JPH039656Y2

JPH039656Y2 -

Info

Publication number: JPH039656Y2
Application number: JP20317183U
Authority: JP
Priority date: 1983-12-26
Filing date: 1983-12-26
Publication date: 1991-03-11
Also published as: JPS60106466U

Description

【考案の詳細な説明】（技術分野）本考案はスピニングリール、詳しくは、リール
ボデイに、１対の支持腕をもつた回転枠を回転自
在に支持し、該回転枠の回転でスプールに釣糸を
巻取るごとくしたスピニングリールに関する。

（従来技術）一般に、此種リールは、胴部と該胴部の両端か
ら半径方向外方に延びる１対のフランジとを備え
たスプールを、スプール軸を介して前記リールボ
デイに前後方向移動自由に支持して、このスプー
ルと前記リールボデイとの間に前記回転枠を設
け、この回転枠の一端部外周に180度前後の位相
差で相対向状に設ける前記１対の支持腕を前記ス
プール側に指向させて、前記スプールにおけるリ
ールボデイ側フランジの外周面と対向させ、前記
各支持腕の先端部間に架設するベールアームによ
り釣糸を案内し、該釣糸を前記スプールに巻取る
ごとく構成されている。

所がスピニングリールの場合は、前記スプール
のリールボデイ側フランジと前記回転枠の支持腕
との間に、前記釣糸が多少多目に巻取られても、
該釣糸が前記支持腕に接触するのを防ぐための大
き目の隙間が設けられているばかりか、前記スプ
ールが前後方向前方側に移動したとき、前記回転
枠が外部に大きく露出し、この回転枠とスプール
との重合部の長さが短くなるため、例えば前記ス
プールに巻装されている釣糸を投擲により繰出す
とき、釣糸の巻付状態が崩れて該釣糸が解ける
と、この解けた部分の釣糸が前記スプールのリー
ルボデイ側フランジと前記支持腕との間の隙間か
ら前記フランジの外方に落ち込んで、前記回転
枠、或いは前記スプールを支持するスプール軸に
巻込まれることが多かつたのである。

そこで従来、実公昭55−55562号公報に記載さ
れている通り、前記スプールにおけるリールボデ
イ側フランジの外周面に、半径方向外方に延びる
環状突起を設けて、前記フランジ外周面と前記支
持腕との間にできる隙間を小さくし、前記釣糸の
前記フランジ外方への落込みを防ぐごとくしたも
のが提案されている。

所が、この従来のリールによれば、加工上の精
度誤差などにより、前記フランジと支持腕との間
の隙間を小さくするのに限界があるため、前記釣
糸の落込みを確実に防ぐことができない問題があ
る。

（考案の目的）本考案は以上の点に鑑み考案したもので、前記
スプールのリールボデイ側フランジと回転枠の支
持腕との隙間から支持腕基部側への釣糸の侵入を
阻止する阻止体を前記スプール軸に対し回転自由
に設けて、この阻止体を前記回転枠と共廻いさせ
ることにより、前記釣糸の落込みを防ぐことがで
きるようにするものである。

（考案の構成）しかして本考案は、リールボデイに、１対の支
持腕をもつた回転枠を回転自由に支持し、該回転
枠の回転でスプールに釣糸を巻取るごとくしたス
ピニングリールにおいて、前記スプールを支持す
るスプール軸に、前記スプールにおける前記支持
腕に対向する側のフランジ外周部と前記支持腕と
の拏間から支持腕基部側への釣糸の侵入を阻止す
る阻止体を前記スプール軸に対し回転自由に支持
し、この阻止体に、前記各支持腕の少なくとも回
転方向一側面と係合し、前記阻止体を前記回転枠
と共廻いさせる係合部を設け、前記阻止体により
前記釣糸が前記隙間を通過するのを確実に防ぐこ
とできるようにしたのである。

