JPS6140027B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS6140027B2 JPS6140027B2 JP56010049A JP1004981A JPS6140027B2 JP S6140027 B2 JPS6140027 B2 JP S6140027B2 JP 56010049 A JP56010049 A JP 56010049A JP 1004981 A JP1004981 A JP 1004981A JP S6140027 B2 JPS6140027 B2 JP S6140027B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- carbon
- particle size
- average particle
- carbon diffusion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
- 239000000843 powder Substances 0.000 claims description 53
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 45
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N iron Substances [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims description 44
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 claims description 24
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 23
- 239000002245 particle Substances 0.000 claims description 23
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 claims description 22
- 229910045601 alloy Inorganic materials 0.000 claims description 21
- 239000000956 alloy Substances 0.000 claims description 21
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 claims description 19
- 239000000203 mixture Substances 0.000 claims description 8
- 239000002994 raw material Substances 0.000 claims description 8
- 238000005245 sintering Methods 0.000 claims description 8
- 229910002804 graphite Inorganic materials 0.000 claims description 7
- 239000010439 graphite Substances 0.000 claims description 7
- 229910052718 tin Inorganic materials 0.000 claims description 7
- 230000000694 effects Effects 0.000 claims description 6
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 6
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 claims description 4
- 238000004663 powder metallurgy Methods 0.000 claims description 4
- 230000002401 inhibitory effect Effects 0.000 claims description 3
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 claims 1
- 238000002156 mixing Methods 0.000 description 9
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 7
- 229910000905 alloy phase Inorganic materials 0.000 description 4
- 229910001018 Cast iron Inorganic materials 0.000 description 3
