JPH0397832A - 耐酸化性と溶接性に優れた高強度高クロム鋼 - Google Patents

耐酸化性と溶接性に優れた高強度高クロム鋼

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JPH0397832A
JPH0397832A JP23538889A JP23538889A JPH0397832A JP H0397832 A JPH0397832 A JP H0397832A JP 23538889 A JP23538889 A JP 23538889A JP 23538889 A JP23538889 A JP 23538889A JP H0397832 A JPH0397832 A JP H0397832A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高温強度が高く、耐酸化性、および溶接性
に優れ、ボイラ、原子力、化学工業などの分野で、高温
耐圧、耐酸化材料として使用するのに好適な高クロム調
に関する. (従来の技術) ボイラ過熱器管、再熱器管或いは原子力、化学工業など
の熱交換器管や耐熱耐圧配管などに使用される耐熱鋼は
、高温強度、高温耐食耐酸化性、靭性が必要とされるが
、更に、加工性、溶接性にも優れ、且つできるだけ安価
であることも要求される. 従来、上記のような用途に用いられる材料としては、■
オーステナイトステンレス鋼、■2・1/4Cr−IM
ofJに代表される低合金鋼、■9〜12Cr系の高C
rフェライト鋼がある。中でも■の高クロム鋼は、■の
低合金鋼に較べて強度、耐食耐酸化性において優れ、ま
た■のオーステナイトステンレス鋼のように応力腐食割
れを起こさず、熱膨張係数が小さく耐熱疲労特性に優れ
るという長所とともに安価であるという利点がある. 高クロム鋼の代表的なものとしては、9Cr−1M o
114 ( S T B A 26 )、12Cr −
 IMolgl(DIN X20CrMoW V 12
1)などが著名である.更に、強度を重視した材料とし
て、改良9Cr−IMo鋼(ASIIE SA213 
T91)および特公昭57−36341号、同46−1
5210号、同62−12304号、特開昭60−15
5649号、同62 − 1.56256号の各公報に
開示される鋼がある.その外にCrを9〜12%(本明
細書において、合金成分の含有量を表す%は全で重量%
を意味する)含有する高クロム鋼として、特開昭61−
110753号、同62−297436号、同63 −
 76854号、特公昭62 − 8502号の各公報
に開示される鋼がある.そして、これらはいずれもMO
、W,V,Nb,N等を添加した高温強度重視の威分設
計に基づくものである. ところで、近年、ボイラの高温高圧運転が検討されるよ
うになり、従来600℃以下で使用されていた鋼管部材
なども、600〜650゜Cの高温での使用を検討しな
ければならなくなってきたが、従来の高Crフエライト
鋼では強度が不足して使用が困難と見られている.特に
、配管用の大径厚肉管では強度を補うために設計肉厚が
厚くなり、起動・停止の熱履歴による熱疲労も問題にさ
れる.また、厚肉化するために靭性の改良が必要とされ
ている.一方、強度改善を図った前記のような改良鋼で
も600〜650℃での使用には高温酸化、高温腐食の
点から制約がある.即ち、耐酸化性、高温耐食性に有効
なCr量が9〜12%の材料では、625゜Cが使用限
界といわれており、耐酸化性、高温耐食性を高めるべ<
Cr量を13%以上に増量すると母相に多量の6−フェ
ライトを生威し、靭性、高温強度を著しく低下させる結
果となる.相バランスの観点から、C,Niを添加して
δ−フェライトを抑えることも可能であるが、これら元
素の多量添加は鋼の著しい硬化を招き、溶接性、加工性
を劣化させるのみならずクリープ強度をも損ねてしまう
.また、C『、Niを増量添加すると熱伝導率が下がり
、熱効率が低下する以外に高価となるので、l8一8系
