JPH0217793Y2

JPH0217793Y2 -

Info

Publication number: JPH0217793Y2
Application number: JP1984111055U
Authority: JP
Priority date: 1984-07-24
Filing date: 1984-07-24
Publication date: 1990-05-18
Also published as: JPS6127635U

Description

【考案の詳細な説明】考案の技術分野本考案は、多軸工作機械の工具交換装置に関す
る。

従来技術多軸工作機械の工具を交換するとき、それらの
複数軸について同時に工具交換が行われる。この
ため工具は、通常、割出し可能なマガジンすなわ
ち回転体の周囲に回転可能な状態で保持されてい
る。そして工具交換時に、この回転体を工具交換
位置まで移動させることにより、複数の工具の受
け渡しを行つている。

ところが、これらの工具の種類が多くなると、
回転体の直径が大きくなるため、回転体の移動時
に多軸工作機械の例えばコラム部分と干渉が起き
る。またそれを逃げるためには、回転体の支持中
心位置をコラムの摺動面から離すことになり、同
時にコラムと主軸との距離を大きくする必要があ
るため、機械的な剛性および精度が著しく低下す
る。

また、大きな回転体を移動させることになるた
め、工具交換時間が長くなり、作業能率が低下す
ることにもなる。

さらに回転体が大きくなると、その支持のため
のブラケツトが大型化するため、交換装置の重量
が増加する結果となる。

考案の目的およびその解決手段したがつて本考案の目的は、上記従来例の欠
点、すなわち工具交換時間を短縮化し、また装置
の可動部分を軽量化することである。

そこで本考案は、割出し可能な状態の回転体の
うち、多軸と対応する複数の工具支持部分のみを
移動させることにより、その移動部分の重量を軽
量化し、機械的な精度を確保するとともに、工具
交換時間を短縮化するようにしている。

考案の構成以下、本考案の構成を図に示す一実施例に基づ
いて具体的に説明する。

本考案の多軸工具交換装置１は、ブラケツト２
によつて多軸工作機械のコラム３の側面に取り付
けられる。このブラケツト２は、先端部分の垂直
方向の軸４および軸受５によつて、工具マガジン
すなわち回転割出し可能な回転体６を回転自在に
支持している。この回転体６は、ゼネバ機構など
の割出し駆動装置７によつて、一定の割出し角度
ごとに回転できるようになつている。

上記回転体６は第４図に示すうに、その下面で
半径方向に沿つて複数のあり状の案内面８を形成
し、この部分で工具保持体９のスライダー１０の
あり状案内溝に摺動自在にはまり合つている。こ
の工具保持体９は、第５図に示すように、回転体
６の多角形と対応し、平面的に見てそれぞれ台形
状であり、回転体６の外周辺で多軸工作機械の多
軸数と対応し、例えば３つの工具保持部１１をそ
れぞれ形成しており、この部分で３つの工具１２
を着脱可能な状態で保持している。

そして、この工具保持体９の後端部分にローラ
などの案内体１３が回転自在に取付けられてお
り、上記回転体６と同心的な環状の案内溝１４の
内部に臨んでいる。この案内溝１４は、軸４の下
端部分固定された案内板１６の上面に形成されて
おり、案内板１６の切欠き１７の部分で案内駒１
８の案内溝１５と連通している。そしてこの案内
駒１８は、案内板１６に取付けられた送りシリン
ダ１９のピストンロツド２０およびこれと平行
で、上記案内板１６に取付けられた滑り軸受２２
によつて案内面８の方向に進退自在に保持されて
いる。

なお、上記ブラケツト２に位置決め用のシリン
ダ２３が下向きに取付けられている。このシリン
ダ２３のピストンロツド２４は、回転体６の上面
に形成された位置決め用の窪み２５と対応してい
る。また、ブラケツト２と回転体６との間に、位
置検出器２６が取付けられている。なお、コラム
３には、ヘツド２７が進退自在すなわち第１図で
紙面に対し垂直方向に移動自在に取付けられ、ま
たこのヘツド２７には３本のスピンドル２８が進
退方向に向けて設けられている。

