JP3036427U - 建築用構造材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造材を３層構造として、金属のもつ強度と
木の暖かさを複合した建築用構造材を提供する。 【解決手段】 円柱状、角柱状等の長尺の建築用構造材
であって、その断面が最内層の金属部分（１）と、該金
属部分の外側に設けた木質部分（２）と、該木質部分の
外側に設けた化粧層（３）の３層で構成されていること
を特徴とする建築用構造材。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、金属の強度と木のヤスラギを複合した円柱状、角柱状等の長尺の建 築用構造材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

日本の家屋には圧倒的に木材が使用されている。鉄骨建築と言えどもその居住 部分には木材が多用されている。日本人は木造住宅の中に長年住み慣れてきたの で、木の温もりや安らぎに強い愛着を持っており、むき出しの鉄骨やセメント壁 にはなじめない。 しかし、木は火事や地震等に弱いという致命的な欠点を持っており、地震国で ある日本では、これら木造住宅の欠点を改善すると共に、木材の良さを残した建 築用材料が要望されている。 本考案は上記要望を解決したものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、構造材を３層構造として、金属のもつ強度と木の暖かさを複合した 建築用構造材を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、円柱状、角柱状等の長尺の建築用構造材であって、その断面が最内 層の金属部分（１）と、該金属部分の外側に設けた木質部分（２）と、該木質部 分の外側に設けた化粧層（３）の３層で構成されていることを特徴とする建築用 構造材である。 最内の金属部分（１）を構成する材質としては、アルミニウム、アルミ合金、 表面処理鋼板、亜鉛メッキ鋼板等があげられる。金属部分の形状としては、建築 構造材としての充分な強度を保有する必要はあるが、出来るだけ軽量なことが望 ましい。金属部分の具体例としては、図３〜図８に示した断面形状のものがあげ られる。 即ち、図３の角パイプと図４の丸パイプは押し出し製品であり、図５のＣ型鋼 は鋼板をロールフォーム方式で成型したものである。図６はＣ型鋼２本を抱き合 わせて柱状にしたものである。図７と図８は鋼板を曲げ加工したもので、図７は 角柱用、図８は長押用の異形品である。 これら金属部分の肉厚は、必要とする強度に応じて、１．０ｍｍ以下、２．１ ｍｍ、２．６ｍｍ、３．２ｍｍと厚くすることができる。金属部分の長さは、例 えば柱の場合、管柱用は３ｍ、３階建通し柱用は６ｍ（図９）等、用途によって 適宜決めることができる。

【０００５】 木質部分（２）は、金属部分（１）の外側に設けた中間層である。木質部分（ ２）を構成する材質としては特に限定されないが、安価な木質材料を使用するの が好ましい。例えば、合板、集成材、チップボード、パーチクルボード、ハード ボード等の板状のものをＶカットしたもの（図１）及び木粉等をバインダーで練 り型に入れて成形したもの等があげられる。この場合のバインダーとしては、例 えば、酢酸ビニル、アクリル樹脂エマルジョン、湿気硬化型一液ウレタン、触媒 を加えたポリエステル樹脂等があげられる。 図２はこの方法で作った「しぼの入った北山杉みがき丸太」を模した床柱であ る。なお、特許第１９７１５３８号（特公平６−９８６０５）に示す水酸化アル ミニウムの不燃性を利用した難燃性合板を用いれば、難燃性に優れた建築用構造 材が得られる。

【０００６】 化粧層（３）は木質部分（２）の外側に設けた外層である。化粧層（３）とし ては、特に限定なく自由に使用出来るが、具体例としてあげれば、木目模様化粧 紙やツキ板を貼り付け、必要あれば美観と表面保護のため、その上に更に塗装し たり、フィルムを貼り付ける。市販の木目模様化粧紙として１万種以上のパター ンがある。また木目以外に大理石等の天然石の模様も多種市販されている。 ツキ板は檜、欅、樺、黒柿、紫檀、チーク、アンデスローズ、等内外産銘木の ツキ板が市販されている。０．９ｍｍ厚のツキ板の他、０．２ｍｍ厚のツキ板の 裏に紙を裏打ちして割れを防止したものもある。 化粧層としては、化粧紙やツキ板で模様を形成したものでも良いが、更にその 上にウレタン塗装や弗化ビニルフィルムを貼り付ければ、光沢も良く摩耗にも強 い表面仕上げが出来、より好ましい。 本考案の建築用構造材は、柱の他に、梁、長押等種々の構造材に応用できる。

【０００７】

【考案の効果】

本考案の建築用構造材は、金属の強さと木質の持つ安らぎ、暖かさ、等を複合 した構造材であり、更に化粧層として多様なパターンを自由に採用できるので、 建築用構造材として広い用途が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の角柱状建築用構造材の１例を示す説明
図。

【図２】本考案の円柱状建築用構造材の１例を示す説明
図。

【図３】金属部分の断面形状の１例を示す説明図。

【図４】金属部分の断面形状の他の例を示す説明図。

【図５】金属部分の断面形状の他の例を示す説明図。

【図６】金属部分の断面形状の他の例を示す説明図。

【図７】金属部分の断面形状の他の例を示す説明図。

【図８】金属部分の断面形状の他の例を示す説明図。

【図９】３階建鉄骨建築の通し柱に使用する本考案の建
築用構造材の斜視図。

【符号の説明】

１ 金属部分 ２ 木質部分 ３ 化粧層

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円柱状、角柱状等の長尺の建築用構造材
   であって、その断面が最内層の金属部分（１）と、該金
   属部分の外側に設けた木質部分（２）と、該木質部分の
   外側に設けた化粧層（３）の３層で構成されていること
   を特徴とする建築用構造材。
2. 【請求項２】 金属部分が角パイプ又は丸パイプである
   請求項１記載の建築用構造材。
3. 【請求項３】 金属部分がＣ型鋼、曲げ加工品等の筒状
   製品である請求項１記載の建築用構造材。