オーステナイトステンレス鋼と比較しての経済的な利点
がなくなる. 以上要するに、600゜C以上、特に625〜650゜
Cというような高温高圧下での使用には、既存の高Cr
フエライト鋼に比べて高温強度に優れ、かつ、耐酸化性
と高温耐食性も既存の(或いは改良型の)高Cr鋼に優
り、しかも靭性、加工性、溶接性においても従来鋼と少
なくとも同等の性能を有する綱が待望されている. (発明が解決しようとする課!!) 本発明の課題は、上記の要望に応えることができる耐熱
鋼を開発することにあり、詳しくは、高温強度、加工性
、溶接性は従来鋼と同等以上であって、600゜C以上
での耐酸化性、高温耐食性、常温靭性においては従来の
9〜12Crjllのそれを大きく凌ぐ安価な高Crフ
ェライト鋼を提供することにある. (課題を解決するための手段) 本発明者らは、高Crフェライl−titの高温強度を
改善するためには固溶強化元素W,Moと析出強化元素
■、Nb, N, Cを適量添加するのが有効であるこ
と、600゜C以上の高温での耐酸化性と高温耐食性を
改善するには多量のCuを添加するのが有効であること
、および下記に述べるようなCuの多量添加による弊害
は適量のδ−フェライトを母相のマルテンサイト組織中
に存在させることで抑制できることを見出した. 高クロム鋼にCuを添加する試みは既に従来からなされ
ており、例えば、特公昭46 − 6701号公報およ
び前掲の特公昭46−15210号公報には、4%まで
のCuは焼入れ性、強度、靭性の向上に効果あることが
示されている.同じく、前掲の特開昭63 − 768
54号公報には微量(0.3%以下)のCuは、耐酸化
性を改善するもののこれ以上添加すると靭性の劣化を招
くことが示されており、特公昭62−12304号公報
には、多量添加は加工性を劣化させるとある.そして、
これらのCuを含む高クロム鋼は、その成分組威から6
−フェライト相を含む場合もあると考えられるが、用途
が本発明鋼と同じである特開昭63 − 76854号
公報記載の鋼を除けばいずれも焼きもどしマルテンサイ
ト単相組織であり、用途も硬質材料、即ち、タービンロ
ータ、シャフト材、ケーシング材のような600℃以下
で用いられるものを対象としている. 上記のように、Cuは強度の向上、微量添加で耐酸化性
の向上に寄与するとされているが、本発明鋼のような多
量添加した場合の高温における効果、特に、600℃以
上での効果は従来全く不明であり、寧ろ、多量添加は加
工性、溶接性の劣化が大きいと言われていた. 本発明では、このCuの多量添加に伴う加工性、溶接性
の低下が、適量のδ−フェライト相を含む組織とするこ
とで抑制できるとの知見を主要点としてなされたもので
、その要旨は下記の高クロム鋼にある. ■ 重量%で、C : 0.03〜0.15%、St 
: 0.7%以下、Mn : 0.1=1.5%、Nl
:1%以下、Cr : 8 〜14%、Mo : 0.
01〜1.2%、W:0.8〜3.5%、V:0.1〜
0.3%、Nb : 0.01〜0.2%、Af:0.
05%以下、Cu:l〜5%、N : 0.001〜0
.1%を含み残部はFeおよび不可避不純物からなり、
1〜40%の6−フェライト組織を有する耐酸化性と溶
接性に優れた高強度高クロム鋼. ■ 土記■の成分に加えて更に、0.0001〜0.0
2重量%のBを含有する耐酸化性と溶接性に優れた高強
度高クロム鋼. ■ 上記■の成分に加えて更に、それぞれ0.01〜0
,2重量%のLaSCe, Y, Ca, Tj、Zr
およびTaからなる群から選択した1種以上を含有する
耐酸化性と溶接性に優れた高強度高クロム鋼. ■ 上記■の威分に加えて更に、0.0001〜0.0
2重量%のBと、それぞれo.ox=o.2重量%のL
a, Ce、Y, Ca, Ti, ZrおよびTaか
らなる群から選択した1種以上を含有する耐酸化性と溶
接性に優れた高強度高クロム鋼. 上記の本発明鋼は、後述するように多数の合金成分を適
正な量でバランスよく含有させることによって、高温用