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 229910001060 Gray iron Inorganic materials 0.000 description 2
- 229910001096 P alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 230000013011 mating Effects 0.000 description 2
- 239000006104 solid solution Substances 0.000 description 2
- 229910017755 Cu-Sn Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910017927 Cu—Sn Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910017091 Fe-Sn Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910017142 Fe—Sn Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910000676 Si alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 229910001128 Sn alloy Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000006096 absorbing agent Substances 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 229910001567 cementite Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000000748 compression moulding Methods 0.000 description 1
- KUNSUQLRTQLHQQ-UHFFFAOYSA-N copper tin Chemical compound [Cu].[Sn] KUNSUQLRTQLHQQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000428 dust Substances 0.000 description 1
- PCHJSUWPFVWCPO-UHFFFAOYSA-N gold Chemical compound [Au] PCHJSUWPFVWCPO-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910052737 gold Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000010931 gold Substances 0.000 description 1
- 239000012535 impurity Substances 0.000 description 1
- KSOKAHYVTMZFBJ-UHFFFAOYSA-N iron;methane Chemical compound C.[Fe].[Fe].[Fe] KSOKAHYVTMZFBJ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000000314 lubricant Substances 0.000 description 1
- 230000001050 lubricating effect Effects 0.000 description 1
- 229910052748 manganese Inorganic materials 0.000 description 1
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 1
- 229910052750 molybdenum Inorganic materials 0.000 description 1
- 102200082816 rs34868397 Human genes 0.000 description 1
- 230000035939 shock Effects 0.000 description 1
- 239000011863 silicon-based powder Substances 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- 230000003746 surface roughness Effects 0.000 description 1
- 239000000725 suspension Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
この発明は、組織に関し、遊離黒鉛を均一に分
散させることによつて高い潤滑性を確保し、一方
