JPH039251Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 産業上の利用分野 本考案は、取り付け枠を介してスイツチボツク
スに組み込まれるテレビターミナルに係り、詳し
くはその出力端子部の構造に関する。ここにスイ
ツチボツクスとは、壁面内等に埋め込まれる形式
と、露出配線に用いられるアウトレツトボツクス
の両者を指称したものである。

ロ 従来技術 取り付け枠を介してスイツチボツクスに組み込
まれるテレビターミナルは、従来実開昭60−
93371号公報、特開昭60−119087号公報に記載の
ものを始めとして数多く存在している。これらの
テレビ出力端子部は、同軸ケーブルのシールド線
接続用円筒導体と中心導体接続用の受刃金具とで
構成されているが、そのうちの受刃金具は、出力
端子部の母体となる円柱状突起の先端側から挿入
し、突出端部をシールドケース内のプリント基板
へハンダ付けすることにより取り付けられてい
る。

ハ 考案が解決しようとする問題点 従来は円柱状突起の先端側から受刃金具を後向
きに挿通させるため、円柱状突起の先端に穿設さ
れる中心導体挿通孔の径が大きくなり、受刃金具
の先端が開いた状態となつてしまう。そのため出
力端子先端形状の体裁が悪いと共に、同軸ケーブ
ルの細い中心導体との接続において接触不良を起
こす虞れがある。又組み込み作業が煩雑で熟練を
要すると共に、一旦組み込まれると修理や調整す
るために取り外すことは事実上不可能に近い。

ニ 問題を解決するための手段 本考案は、出力端子部の構造のおいて生じてい
る上記欠点に鑑み、出力端子部の先端を、中心導
体挿通孔の径が小さくて体裁の良いものにすると
共に、受刃金具の機能を損なうことなくその受刃
金具の組み込み及び支持を容易とするもので、そ
の構成は、テレビターミナルの出力端子部を、先
端に同軸ケーブルの中心導体挿通孔が穿設された
内部空洞の円柱体に、絶縁保持部材で保持された
受刃金具を後方から嵌挿可能に形成する一方、シ
ールドケースをカバーに取り付けた状態で、その
シールドケースに前記絶縁保持部材を押圧可能と
した圧接片を形成して受刃金具が後方より支持さ
れる構造としたことにある。

ホ 実施例 図面は本考案のテレビターミナルを示したもの
で、各部材を分離した第１図及び第２図におい
て、１は表側中央に出力端子部２が形成された合
成樹脂製のカバーであり、そのカバーの左右両側
には後述する取り付け枠の係止部へ係止させる係
止突起３，３，３，３が形成され、また前後下辺
には同じく後述するシールドケース本体の係止片
を係止させるフツク４，４が夫々一体に形成され
ている。出力端子部２は、環状凹溝２ａの中心部
分が、筒状電極体５を外嵌する円柱状突起２ｂと
なつていて、その円柱状突起２ｂには、先端に、
同軸ケーブルの中心導体を容易に挿通しうる拡開
状の針孔６が穿設せられ、その後側には、金属板
のプレス加工により形成されて絶縁保持部材７で
保持された受刃金具８の嵌挿孔２ｄと、筒状電極
体５の下端部に突設された接続ピン５ａ，５′ａ
の貫挿孔５ｂ，５′ｂが形成されている。前記筒
状電極体５は、円柱状突起２ｂに外嵌させやすい
よう側面にスリツトが形成されており、このスリ
ツトは、接続ピン５ａ，５′ａと貫挿孔５ｂ，
５′ｂとを夫々が対応した異なる形状として、接
続ピン５ａは貫挿孔５ｂへ、接続ピン５′ａは貫
挿孔５′ｂへのみしか貫挿できないようにして取
り付け方向を一致させるようになつている。９は
断面コ字状をした金属製のシールドケース本体で
あつて、そのシールドケース本体９には、カバー
１の裏面に当接する背板部９ａの中央に、出力端
子部の後側を頭出しする切り抜き窓１０が形成さ
れていると共に、前後両端縁に、カバーに形成さ
れたフツクに係止される係止片１１，１１が突設
されている。又切り抜き窓１０の縁部には、前記
筒状電極体５を円柱状突起２ｂに外嵌した際にケ
ース１の裏面へ突出する接続ピン５ａ，５′ａに
接触する接触片１２，１２と、円柱状突起２ｂに
内装された受刃金具８の絶縁保持部材７後部に接
してそれを押圧する圧接片１３が一体形成されて
いる。又シールドケース本体９の側板９ｂ，９ｂ
には、同軸ケーブルをその側板９ｂに押し付けて
固定するΩ状の押え金具１４と、同軸ケーブルの
中心導体を接続するための端子金具１５が取り付
け可能となつており、その端子金具１５は、側板
９ｂの折り曲げ端縁より切り込まれた取り付け窓
１６に、端子金具１５が取り付けられた絶縁性の
端子板１７を嵌め込むことにより装着される。そ
の端子板１７には、片側縁と上縁とに溝部１８，
１８′が形成されていて、取り付け窓の内周縁と
２個所において合理的に嵌め合わされるようにな
つている。又これら押え金具１４と端子金具１５
とは各側板９ｂへ左右線対称で、而も端子金具１
５の接続ピン１５ａが側板９ｂの左右中央に位置
するようになつていて、更に端子板１７には、そ
の接触片１５ａとプリント基板２０の厚みを隔て
た左右部位に突起１９，１９′が形成されている。
よつてプリント基板２０を、片縁は突起１９と接
続ピン１５ａとの間へ、他縁は接続ピン１５ａと
突起１９′との間へ差し込めば、両接続ピン１５
ａ，１５ａがプリント基板２０の所定部位へ接触
し、且つ中心導体の受刃金具８後端もプリント基
板２０の所定部位へ接触するのである。尚図面に
おいて２１は、シールドケース本体９と嵌合組み
合わせられるバネ力を有したシールドケースの金
属製カバーである。

