JP3936049B2 - テレビジョン共聴用直列ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン放送の共同受信を行うために、各部屋ごとの壁等に取り付けられるテレビジョン共聴用直列ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のテレビジョン共聴用直列ユニット(以下「直列ユニット」と略称する)は、実用新案登録公報第2538799号に開示の構造が知られている。これは、接続端子を突設したユニット本体の上下に延設された各取付部を、壁内に埋め込み固定されたスイッチボックスに螺着すると共に、各取付部の前面に下枠をネジ止めし、更に取付部には、接続端子の貫通部を有し、下枠に装着される外枠の開口を閉塞可能な化粧板を嵌着するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記化粧板や下枠は、夫々別々にユニット本体の取付部に装着されるため、夫々のユニット本体への装着状態やユニット本体自体の螺着状態が悪いと、化粧板が外枠の開口にうまく嵌らないことがある。このため化粧板や下枠、ユニット本体等を夫々取り付け直す必要が生じて、取付作業が面倒になってしまう。
又、化粧板は、外枠の開口に嵌合しているのみで互いの関連はないから、偶発的な外力によって化粧板がユニット本体から外れ、外枠の開口から脱却する虞れもある。
【0004】
そこで、請求項1に記載の発明は、化粧板を、下枠やユニット本体の装着状態に拘わりなく正確に取り付けでき、外枠からの脱却も効果的に防止できる直列ユニットを提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、前記化粧板に、前記下枠のネジ止め部に位置し、装着状態での前記下枠と外枠との間に挟持される位置決め片を突設したことを特徴とするものである。
又、請求項2に記載の発明は、請求項1の目的に加えて、位置決め作用と装着時の信頼性とをより効果的に得るために、前記位置決め片を、前記下枠のネジ止め部に用いられるネジが貫通する構成としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、直列ユニット1の分解説明図で、直列ユニット1は、壁内に埋め込まれるスイッチボックス4にネジ止めされるユニット本体2と、ユニット本体2に装着される化粧板3とを備え、更にユニット本体2には、下枠5及び外枠6とが夫々装着される。
スイッチボックス4は、前面に開口部7を形成した函体で、この開口部7が壁に形成された取付孔8を通して開放するように、例えば柱9の側面等にネジ止めされる。又、内壁の上下には、ユニット本体2の取付用のネジ止めボス10,10が夫々形成されている。
次に、ユニット本体2は、鉄板(他に黄銅板やダイカストケース等、導電性を有する材料)を板金加工で打抜き、折曲げ形成してなる縦板部11の後面(壁側)に、例えばBS直列ユニット回路の回路素子を実装しスイッチボックス4内に引き出されたケーブル12を接続するプリント基板(図示せず)を装備する一方、前面には、2つのF型端子13,13を突設している。又、縦板部11の上下には、T字状の壁への取付部14,14が対称に延設され、各取付部14には、スイッチボックス4のネジ止めボス10,10と上下位置を合わせた横長の長孔15及び、下枠5の取付用のネジ孔16が夫々穿設されている。更に、17は、縦板部11の前面中央に固定されるABS樹脂製(絶縁材料であれば他の合成樹脂でも可)のベースで、その前面下縁には、突起18が、両側縁には、図2(A)にも示すように、前面が壁側へ向かって傾斜する案内面20を夫々形成した係止爪19,19が夫々一対ずつ突設されている。尚、17a,17aは、左右対称に形成され、小さい化粧板の装着に用いられる段部で、17b,17b・・は、夫々ベース17の上下端から側方へ左右対称に延設されるガイド片である。
又、上記ユニット本体2は、合成樹脂で成形されたものでも良い。
【0007】
又、下枠5は、中央に長方形の開口21が穿設されると共に、上下にユニット本体2の取付部14のネジ孔16に合わせた透孔22が夫々穿設され、ネジ23,23によるユニット本体2への螺着が可能となっている。更に、両側縁には、外枠6の装着孔24,24・・が形成されている。
