JPH039442B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電磁駆動装置によるカメラの撮影レン
ズのレンズ位置決定装置に関するものである。

〔従来技術〕

永久磁石と継鉄によつて形成された磁界内に配
設した可動コイル部材に通電して該可動コイル部
材を光軸中心に回動し、その動力によつて撮影レ
ンズの合焦操作をしたりあるいはシヤツタ羽根を
開閉して露光操作を行なう電磁駆動装置が知られ
ている。

かゝる電磁駆動装置を撮影レンズの合焦装置に
利用する場合、従来の電磁駆動装置内において
は、カム等によつて可動コイル部材の動きを測距
距離に対応した光軸方向の動きすなわち被写体に
対する合焦のための撮影レンズの移動量に変換し
たうえで取出し、前記装置の外部に設けた撮影レ
ンズユニツトを前記可動コイル部材に対して直結
するかあるいはバネ等の弾性部材によつて常に圧
接して接続している例が多い。

かゝる合焦装置においては、前記可動コイル部
材は撮影レンズの重量さらには弾性部材の押圧力
に抗して作動し得るものでなければならないの
で、強力な駆動力すなわち電磁力を要し、従つて
電磁駆動装置は大型で高価となる傾向が避けられ
なかつた。

このような電磁駆動装置の負担を軽減するべく
可動コイル部材は合焦制御部材の規制、すなわち
合焦のために撮影レンズの移動量を制限する部材
の設定にのみ作動させ、撮影レンズの駆動を前記
電磁駆動装置以外の駆動源によつて行なう方法が
提案されている。

この方法によれば可動コイル部材の負担は著し
く軽減し、従つて電磁駆動装置も小型・安価とな
つて小型カメラへの組込みにも極めて好都合とな
る。

このような方法に関して特開昭58−43434号公
報による提案がなされている。

しかしながら、当提案においては、撮影レンズ
を合焦位置に駆動する駆動源として弾性部材を使
用し、その弾性部材がレリーズ操作の過程で急激
に開放される構造になつているので、カメラブレ
の危険がありさらに撮影後前記弾性部材を初期位
置に復帰させるため複雑なチヤージ機構を必要と
していているので、カメラの操作面や組込み構成
上で大きな障害となつて実現が極めて難しい。

〔発明の目的〕

本発明は、撮影レンズの合焦位置への駆動をモ
ータによつて行なうことを可能とし、その結果小
型の電磁駆動装置によつても合焦制御部材を確実
に規制することの出来るカメラのレンズ位置決定
装置の提供を目的としたものである。

〔発明の構成〕

本発明は、被写体距離を検出し、検出距離に対
応したレンズ位置を指示する信号を出力する測距
部と、撮影レンズを保持するレンズ枠と、光軸中
心に回動し、前記レンズ枠が当接することによつ
て被写体距離に対応する複数のレンズ位置を設定
するカム面を有するカム部材と、前記カム面に設
定された複数のレンズ位置に対応した複数の停止
位置に前記カム部材を駆動制御する電磁駆動装置
と、前記レンズ枠を初期位置から前記カム面まで
光軸に沿つて直線的に駆動するレンズ駆動手段
と、該レンズ駆動手段を駆動するモータと、該モ
ータを駆動制御する駆動回路と、前記レンズ位置
を指示する信号に基づき、前記カム面を所定のレ
ンズ位置に設定するために前記カム部材を所定の
停止位置に停止させるパルス数を設定するパルス
信号と前記レンズ枠が前記所定のレンズ位置に位
置する前記カム面に当接するに必要な時間を設定
する通電時間信号を算出し、前記パルス信号を前
記電磁駆動装置に出力した後、前記通電時間信号
を前記駆動回路に出力する制御回路とを備えたこ
とを特徴とするカメラのレンズ位置決定装置によ
り達成される。

〔実施例〕

本発明による１実施例を第１、第２図に示す。

第１図は本発明のカメラのレンズ位置決定装置
を展開して示したもので、電磁駆動装置１００は
カメラのレンズ鏡胴（図示せず）に取付られ、さ
らにその前面には前記レンズ位置決定装置を構成
する各部材を保持すべきレンズ駆動地板１１０が
そのフランジ部１１１をねじ止めすることによつ
て取付られている。

前記電磁駆動装置１００は第２ないし第４図に
示す如く胴部１の外周に一体構造で連なる保持枠
４と、それに対して円周方向に等配した永久磁石
５と、前記保持枠４を介して対向する第一、第二
継鉄２，３とによつて構成されると共に、前記永
久磁石５と前記第二継鉄３との間のギヤツプ内に
はコイルパターン６ａをもつ撮影レンズ駆動制御
用可動コイル部材たる第一可動コイル部材６と、
コイルパターン７ａをもつ光量制御用可動コイル
部材たる第二可動コイル部材７とが、第４図に示
す如き大小２種のリング状のスペーサ１１ａおよ
び１１ｂによつて互いに干渉しないよう隔離され
た状態にて積層状に配設されている。なお前記ス
ペーサ１１ａおよび１１ｂは保持枠４に対して固
定、遊動何れの状態で設けられても良い。

