JPH04107333U - 室内装飾用パネル - Google Patents

室内装飾用パネル

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JPH04107333U
JPH04107333U JP884191U JP884191U JPH04107333U JP H04107333 U JPH04107333 U JP H04107333U JP 884191 U JP884191 U JP 884191U JP 884191 U JP884191 U JP 884191U JP H04107333 U JPH04107333 U JP H04107333U
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祐太郎 下出
康広 下出
菅浪善造
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下出 行雄
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Abstract

(57)【要約】 【構成】板状をなす基材3と、この基材3に添接させた
和紙4と、この和紙4に塗着した漆層5とを具備してな
る。前記漆層5の深層部分51は和紙4に浸透して基材
3にまで達しているとともに、その漆層5の浅層部分5
2は和紙4の繊維42の形状がパネル表面21に残る程
度の厚みで、その和紙4の表面を覆っている。 【効果】取扱い上ならびに使用上の難しさを招くことな
しに、漆の有している数々の特色を生かすことができ
る。騒音を低減させることができるとともに、照明の映
り込みによる弊害を防ぐことができる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、家屋やビル内で使用される室内装飾用パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家屋やビル内で使用される室内装飾用パネルとしては、建築壁や柱の表面に覆 装される化粧板、天井板、間仕切壁、床材、建具あるいはシステム家具の表装板 等を挙げることができる。
【0003】 従来、このようなパネルは、合板、耐火板、薄鋼板等の表面に各種の化学合成 塗料を塗装したもの、あるいは、塩化ビニル、ポリエステル、その他の合成樹脂 フィルムを表面に貼着した化粧合板とよばれるものが一般的であるが、このよう なものは本物志向が高まる近時の需要者意識に合致しなくなりつつあるのは、周 知の通りである。
【0004】 そのため、このようなパネルの格調を高めるための工夫が、各所でなされてい るが、その一つとして、本考案者は、化学合成塗料に代えて、古来から各種の伝 統工芸品に使用されている漆を、このようなパネルに適用することを考えた。す なわち、使い捨ての風潮を廃し、かつて日本人が培ってきた美しい文化を、新た なる生活空間や執務空間の創造に応用したいとの願いから、新しい試みがなされ たものである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
最初は、システム家具の扉や側壁あるいは建築材の壁面等を構成するパネルに 、漆を、その表面が鏡面状態になる塗装をすることから試みが開始された。とこ ろが、貴重品として丁寧に扱われる比較的小形の工芸品等とは異なり、この種の パネルは、トラックなどで現場に搬入され、現場で所要箇所に組み付けられるも のであるため、漆自体は堅牢ではあるが、やはりその表面に擦り傷が付くことが ある。しかるに、鏡面状に漆塗装した表面は、擦り傷が付くと一目瞭然となり、 不良品として廃棄したりあるいはリメイクしなければならないことになる。この ような傷は、使用中においても発生する可能性が高く、室内に露出させておく装 飾用パネルとしては大きな問題である。
【0006】 本考案は、漆の有している数々の特性を生かしつつ、このような課題を解消す ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたことを 特徴とする。
【0008】 すなわち、本考案に係る室内装飾用パネルは、板状をなす基材と、この基材に 添接させた繊維質のシート材と、このシート材に塗着した漆層とを具備してなる ものであって、前記漆層の深層部分は前記シート材に浸透して基材にまで達して いるとともに、その漆層の浅層部分は前記シート材表面の繊維形状がパネル表面 に残る程度の厚みで該シート材の表面を覆っていることを特徴とする。
【0009】 ここで、基材としては、例えば、ベニア板等の合板、パーティクルボード等の 成形合板、集成材、石膏等による耐火ボード、あるいは、薄鋼板等の金属板を挙 げることができる。
【0010】 シート材としては、紙や布を挙げることができる。
【0011】
【作用】
このような構成によれば、基材にシート材が漆により接着されるとともに、そ のシート材の表面が漆層により覆われた状態をなす。ここで漆層は、シート材の 繊維形状がパネル表面に残る程度に形成したものであるため、紙や布等の繊維の 形状が、パネルの外面に表出することになり、鏡面とは全く異なった風合いを醸 し出す。具体的には、パネルを遠く離れた位置から観察した場合には、艶消的な 状態をなすことになる。一方、比較的近づいて観察すると、そのシート材の繊維 形状を視認することが可能になり、漆と繊維の乱れとが融和した格調の高い外観 を呈することになる。
