JPH0680161B2 - 軟磁性焼結材用複合鉄粉 - Google Patents
軟磁性焼結材用複合鉄粉Info
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- JPH0680161B2 JPH0680161B2 JP61189233A JP18923386A JPH0680161B2 JP H0680161 B2 JPH0680161 B2 JP H0680161B2 JP 61189233 A JP61189233 A JP 61189233A JP 18923386 A JP18923386 A JP 18923386A JP H0680161 B2 JPH0680161 B2 JP H0680161B2
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- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電気機器の鉄芯など鉄系軟磁性焼結材の原料
金属粉として使用されるものに関する。
金属粉として使用されるものに関する。
(従来の技術) 電気機器の鉄芯のうち、小形のものや形状複雑なもの
は、ロストワックス法等の精密鋳造法や焼結法によって
製作されている。
は、ロストワックス法等の精密鋳造法や焼結法によって
製作されている。
焼結法は、磁性金属粉末を所期の形状に圧縮成形した
後、これを焼結して粉末を治金学的に一体化する方法で
ある。前記磁性金属粉末としてFe-Al系合金粉、Fe-Si系
合金粉が広く使用されているが、これらの鉄系軟質磁性
合金粉末は、圧縮成形性、焼結性に劣るという欠点があ
った。
後、これを焼結して粉末を治金学的に一体化する方法で
ある。前記磁性金属粉末としてFe-Al系合金粉、Fe-Si系
合金粉が広く使用されているが、これらの鉄系軟質磁性
合金粉末は、圧縮成形性、焼結性に劣るという欠点があ
った。
そこで、叙上の欠点を解消するため鉄粉とSn粉とP粉と
を所定の割合で混合したものを焼結原料粉として用い、
これを圧縮成形後焼結するという方法(以下、混合法と
いう。)が特公昭51-43008号公報において提案された。
を所定の割合で混合したものを焼結原料粉として用い、
これを圧縮成形後焼結するという方法(以下、混合法と
いう。)が特公昭51-43008号公報において提案された。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記の方法では、混合後圧縮成形までの
間に粉末が偏析し易く、これに起因して焼結体に歪が生
じ易く、寸法精度が安定しないという問題があった。ま
た、Sn粉が偏析すると磁束密度が低下し、要求される磁
気特性が得られないという問題も生じた。
間に粉末が偏析し易く、これに起因して焼結体に歪が生
じ易く、寸法精度が安定しないという問題があった。ま
た、Sn粉が偏析すると磁束密度が低下し、要求される磁
気特性が得られないという問題も生じた。
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、寸法安
定性に優れ、かつ磁気特性にも優れた焼結体を容易に得
ることができる軟磁性焼結材用原料粉末を提供すること
を目的とする。
定性に優れ、かつ磁気特性にも優れた焼結体を容易に得
ることができる軟磁性焼結材用原料粉末を提供すること
を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 叙上の目的を達成するために講じられた本発明の特徴と
するところは、原料粉として、鉄粉粒子表面にFe-P合金
粉およびSn粉を拡散結合した複合鉄粉を用い、かつ複合
鉄粉におけるPおよびSnの含有量を、重量%で、 P:0.3〜1.0% Sn:1〜4% 残部実質的にFe とした点にある。
するところは、原料粉として、鉄粉粒子表面にFe-P合金
粉およびSn粉を拡散結合した複合鉄粉を用い、かつ複合
鉄粉におけるPおよびSnの含有量を、重量%で、 P:0.3〜1.0% Sn:1〜4% 残部実質的にFe とした点にある。
(実施例) 本発明に係る複合鉄粉は、鉄粉粒子表面にFe-P合金粉お
よびSn粉が拡散結合されたものである。
よびSn粉が拡散結合されたものである。
複合鉄粉の基粉となる鉄粉としては、純鉄粉が好まし
い。純鉄粉は、磁気特性に優れ、かつ圧縮成形性にも優
れるからである。純鉄粉は、還元鉄粉よりもアトマイズ
鉄粉の方が高純度のものが得易く好適である。
い。純鉄粉は、磁気特性に優れ、かつ圧縮成形性にも優
れるからである。純鉄粉は、還元鉄粉よりもアトマイズ
鉄粉の方が高純度のものが得易く好適である。
Fe-P合金粉を鉄粉粒子表面に拡散結合するのは、本質的
には、鉄粉にPを付与するためである。しかし、P粉を