そして、化粧板3は、外枠6の開口6aを閉塞可能な表板25の上下端に、後方へL字状に突設される位置決め片26,26を夫々備え、各位置決め片26の表板25と平行な先端には、下枠5を螺着するネジ23の頭部に合致する湾曲部27を形成している。又、化粧板3の裏面には、図2(A)にも示す如く、ベース17の幅と等しい間隔で一対の取付片28,28が平行に形成されており、各取付片28の突出した2箇所の先端部分には、ベース17の係止爪19,19が係止可能な係止孔29,29が夫々穿設されている。この係止孔29は、取付片28の先端側の壁面が、外方から内方へ行くに従って先端側へ向かう傾斜面30となっている。尚、31,31は、F型端子13,13が夫々貫通して表板25の前面に露出する貫通筒で、28a,28a・・は、夫々各取付片28,28の上下端から外方へ直角に折曲形成されたストッパ片である。
一方、外枠6は、下枠5に重ね合わされる同形状を呈すると共に、ユニット本体2の縦板部11の前面を露出可能な開口6aを有し、その裏面で下枠5の装着孔24,24・・との対応位置には、夫々抜け止め33を形成した弾性片32,32・・が後方へ向けて突設されている。
尚、下枠5、外枠6は共にABS樹脂製であるため、化粧板3も同じABS樹脂製となっている。このように化粧板3は下枠5や外枠6と同じ材質とするのが望ましい。又、着脱に伴う弾性もある程度必要なため、化粧板3はこのような合成樹脂製とするのが望ましい。
【0008】
以上の如く構成された直列ユニット1は、まずユニット本体2の取付部14,14を、夫々長孔15を貫通するネジ34とスイッチボックス4のネジ止めボス10とによって螺着すると共に、夫々ネジ孔16に下枠5をネジ止めする。次に、化粧板3を、取付片28,28の先端を夫々ベース17左右の係止爪19,19にあてがって後方へ押し込めば、図2(A)に実線で示す如く、取付片28,28の先端が係止爪19,19の案内面20,20にガイドされ、弾性により夫々外方へ広がる。尚、取付片28,28の先端は案内面20に沿った傾斜状に形成されているため、取付片28,28の係止爪19,19への乗り上げはスムーズになされる。又、ベース17の左右のガイド片17b,17bは、上下の間隔が、装着される取付片28,28の先端が丁度嵌り込む寸法に設定されているため、ガイド片17b,17bにガイドされて、取付片28,28の組付けが容易となる上、化粧板3の上下の位置決めもしやすくなる。
ここから化粧板3を更に押し込むと、同図(B)の如く、係止孔29,29が夫々係止爪19,19と嵌合して取付片28,28が互いに平行に復帰すると共に、係止爪19,19が傾斜面30,30へ夫々係止する。同時に、取付片28,28に設けた各ストッパ片28aが、夫々ベース17の各ガイド片17bに当接してそれ以上の押込みが規制され、化粧板3がユニット本体2に装着される。又、各ストッパ片28aによって外力に対する保護も得られる。
こうして装着が完了すれば、容易に外れることはなく、装着時の信頼性も高い。そして最後に、外枠6は、弾性片32,32・・を下枠5の装着孔24,24・・に嵌め込めば、下枠5と外枠6との間で化粧板3が固定され、直列ユニット1の組付けは完了する。
この化粧板3の装着の際、ユニット本体2の取付位置に誤差があったり、係止爪19や係止孔29等が破損したりして、化粧板3とユニット本体2との装着が不完全であっても、図3のように位置決め片26,26をネジ23,23に合わせれば、下枠5及び外枠6に対する取付位置は正確に得られる。又、位置決め片26,26は、外枠6が装着されると、夫々下枠5と外枠6とで挟まれる格好となるため、化粧板3の前後方向の脱却防止作用も得られる。勿論、L字状の形状により、位置決め片26,26が外枠6の取付の邪魔になることはない。
【0009】
このように本形態によれば、ユニット本体2の係止爪19と化粧板3の係止孔29との簡単な構造によって、縦板部11の中央部で化粧板3を装着することができるため、スイッチボックス4へネジ止めしたユニット本体2にたわみ等が生じるようなことがあっても、これに影響されることなく確実に装着できる。又、係止孔29の傾斜面30によって取り外しも容易となる。
特に先述の如く、化粧板3においては、簡単な位置決め片26,26の採用により、ユニット本体2への装着に不具合があっても、ネジ23,23を利用して下枠5と外枠6との間での位置決めは正確になされるため、修正に手間取ることがなく、常に外枠6等に対する正確な取付が可能となる。又、位置決め片26,26が下枠5と外枠6との間に挟まれることで、両枠との連係が生じ、一体化が図られるため、偶発的な外力による両枠からの脱却を効果的に防止できるのである。
【0010】
