽な姿勢でもつて簡単に工具Ｔ
の差替えを行うことができる。この差替え作業に
よつて工具マガジン２４の各ソケツト３３には次
に加工すべき工作物Ｗに必要な工具Ｔが挿着さ
れ、次の工具マガジン２３，２４の変換動作に備
えられる。

一方機械では工作物Ｗの加工が前記と同様にし
て続行され、そして所要ロツト数の工作物Ｗの加
工が終了し、次に今までとは異なつた種類の工作
物Ｗが回転テーブル１５上に搬入された場合に
は、直ちに図略の駆動モータを作動することによ
りウオーム３２、ウオームホイール３３ならびに
支持軸２１を介して旋回体２２は支持軸２１を中
心として旋回され、かかる旋回体２２の旋回によ
つて工具マガジン２４はコラム上方位置Ｐ１へ、
また工具マガジン２３はコラム側方位置Ｐ２へと
それぞれ旋回され、さらに位置決め穴２９にノツ
クピン２７を挿入することにより各工具マガジン
２３，２４は高精度に位置決めされる。この旋回
ならびに位置決めによつて工具マガジン２４上の
工具ソケツト３３の１つが再び作動体５４と対応
するため機械の運転を停止することなく、引続き
前記と同様の要領でもつて新しい工具Ｗの姿勢を
かえ、さらに交換アーム１９によつて主軸１６に
挿着することができ、そのまま異る工作物Ｗの加
工を開始することができる。

前記したように本発明装置は、コラムの上方に
工具マガジンを装備したタイプの工作機械におい
て、さらに別の工具マガジンを用意し、この工具
マガジンをコラムの側方まで降ろして工具の段取
替えを行うようにしたものであるため、踏み台を
用いることなく比較的低い位置でしかも楽な姿勢
で工具の段取替えを行うことができ、またこの段
取替えは機械の運転中に行うことができるため機
械の稼動率を向上することができる利点がある。

また本発明の工作機械は、両端部に工具マガジ
ンをそれぞれ鉛直軸線ならびに水平軸線まわりに
回転可能に軸承してなる旋回体を、前記工具マガ
ジンのそれぞれの回転軸線のなす角の２等分線を
中心軸として回転可能に軸承するようにしたの
で、旋回体を旋回させることによつて工具マガジ
ンを高所のコラム上方位置から工具段取替えのや
りやすい低位置のコラム側方位置へ工具マガジン
を移動させる移動動作と、鉛直姿勢にある工具マ
ガジンを水平姿勢に姿勢変更する姿勢変更動作を
同時に行うことができ、簡単な装置でもつて短時
間に工具マガジンを所定の位置へ、しかも所定の
姿勢で位置決めすることができる利点を有する。

尚、この実施例では旋回体２２上に２台の工具
マガジン２３，２４を回転割出し可能に軸承する
ものについて説明したが、この実施例に限定され
るものではなく、３台以上の工具マガジンを軸承
するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
本発明装置を示す一部断面図、第２図は第１図の
矢視図である。 Ｐ１…コラム上方位置、Ｐ２…コラム側方位
置、２０…支持体、２１…支持軸、２２…旋回
体、２３，２４…工具マガジン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数の工具を着脱可能に保持する複数の工具
   マガジンの１つをコラムの上方位置に設け他の工
   具マガジンの１つを工具段取替えのためのコラム
   側方位置に設置しかつマガジン交換装置により前
   記複数の工具マガジンを交換使用するようにした
   工作機械において、前記マガジン交換装置に、両
   端をそれぞれ工作機械のコラム上方位置ならびに
   コラム側方位置に延長させかつその両端延長部に
   前記複数個の工具マガジンを鉛直軸線ならびに水
   平軸線まわりにそれぞれ回転割出し可能に軸承す
   る旋回体と、この旋回体を固定部に対して前記工
   具マガジンのそれぞれの回転軸線のなす角の２等
   分線上に位置する回転軸線を中心して回転可能に
   支持する支持軸と、この支持軸を中心として旋回
   体を旋回して前記複数個の工具マガジンを前記コ
   ラム上方位置ならびにコラム側方位置間で交換す
   る駆動装置を設けたことを特徴とする工具マガジ
   ンの段取替えを容易にした工作機械。