素地を比較的炭素含有量の低いFeおよびFe基合
金のうちのいずれか、または両方とすることによ
つてすぐれた靭性を確保すると共に、軟質にして
相手攻撃性の低いものとし、さらに遊離黒鉛の周
辺部を焼結時に炭素の拡散を抑制する作用を有す
る成分、すなわちSi，Sn，およびＰのうちの１
種または２種以上の合有量が相対的に高く、かつ
強度の高い合金相とすることによつてすぐれた耐
摩耗性を確保するようにした遊離黒鉛分散型鉄系
焼結摺動材の製造法に関するものである。 従来、例えば自動車の懸架機構を構成するシヨ
ツクアブソーバ部品などの摺動材の製造には、十
分な耐摩耗性と低い相手攻撃性が要求されること
から、これらの特性を具備し、かつ被削性および
経済性にすぐれたねずみ鋳鉄が使用され、多く実
用に供されている。このようにねずみ鋳鉄を摺動
材として使用した場合、すぐれた性能を発揮する
のは、素地の主体が強靭なバーライト組織からな
り、しかも固形潤滑剤として働くと共に、油中で
は保油に役立つ黒鉛が素地中に分散した組織をも
つことにある。 そこで、かかる鋳鉄と同じ性質、すなわち組織
をもつ摺動材を粉末治金法により製造する多くの
試みが過去なされてきたが、 (a) 所定の高強度を得るために焼結温度を約1100
℃程度とすると、焼結時に炭素FeあるいはFe
基合金素地中に拡散し、素地中の炭素固溶量が
多くなるため、焼結後の組織は素地中にセメン
タイトが析出した硬くて脆い組織となり、この
結果相手攻撃性が強く、しかも被削性の悪いも
のとなる。 (b) 一方、素地中への炭素の拡散固溶を抑制する
ために焼結温度を低くすると、所定の強度およ
び耐摩耗性が得られない。 などの問題点があつて、満足する遊離黒鉛分散型
鉄系焼結摺動材は得られていないのが現状であ
る。 しかして、本発明者は、上述のような観点か
ら、摺動材に要求される特性を具備した材料を通
常の粉末治金法により製造すべく研究を行なつた
結果、原料粉末として、平均粒径：20〜350μｍ
を有する炭素粉末と、同じく平均粒径：１〜20μ
ｍを有し、かつ炭素拡散抑制作用を有するSi，
SnおよびＰの単体粉末、およびこれらの成分を
15％以上含有する合金粉末からなる群のうちの１
種または２種以上と、平均粒径：40〜150μｍを
有するFe粉末およびFe基合金粉末のうちいずれ
か、または両方とを用意し、これら原料粉末を、
炭素粉末：１〜４％，炭素拡散抑制作用を有する
粉末：炭素拡散抑制成分量で0.2〜４％，Feおよ
びFe基合金粉末のうちいずれか、または両方：
残りからなる配合組成（以上重量％，以下％の表
示はすべて重量％を意味する）に配合し、混合し
て、第１図に模式的に示されるように、相対的に
粒径の大きいFe粉末およびFe基合金粉末のうち
いずれか、または両方（以下、これらを総称して
FeおよびFe基合金粉末という）Ａと、両じく炭
素粉末Ｂの表面に、相対的に粒径の小さい炭素拡
散抑制作用を有する粉末Ｃを均一にまぶし被覆し
た状態とし、以後通常の粉末治金法にしたがつて
プレス成形し、焼結することによつて製造した遊
離黒鉛分散型鉄系焼結材料は、同じく第２図に模
式図で示されるように、焼結時に炭素がFeおよ
びFe基合金素地中に拡散固溶するのを、Si，Sn
およびＰによつて抑制されるので、素地a′は比較
的炭素含有量が低いものとなることから、すぐれ
た靭性を有すると共に、相手攻撃性の低いものと
なり、また遊離黒鉛ｂが均一に分散するために潤
滑性にすぐれ、さらに遊離黒鉛b′のまわりには高
強度を有するSi，SnおよびＰ含有の合金相c′が形
成されていることから、耐摩耗性にもすぐれると
いう知見を得たのである。 したがつて、この発明は上記知見にもとづいて
なされたものであつて、以下に原料粉末の平均粒
径および配合組成を上記の通りに限定した理由を
説明する。 A.原料粉末の平均粒径 (a) 炭素粉末 その平均粒径が20μｍ未満では、焼結時に炭
素拡散を抑制する作用を有するSi，Sn，およ
びＰの単体粉末、およびこれらの合金粉末（以
下炭素拡散抑制粉末という）をその表面にまぶ
し被覆することができず、したがつてFeおよ
びFe基合金素地中への炭素拡散が促進される
ようになり、一方350μｍを越えた平均粒径に
なると、均一な混合が困難になることから、そ
の平均粒径を20〜350μｍと定めた。 (b) 炭素拡散抑制粉末 FeおよびFe基合金粉末と炭素粉末の表面に
まぶし被覆するためには、炭素拡散抑制粉末は
細かければ細かいほど良いが、平均粒径が１μ
ｍ未満の微粉になると、酸化しやすくなつて管
理が繁雑になることから望ましくなく、一方15
μｍを越えた平均粒径になると、炭素粉末表面
へのまぶし被覆ができなくなることから、その
平均粒径を１〜15μｍと定めた。 (c) FeおよびFe基合金粉末 その平均粒径が40μｍ未満では、混合時に
FeおよびFe基合金粉末と、炭素粉末の表面に
炭素拡散抑制粉末をまぶし被覆した状態とする
ことができず、一方150μｍを越えた平均粒径
にすると、均一混合ができなくなることから、
その平均粒径を40〜150μｍと定めた。 B.配合組成 (a) 炭素粉末 その配合量が１％未満では、所望のすぐれた