鋼として総合的特性の極めて優れた鋼になる.就中、安
価でかつ著しい耐酸化性、高温耐食性改善効果を持っC
LI′を積極的に添加するとともに、母相のマルテンサ
イト組織中に適量のδ−フェライトを含ませることによ
って、優れた靭性、加工性、溶接性を発揮させるのであ
る.(作用) 以下、本発明鋼の各合金威分の作用効果と含有量の限定
理由について説明する. Cu: まず、本発明鋼において最も重要であるCuの作用効果
と含有量の限定理由について述べる.従来、綱に対する
Cuの添加が試みられていたこと、およびその作用効果
は先に述べたとおりである.しかし、600℃以上の高
温での耐酸化性、高温耐食性に関する定量評価は行われ
ていないため、多量添加による効果は全く不明であった
.また、前掲の特公昭62−12304号公報では、0
.4〜1.5%のCu添加はクリープ強度に有効とされ
ているものの、多量添加による熱間加工性低下に問題が
あるとしている. 本発明者らは、Cuの多量添加が綱に及ぼす影響を詳細
に調べた.その結果、Cuはそれ自身が高温中で微細な
ε相として析出するとともにスケール中に入り、スケー
ルの戒長を抑制して耐酸化性、高温耐食性を高めること
、および溶接継手性能として溶接部に形威される熱影響
軟化部の硬さを著しく向上させ、従来問題視されていた
溶接継手の強度を改善することが判明した.そして、こ
れらの効果は含有量が1%未満では不十分であり、5%
で飽和する傾向となることもわかった.一方、前記ε−
Cu相の粒界析出により、著しい加工性の劣化が起こり
、溶接部の低温および高温割れが促進されるが、後述す
るように適量のδ一フエライト相を層状もしくは島状に
母相のマルテンサイト組織中に存在させることで、粒界
へのε−Cu相の析出が抑えられ、加工性の劣化および
熔接割れが防止される.加工性の劣化および熔接性が低
下しないので従来、多量添加が制限されていたCuを本
発明鋼では5%まで含ませることができて、Cuの効果
を充分に活用できるという効果もある.しかし、5%を
超えて含有させても、もはや効果の増大がなく加工性と
溶接性が損なわれる.Cuは上記のような作用効果を有
する以外に、更に付加的作用として、変態点を著しく下
げることなく、オーステナイト安定化元素として、δ−
フェライト量を抑制できる点も有利である.δ−フェラ
イトを抑制する元素として、前掲のNi, Cの他にM
n, Coが知られているが、これらの元素はいずれも
鋼を大きく硬化させ、溶接性、加工性を損ねてしまうと
ともにAc+変態点を著しく下げるので、充分な焼戻し
処理ができないという問題がある. 以上の知見から、Cuの含有量を1〜5%に規定したの
である.なお、好ましい含有量は1〜3%である. 次に、他の成分の作用効果と含有量の限定理由について
述べる. C: CはCr, Fe, MoSW, V, Nbと結合し
て炭化物を形成し、高温強度に寄与するとともに、それ
自身がオーステナイト安定化元素としてマルテンサイト
組織を安定化する, 0.03%未満ではδ−フェライ
ト量が必要以上に多くなり強度、靭性が低下する。また
0.15%を超える場合は、炭化物が過剰析出して鋼が
著しく硬化し、加工性と溶接性が悪くなる.即ち、Cの
適正含有量は0.03〜0.15%である。
Cr: Crは鋼の耐酸化性、高温耐食性を確保するために不可
欠な元素であり、その含有量が8%未満では高Cr鋼と
しての前記の用途に十分な耐酸化性、高温耐食性が得ら
れない.一方、14%を超えるとδ−フェライト量の増
加により強度、加工性、靭性がt員なわれる. Si : Siは脱酸剤として働き、また鋼の耐水蒸気酸化特性を
高める元素であるが、0.7%を超えると靭性が著しく
低下し、クリープ強度に対しても有害である.特に厚肉
材料では長時間加熱による脆化を避けるためにも低く抑
えるのが望ましいから上限を0.7%とする. 門n: Mnは鋼の熱間加工性を改善し、組織の安定化に有効で
あるが、0.1%未満では十分な効果が得られず、1.
