JPH039500Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案はフオークリフト、シヨベルローダー等
の産業車両におけるテイルトステアリング装置に
関する。

従来技術 一般に産業車両においては実開昭52−16130に
示されているように、ステアリングポストを前後
方向に回動自在に設け、ステアリングの傾斜角を
任意に調整することが出来るようになつている
が、ステアリングポストの固定、解除操作は手で
行なうために、ステアリングの傾斜角度調節時に
は一旦運転姿勢をくずさなければならないという
欠点を有している。

考案の目的 本考案は上記のような実情に鑑みて成されたも
ので、ステアリングの傾斜角度の調節が運転姿勢
のまま簡単に行なえるテイルトステアリング装置
を提供することにある。

考案の構成 上記目的を達成するために、フロントプロテク
タに対して下端部を前後方向に回動自在に枢結す
るステアリングポストに、前面に開口部を有して
箱型に形成するテイルトボツクスを固着するとと
もに、該テイルトボツクスには前記フロントプロ
テクタに突設するロツドを、該ボツクス内に臨ま
せ、該ロツドには断面円弧状の筒状部と、該筒状
部の自由端部に連続して形成された一対の脚片と
から成る挟持部材を嵌合し、該脚片部には前記ロ
ツドの軸方向に対し垂直な向きに長径を有する長
穴を穿設し、前記テイルトボツクスに固定された
シヤフトを貫通させるとともに、両脚片を互いに
接近させるべく付勢するバネを備え、かつ前記脚
片間には前記テイルトボツクスに回動可能に支承
され、前記バネの付勢力に抗して前記脚片を互い
に離隔する方向に変移可能なカム部材を備え、該
カム部材と前記ステアリングポストの下部に配設
された足踏ペダルとをワイヤーを介して連結し、
運転姿勢を崩すことなく足によつてテイルトステ
アリング装置のロツク及びロツク解除が行なえる
ように構成したことを特徴とする。

実施例 以下本考案の具体的な実施例を図面に基づいて
説明する。第１図において１はフオークリフトの
フロントプロテクタであつて、該フロントプロテ
クタ１はフオークリフトの機台より若干の傾斜面
を有して斜め後方に向けて立上る如く設けられ
る。フロントプロテクタ１の下端部にはブラケツ
ト２が後方に向けて突設され、該ブラケツト２に
はステアリングポスト３の下端部が前後方向にピ
ン７を介して回動自在に枢結される。ステアリン
グポスト３はフロントプロテクタ１に沿つて斜め
後方に向けて立上る如く設けられ、その上端部に
は該ポスト３に支承されるステアリングシヤフト
３′を介してステアリングホイール４が回動自在
に軸架される。そしてステアリングポスト３に
は、前面に開口部を有して立方体形状の箱形に形
成されたテイルトボツクス５が固着される。

一方フロントプロテクタ１の上端部からはロツ
ド６がテイルトボツクス５内に臨む如く後方に向
けて突設され、該ロツド６には第２図に示すよう
に断面円弧状の筒状部８ａと、該筒状部８ａの自
由端部に連続して形成された一対の脚片８ｂ，８
ｂとから成る挟持部材８が嵌合されるとともに、
先端部に該挟持部材８の抜け止め用スナツプリン
グ９が取付けられる。

また該脚片には前記ロツド６の軸方向に対して
垂直な向きに長径を有する長穴１０を穿設し、前
記テイルトボツクスの底面５ａに立設した支持板
１１に固定されたシヤフト１２を貫通させて挟持
部材８とテイルトボツクス５を連結している。

但し長穴１０の短径はシヤフト１２の径とほぼ
等しくしてあるので、挟持部材８はテイルトボツ
クス５から独立して前記ロツド６の軸方向の移動
をすることはできない。

さらに、第３図に示すように該脚片８ｂ，８ｂ
には両端にナツト１３とワツシヤー１４により係
止されたバネ１５を有するシヤフト１６が遊嵌し
ており、該バネ１５によつて両脚片８ｂ，８ｂは
互いに接近するべく付勢され、前記挟持部材８の
筒状部８ａは前記ロツド６を圧着挟持する。