潤滑特性を確保することができず、一方４％を
越えた配合量にすると、摺動材の強度が低下す
るようになることから、その配合量を１〜４％
と定めた。 (b) 炭素拡散抑制粉末 Si，Sn，およびＰの量で、0.2％未満の配合
量では満足する炭素拡散抑制作用を確保するこ
とができず、一方同じくSi，Sn，およびＰの
量で４％を越えた配合量にすると、合金相の占
める体積が大きくなつて摺動材が脆化するよう
になることから、その配合量を、Si，Sn，お
よびＰの量で0.2〜４％と定めた。なお、Si，
Sn，およびＰの合金粉末の場合、これらの成
分の含有量が15％未満では、前記合金粉末は所
望の炭素拡散抑制作用を発揮することができな
いので、これらの成分を15％以上含有した合金
粉末を使用する必要がある。 つぎに、この発明を実施例により具体的に説明
する。 実施例 原料粉末として、それぞれ平均粒径：25μｍ，
100μｍ，および300μｍを有する３種の炭素粉
末、同じく平均粒径：10μｍのSi粉末、同14μｍ
のSn粉末、同15μｍのＰ粉末、同４μｍのFe―
Si合金粉末（Si：27％含有）、同３μｍのFe―Sn
合金粉末（Sn：40％含有）、同６μｍのFe―Ｐ合
金粉末（Ｐ：27％含有）、同８μｍのCu―Sn合金
粉末（Sn：33％含有）、同70μｍの通常の還元鉄
粉、および同80μｍの通常のFe基合金粉末
（Ni；２％，Mo：0.5％含有のアトマイズ粉）を
用意し、これらの原料粉末を第１表に示される配
合組成に配合し、通常の条件で混合し、4ton／cm2
の圧力で圧縮成形して圧粉体とし、引続いてNH3
分解ガス雰囲気中、温度：1100℃に１時間保持の
条件で焼結することによつて、実質的に配合組成
と同一の成分組成をもつた本発明焼結摺動材１〜
１３を製造した。 ついで、この結果得られた本発明焼結摺動材１
〜１３について、引張強さおよびピツカース硬さ
を測定すると共に、PIN：DISK型試験機を用
い、相手材：CrメツキしたS45C材、荷重：８
Kg／cm2速度：２ｍ／sec，距離：3000ｍの条件で
摩擦摩耗試験を行ない、比摩耗量を測定すると共
に、相手材の表面粗さを測定した。これらの測定
結果を第１表に合せて示した。
散させることによつて高い潤滑性を確保し、一方
素地を比較的炭素含有量の低いFeおよびFe基合
金のうちのいずれか、または両方とすることによ
つてすぐれた靭性を確保すると共に、軟質にして
相手攻撃性の低いものとし、さらに遊離黒鉛の周
辺部を焼結時に炭素の拡散を抑制する作用を有す
る成分、すなわちSi，Sn，およびＰのうちの１
種または２種以上の合有量が相対的に高く、かつ
強度の高い合金相とすることによつてすぐれた耐
摩耗性を確保するようにした遊離黒鉛分散型鉄系
焼結摺動材の製造法に関するものである。 従来、例えば自動車の懸架機構を構成するシヨ
ツクアブソーバ部品などの摺動材の製造には、十
分な耐摩耗性と低い相手攻撃性が要求されること
から、これらの特性を具備し、かつ被削性および
経済性にすぐれたねずみ鋳鉄が使用され、多く実
用に供されている。このようにねずみ鋳鉄を摺動
材として使用した場合、すぐれた性能を発揮する
のは、素地の主体が強靭なバーライト組織からな
り、しかも固形潤滑剤として働くと共に、油中で
は保油に役立つ黒鉛が素地中に分散した組織をも
つことにある。 そこで、かかる鋳鉄と同じ性質、すなわち組織
をもつ摺動材を粉末治金法により製造する多くの
試みが過去なされてきたが、 (a) 所定の高強度を得るために焼結温度を約1100
℃程度とすると、焼結時に炭素FeあるいはFe
基合金素地中に拡散し、素地中の炭素固溶量が
多くなるため、焼結後の組織は素地中にセメン
タイトが析出した硬くて脆い組織となり、この
結果相手攻撃性が強く、しかも被削性の悪いも
のとなる。 (b) 一方、素地中への炭素の拡散固溶を抑制する
ために焼結温度を低くすると、所定の強度およ
び耐摩耗性が得られない。 などの問題点があつて、満足する遊離黒鉛分散型
鉄系焼結摺動材は得られていないのが現状であ
る。 しかして、本発明者は、上述のような観点か
ら、摺動材に要求される特性を具備した材料を通
常の粉末治金法により製造すべく研究を行なつた
結果、原料粉末として、平均粒径：20〜350μｍ
を有する炭素粉末と、同じく平均粒径：１〜20μ
ｍを有し、かつ炭素拡散抑制作用を有するSi，
SnおよびＰの単体粉末、およびこれらの成分を
15％以上含有する合金粉末からなる群のうちの１
種または２種以上と、平均粒径：40〜150μｍを
有するFe粉末およびFe基合金粉末のうちいずれ
か、または両方とを用意し、これら原料粉末を、
炭素粉末：１〜４％，炭素拡散抑制作用を有する
粉末：炭素拡散抑制成分量で0.2〜４％，Feおよ
びFe基合金粉末のうちいずれか、または両方：
残りからなる配合組成（以上重量％，以下％の表
示はすべて重量％を意味する）に配合し、混合し
て、第１図に模式的に示されるように、相対的に
粒径の大きいFe粉末およびFe基合金粉末のうち
いずれか、または両方（以下、これらを総称して