5%を超えると鋼を硬化させ加工性、溶接性を損なう。
よってMnの含有量は0.1〜1.5%とする. Ni : Niはオーステナイト安定化元素としてマルテンサイト
!1織を安定にする.しかし、その含有量が1%を超え
ると変態点を著しく下げ、十分な焼戻し処理をするうえ
で支障をきたす.また、高温クリープ強度も損なわれる
。経済性に鑑みてもNiの多量添加は不利である.よっ
てNiの含有量は1%以下とする. 阿O: Moは固溶強化および微細炭化物析出強化元素として高
温クリープ強度の向上に有効な元素ある。
しかし、0.01%未満では十分な効果が得られず、一
方、1.2%を超えて含有させると6−フェライト量の
増加による靭性と加工性の劣化を招き、高温での金属間
化合物析出により長時間加熱脆化を惹起する. W: WはMoと同様に固溶強化および微細炭化物析出強化元
素としてクリープ強度の向上に有効であり、Mo以上に
高温強度の向上に寄与する.Wは、Moとの複合添加に
よって高温クリープ強度を向上させる効果が大きい。こ
のような効果は、先のMoの含有量を前提として、Wの
0.8%以上の含有量で顕著になるが、3.5%を超え
て含有させると靭性、加工性を損なう。なお、WはMo
よりも多く添加するのが望ましい.その理由は、Wの原
子半径力卯〇のそれよりも大きく拡散が遅いためであり
、そのために析出物の戒長、粗大化を抑制する効果もN
oに較べて大きいからである. ■ : ■はC,Nと結合してV(C.N)の微細析出物を形戒
する。この析出物は高温長時間の加熱でも安定で、長時
間側のクリープ強度の向上に大きく寄与するが、0.1
%未満では十分な効果が得られず、0.3%を超える場
合には固f8Vが増加してかえって強度を損なう. Nb: Nbは■と同様C,Nと結合してNb(CSN)の微細
析出物を形威しクリープ強度の向上に寄与する。
この析出物は短時間クリープ強度の向上に特に有効であ
るが、0.01%未満では上記の効果が得られない.一
方、0.2%を超える場合は焼ならし処理で未固i’$
Nbcが増え、強度と溶接性を損ない、更に長時間クリ
ープ中に析出物が凝集粗大化しクリープ強度が低下する
Al ^iは脱酸剤として添加されるがその含有量が0.05
%を超える場合は、クリープ強度を損なうから0.05
%以下とする. N : NはV,Nbと結合して炭窒化物を形威してクリ一ブ強
度の向上に寄与するが、0.001%未満ではその効果
がない.一方、0.1%を超える場合は、溶接性、加工
性を損なう. 上記の各成分の外に、次の成分を必要に応して添加する
ことができる. B: Bは微量添加により炭化物を分散、安定化させる効果が
ある. 0.0001%未満ではその効果が小さ<、0
.02%を超えると熔接性、加工性を損なうから、Bを
添加する場合はその含有量を0.0001〜0.02%
の範囲にするのがよい。
La, Ce, Y, Ca、Ti, ZrおよびTa
:これらの元素は、鋼中のP,S,O(酸素)などの不
純物元素と結合させ、それらの析出物(介在物)の形態
制御を行わせるために必要に応じて添加する.これらの
元素のうち少なくとも1種をそれぞれの元素について0
.01%以上添加することによって上記の不純物元素を
安定かつ無害な析出物として固定し、強度と靭性を向上
させることができる.しかしそれぞれ0.2%を超える
と介在物が増加し、かえって靭性を損なうので各々の含
有量は0.01〜0.2%とする.特にCuを多量添加
する本発明鋼では、不純物の清浄化が強度、靭性、加工
性の点から重要で、これらの付加的添加元素は有効に作
用する. 本発明鋼は、前述の成分のほか、残部はFeと不可避不
純物からなる.鋼の不純物として代表的なものはPとS
である.Pは0.025%以下、Sは0.015%以下
に抑えるのが望ましい.これらはいずれも靭性、加工性
、溶接性に有害な元素であるので、上記の許容上限値以
下でもできるだけ少ないほうがよい. 本発明鋼の化学&[l戒は以上述べたとおりである.そ
して、その鋼は母相のマルテンサイト組織中に1〜40
%のδ−フェライトを含有する金属組織をしている. 母相のマルテンサイト組織中に適量の6−フェライトを
含ませることで、Cuの多1i添加による加工性、溶接
性の低下を抑制することができるので、これらの特性を
従来鋼と同等以上の特性にすることができる.また、6
−フェライトはクリープ強度に寄与し、且つ、微細析出
物(V(C,N)、Nb(C,N))を安定に析出させ
る他、固熔強化元素であるMo, Wのδ−フェライト
中への富化により、長時間クリープ強度に対して有効に
作用する.しかし、δ−フェライト量が1%未満では著
しく母相が硬化し、溶接性および加工性が損なわれる.
