JPH039181B2 - - Google Patents
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- JPH039181B2 JPH039181B2 JP60190064A JP19006485A JPH039181B2 JP H039181 B2 JPH039181 B2 JP H039181B2 JP 60190064 A JP60190064 A JP 60190064A JP 19006485 A JP19006485 A JP 19006485A JP H039181 B2 JPH039181 B2 JP H039181B2
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
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Description
〔産業上の利用分野〕
この発明はすぐれた耐摩耗性、耐アーク性、高
温下における潤滑性、および耐溶着性、並びに著
しく低い摩擦抵抗および相手攻撃性を有するFe
基焼結材料製電気車のパンタグラフすり板材に関
するものである。 〔従来の技術〕 従来、電気車のパンタグラフすり板材(以下、
単にすり板材と略記する)の製造には、黒鉛や硫
化物などの固体潤滑剤を分散せしめた各種のCu
基焼結材料やFe基焼結材料が用いられている。 これらの従来焼結材料製すり板材は、いずれも
材料を構成する素地によつてすぐれた耐摩耗性を
確保し、一方素地に分散含有する固体潤滑剤によ
つて相手材との潤滑性を高めて相手攻撃性を抑制
するようにした機能をもつものである。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、近年の電気車の高速化および省力化に
伴い、すり板材の使用条件も一段と苛酷になりつ
つあるが、上記各種の従来焼結材料製すり板材で
は、これに十分対処することができず、したがつ
て、より一層すぐれた特性を有するすり板材の開
発が望まれているのが現状である。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、すり板材に要求される特性のすぐれたすり板
材を開発すべく研究を行なつた結果、すり板材
を、重量%で(以下%はすべて重量%を示す)、 (a) Mo粒子:0.1〜8%、 (b) Cr:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Cr合金粒子、およ
びMo:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Mo合金粒子のうち
の1種または2種:1〜15%、 以上(a)および(b)粒子を分散相として含有し、 さらに、必要に応じて、 (c) Cr粒子:1〜15%、 を同くじく分散相とて含有し、 (d) 残りが素地を形成するFe基合金からなる組
成を有し、かつ上記Fe基合金が、多孔質Fe基
焼結材料に占める割合で、 Cu:0.1〜1.5%、Ni:0.1〜5%、C:0.02〜
0.5%、 を含有し、残りが実質的にFeからなる組成を有
する多孔質Fe基焼結材料に、この多孔質Fe基焼
結材料に対する割合で、5〜30%のPbを含浸さ
せてなるFe基焼結材料で構成すると、この結果
のFe基焼結材料製すり板材は、すり板材に要求
される耐摩耗性、耐アーク性、高温下における潤
滑性、および耐溶着性にすぐれ、かつ摩擦抵抗お
よび相手攻撃性を著しく低く、実用に際してすぐ
れた性能を発揮するという研究結果を得たのであ
る。 この発明は、上記研究結果にもとづいてなされ
たものであつて、 多孔質Fe基焼結材料に、この多孔質Fe基焼結
材料に占める割合で、5〜30%のPbを含浸させ
てなるFe基焼結材料で構成されたすり板材にし
て、 上記多孔質Fe基焼結材料は、 (a) Mo粒子:0.1〜8%、 (b) Cr:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Cr合金粒子、およ
びMo:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Mo合金粒子のうち
の1種または2種:1〜15%、 以上(a)および(b)粒子を分散相として含有し、 さらに、必要に応じて、 (c) Cr粒子:1〜15%、 を同じく分散相として含有し、 (d) 残りが素地を形成するFe基合金からなる組
成を有し、かつ上記Fe基合金が、多孔質Fe基
焼結材料に占める割合で、 Cu:0.1〜5%、Ni:0.1〜5%、C:0.02〜
0.5%、 を含有し、残りが実質的にFeからなる組成を有
するFe基焼結材料すり板材に特徴を有するもの
である。 以下にこの発明のすり板材において、これを構
成するFe基焼結材料の成分組成を上記の通りに