FeおよびFe基合金粉末という）Ａと、両じく炭
素粉末Ｂの表面に、相対的に粒径の小さい炭素拡
散抑制作用を有する粉末Ｃを均一にまぶし被覆し
た状態とし、以後通常の粉末治金法にしたがつて
プレス成形し、焼結することによつて製造した遊
離黒鉛分散型鉄系焼結材料は、同じく第２図に模
式図で示されるように、焼結時に炭素がFeおよ
びFe基合金素地中に拡散固溶するのを、Si，Sn
およびＰによつて抑制されるので、素地a′は比較
的炭素含有量が低いものとなることから、すぐれ
た靭性を有すると共に、相手攻撃性の低いものと
なり、また遊離黒鉛ｂが均一に分散するために潤
滑性にすぐれ、さらに遊離黒鉛b′のまわりには高
強度を有するSi，SnおよびＰ含有の合金相c′が形
成されていることから、耐摩耗性にもすぐれると
いう知見を得たのである。 したがつて、この発明は上記知見にもとづいて
なされたものであつて、以下に原料粉末の平均粒
径および配合組成を上記の通りに限定した理由を
説明する。 A.原料粉末の平均粒径 (a) 炭素粉末 その平均粒径が20μｍ未満では、焼結時に炭
素拡散を抑制する作用を有するSi，Sn，およ
びＰの単体粉末、およびこれらの合金粉末（以
下炭素拡散抑制粉末という）をその表面にまぶ
し被覆することができず、したがつてFeおよ
びFe基合金素地中への炭素拡散が促進される
ようになり、一方350μｍを越えた平均粒径に
なると、均一な混合が困難になることから、そ
の平均粒径を20〜350μｍと定めた。 (b) 炭素拡散抑制粉末 FeおよびFe基合金粉末と炭素粉末の表面に
まぶし被覆するためには、炭素拡散抑制粉末は
細かければ細かいほど良いが、平均粒径が１μ
ｍ未満の微粉になると、酸化しやすくなつて管
理が繁雑になることから望ましくなく、一方15
μｍを越えた平均粒径になると、炭素粉末表面
へのまぶし被覆ができなくなることから、その
平均粒径を１〜15μｍと定めた。 (c) FeおよびFe基合金粉末 その平均粒径が40μｍ未満では、混合時に
FeおよびFe基合金粉末と、炭素粉末の表面に
炭素拡散抑制粉末をまぶし被覆した状態とする
ことができず、一方150μｍを越えた平均粒径
にすると、均一混合ができなくなることから、
その平均粒径を40〜150μｍと定めた。 B.配合組成 (a) 炭素粉末 その配合量が１％未満では、所望のすぐれた
潤滑特性を確保することができず、一方４％を
越えた配合量にすると、摺動材の強度が低下す
るようになることから、その配合量を１〜４％
と定めた。 (b) 炭素拡散抑制粉末 Si，Sn，およびＰの量で、0.2％未満の配合
量では満足する炭素拡散抑制作用を確保するこ
とができず、一方同じくSi，Sn，およびＰの
量で４％を越えた配合量にすると、合金相の占
める体積が大きくなつて摺動材が脆化するよう
になることから、その配合量を、Si，Sn，お
よびＰの量で0.2〜４％と定めた。なお、Si，
Sn，およびＰの合金粉末の場合、これらの成
分の含有量が15％未満では、前記合金粉末は所
望の炭素拡散抑制作用を発揮することができな
いので、これらの成分を15％以上含有した合金
粉末を使用する必要がある。 つぎに、この発明を実施例により具体的に説明
する。 実施例 原料粉末として、それぞれ平均粒径：25μｍ，
100μｍ，および300μｍを有する３種の炭素粉
末、同じく平均粒径：10μｍのSi粉末、同14μｍ
のSn粉末、同15μｍのＰ粉末、同４μｍのFe―
Si合金粉末（Si：27％含有）、同３μｍのFe―Sn
合金粉末（Sn：40％含有）、同６μｍのFe―Ｐ合
金粉末（Ｐ：27％含有）、同８μｍのCu―Sn合金
粉末（Sn：33％含有）、同70μｍの通常の還元鉄
粉、および同80μｍの通常のFe基合金粉末
（Ni；２％，Mo：0.5％含有のアトマイズ粉）を
用意し、これらの原料粉末を第１表に示される配
合組成に配合し、通常の条件で混合し、4ton／cm2
の圧力で圧縮成形して圧粉体とし、引続いてNH3
分解ガス雰囲気中、温度：1100℃に１時間保持の
条件で焼結することによつて、実質的に配合組成
と同一の成分組成をもつた本発明焼結摺動材１〜
１３を製造した。 ついで、この結果得られた本発明焼結摺動材１
〜１３について、引張強さおよびピツカース硬さ
を測定すると共に、PIN：DISK型試験機を用
い、相手材：CrメツキしたS45C材、荷重：８
Kg／cm2速度：２ｍ／sec，距離：3000ｍの条件で
摩擦摩耗試験を行ない、比摩耗量を測定すると共
に、相手材の表面粗さを測定した。これらの測定
結果を第１表に合せて示した。
【表】
【表】
なお、第１表には比較の目的で、従来摺動材と
してすぐれた性能を発揮している鋳鉄（Ｃ：3.0
％，Si：2.0％，Mn：4.0％，Ｐ：0.03％，Ｓ：
0.05％，Feおよびその他の不可避不純物：残
り）の同一条件下での特性を示した。 第１表に示される結果から、本発明焼結摺動材
１〜１３は、いずれも鋳鉄とほぼ同等、あるいは
これ以上のすぐれた潤滑性、耐摩耗性、および強
度を有し、かつ相手攻撃性も同様に低い結果を示
すことが明らかである。 上述のように、この発明によれば、すぐれた摺