以上のように構成されたテレビターミナルは、
先ずカバー１の円柱状突起２ｂへ筒状電極体５を
外嵌してその両側下端に突出された接続ピン５ａ
をカバー１の裏側へ突出させ、続いて絶縁保持部
材７で保持された受刃金具８を、カバー１の裏側
に形成した嵌挿孔２ｄへ嵌挿する。このようにす
れば受刃金具８は、針孔６から挿通された同軸ケ
ーブルの中心導体を確実に掴んで電気的接続を可
能とする。次にシールドケース本体９の側板９ｂ
に、押え金具１４をねじ止めにより取り付けると
共に、その側板９ｂの取り付け窓１６の内周縁
へ、端子板１７片側縁に形成された溝部１８を嵌
め、続いて上縁に形成された溝部１８′が嵌まる
方向にスライドさせて取り付ける。そしてカバー
１のフツク４，４をシールドケース本体９の係止
片１１，１１に夫々係止させて、シールドケース
本体９とカバー１とを一体化させると、シールド
ケース本体９の接触片１２，１２と筒状電極体５
の接続ピン５ａ，５′ａとが接触し、且つ受刃金
具８もシールドケース本体９の圧接片１３によつ
て押圧された状態に支持される。シールドケース
本体９とカバー１とを一体化させるに際し、係止
片１１，１１はカバー１を構成している合成樹脂
の弾力作用によりフツク４，４と小気味良い音と
共に確実に係止し合う。更にシールドケース本体
９の側板９ｂ，９ｂ間へプリント基板を差し込
み、前記接触片１２，１２と接続ピン５ａ，５′
ａ、及び受刃金具８の基端部、端子金具１５の接
続ピン１５ａ，１５ａを夫々プリント基板２０へ
ハンダ付けによつて固定し、シールドケースの金
属製カバー２１を嵌め合わせれば組み立てが完了
する。

本実施例においては、シールドケースの両側板
に同軸ケーブルの接続部が設けられた中間分岐用
を説明したが、本考案に係るテレビターミナルの
構造は、片側のみに同軸ケーブルの接続部が設け
られた端末分岐用にも適用される。そしてそれら
中間分岐用と端末分岐用を、例えば第５図示のよ
うに、取り付け枠２２を介して三連設した状態で
スイツチボツクス２３へ取り付け、フラツシプレ
ート２４で化粧すれば３個のテレビターミナルを
整然と収めることができるのである。

尚本考案において、受刃金具、絶縁保持部材、
圧接片の形状、大きさなどは、受刃金具が円柱状
突起内で同軸ケーブルの中心導体と電気接続が可
能で、シールドケースの取り付けと同時に押圧板
により絶縁保持部材が押圧されて受刃金具が支持
されるものであれば、その形状を問うものではな
い。

ト 効果 本考案によれば、出力端子の先端に形成される
同軸ケーブルの中心導体挿通孔は、受刃金具を裏
側よりセツトする構造のため小さくなつて、カバ
ーの表面は無駄のない先練された美感に仕上げら
れる。又受刃金具が裏側より嵌挿されるため作業
の途中に無理な力がかからず、変形して中心導体
との接触性を損なうこともない。而も取り付け
は、円柱状突起部内へ嵌挿後にシールドケース本
体を取り付ける際、係止と同時に圧接片で押圧支
持されるから、作業がワンタツチで行なえて熟練
は必要とせず、均一した性能に形成できる。又着
脱も容易であるから、必要とあらば分離して修理
交換をも可能で、その実益は多大である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案に係るテレビター
ミナルの分離斜視図、第３図は同組み立て状態の
斜視図、第４図は出力端子部の断面図、第５図は
使用例の説明図である。 １……カバー、２……出力端子部、２ａ……環
状凹溝、２ｂ……円柱状突起、３……係止突起、
４……フツク、５……筒状電極体、５ａ，５′ａ
……接続ピン、５ｂ，５′ｂ……貫挿孔、６……
針孔、７……絶縁保持部材、８……受刃金具、９
……シールドケース本体、９ａ……側板、９ｂ…
…側板、１０……切り抜き窓、１１……係止片、
１２……接触片、１３……圧接片、１４……押え
金具、１５……端子金具、１５ａ……接続ピン、
１６……取り付け窓、１７……端子板、１８，１
８′……溝部、１９，１９′……突起、２０……プ
リント基板、２１……カバー、２２……取り付け
枠、２３……スイツチボツクス、２４……フラツ
シプレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カバーの表側中央に出力端子部を形成すると共
   に、そのカバーの裏側をシールドケースで覆つて
   そのシールドケース側面に同軸ケーブルの端部を
   接続固定する接続端子部を形成し、更に両端子部
   をシールドケース内で電気接続せしめ、取り付け
   枠を介してスイツチボツクスに組み込み可能なテ
   レビターミナルにおいて、出力端子部を、先端に
   同軸ケーブルの中心導体挿通孔が穿設された内部
   空洞の円柱体に、絶縁保持部材で保持された受刃
   金具を後方から嵌挿可能に形成する一方、シール
   ドケースをカバーに取り付けた状態で、そのシー
   ルドケースに前記絶縁保持部材を押圧可能とした
   圧接片を形成して受刃金具が後方より支持される
   構造としたことを特徴とするテレビターミナル。