一方、δ−フェライト量が40%を超えると強度および
靭性が低下する. δ−フェライト量の調整は、添加元素の調整(相バラン
ス)或いは熱処理条件の調整により行うことができる. 本発明鋼の標準的な熱処理は、焼ならし一焼戻し処理で
あるが、焼なまし処理の適用も可能である。焼ならし或
いは焼なまし処理の温度は、前の加工で生じる粗大析出
物を十分固溶させるとともに鋳造偏析等による固溶合金
元素の偏析を均一化する目的でAc.変態点以上とする
.上限は、酸化スケールの生或防止とδ−フェライトの
多量析出抑制のためl200゜Cまでとする.望ましい
温度範囲は1000 〜1150”Cである. 焼ならし後の組織は1〜40%のδ−フェライトを含む
マルテンサイト組織となる.靭性を重視するならば1〜
IO%、溶接性および加工性を重視するならば5〜30
%のδ−フェライト量となるように焼ならしするのがよ
い. 焼ならし後は焼戻し処理を行う.この焼戻し処理は、高
温クリープ強度の安定化のためにマルテンサイト中の転
位密度を低くする必要から、使用温度+150〜200
’C以上でAc,変態点以下の温度域で行う.本発明鋼
の場合には、750〜830゜Cの範囲が望ましい.な
お、焼戻しが不十分な場合は、高温長時間側で著しい強
度低下がみられることがあるので注意を要する. 焼なまし後の組織はδ−フェライト+フェライト(α〉
十炭窒化物となり、靭性、強度の点では焼ならし一焼戻
し処理材に劣るが、軟質で加工性、クリープ延性に優れ
る.どちらかと言えば、本発明鋼は、焼ならし一焼戻し
処理を施して用いるのが好ましい. (実施例) 第1表に示す化学組威の鋼を50kg真空溶解炉で溶解
し、インゴソトを1150〜950 ’Cで鍛造して厚
さ20mmの板とした. 符号1の鋼はSTBA26、符号2の鋼は■STBA2
7(火力原子力発電技術協会規格)、符号3の鋼はAS
ME.S^213.T91、符号4の鋼はDIN.χ2
0CrMoWV121でいずれも既存の代表的な高Cr
フエライト鋼である.符号5〜10の鋼は9Crliを
ベースとしてCu添加した比較鋼、符号11および12
はδ−フェライト量が本発明で規定する範囲の上限値を
超えた比較鋼である.符号13〜32の鋼が本発明鋼で
ある.符号1および符号2の鋼は通常の熱処理として9
50″CX1時間→空冷の後、750゜CX1時間→空
冷を行った.符号3〜5および符号11〜32の鋼はl
050゜CX1時間→空冷の焼ならしと、780℃×1
時間→空冷の焼戻しを行った.符号6〜10の鋼は10
50℃×1時間→空冷の焼ならしと、750’c x 
4時間→空冷の焼戻しを行った. 引張試験片はφ6twXGL301111とし、常温お
よび650゜Cにて試験を行った.クリープ試験は、同
じφ6IIIlxGL30IIII1ノ試験片を用い、
650”Cにて最長10,000時間程度の試験を行っ
た●シャルビー衝撃試験は、JTSa号試験片を用いて
0゜Cで実施した.さらに耐水蒸気酸化性能を評価する
ため、10x25x 2 (一一)の板状試験片を用い
、水蒸気中で700゜cxl000時間の加熱試験を行
いスケール厚さを測定した.一方、溶接高温割れ試験と
して、10IllI厚さの供試材をTIG溶接(1!L
流150A、アーク電圧15V,溶接速度7 cm/s
+in)中に付加歪み1%で強制曲げするトランスパレ
ストレイン試験を行い、そのとき生した全割れ長さを測
定した。
試験結果を第2表にまとめて示す.また、650”CX
IO“時間クリープ破断強度をCu含有量との関係でグ
ラフ化したものを第l図に示す.第2表および第1図に
明らかなように、本発明調は650℃でのクリープ破断
強度において既存鋼の中でも最高強度の符号3の鋼(A
SM[!.SA213 T91)を上回る.第2図に耐
酸化性として水蒸気酸化特性を同じ<Cu含有量との関
係でグラフ化したものを示す.耐食性ぱCrの含有量で