考案の作用次に、上記多軸工具交換装置１の作用を説明す
る。

工具の交換時以外には送りシリンダ１９がその
ピストンロツド２０を後退させ、案内駒１８を第
２図で示す位置Ａまで後退させている。この結
果、案内溝１４，１５が互いに接続状態となつ
て、完全な円を形成している。この状態で割出し
駆動装置７が回転体６を所定の回転角ずつ回転さ
せることにより、任意の工具保持体９が多軸工作
機械のヘツド２７と対応する位置に移動してく
る。このような割出し後に、位置決め用のシリン
ダ２３がそのピストンロツド２４を位置決め用の
窪み２５の内部に押し込むことにより、回転体６
は、正確に位置決めされた状態で固定される。こ
のときヘツド２７と対応する位置の工具保持体９
の案内体１３が案内駒１８の案内溝１５の内部に
位置している。

その後、送りシリンダ１９がそのピストンロツ
ド２０を前進させ、案内駒１８を位置Ｂまで前進
させる。この案内駒１８の案内溝１５の部分で案
内体１３を押し出し、工具保持体９を案内面８に
沿つて前進させる。このようにして工具保持体９
に保持された３つの工具１２がヘツド２７の所定
の位置まで案内されて行く、このようにして選択
された工具１２がヘツド２７の下降時に３本のス
ピンドル２８にそれぞれ一斉に装着される。な
お、工具１２の取り外しは、上記の逆動作によつ
て行われる。

考案の変形例上記実施例は、工具保持体９の駆動手段として
送りシリンダ１９を用いているが、この駆動手段
は、モータと送りねじなどを組み合わせたもので
あつてもよい。

考案の効果本考案では、下記の特有の効果がある。

回転体のうち一部の工具保持体のみが進退運動
をするから、小さな駆動源で、しかもその移動時
間が短縮化できる。回転体全体が移動しないか
ら、回転体とコラムやヘツドなどの干渉が回避で
きる。さらに回転体全体がヘツドの近くに移動し
ないから、工具本数が多くなり、回転体の外形が
大きくなつたときでも、コラム摺動面からスピン
ドルまでの距離が大きくする必要がなく、したが
つて機械的な剛性および精度が高められる。さら
に、複数の工具保持部を有する工具保持体を交換
位置まで移動させた後、ヘツドを複数のスピンド
ルの軸線方向に向けて進退運動させるだけで、交
換アームを用いることなく、複数の工具を短時間
に同時に交換することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の多軸工具交換装置の底面図、
第２図は同装置の垂直拡大断面図、第３図は案内
溝および案内駒部分の平面図、第４図は工具保持
体の案内部分の垂直断面図、第５図は工具保持体
の正面図である。１……多軸工具交換装置、６……回転体、７…
…割出し駆動装置、２７……多軸工作機械のヘツ
ド、２８……スピンドル、８……案内面、９……
工具保持体、１１……工具保持部、１２……工
具、１３……案内体、１４，１５……案内溝、１
８……案内駒、１９……駆動手段として送りシリ
ンダ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

複数のスピンドルを有し、スピンドルの軸方向
に進退可能な多軸工作機械のヘツドと、この多軸
工作機械に取付けられるブラケツトと、このヘツ
ドの側方に設けられた割出し可能な回転体と、こ
の回転体に上記ヘツドの方向へ向けて摺動自在に
取付けられた複数の工具保持体と、この各工具保
持体に上記スピンドルの軸方向と同じ方向でかつ
同じ配置で同数だけ設けられた工具保持部と、上
記回転体と同心的な円弧で定位置に設けられた案
内溝と、各工具保持体の後端に設けられ上記案内
溝に納められる案内体と、上記案内溝の一部に臨
み上記案内溝と同じ円弧の案内溝を有し上記工具
保持体の摺動方向に移動可能な案内駒と、この案
内駒を回転体の位置から上記ヘツドの位置まで移
動させ工具保持体に保持された複数の工具をそれ
ぞれのスピンドルと対向させる送り手段とからな
り、案内駒の移動によつて、工具保持体を回転体
側からヘツドの側まで移動させ、ヘツドの進退運
動によつて、ヘツドのそれぞれのスピンドルと工
具保持体との間で複数の工具を一斉に着脱するこ
とを特徴とする多軸工具交換装置。