（実施例）以下本考案リールの一実施例を図面に基づいて
説明する。

図示したリールは、上面に釣竿への取付脚をも
ち、前面に貫通孔をもつ中空のリールボデイ１の
前記貫通孔部分に、軸受を介してピニオンギヤ２
をもつた筒状の駆動軸３を回転自由に支持し、こ
の駆動軸３の先端外周部に、１対の支持腕４１，
４２をもつた回転枠４を取付けると共に、前記駆
動軸３の軸孔に、スプール５をもつたスプール軸
６を前後方向に移動自由に支持する一方、前記リ
ールボデイ１の側壁に、前記駆動軸３の軸心と直
交する方向に延びるハンドル軸７を回転自由に支
持して、該ハンドル軸７のリールボデイ１内部へ
の突入部に、前記ピニオンギヤ２に噛合うマスタ
ーギヤ８を設け、またリールボデイ１外部への突
出部にハンドル（図示せず）を設け、このハンド
ルの回転操作により、前記駆動軸３を駆動し、前
記回転枠４を回転させると共に、前記スプール５
を往復動機構（図示せず）を介して前後方向に移
動させ、前記各支持腕４１，４２の先端部間に架
設するベールアーム９により釣糸を前記スプール
５に案内し、該スプール５に前記釣糸を巻取るご
とく成している。又、前記スプール５は、釣糸を
巻取る胴部５１と、該胴部５１の両端縁から半径
方向外方に延びる１対のフランジ５２，５３とに
より形成している。

又、前記回転枠４は、前記駆動軸３に嵌合する
軸孔をもつ円板部４３と該円板部４３の外周部か
ら軸方向外方に延びる円筒部４４及び該円筒部４
４の端部から外方に延びる前記支持腕４１，４２
とから成り、この回転枠４を前記スプール５とリ
ールボデイ１との間に配置して、前記支持腕４
１，４２を前記スプール５のフランジ５３外周面
と対向させている。

この考案は以上の如く構成するリールにおい
て、前記スプール５を支持するスプール軸６に、
前記スプール５における前記支持腕４１，４２に
対向する側のフランジ５３外周面と前記支持腕４
１，４２との間の隙間S₁，S₂から支持腕４１，４
２基部側への釣糸の侵入を阻止する阻止部１０
ａ，１０ｂをもつ阻止体１０を前記スプール軸６
５に対し回転自由に支持し、この阻止体１０に、
前記各支持腕４１，４２の少なくとも回転方向一
側面と係合し、前記阻止体１０を前記回転枠４と
共廻いさせる係合部１０ｃ，１０ｄを設けたので
ある。

しかして、図示したものは、前記阻止体１０
を、前記スプール軸６に遊嵌合する軸孔をもつ円
板部１０ｅと、該円板部１０ｅの外周部から軸方
向外方に延びる円筒部１０ｆ及び該円筒部１０ｆ
の端部から半径方向外方に延びる前記阻止部１０
ａ，１０ｂとにより形成して、前記阻止部１０
ａ，１０ｂの先端に前記係合部１０ｃ，１０ｄを
それぞれ２個設けて、これら係合部１０ｃ，１０
ｄを前記支持腕４１，４２の回転方向両側面と係
合させ、前記回転枠４の正・逆回転時、前記阻止
体１０を前記回転枠４と共廻いさせ、前記阻止部
１０ａ，１０ｂの前記支持腕４１，４２に対する
回転方向への位置ずれを防ぐごとく成している。

又、前記阻止体１０は、前記円板部１０ｅの軸
孔部分を前記スプール軸６に回転自由で、かつ軸
方向移動不能に支持して、前記スプール５の前後
方向への移動に連動させ、前記支持腕４１，４２
に沿つて移動させるごとく成している。図面で
は、前記スプール軸６の先端部に、円形軸部６１
と非円形軸部６２及びねじ部６３を連続的に設け
て、前記円形軸部６１に前記阻止体１０を相対回
転自由に嵌合し、また前記非円形軸部６２に前記
スプール５を相対回転不能に嵌合し前記ねじ部６
３に螺合する緊締具１１により前記阻止体１０及
びスプール５を取付けている。尚、前記阻止体１
０は、主として合成樹脂により形成するのであ
る。