前記第一可動コイル部材６はカメラ本体に組込
まれた測距部による制御回路からのパルス信号に
よつて小刻みに往復回動を繰返し、その上に植設
したピン１０を介して後述する合焦制御部材に動
力を伝達するようになつている。

また第二可動コイル部材７は露光部による制御
回路からの通電により往復回動し、それに植設し
た一組のピン１８によつて前記第二継鉄３と地板
１５の間に配設した一組のシヤツタ羽根１４を、
軸１６を支点として開閉させる作用を行なうよう
になつている。

一方、電磁駆動装置１００の前面に取付けられ
た前記レンズ駆動地板１１０の胴部１１２の内面
にはレンズ駆動筒１４０の胴部１４１、さらに該
胴部１４１の内面には撮影レンズ枠１３０の外周
部１３１がそれぞれ回転、摺動自在に嵌合して収
容され、かつ該外周部１３１に植設した３本のピ
ン１３２が前記レンズ駆動筒１４０の胴部１４１
に設けた３本の傾斜溝１４２と前記レンズ駆動地
板１１０の胴部１１２に設けた３本の直線溝１１
３にそれぞれ嵌通した上、該胴部１１２の外周上
に若干突出している。

また前記レンズ駆動地板１１０の胴部１１２の
外周の基部には前記合焦制御部材としてのレンズ
位置制御用カム部材１２０が回転自在に嵌合し、
その胴部１２１の端部に形成された３ブロツクか
らなる段カム１２２が前記レンズ駆動地板１１０
の胴部１１２から突出した前記ピン１３２にそれ
ぞれ対応出来るよう組込まれている。

さらに前記カム部材１２０のフランジ部には切
欠状の爪車１２３が形成されていて、前記レンズ
駆動地板１１０上を円周方向に揺動する弧状部材
１１６上に取付けられた爪１１７によつて時計方
向に歩進させられ前記レンズ駆動地板１１０の定
位置に設けた爪１２４によつて逆転が防止される
ようになつている。

なお前記爪１１７，１２４は何れも弾性部材
（図示せず）によつて時計方向に付勢されて常に
前記爪車１２３と係合あるいは接触を保つよう構
成されている。

また前記弧状部材１１６には、前記電磁駆動装
置１００の前面の長穴１０１から突出した前記第
一可動コイル部材６の揺動ピン１０がさらに前記
レンズ駆動地板１１０のフランジ部１１１上の長
穴１１４を挿通した上接続されていて、前記弧状
部材１１６は前記第一可動コイル部材６の揺動に
伴つて前記フランジ部１１１上植設した案内ロー
ラ１１５に沿つて円周方向に摺動出来るようにな
つている。

さらに前記カム部材１２０の胴部１２１には３
本の突起１２５が設けられていて、前記段カム１
２２が回転してその初期位置に達した時、スイツ
チ１２６を作用して、前記第一可動コイル部材６
に対するパルス通電を断ち前記カム部材１２０の
歩進を停止するようになつている。

他方、レンズ鏡胴には駆動用モータ１７０が収
容されていて該駆動モータ１７０のシヤフトが前
記電磁駆動装置１００の貫通穴１０３と、前記レ
ンズ駆動地板１１０のフランジ部１１１の貫通穴
１１８とを挿通して該シヤフト１７１の先端に固
着したピニオン１７２が前記レンズ駆動筒１４０
の切欠歯車１４３と噛合う位置に迄達している。
すなわち前記駆動モータ１７０の回転によつて前
記レンズ駆動筒１４０が回動し前記レンズ枠１３
０に取付けた撮影レンズ１３３をその光軸方向に
移動出来るようになつている。

以下本実施例における作用について説明する。

カメラ本体のレンズ位置を指示する信号を出す
手段としての測距部からの信号によつて制御回路
より検出距離に対応したパルス数の通電が前記第
一可動コイル部材６に対して行なわれると該第一
可動コイル部材６が、従つて構成揺動ピン１０も
同時に円周方向にパルス数に応じた揺動を反復す
る。

その結果前記弧状部材１１６の爪１１７が前記
カム部材１２０を時計方向に歩進して回転し、検
出距離に対応する段カム１２２を前記レンズ枠１
３０のピン１３２に臨む位置に設定して停止させ
る。