また前記脚片８ｂ，８間には、テイルトボツク
ス５の底面５ａに立設した軸受１７に回動可能に
支承され、前記バネ１６の付勢力に抗して前記脚
片８ｂ，８ｂを互いに離隔する方向に変移可能な
カム部材１８が形成されたシヤフト１９が配設さ
れており、さらに該シヤフト１９には前記ステア
リングポスト３の下方に設けた足踏ペダル２０と
連結したワイヤー２１が先端部に取付けられたレ
バー２２の基端部が固着されている。

本実施例装置は上記のように構成されており、
ステアリングポスト３の傾斜角を調整するには、
先ず足踏ペダル２０を踏みこむことによつて第４
図ａの状態からカム部材を回動させ、第４図ｂに
示すようにカム部材１８の長径部分を両脚片８
ｂ，８ｂに干渉せしめ、両脚片８ｂ，８ｂをバネ
１５の付勢力に抗して互いに隔離する方向に押し
広げ、挟持部材８の挟着力をゆるめ、挟持部材８
がロツド６に対して移動可能となつた後、ステア
リングポスト３をその回動支点であるピン７を中
心として希望する方向へ前後回動させる。

希望する位置（角度）までステアリングポスト
３を回動させた状態で足踏ペダル２０から足を離
すと、バネ１５の付勢力に抗して両脚片８ｂ，８
ｂを押し広げようとするカム部材１８の力が無く
なり、両脚片８ｂ，８ｂは第４図ｂの状態からバ
ネ１５の付勢力によつて互いに接近し始め、それ
と同時にカム部材１８も回動し、第４図ａに示す
状態すなわち挟持部材８がロツド６を圧着挟持す
るまで接近し、ステアリングポスト３を固定す
る。

なおステアリングポスト３はピン７を支点とす
る円弧に沿つて回動するのに対して、挟持部材８
はロツド６に沿つて直線的に移動することによ
り、挟持部材８の移動軌跡はステアリングポスト
３に固着されているテイルトボツクス５の回動軌
跡とは一致しないが、この不一致は挟持部材８の
脚部８ｂ，８ｂに穿設されたテイルトボツクス５
と挟持部材８を連結するシヤフト１２の慣通孔が
縦長状であることにより吸収される。

考案の効果 上記のように本考案のテイルトステアリング装
置は、ステアリングポストの下部に設けた足踏ペ
ダルを踏むことで、カムを回動させ前記ロツドに
対する挟持部材の挟持力をゆるめてフリーの状態
とできるので、運転者は両手でステアリングホイ
ールを握つたまま軽い操作でステアリングポスト
の傾斜角度を変更でき、また足踏ペダルを離すこ
とでその位置からずれることなく希望位置に確実
に固定することができるという特有の効果を奏す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の全体図、第２図は要部を
示す斜視図、第３図は第１図の−断面図、第
４図は本考案装置の作用説明図。 １……フロントプロテクタ、３……ステアリン
グポスト、５……テイルトボツクス、６……ロツ
ド、８……挟持部材、１０……長穴、１２……シ
ヤフト、１５……バネ、１８……カム部材、２０
……足踏ペダル、２１……ワイヤー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントプロテクタに対して下端部を前後方向
   に回動自在に枢結するステアリングポストに、前
   面に開口部を有して箱型に形成するテイルトボツ
   クスを固着するとともに、該テイルトボツクスに
   は前記フロントプロテクタに突設するロツドを、
   該ボツクス内に臨ませ、該ロツドには断面円弧状
   の筒状部と、該筒状部の自由端部に連続して形成
   された一対の脚片とから成る挟持部材を嵌合し、
   該脚片部には前記ロツドの軸方向に対し垂直な向
   きに長径を有する長穴を穿設し、前記テイルトボ
   ツクスに固定されたシヤフトを貫通させるととも
   に、両脚片を互いに接近させるべく付勢するバネ
   を備え、かつ前記脚片間には前記テイルトボツク
   スに回動可能に支承され、前記バネの付勢力に抗
   して前記脚片を互いに離隔する方向に変移可能な
   カム部材を備え、該カム部材と前記ステアリング
   ポストの下部に配設された足踏ペダルとをワイヤ
   ーを介して連結したことを特徴とする産業車両に
   おけるテイルトステアリング装置。