限定した理由を説明する。 A 多孔質Fe基焼結材料 (a) Mo粒子 Mo粒子は、分散相を形成し、かつ空気中
で酸化されやすい成分なので、すり板の実用
時に摺動によつて発生する熱により酸化モリ
ブデンを形成し、この結果形成された酸化モ
リブデンは金属同志の接触による凝着摩耗を
抑制する作用をもつことから、このMo粒子
の含有によつてすり板材の耐摩耗性および耐
溶着性が著しく向上するようになるが、その
含有量が0.1%未満ではMo粒子含有による前
記特性の向上効果が得られず、一方、その含
有量が8%を超えると、1300℃以下の焼結温
度では祖地と強固に結合しなくなり、この結
果すり板材の機械的強度が低下して実用に耐
えられなくなることから、その含有量を0.1
〜8%と定めた。 (b) Fe−Cr合金粒子およびFe−Mo合金粒子
これらの粒子は、いずれも分散相を形成し、
もつてすり板材の耐摩耗性、耐アーク性、お
よび高温下における潤滑性を向上させる作用
をもつが、その含有量が1%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方15%を超え
て含有させると、すり板材の機械的強度が低
下して実用に耐えられなくなることから、そ
の含有量を1〜15%と定めた。 また、これら合金粒子におけるCrおよび
Moの含有量をそれぞれ40〜70%と限定した
のは、その含有量が40%未満のFe−Cr合金
粒子およびFe−Mo合金粒子では所望の特
性、すなわち耐摩耗性、耐アーク性、および
高温下における潤滑性を確保することができ
ず、一方、その含有量が70%を超えたFe−
Cr合金粒子およびFe−Mo合金粒子は、これ
の原料粉末の製造が困難であるという理由に
よるものである。 (c) Cu Cu成分には、祖地に固溶して、これを強
化するほか、すり板材製造時における焼結性
を向上させ、さらにPb含浸性を向上させる
作用があるが、その含有量が0.1%未満では
前記作用に所望の効果が得られず、一方5%
を超えて含有させると、素地の硬さが増大す
るようになるばかりでなく、強度低下をきた
すようになることから、その含有量を0.1〜
5%と定めた。 (d) Ni Ni成分にも、Cu成分と同様に素地に固溶
して、これを強化し、かつ焼結性を向上させ
る作用があるが、その含有量が0.1%未満で
は前記作用に所望の効果が得られず、一方そ
の含有量が5%を越えると、すり板材の硬さ
および電気抵抗が増大するようになつて、性
能劣化の原因となることから、その含有量を
0.1〜5%と定めた。 (e) C C成分にも、CuおよびNi成分と同様に素
地に固溶して、これを強化し、かつ焼結性を
安定化する作用をもつが、その含有量が0.02
未満では前記作用に所望の効果が得られず、
一方その含有量が0.5%を越えると、すり板
材の硬さが著しく上昇し、相手攻撃性が一段
と増大するようになつて、すり板材として不
適当となることから、その含有量を0.02〜
0.5%と定めた。 (f) Cr粒子 Cr粒子は、Mo粒子、Fe−Cr合金粒子、お
よびFe−Mo合金粒子と共に分散相を形成
し、特に前記Fe−Cr合金粒子およびFe−
Mo合金粒子との共存において、耐摩耗性、
耐アーク性、および高温下における潤滑性を
一段と向上させる作用があるので、これらの
特性に一層の向上が要求される場合に必要に
応じて含有されるが、その含有量が1%未満
では前記作用に所望の向上効果が得られず、
一方15%を越えて含有させると、Fe−Cr合
金粒子およびFe−Mo合金粒子の場合と同様
にすり板材の機械的強度が低下して実用に耐
えられなくなることから、その含有量を1〜
15%と定めた。 また、この発明のFe基焼結材料すり板材
は、通常の粉末冶金法によつて製造すること
ができ、すり板材を構成する多孔質Fe基焼
結材料におけるMo粒子、Fe−Cr合金粒子、
Fe−Mo合金粒子、およびCr粒子はそれぞれ
原料粉末としてMo粉末、Fe−Cr合金粉末、
Fe−Mo合金粉末、およびCr粉末を用いるこ
とによつて形成されるものである。さらに、
この場合、原料粉末として用いられるMo粉
末は、あまり粗粒にすると実用時における
Mo酸化の進行が遅れて所望の効果を発揮す
ることができないので、、その粒度を
100mesh以下の粒度にするのが望ましい。ま
た、同じく原料粉末として用いられるFe−
Cr合金粉末およびFe−Mo合金粉末、さらに
Cr粉末の場合は、その粒度を−20mesh〜+
250meshの範囲内の粒度とするのが望まし
く、これは、20meshを越えた粗粒になると
均一な混合をはかることが難しく、一方
250meshより細粒になると、すり板材の電気
抵抗が上昇し、かつ機械的強度が低下するよ
うになるという理由によるものである。さら
に同じくFe粉末、Ni粉末、Cu粉末、および
C粉末は、良好な焼結性を確保するなどの点
から、それぞれ100mesh以下にするのが望ま