又、前記阻止部１０ａ，１０ｂは、第３図に示
す如く前記支持腕４１，４２の回転方向両側方側
に設けて、前記支持腕４１，４２の内側面と同一
又は該内側面より外方に突出する長さに形成し、
釣糸の太さに関係なく、該釣糸が前記隙間S₁，S₂
の入口側から支持腕４１，４２の基部側に侵入す
るのを確実に阻止するように成すのである。尚、
前記阻止部１０ａ，１０ｂは、例えば前記一方側
支持腕４１の回転方向一側方側（第３図Ａ位置）
と、他方側支持腕４２の回転方向他方側（第３図
Ｂ位置）とに設けてもよいのであり、又、第３図
に示す如く前記支持腕４１，４２と近接する位置
にのみ設ける他、例えば前記各支持腕４１，４２
間に亘つて半円形に形成してもよいのであつて、
前記阻止部１０ａ，１０ｂの形状は特に限定され
ない。

又、図中１２は前記スプール軸６に取付けて前
記阻止体１０の軸方向一方側への移動を阻止する
止め輪である。

本考案は以上の如く構成するもので、ハンドル
の回転操作で回転枠４を回転し、スプール５に釣
糸を巻取る場合は、前記回転枠４の回転が、支持
腕４１，４２から係合部１０ｃ，１０ｄを介して
阻止体１０に伝わり、該阻止体１０が前記回転枠
４と共廻いすると共に、スプール軸６の前後方向
への移動力が前記阻止体１０に伝わり、該阻止体
１０が前記スプール５と連動して前記支持腕４
１，４２に沿つて移動するのである。

そしてスプールに巻取つた釣糸の投擲による繰
出時など、該釣糸が解けて、この解けた部分の釣
糸が前記フランジ５３の外周面と前記支持腕４
１，４２との間の隙間S₁，S₂の入口側に侵入した
場合、前記阻止体１０の阻止部１０ａ，１０ｂに
より前記隙間S₁，S₂の入口側に侵入した釣糸が前
記隙間S₁，S₂から支持腕４１，４２の基部側に侵
入するのを確実に阻止することができるのであ
る。

尚、以上説明した実施例では、阻止体１０を、
円板部１０ｅと円筒部１０ｆ及び阻止部１０ａ，
１０ｂとにより形成したが、この阻止体１０の構
造は特に限定されるものでない。又、前記回転枠
４及びスプール５の構造も特に限定されるもので
ない。

（考案の効果）以上の如く本考案は、１対の支持腕をもつ回転
枠の回転で釣糸が巻取られるスプールのスプール
軸に、前記スプールにおける前記支持腕に対向す
る側のフランジ外周面と前記支持腕との隙間から
支持腕基部側への釣糸の侵入を阻止する阻止体を
前記スプール軸に対し回転自由に支持し、この阻
止体に、前記各支持腕の少なくとも回転方向一側
面と係合し、前記阻止体を前記回転枠と共廻いさ
せる係合部を設けたから、スプールに巻装した釣
糸の投擲による繰出時など、該釣糸が解けて、こ
の解けた部分の釣糸が前記隙間の入口側に侵入し
ても、この釣糸が前記隙間を通過するのを前記阻
止体により確実に阻止でき、従つて、何如なる太
さの釣糸であつても、この釣糸が前記隙間を通過
して前記フランジの外方に落込んで、回転枠の外
周部或いはスプール軸に巻込まれる事態を確実に
なくすることができ、使い勝手を著るしく良好に
できるのである。

しかも前記阻止体をスプール軸に支持したか
ら、前記阻止体をリールボデイ側に残し、前記ス
プールのみを交換することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案リールの一実施例を示す一部切
欠側面図、第２図は一部を省略した平面図、第３
図は第１図−線断面図、第４図は阻止体のみ
の斜視図である。１……リールボデイ、４……回転枠、４１，４
２……支持腕、５……スプール、５３……フラン
ジ、６……スプール軸、１０……阻止体、１０
ｃ，１０ｄ……係合部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

リールボデイに、１対の支持腕をもつた回転枠
を回転自由に支持し、該回転枠の回転でスプール
に釣糸を巻取るごとくしたスピニングリールにお
いて、前記スプールを支持するスプール軸に、前
記スプールにおける前記支持腕に対向する側のフ
ランジ外周部と前記支持腕との隙間から支持腕基
部側への釣糸の侵入を阻止する阻止体を前記スプ
ール軸に対し回転自由に支持し、この阻止体に前
記各支持腕の少なくとも回転方向一側面と係合
し、前記阻止体を前記回転枠と共廻いさせる係合
部を設けたことを特徴とするスピニングリール。