次いで前記制御回路によつて時間を制御された
駆動回路の通電により前記駆動モータ１７０が時
計方向に回転を始め、前記レンズ駆動筒１４０を
反時計方向に回転させるので前記レンズ枠１３０
は前記傾斜溝１４２により直線溝１１３に沿つて
直線的に後退し、そのピン１３２が前記段カム１
２２の検出距離に対応したステツプに当接して撮
影レンズ１３３をその合焦位置に合致させ、しか
る後前記駆動回路の通電が断たれ前記駆動モータ
１７０の回転が停止される。

ついで露光部による前記制御回路からの通電に
よつて第二可動コイル部材７が時計方向に作用し
前記シヤツタ羽根１４を開閉して露光を終了する
と前記駆動回路に逆方向の通電が行なわれて、前
記駆動モータ１７０が反時計方向に回転を始め、
前記レンズ駆動筒１４０を時計方向に戻してその
初期位置すなわち前記レンズ枠１３０を最も前進
させた位置に戻したる後停止する。

しかる後、再び前記制御回路より前記第一可動
コイル部材６に対しパルス通電が行なわれるので
前記爪１１７が再び前記カム部材１２０を時計方
向に歩進して回転して行きやがて前記段カム１２
２の最も高いステツプが前記レンズ枠１３０のピ
ン１３２に臨む位置に達すると、その位置で前記
段カム１２２の周面に設けた突起１２５がスイツ
チ１２６を作用して前記制御回路よりのパルス通
電を断ち前記カム部材１２０の回転を停止するよ
うになつている。

かくして前記レンズ駆動筒１４０、レンズ枠１
３０、カム部材１２０は何れも撮影前の初期状態
に復し、前述した如き作用を反復して開始し得る
体勢をとることが出来る。

かくの如く本発明を構成する前記測距部と制御
回路は、撮影レンズをその合焦位置に移動するに
要する時間だけモータを回転するよう前記駆動回
路への通電時間を規制すると共に、さらに、撮影
後は、前記撮影レンズをその初期位置に復帰する
に要する時間だけ前記駆動回路に逆方向の電流を
通電することが出来るようになつている。

かゝる作用を他の機能と関連づけて表示すると
第５図に示すブロツク回路図となり、それによる
各機能の作動タイムチヤートは第６図に示す通り
である。

なお、本実施例においては前記電磁駆動装置１
００および前記駆動モータ１７０をレンズ鏡胴に
配置しているが、それらをカメラ本体に配設して
も同様の機能を得ることが可能である。

〔発明の効果〕

本発明によつて、撮影レンズを合焦位置にある
いは初期位置に移動したり復帰させる動作を、そ
の作動量に適応する時間だけ通電され回転する駆
動モータによつて行なうことが可能となり、その
結果電磁駆動装置における合焦操作の負荷を著し
く軽減することの出来るカメラのレンズ位置決定
装置が提供されることとなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のレンズ位置決定装置の展開斜
視図。第２ないし第４図は前記装置に使用される
電磁駆動装置の各平面・断面および斜視図。第５
図はブロツク回路図。第６図はタイムチヤート
図。 １００……電磁駆動装置、１１０……レンズ駆
動地板、１２０……カム部材、１２２……段カ
ム、１３０……レンズ枠、１３２……ピン、１３
３……撮影レンズ、１４０……レンズ駆動筒、１
４３……切欠歯車、１７０……駆動モータ、１７
１……シヤツト、１７２……ピニオン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被写体距離を検出し、検出距離に対応したレ
   ンズ位置を指示する信号を出力する測距部と、 撮影レンズを保持するレンズ枠と、 光軸中心に回動し、前記レンズ枠が当接するこ
   とによつて被写体距離に対応する複数のレンズ位
   置を設定するカム面を有するカム部材と、 前記カム面に設定された複数のレンズ位置に対
   応した複数の停止位置に前記カム部材を駆動制御
   する電磁駆動装置と、 前記レンズ枠を初期位置から前記カム面まで光
   軸に沿つて直線的に駆動するレンズ駆動手段と、 該レンズ駆動手段を駆動するモータと、 該モータを駆動制御する駆動回路と、 前記レンズ位置を指示する信号に基づき、前記
   カム面を所定のレンズ位置に設定するために前記
   カム部材を所定の停止位置に停止させるパルス数
   を設定するパルス信号と前記レンズ枠が前記所定
   のレンズ位置に位置する前記カム面に当接するに
   必要な時間を設定する通電時間信号を算出し、前
   記パルス信号を前記電磁駆動装置に出力した後、
   前記通電時間信号を前記駆動回路に出力する制御
   回路とを備えたことを特徴とするカメラのレンズ
   位置決定装置。