しい。 B 多孔質Fe基焼結材料へのPb含浸量 さらに、上記多孔質Fe基焼結材料の空孔中
に含浸されるPbの含浸量については、その含
浸量が多孔質Fe基焼結材料に対する割合で5
%未満では、所望の低い摩擦抵抗および相手攻
撃性を確保することができず、一方同じく30%
を越えた含浸量にすることは、それだけFe基
焼結材料、すなわちすり板材の密度が低くなる
ことを意味し、この結果耐アーク性の低下をも
たらすことから、その含浸量を多孔質Fe基焼
結材料に対する割合で5〜30%と定めた。 〔実施例〕 つぎに、この発明のFe基焼結材料製すり板材
を実施例により具体的に説明する。 原料粉末として、それぞれ−60mesh〜+
150meshの範囲内の粒度をもつたMo粉末、Fe−
Cr合金(Cr:60%含有)粉末、Fe−Mo合金
(Mo:60%含有)粉末、Fe粉末、Cu粉末、Ni粉
末、C粉末、およびCr粉末を用意し、これら原
料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に配
合し、混合した後、異つたPb含浸量、すなわち
種々の多孔度とする目的で、3〜6ton/cm2の範囲
内の所定圧力にてプレス成形して圧粉体とし、こ
の圧粉体を、分解アンモニアガス雰囲気中で、
1150〜1200℃の範囲内の所定温度に60分保持の条
件で焼結して多孔質Fe基焼結材料を形成し、引
続いてこの多孔質Fe基焼結材料に同じく第1表
に示される量のPb含浸を行なうことによつて本
発明Fe基焼結材料製すり板材1〜28を
温下における潤滑性、および耐溶着性、並びに著
しく低い摩擦抵抗および相手攻撃性を有するFe
基焼結材料製電気車のパンタグラフすり板材に関
するものである。 〔従来の技術〕 従来、電気車のパンタグラフすり板材(以下、
単にすり板材と略記する)の製造には、黒鉛や硫
化物などの固体潤滑剤を分散せしめた各種のCu
基焼結材料やFe基焼結材料が用いられている。 これらの従来焼結材料製すり板材は、いずれも
材料を構成する素地によつてすぐれた耐摩耗性を
確保し、一方素地に分散含有する固体潤滑剤によ
つて相手材との潤滑性を高めて相手攻撃性を抑制
するようにした機能をもつものである。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、近年の電気車の高速化および省力化に
伴い、すり板材の使用条件も一段と苛酷になりつ
つあるが、上記各種の従来焼結材料製すり板材で
は、これに十分対処することができず、したがつ
て、より一層すぐれた特性を有するすり板材の開
発が望まれているのが現状である。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、すり板材に要求される特性のすぐれたすり板
材を開発すべく研究を行なつた結果、すり板材
を、重量%で(以下%はすべて重量%を示す)、 (a) Mo粒子:0.1〜8%、 (b) Cr:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Cr合金粒子、およ
びMo:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Mo合金粒子のうち
の1種または2種:1〜15%、 以上(a)および(b)粒子を分散相として含有し、 さらに、必要に応じて、 (c) Cr粒子:1〜15%、 を同くじく分散相とて含有し、 (d) 残りが素地を形成するFe基合金からなる組
成を有し、かつ上記Fe基合金が、多孔質Fe基
焼結材料に占める割合で、 Cu:0.1〜1.5%、Ni:0.1〜5%、C:0.02〜
0.5%、 を含有し、残りが実質的にFeからなる組成を有
する多孔質Fe基焼結材料に、この多孔質Fe基焼
結材料に対する割合で、5〜30%のPbを含浸さ
せてなるFe基焼結材料で構成すると、この結果
のFe基焼結材料製すり板材は、すり板材に要求
される耐摩耗性、耐アーク性、高温下における潤
滑性、および耐溶着性にすぐれ、かつ摩擦抵抗お
よび相手攻撃性を著しく低く、実用に際してすぐ
れた性能を発揮するという研究結果を得たのであ
る。 この発明は、上記研究結果にもとづいてなされ
たものであつて、 多孔質Fe基焼結材料に、この多孔質Fe基焼結
材料に占める割合で、5〜30%のPbを含浸させ
てなるFe基焼結材料で構成されたすり板材にし
て、 上記多孔質Fe基焼結材料は、 (a) Mo粒子:0.1〜8%、 (b) Cr:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Cr合金粒子、およ
びMo:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Mo合金粒子のうち