動特性、すなわちすぐれた潤滑性および耐摩耗性
を有し、かつ相手攻撃性の低い摺動材を通常の粉
末治金法によつて製造することができるのであ
る。
してすぐれた性能を発揮している鋳鉄（Ｃ：3.0
％，Si：2.0％，Mn：4.0％，Ｐ：0.03％，Ｓ：
0.05％，Feおよびその他の不可避不純物：残
り）の同一条件下での特性を示した。 第１表に示される結果から、本発明焼結摺動材
１〜１３は、いずれも鋳鉄とほぼ同等、あるいは
これ以上のすぐれた潤滑性、耐摩耗性、および強
度を有し、かつ相手攻撃性も同様に低い結果を示
すことが明らかである。 上述のように、この発明によれば、すぐれた摺
動特性、すなわちすぐれた潤滑性および耐摩耗性
を有し、かつ相手攻撃性の低い摺動材を通常の粉
末治金法によつて製造することができるのであ
る。
第１図は本発明法における原料粉末の混合状態
を示す模式図、第２図は本発明法によつて製造さ
れた鉄系焼結摺動材の組織を示す模式図である。 Ａ……FeおよびFe基合金粉末、Ｂ……炭素粉
末、Ｃ……炭素拡散抑制作用を有する粉末、a′…
…素地、b′……遊離黒鉛、c′……合金相。
を示す模式図、第２図は本発明法によつて製造さ
れた鉄系焼結摺動材の組織を示す模式図である。 Ａ……FeおよびFe基合金粉末、Ｂ……炭素粉
末、Ｃ……炭素拡散抑制作用を有する粉末、a′…
…素地、b′……遊離黒鉛、c′……合金相。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 １ 原料粉末として、平均粒径：20〜350μｍを
有する炭素粉末と、同じく平均粒径：１〜15μｍ
を有し、かつ焼結時に炭素拡散を抑制する作用を
有するSi，SnおよびＰの単体粉末、およびこれ
らの成分を15％以上含有する合金粉末からなる群
のうちの１種または２種以上と、平均粒径：40〜
150μｍを有するFe粉末およびFe基金粉末のうち
いずれか、または両方とを用意し、 これら原料粉末を、炭素粉末：１〜４％，炭素
拡散抑制作用を有する粉末：炭素拡散抑制成分量
で0.2〜４％，Fe粉末およびFe基合金粉末のうち
のいずれか、または両方：残りからなる配合組成
（以上重量％）に配合し、混合して、Fe粉末およ
びFe基合金粉末のうちいずれか、または両方
と、炭素粉末の表面に炭素拡散抑制作用を有する
粉末を均一にまぶし被覆した状態とし、 以後通常の粉末治金法にしたがつてプレス成形
し、焼結することを特徴とする遊離黒鉛分散型鉄
系焼結摺動材の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56010049A JPS57123955A (en) | 1981-01-26 | 1981-01-26 | Free graphite dispersion type sintered sliding iron material and its manufacture |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56010049A JPS57123955A (en) | 1981-01-26 | 1981-01-26 | Free graphite dispersion type sintered sliding iron material and its manufacture |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS57123955A JPS57123955A (en) | 1982-08-02 |
| JPS6140027B2 true JPS6140027B2 (ja) | 1986-09-06 |
Family
ID=11739537
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56010049A Granted JPS57123955A (en) | 1981-01-26 | 1981-01-26 | Free graphite dispersion type sintered sliding iron material and its manufacture |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS57123955A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| SE445715B (sv) * | 1984-11-30 | 1986-07-14 | Hoeganaes Ab | Mangansulfidhaltig jernpulverblandning |
| JPH0680161B2 (ja) * | 1986-08-11 | 1994-10-12 | 株式会社神戸製鋼所 | 軟磁性焼結材用複合鉄粉 |
| JP2007309165A (ja) * | 2006-05-17 | 2007-11-29 | Zenoah:Kk | 携帯型作業機 |