ちなみに、上記形態の如く、ユニット本体2に2本のF型端子13,13が設けられるタイプにおいて、一方のF型端子13が、ブースターやコンバーターを作動させるための電源を、同軸ケーブルを利用して供給する電流通過タイプである場合、化粧板3の表面や貫通筒31の表側の凹部に、着色やマーク等による識別表示が予め講じられているため、化粧板3の装着の際は、この識別表示を実際のF型端子13側に正確に合わせる必要がある。よってここでは、化粧板3の裏面の一方の貫通筒31の側方に、ベース17の下端部に突設した突起18と当接する干渉壁35を夫々設けて、化粧板3の上下の向きが間違っている場合、突起18と干渉壁35との当接により装着が行えないようにしている。従って、常に突起18と干渉壁35とが当接しない正確な位置で化粧板3の装着が可能となる。
【0011】
尚、位置決め片26,26は、上記形態の形状に限らず適宜変更可能で、例えば図4の如く、ネジ23,23が夫々貫通する透孔36,36を備えた位置決め片37,37とすれば、より正確な位置決めが可能となると共に、ネジ止めにより装着時の信頼性も高くなる。又、例えば、表板25の肉厚が厚いものであれば、その表板25の上下面から表板25に平行な先端部分のみを立ち上げ成形する等、位置決めが可能で、外枠6の取付の邪魔にならないものであれば、上記L字状に限定しない。
又、ここでは、化粧板3はユニット本体2に対して完全に着脱する形態で説明しているが、従来技術で説明した公報の如く、小さい化粧板をユニット本体2に固着し、その固定された小さい化粧板に化粧板3と外形が同じ枠状の化粧板を着脱する構成であっても、その枠体に上記位置決め片26,26を形成すれば、上記形態と同じ位置決め効果が得られる。
更に、ここではユニット本体2に2つのF型端子13,13が設けられる直列ユニット1で説明したが、同じ縦板部11にF型端子13が1つ設けられるタイプでも本発明は適用可能である。又、ベース17のガイド片17aや、これに対応して設けられる化粧板3のストッパ片28aは省略することができる。
【0012】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、化粧板に前記位置決め片を設ける簡単な構成により、ユニット本体や下枠等の装着に誤差があっても、下枠と外枠との間での位置決めは正確になされるため、修正に手間取ることがなく、常に外枠等に対する化粧板の正確な装着が可能となる。又、位置決め片が下枠と外枠との間に挟まれることで、両枠との連係が生じ、一体化が図られるため、偶発的な外力による両枠からの脱却も効果的に防止できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、前記位置決め片を前記下枠のネジ止め部に用いられるネジが貫通するものとしたことで、前記位置決めがより簡単に行えると共に、下枠と外枠への一体化もより高まり、装着時の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】直列ユニットの組立て説明図である。
【図2】(A)化粧板の係止作用を示す説明図である。
(B)化粧板の係止作用を示す説明図である。
【図3】化粧板の装着状態を示す説明図である。
【図4】位置決め片の変更例の説明図である。
【符号の説明】
1・・直列ユニット、2・・ユニット本体、3・・化粧板、4・・スイッチボックス、5・・下枠、6・・外枠、11・・縦板部、13・・F型端子、14・・取付部、17・・ベース、18・・突起、19・・係止爪、20・・案内面、26,37・・位置決め片、29・・係止孔、30・・傾斜面、35・・干渉壁。
Claims (2)
- 正面に接続端子を突設したユニット本体に下枠をネジ止めし、前記下枠に、中央を開口させた外枠を装着する一方、前記外枠の開口に、前記接続端子の貫通部を有し、前記開口を閉塞可能な化粧板を配置したテレビジョン共聴用直列ユニットであって、
前記化粧板に、前記下枠のネジ止め部に位置し、装着状態での前記下枠と外枠との間に挟持される位置決め片を突設したことを特徴とするテレビジョン共聴用直列ユニット。 - 前記位置決め片を、前記下枠のネジ止め部に用いられるネジが貫通するものとした請求項1に記載のテレビジョン共聴用直列ユニット。
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JPH11178151A JPH11178151A (ja) | 1999-07-02 |
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JP34029297A Expired - Fee Related JP3936049B2 (ja) | 1997-12-10 | 1997-12-10 | テレビジョン共聴用直列ユニット |
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1997
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