の1種または2種:1〜15%、 以上(a)および(b)粒子を分散相として含有し、 さらに、必要に応じて、 (c) Cr粒子:1〜15%、 を同じく分散相として含有し、 (d) 残りが素地を形成するFe基合金からなる組
成を有し、かつ上記Fe基合金が、多孔質Fe基
焼結材料に占める割合で、 Cu:0.1〜5%、Ni:0.1〜5%、C:0.02〜
0.5%、 を含有し、残りが実質的にFeからなる組成を有
するFe基焼結材料すり板材に特徴を有するもの
である。 以下にこの発明のすり板材において、これを構
成するFe基焼結材料の成分組成を上記の通りに
限定した理由を説明する。 A 多孔質Fe基焼結材料 (a) Mo粒子 Mo粒子は、分散相を形成し、かつ空気中
で酸化されやすい成分なので、すり板の実用
時に摺動によつて発生する熱により酸化モリ
ブデンを形成し、この結果形成された酸化モ
リブデンは金属同志の接触による凝着摩耗を
抑制する作用をもつことから、このMo粒子
の含有によつてすり板材の耐摩耗性および耐
溶着性が著しく向上するようになるが、その
含有量が0.1%未満ではMo粒子含有による前
記特性の向上効果が得られず、一方、その含
有量が8%を超えると、1300℃以下の焼結温
度では祖地と強固に結合しなくなり、この結
果すり板材の機械的強度が低下して実用に耐
えられなくなることから、その含有量を0.1
〜8%と定めた。 (b) Fe−Cr合金粒子およびFe−Mo合金粒子
これらの粒子は、いずれも分散相を形成し、
もつてすり板材の耐摩耗性、耐アーク性、お
よび高温下における潤滑性を向上させる作用
をもつが、その含有量が1%未満では前記作
用に所望の効果が得られず、一方15%を超え
て含有させると、すり板材の機械的強度が低
下して実用に耐えられなくなることから、そ
の含有量を1〜15%と定めた。 また、これら合金粒子におけるCrおよび
Moの含有量をそれぞれ40〜70%と限定した
のは、その含有量が40%未満のFe−Cr合金
粒子およびFe−Mo合金粒子では所望の特
性、すなわち耐摩耗性、耐アーク性、および
高温下における潤滑性を確保することができ
ず、一方、その含有量が70%を超えたFe−
Cr合金粒子およびFe−Mo合金粒子は、これ
の原料粉末の製造が困難であるという理由に
よるものである。 (c) Cu Cu成分には、祖地に固溶して、これを強
化するほか、すり板材製造時における焼結性
を向上させ、さらにPb含浸性を向上させる
作用があるが、その含有量が0.1%未満では
前記作用に所望の効果が得られず、一方5%
を超えて含有させると、素地の硬さが増大す
るようになるばかりでなく、強度低下をきた
すようになることから、その含有量を0.1〜
5%と定めた。 (d) Ni Ni成分にも、Cu成分と同様に素地に固溶
して、これを強化し、かつ焼結性を向上させ
る作用があるが、その含有量が0.1%未満で
は前記作用に所望の効果が得られず、一方そ
の含有量が5%を越えると、すり板材の硬さ
および電気抵抗が増大するようになつて、性
能劣化の原因となることから、その含有量を
0.1〜5%と定めた。 (e) C C成分にも、CuおよびNi成分と同様に素
地に固溶して、これを強化し、かつ焼結性を
安定化する作用をもつが、その含有量が0.02
未満では前記作用に所望の効果が得られず、
一方その含有量が0.5%を越えると、すり板
材の硬さが著しく上昇し、相手攻撃性が一段
と増大するようになつて、すり板材として不
適当となることから、その含有量を0.02〜
0.5%と定めた。 (f) Cr粒子 Cr粒子は、Mo粒子、Fe−Cr合金粒子、お
よびFe−Mo合金粒子と共に分散相を形成
し、特に前記Fe−Cr合金粒子およびFe−
Mo合金粒子との共存において、耐摩耗性、
耐アーク性、および高温下における潤滑性を
一段と向上させる作用があるので、これらの
特性に一層の向上が要求される場合に必要に
応じて含有されるが、その含有量が1%未満
では前記作用に所望の向上効果が得られず、
一方15%を越えて含有させると、Fe−Cr合
金粒子およびFe−Mo合金粒子の場合と同様
にすり板材の機械的強度が低下して実用に耐
えられなくなることから、その含有量を1〜
15%と定めた。 また、この発明のFe基焼結材料すり板材
は、通常の粉末冶金法によつて製造すること
ができ、すり板材を構成する多孔質Fe基焼
結材料におけるMo粒子、Fe−Cr合金粒子、
Fe−Mo合金粒子、およびCr粒子はそれぞれ
原料粉末としてMo粉末、Fe−Cr合金粉末、
Fe−Mo合金粉末、およびCr粉末を用いるこ
とによつて形成されるものである。さらに、
この場合、原料粉末として用いられるMo粉
末は、あまり粗粒にすると実用時における
Mo酸化の進行が遅れて所望の効果を発揮す
ることができないので、、その粒度を
100mesh以下の粒度にするのが望ましい。ま
た、同じく原料粉末として用いられるFe−
Cr合金粉末およびFe−Mo合金粉末、さらに
Cr粉末の場合は、その粒度を−20mesh〜+