【0012】 しかして、このような表面をなすパネルは、多少の擦り傷等が付いても鏡面の ように目立つことがなく、取扱いに細心の注意が要求されるようなことがなくな る。すなわち、小さな擦り傷であれば、表出している繊維の乱れに融合し、傷で あると視認することができない。そのため、他の建材と同じ程度の注意度で、現 場への搬入や組み立て作業を行うことが可能となる。そして、使用に際しても、 同様に傷が目立ち難く、後述する漆特有の長所とあいまって、優れた外観を長期 に亘って維持することができる。
【0013】 漆を使用することによって、通常予想される他の作用効果としては、次のよう なものが挙げられる。まず、暖かみがあり美しく、日本独特の歴史や文化を感じ させる。また、酸、アルカリ、アルコール等に強い上に、防水、防湿性に優れ、 しかも、通気性もある。さらに、強い紫外線が当たらない室内では、抜群の耐久 性を示し、耐熱性や絶縁性等も良好であり、防虫作用もある。また、接着性が強 く、合板、耐火材、金属板等種々の基材に適用が可能である。それに、湿気が比 較的多い場所で使用してもかびが付き難い。これらの特徴は、室内装飾用として は、好都合なものばかりである。
【0014】 なお、重要な点は、漆の特質から当然予想される作用効果を奏するだけではな く、本考案によれば、従来の漆器技術からでは予想もできなかった、格別な作用 効果が得られることにある。すなわち、合板や板金等を基材とした装飾用パネル は、その基材が外部音に共鳴したり外力を受けて振動し易く、騒音を増幅したり 新たな騒音発生源になり易い。それに対して、本考案のパネルでは、紙や布等の 繊維質シート材が漆を含浸した状態で基材の表面に強固に接着されていることに なるため、漆のもつ適度な弾性と、シート材の繊維の絡みとがあいまって、基材 の振動を押さえるダンパーとしての役割をなすことになり、基材の振動による騒 音の発生を有効に抑制することが可能となる。つまり、パネルが外部音に共振し てびびり音を発したり、物が衝突した際に、大きな音が発生するのを効果的に抑 えることが可能となる。しかも、その表面には凹凸があるため、反射音を散乱さ せて和らげる作用もある。
【0015】 また、パネル表面にランダムな凹凸が形成されているため、光も乱反射させる ことになる。そのため、照明からの光がパネル表面で反射してテレビやOA機器 の画面に映り込むような不具合も抑制することができ、優れた室内装飾用パネル を提供できることになる。
【0016】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を、図1〜図4を参照して説明する。
【0017】 図1および図2は、システム家具Aを示しており、この実施例では、前記シス テム家具Aの前面扉1を、本考案に係る室内装飾用パネル2により構成した場合 について説明する。
【0018】 このパネル2は、図3に示すように、扉1の外板をなす板金製の基材3と、こ の基材3に添接させた繊維質のシート材、例えば、手梳きの和紙4と、この和紙 4上に塗着した漆層5とを具備してなる。前記漆層5の深層部分51は、図4に 示すように、前記和紙4に浸透して基材3にまで達しているとともに、その漆層 5の浅層部分52は前記和紙4の繊維42の形状がパネル表面21に残る程度の 厚みで該和紙4の表面41を覆うようにしてある。
【0019】 このパネル2は、基材3の表面31に和紙4を被せ、その上から刷毛等により 適量の漆を塗り込むことによって製作することができる。このように和紙4は、 漆のみによって基材3に接着してもよいが、大量生産の場合には、例えば、基材 3に和紙4を適宜な接着剤を用いて真空プレス等により貼着しておき、その和紙 4に漆を含浸させるようにしてもよい。この場合には、漆層5の深層部分51は 、接着剤の合間から基材3に達してその接着状態を強化することになる。
【0020】 なお、漆には、所望の顔料を混ぜ合わせて使用することができるのは勿論であ る。
【0021】 このような構成によれば、基材3に和紙4が漆によりあるいは接着剤と漆によ り接着されるとともに、その和紙4の表面41が漆層5により覆われた状態をな す。ここで漆層5は、和紙4の繊維42の形状がパネル表面21に残る程度に形 成したものであるため、和紙4の表面繊維形状が、パネル2の表面21に表出す ることになり、鏡面とは全く異なった風合いを醸し出す。具体的には、パネル2 を遠く離れた位置から観察した場合には、艶消的な状態をなすことになる。一方 、比較的近づいて観察すると、その和紙4の繊維形状を視認することが可能にな り、漆と繊維の乱れとが融和した格調の高い外観を呈することになる。
【0022】 しかして、このような表面21をなすパネル2は、多少の擦り傷等が付いても 鏡面のように目立つことがなく、取扱いに細心の注意が要求されるようなことが なくなる。すなわち、小さな擦り傷であれば、表出している繊維の乱れに融合し 、傷であると視認することができない。そのため、他の建材と同じ程度の注意度 で、現場への搬入や組み立て作業を行うことが可能となる。そして、使用に際し ても、同様に傷が目立ち難く、前述した漆特有の長所とあいまって、優れた外観 を長期に亘って維持することができる。