大きく左右されるため、8〜9.5Cr系と10〜13
Cr系とに区別して示した。ここでも本発明鋼はCuを
添加していない既存調よりスケールの生成が少なく、ま
た、Cuを含むがδ−フェライトを含まない比較鋼と比
べても同等以上の耐水蒸気酸化性を示す. 第3図に常温引張試験破断伸びおよび第4図に0゜Cで
の衝撃値をCuの含有量との関係でグラフ化したものを
示す.第3図および第4図から、本発明鋼は延性および
靭性でも従来鋼と同等以上の性能を有している.しかし
、δ−フェライト量が本発明で規定する範囲の上限値を
超える符号l1およびl2の比較鋼は延性に優れるもの
の靭性と強度が劣っている。
また、トランスパレストレイン試験による溶接高温割れ
感受性についても、第2表に示すように本発明鋼はいず
れも全割れ長さが1問以下である.比較鋼はδ−フェラ
イト量の多い符号2、11および12の鋼には割れが認
められないか、認められても小さいが、これ以外のもの
は本発明鋼より劣る.特に、符号5〜10の鋼のように
、Cuの含有量が増加する程、高温割れが大きくなる傾
向となるが、δ−フェライトを適量含ませた本発明鋼で
はこのような傾向を示さない. 以上具体的に示したとおり、本発明鋼は従来の高クロム
鋼よりもはるかに高い耐酸化性とクリープ破断強度を持
ち、かつ溶接性、靭性、延性でも従来の同じ系統の鋼と
同等以上の性能を有する.(以下、余白) (発明の効果) 本発明の高クロム鋼は、従来の高Crフェライト鋼の使
用限界であった600゜C以上の高温でも優れた耐酸化
性と高いクリープ破断強度を示す.また、この鋼は、溶
接性、靭性、加工性においても従来の高クロム鋼と同等
以上であり、ボイラ、化学工業、原子力などの産業分野
等で用いる耐熱耐圧部材として管、板、その他さまざま
の形状の鍛造圧延品等に広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明鋼および比較鋼の650゜CXIO’
時間クリープ破断強度とCuの含有量との関係を示す図
、 第2図は、同し<700゜CXIO”時間の水蒸気酸化
試験によるスケール厚さとCuの含有量との関係を示す
図、 第3図は、同じく常温引張破断伸びとCuの含有量との
関係を示す図、 第4図は、同じく0゜C衝撃値とCuの含有量との関係
を示す図、である。 C1重(wt %)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、C:0.03〜0.15%、Si:0
    .7%以下、Mn:0.1〜1.5%、Ni:1%以下
    、Cr:8〜14%、Mo:0.01〜1.2%、W:
    0.8〜3.5%、V:0.1〜0.3%、Nb:0.
    01〜0.2%、Al:0.05%以下、Cu:1〜5
    %、N:0.001〜0.1%を含み、残部はFeおよ
    び不可避不純物からなり、1〜40%のδ−フェライト
    を含む組織を有する耐酸化性と溶接性に優れた高強度高
    クロム鋼。
  2. (2)請求項(1)の成分に加えて更に、0.0001
    〜0.02重量%のBを含有する耐酸化性と溶接性に優
    れた高強度高クロム鋼。
  3. (3)請求項(1)の成分に加えて更に、それぞれ0.
    01〜0.2重量%のLa、Ce、Y、Ca、Ti、Z
    rおよびTaからなる群から選択した1種以上を含有す
    る耐酸化性と溶接性に優れた高強度高クロム鋼。
  4. (4)請求項(1)の成分に加えて更に、0.0001
    〜0.02重量%のBと、それぞれ0.01〜0.2重
    量%のLa、Ce、Y、Ca、Ti、ZrおよびTaか
    らなる群から選択した1種以上を含有する耐酸化性と溶
    接性に優れた高強度高クロム鋼。
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