250meshの範囲内の粒度とするのが望まし
く、これは、20meshを越えた粗粒になると
均一な混合をはかることが難しく、一方
250meshより細粒になると、すり板材の電気
抵抗が上昇し、かつ機械的強度が低下するよ
うになるという理由によるものである。さら
に同じくFe粉末、Ni粉末、Cu粉末、および
C粉末は、良好な焼結性を確保するなどの点
から、それぞれ100mesh以下にするのが望ま
しい。 B 多孔質Fe基焼結材料へのPb含浸量 さらに、上記多孔質Fe基焼結材料の空孔中
に含浸されるPbの含浸量については、その含
浸量が多孔質Fe基焼結材料に対する割合で5
%未満では、所望の低い摩擦抵抗および相手攻
撃性を確保することができず、一方同じく30%
を越えた含浸量にすることは、それだけFe基
焼結材料、すなわちすり板材の密度が低くなる
ことを意味し、この結果耐アーク性の低下をも
たらすことから、その含浸量を多孔質Fe基焼
結材料に対する割合で5〜30%と定めた。 〔実施例〕 つぎに、この発明のFe基焼結材料製すり板材
を実施例により具体的に説明する。 原料粉末として、それぞれ−60mesh〜+
150meshの範囲内の粒度をもつたMo粉末、Fe−
Cr合金(Cr:60%含有)粉末、Fe−Mo合金
(Mo:60%含有)粉末、Fe粉末、Cu粉末、Ni粉
末、C粉末、およびCr粉末を用意し、これら原
料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に配
合し、混合した後、異つたPb含浸量、すなわち
種々の多孔度とする目的で、3〜6ton/cm2の範囲
内の所定圧力にてプレス成形して圧粉体とし、こ
の圧粉体を、分解アンモニアガス雰囲気中で、
1150〜1200℃の範囲内の所定温度に60分保持の条
件で焼結して多孔質Fe基焼結材料を形成し、引
続いてこの多孔質Fe基焼結材料に同じく第1表
に示される量のPb含浸を行なうことによつて本
発明Fe基焼結材料製すり板材1〜28を
【表】
【表】
【表】
第2表に示される結果から、本発明Fe基焼結
材料製すり板材1〜28は、いずれもすぐれた耐摩
耗性、耐アーク性、高温下における潤滑性、およ
び耐溶着性を有し、かつ摩擦抵抗および相手攻撃
性の著しく低い特性をもつので、従来Fe基焼結
材料製すり板材に比して一段とすぐれた摺動特性
を示し、かつこれらの結果から実用に際してすぐ
れた性能を発揮することが明らかである。
材料製すり板材1〜28は、いずれもすぐれた耐摩
耗性、耐アーク性、高温下における潤滑性、およ
び耐溶着性を有し、かつ摩擦抵抗および相手攻撃
性の著しく低い特性をもつので、従来Fe基焼結
材料製すり板材に比して一段とすぐれた摺動特性
を示し、かつこれらの結果から実用に際してすぐ
れた性能を発揮することが明らかである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 多孔質Fe基焼結材料に、この多孔質Fe基焼
結材料に対する割合で、5〜30%のPbを含浸さ
せてなるFe基焼結材料で構成された電気車のパ
ンタグラフすり板材にして、 上記多孔質Fe基焼結材料は、 (a) Mo粒子:0.1〜8%、 (b) Cr:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Cr合金粒子、およ
びMo:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Mo合金粒子のうち
の1種または2種:1〜15%、 以上(a)および(b)粒子を分散相として含有し、 (c) 残りが素地を形成するFe基合金からなる組
成を有し、 さらに、上記Fe基合金は、多孔質Fe基焼結
材料に占める割合で、 Cu:0.1〜5%、Ni:0.1〜5%、C:0.02〜
0.5%、 を含有し、残りが実質的にFeからなる組成(以
上重量%)を有することを特徴とするFe基焼結
材料製電気車のパンタグラフすり板材。 2 多孔質Fe基焼結材料に、この多孔質Fe基焼
結材料に対する割合で、5〜30%のPbを含浸さ
せてなるFe基焼結材料で構成された電気車のパ
ンタグラフすり板材にして、 上記多孔質Fe基焼結材料は、 (a) Mo粒子:0.1〜8%、 (b) Cr:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Cr合金粒子、およ
びMo:40〜70%を含有し、残りが実質的にFe
からなる組成を有するFe−Mo合金粒子のうち
の1種または2種:1〜15%、 (c) Cr粒子:1〜15%、 以上(a)、(b)、および(c)粒子を分散相として含
有し、 (d) 残りが素地を形成するFe基合金からなる組
成を有し、 さらに、上記Fe基合金は、多孔質Fe基焼結
材料に占める割合で、 Cu:0.1〜5%、Ni:0.1〜5%、C:0.02〜