直接拡散結合させると、Pが鉄粉中へ拡散され易く、鉄
粉硬度の上昇を招来し、圧縮性が低下するという問題が
生じる。そこで、Fe-P合金粉を用い、Pの拡散を抑えつ
つPを鉄粉に付与せしめている。
には、鉄粉にPを付与するためである。しかし、P粉を
直接拡散結合させると、Pが鉄粉中へ拡散され易く、鉄
粉硬度の上昇を招来し、圧縮性が低下するという問題が
生じる。そこで、Fe-P合金粉を用い、Pの拡散を抑えつ
つPを鉄粉に付与せしめている。
鉄粉にPを付与するのは、鉄粉の焼結時の収縮性を増大
させ、焼結体の密度を向上させ、延いては磁気特性特に
磁束密度並びに電気抵抗を向上させるためである。
させ、焼結体の密度を向上させ、延いては磁気特性特に
磁束密度並びに電気抵抗を向上させるためである。
複合鉄粉におけるPの含有量は、重量%で0.3〜1.0%と
される。0.3%未満では収縮に寄与せず、その結果大き
な磁束密度が得られない。一方、1.0%を越えると焼結
時に凝集し易くなり、収縮率が安定し難くなる。
される。0.3%未満では収縮に寄与せず、その結果大き
な磁束密度が得られない。一方、1.0%を越えると焼結
時に凝集し易くなり、収縮率が安定し難くなる。
また、Sn粉を鉄粉粒子に拡散結合させるのは、1つに
は、鉄粉にSnを付与することによって、複合鉄粉の成形
性を向上させ、延いては成形圧力の軽減に寄与させるた
めである。鉄粉は、それ自体圧縮成形性は良好なのであ
るが、Pの拡散によって成形性が損われる。これを補填
するためにSnが付与される。また、Snの付与によって、
Pによる焼結時の収縮に伴う寸法のバラツキを抑制する
作用をなす。
は、鉄粉にSnを付与することによって、複合鉄粉の成形
性を向上させ、延いては成形圧力の軽減に寄与させるた
めである。鉄粉は、それ自体圧縮成形性は良好なのであ
るが、Pの拡散によって成形性が損われる。これを補填
するためにSnが付与される。また、Snの付与によって、
Pによる焼結時の収縮に伴う寸法のバラツキを抑制する
作用をなす。
複合鉄粉におけるSnの含有量は、重量%で1〜4%とさ
れる。1%未満では、成形性並びに寸法安定性の向上に
寄与しない。一方、4%を越えると、Snが焼結時に凝集
し易くなり、寸法安定性を劣化させると共に、非磁性金
属であるSnの凝集により磁気特性を劣化させる。
れる。1%未満では、成形性並びに寸法安定性の向上に
寄与しない。一方、4%を越えると、Snが焼結時に凝集
し易くなり、寸法安定性を劣化させると共に、非磁性金
属であるSnの凝集により磁気特性を劣化させる。
次に、本発明の複合鉄粉の製造方法について説明する。
まず、鉄粉とFe-P合金粉とを混合し、還元性もしくは非
酸化性雰囲気で、鉄粉粒子表面にFe-P合金粉を拡散結合
させる。
酸化性雰囲気で、鉄粉粒子表面にFe-P合金粉を拡散結合
させる。
鉄粉としては、既述した通り、純鉄粉が容易に得られる
アトマイズ鉄粉が好ましい。鉄粉粒子の大きさとして
は、通常、粉末治金原料として使用される60メッシュ以
下のものが用いられる。
アトマイズ鉄粉が好ましい。鉄粉粒子の大きさとして
は、通常、粉末治金原料として使用される60メッシュ以
下のものが用いられる。
Fe-P合金粉としては、P含有量が14〜17重量%のものが
よく、例えばFe3P(P含有量約16%)を例示できる。Fe
-P合金粉の粒径は、小さいほど拡散結合性、寸法安定
性、磁気特性が良好となるが、容易に拡散結合できる範
囲として10μm以下のものが好ましい。前記Fe3Pは、4
μm程度の大きさのものまで市場に供給されており入手
容易である。もっとも、他のFe-P合金を粉砕して使用し
てもよいことは勿論である。
よく、例えばFe3P(P含有量約16%)を例示できる。Fe
-P合金粉の粒径は、小さいほど拡散結合性、寸法安定
性、磁気特性が良好となるが、容易に拡散結合できる範
囲として10μm以下のものが好ましい。前記Fe3Pは、4
μm程度の大きさのものまで市場に供給されており入手
容易である。もっとも、他のFe-P合金を粉砕して使用し
てもよいことは勿論である。
Fe-P合金粉の拡散結合温度は750〜900℃が好ましい。75
0℃未満では拡散結合が困難であり、一方900℃を越える
と、Fe-P合金粉を用いているにも拘らず、合金中のPの
鉄粉中への拡散が促進されて、鉄粉の硬度を上昇させ、
圧縮成形性を劣化させる。上記温度範囲における保持時
間は、60〜15分程度で十分な拡散結合状態が得られる。
0℃未満では拡散結合が困難であり、一方900℃を越える
と、Fe-P合金粉を用いているにも拘らず、合金中のPの
鉄粉中への拡散が促進されて、鉄粉の硬度を上昇させ、
圧縮成形性を劣化させる。上記温度範囲における保持時
間は、60〜15分程度で十分な拡散結合状態が得られる。
上記熱処理によって得られたケーキは、60メッシュ以下
に粉砕された後、Sn粉と混合され、Sn粉を鉄粉粒子表面