| WO2023189677A1 (ja) * | 2022-03-30 | 2023-10-05 | パナソニックＩｐマネジメント株式会社 | 金属粉、複合磁性体、圧粉磁心およびコイル部品 |
Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS50158509A (ja) * | 1974-06-12 | 1975-12-22 | ||
| JPS5137606A (en) * | 1974-07-30 | 1976-03-30 | Staar Sa | Kiroku oyobi * mataha saiseisochihenokaatoritsujinosoten oyobi gaisochichikarano kaatoritsujinotoridashinotamenosochi |
| JPS5141607A (ja) * | 1974-10-07 | 1976-04-08 | Sumitomo Electric Industries | Taimamoseijudozairyo |
-
1981
- 1981-01-26 JP JP56010049A patent/JPS57123955A/ja active Granted
Patent Citations (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS50158509A (ja) * | 1974-06-12 | 1975-12-22 | ||
| JPS5137606A (en) * | 1974-07-30 | 1976-03-30 | Staar Sa | Kiroku oyobi * mataha saiseisochihenokaatoritsujinosoten oyobi gaisochichikarano kaatoritsujinotoridashinotamenosochi |
| JPS5141607A (ja) * | 1974-10-07 | 1976-04-08 | Sumitomo Electric Industries | Taimamoseijudozairyo |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS57123955A (en) | 1982-08-02 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4561889A (en) | Wear-resistant sintered ferrous alloy and method of producing same | |
| JPS5918463B2 (ja) | 耐摩耗性焼結合金およびその製法 | |
| JPH0453944B2 (ja) | ||
| JPS5822359A (ja) | 燃料供給ポンプの構造部材用Ｆｅ基焼結合金 | |
| JP2018044226A (ja) | 耐摩耗性鉄基焼結合金の製造方法および耐摩耗性鉄基焼結合金 | |
| JPH0995759A (ja) | 焼結含油軸受とその製造方法 | |
| JPH10504353A (ja) | クロム、モリブデンおよびマンガンを含む鉄基粉末 | |
| JPS6140027B2 (ja) | ||
| JPS58189361A (ja) | なじみ性および潤滑性のすぐれたＦｅ基焼結合金製含油軸受 | |
| JPH079046B2 (ja) | 銅系焼結体 | |
| JP4051167B2 (ja) | 耐摩耗性鉄系焼結合金 | |
| JPH06322470A (ja) | 粉末冶金用鋳鉄粉及び耐摩耗性鉄系焼結合金 | |
| JP4109023B2 (ja) | 鉄系焼結摺動部材の製造方法及び鉄系焼結摺動部材 | |
| JP3682556B2 (ja) | 耐熱・耐摩耗性焼結ステンレス鋼 | |
| US3758281A (en) | Msintered alloy and wear resisting sliding parts manufactured therefro | |
| EP0099067B1 (en) | Wear-resistant sintered ferrous alloy and method of producing same | |
| JPS63282221A (ja) | 複合焼結材料の製造方法 | |
| JPS6140028B2 (ja) | ||
| JPS6154856B2 (ja) | ||
| CN114540697B (zh) | 一种超细Fe-Cu-SiC-C-Al2O3复合材料及其制备方法 | |
| JP3275727B2 (ja) | 耐摩耗性のすぐれたＦｅ基焼結合金製２層バルブシートの製造方法 | |
| JPS6154855B2 (ja) | ||
| JPH0499836A (ja) | 焼結銅系摺動材料 | |
| JPS60159154A (ja) | 耐摩耗焼結摺動材 | |
| JPS61117254A (ja) | バルブシ−ト用鉄系焼結合金 |