0.5%、 を含有し、残りが実質的にFeからなる組成(以
上重量%)を有することを特徴とするFe基焼結
材料製電気車のパンタグラフすり板材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19006485A JPS6250445A (ja) | 1985-08-29 | 1985-08-29 | Fe基焼結材料製電気車のパンタグラフすり板材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19006485A JPS6250445A (ja) | 1985-08-29 | 1985-08-29 | Fe基焼結材料製電気車のパンタグラフすり板材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6250445A JPS6250445A (ja) | 1987-03-05 |
JPH039181B2 true JPH039181B2 (ja) | 1991-02-07 |
Family
ID=16251742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19006485A Granted JPS6250445A (ja) | 1985-08-29 | 1985-08-29 | Fe基焼結材料製電気車のパンタグラフすり板材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6250445A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8998785B2 (en) | 2010-09-06 | 2015-04-07 | Jtekt Corporation | Machine tool including tool radius adjusting device |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05230603A (ja) * | 1991-03-28 | 1993-09-07 | Mitsubishi Materials Corp | 耐摩耗性のすぐれたPb含浸Fe基焼結合金製電気車のパンタグラフすり板材 |
JPH05105994A (ja) * | 1991-10-15 | 1993-04-27 | Railway Technical Res Inst | 高速電気車両用パンタグラフすり板 |
JPH05105995A (ja) * | 1991-10-15 | 1993-04-27 | Railway Technical Res Inst | 高速電気車両用パンタグラフすり板 |
ES2302650B1 (es) | 2007-01-11 | 2009-02-16 | Tedec-Meiji Farma, S.A. | Composicion de rapida desintegracion en la cavidad bucal. |
CA2782285A1 (en) | 2009-12-02 | 2011-06-09 | Luigi Mapelli | Fexofenadine microcapsules and compositions containing them |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5447809A (en) * | 1977-09-22 | 1979-04-14 | Teikoku Piston Ring Co Ltd | Sintereddalloy cylinder and sleeve |
-
1985
- 1985-08-29 JP JP19006485A patent/JPS6250445A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5447809A (en) * | 1977-09-22 | 1979-04-14 | Teikoku Piston Ring Co Ltd | Sintereddalloy cylinder and sleeve |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8998785B2 (en) | 2010-09-06 | 2015-04-07 | Jtekt Corporation | Machine tool including tool radius adjusting device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6250445A (ja) | 1987-03-05 |
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