【0023】 また、本考案のパネル2によれば、従来の漆器技術からでは予想もできなかっ た、格別な作用効果が得られることにある。すなわち、本考案のパネル2では、 和紙4が漆を含浸した状態で基材3の表面21に強固に接着されていることにな るため、漆のもつ適度な弾性と、和紙4の繊維の絡みとがあいまって、基材3の 振動を抑えるダンパーとしての役割をなすことになり、基材3の振動による騒音 の発生を有効に抑制することが可能となる。
【0024】 また、パネル表面21が和紙4の表面41に準じた凹凸面になるため、光も乱 反射させることになる。そのため、天井6の照明61からの光がパネル表面21 で反射してテレビの画面等に映り込むような不具合も抑制することができ、優れ た室内装飾用パネルを提供できることになる。
【0025】 なお、以上説明した実施例では、本考案のパネルをシステム家具の扉に適用し た場合について説明したが、本考案は必ずしもこのようなものに限定されるもの ではなく、例えば、前記システム家具の側板等にも適用することができるのは勿 論であり、あるいは、他の形式の家具にも適宜応用することが可能である。また 、収納家具以外に、建築壁や柱の表面に覆装される化粧板や、天井板、間仕切壁 、床材、建具の表装部分等に、本考案のパネルを適用することもできる。
【0026】 また、前記実施例では、基材が薄鋼板である場合について説明したが、この基 板は、ベニア等の木製合板、パーティクルボード等の成形合板、集成材、合成樹 脂板、あるいは、石膏等による耐火ボードなどであってもよい。
【0027】 さらに、繊維質のシート材も、手梳きの和紙に限られないのは勿論であり、工 業生産される紙類や、布等であってもよい。
【0028】
【考案の効果】
本考案は、以上のような構成であるから、取扱い上ならびに使用上の難しさを 招来することなしに、漆の有している数々の特色を生かすことができ、伝統的、 文化的な雰囲気を醸し出して室内の格調を飛躍的に向上させることのできる優れ た室内装飾用パネルを提供できるものである。
【0029】 しかも、本考案のパネルによれば、振動等とは縁のない厚手の或いは塊状の基 材に漆を塗るようにした従来からの漆器技術からは予想できない格別な効果を得 ることができる。すなわち、合板や板金等を基材とした装飾用パネルは、その基 材が外部音に共鳴したり外力を受けて振動し易く、騒音を増幅したり新たな騒音 発生源になり易い。それに対して、本考案のパネルでは、漆のもつ適度な弾性と 、シート材の繊維の絡みを利用して、基材の振動を有効に抑えることが可能とな る。そのため、パネルが外部音に共振してびびり音を発したり、物が衝突した際 に、大きな音が発生するのを効果的に抑制することができる。しかも、その表面 には凹凸があるため、反射音を散乱させて和らげる作用もある。したがって、室 内における騒音を無理なく低減させることができるという効果を奏する。よって 、家庭内においては、テレビやステレオ等からの音声を不快な反響のないクリア なものにすることができるという効果も期待でき、また、オフィス内においては 、電話やプリンタ等から発せられる不快音を低減させる効果が顕著となる。
【0030】 さらに、本考案のものは、パネル表面にランダムな凹凸が形成されているため 、光も乱反射させることになる。そのため、照明からの光がパネル表面で反射し てテレビやOA機器の画面に映り込むような不具合も抑制することができ、優れ た室内装飾用パネルを提供できることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す正面図。
【図2】同実施例の部分斜視図。
【図3】図2におけるIII-III 線断面図。
【図4】図3のIV部を拡大して示す断面図。
【符号の説明】
2…室内装飾用パネル 3…基材 4…シート材(和紙) 5…漆層 21…パネル表面 31…基材の表面 41…和紙の表面 42…和紙の繊維 51…深層部分 52…浅層部分

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状をなす基材と、この基材に添接させた
    繊維質のシート材と、このシート材に塗着した漆層とを
    具備してなるものであって、前記漆層の深層部分は前記
    シート材に浸透して基材にまで達しているとともに、そ
    の漆層の浅層部分は前記シート材表面の繊維形状がパネ
    ル表面に残る程度の厚みで該シート材の表面を覆ってい
    ることを特徴とする室内装飾用パネル。
JP884191U 1991-02-25 1991-02-25 室内装飾用パネル Expired - Fee Related JP2567620Y2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006307625A (ja) * 2005-04-01 2006-11-09 Kikusui Chemical Industries Co Ltd 建築物構成要素の加飾方法
JP2006328667A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Kikusui Chemical Industries Co Ltd 加飾済み板状体

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