に拡散結合させる。
に粉砕された後、Sn粉と混合され、Sn粉を鉄粉粒子表面
に拡散結合させる。
Sn粉の大きさは、Fe-P合金粉の場合と同様小径ほど良い
が、寸法安定性および経済性を考慮して45μm以下(35
0メッシュのフルイを通過したもの)のものを使用す
る。SnはFe-Pより低融点であり、拡散結合が容易なこと
から、Fe-P粉より大径でも拡散結合性にはそれほど問題
ないが、あまり大きいと寸法安定性に問題が生じ、又凝
集し易くなり磁気特性を劣化させる。
が、寸法安定性および経済性を考慮して45μm以下(35
0メッシュのフルイを通過したもの)のものを使用す
る。SnはFe-Pより低融点であり、拡散結合が容易なこと
から、Fe-P粉より大径でも拡散結合性にはそれほど問題
ないが、あまり大きいと寸法安定性に問題が生じ、又凝
集し易くなり磁気特性を劣化させる。
Sn粉の拡散結合温度は、250〜300℃とするのがよい。Sn
の融点は約230℃であり、250℃未満では鉄粉の表面への
Snの拡散が困難となり、一方300℃を越えるとSnの凝集
が生じ、寸法安定性および磁気特性を害する。上記温度
における保持時間は、60〜15分程度で十分な拡散結合状
態が得られる。
の融点は約230℃であり、250℃未満では鉄粉の表面への
Snの拡散が困難となり、一方300℃を越えるとSnの凝集
が生じ、寸法安定性および磁気特性を害する。上記温度
における保持時間は、60〜15分程度で十分な拡散結合状
態が得られる。
尚、Sn粉の拡散結合に際しては、還元性水素雰囲気下に
おける加熱は、爆発の危険性があるので、かかる雰囲気
を除く非酸化性雰囲気で行う必要がある。
おける加熱は、爆発の危険性があるので、かかる雰囲気
を除く非酸化性雰囲気で行う必要がある。
次に、具体的な実施例を掲げて説明する。
(1)複合粉末の製造 60メッシュ以下の高純度のアトマイズ鉄粉と、平均粒
径約4μmのFe3P粉末とを、第1表の組成となるように
混合した後、この混合粉末を還元性のアンモニア分解ガ
ス(N2とH2の混合ガス。以下、AXガスという。)雰囲気
で880℃×30分間拡散結合した。
径約4μmのFe3P粉末とを、第1表の組成となるように
混合した後、この混合粉末を還元性のアンモニア分解ガ
ス(N2とH2の混合ガス。以下、AXガスという。)雰囲気
で880℃×30分間拡散結合した。
尚、第1表における組成は、純鉄粉とFe3P粉とSn粉との
総量に対する各粉末割合(重量%)を示している。
総量に対する各粉末割合(重量%)を示している。
Fe3P粉末が拡散結合したケーキを60メッシュ以下に解
粒した後、同表の組成となるように、350メッシュ以下
のSn粉末を添加混合し、N2ガス雰囲気で280℃×30分間
拡散結合し、第1表の組成を有する複合鉄粉を得た。
粒した後、同表の組成となるように、350メッシュ以下
のSn粉末を添加混合し、N2ガス雰囲気で280℃×30分間
拡散結合し、第1表の組成を有する複合鉄粉を得た。
(2)焼結体の製造 (1)で製造された複合鉄粉(No.1〜7,11〜16)を用
いて、これに潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を複合鉄粉
重量に対して0.75%添加し、7ton/cm2で外径45×内径33
×厚さ6(単位mm)のリング体に圧縮成形後、1150℃×
30分間、AXガス雰囲気中で焼結した。リング状焼結体試
料は各々20個製作した。
いて、これに潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を複合鉄粉
重量に対して0.75%添加し、7ton/cm2で外径45×内径33
×厚さ6(単位mm)のリング体に圧縮成形後、1150℃×
30分間、AXガス雰囲気中で焼結した。リング状焼結体試
料は各々20個製作した。
比較のため、混合法によって、第1表と同組成のリン
グ状焼結体を各々20個製作した。潤滑剤添加量および成
形圧並びに焼結条件はと同様に設定した。
グ状焼結体を各々20個製作した。潤滑剤添加量および成
形圧並びに焼結条件はと同様に設定した。
(3)結果 各試料の成形体密度、焼結体密度、焼結による外径寸法
収縮率および同標準偏差(試料総数n=20)をSn含有量
およびP含有量で整理したものを第1図〜第4図に示
す。尚、リング状成形体並びに焼結体は、第1表に対応
させてNo.1a(b)〜7a(b),11a(b)〜16a(b)と
番号を付して区別し、同図中に示した。aは複合鉄粉を
用いたもの、bは混合法によるものを示す。
収縮率および同標準偏差(試料総数n=20)をSn含有量
およびP含有量で整理したものを第1図〜第4図に示
す。尚、リング状成形体並びに焼結体は、第1表に対応
させてNo.1a(b)〜7a(b),11a(b)〜16a(b)と
番号を付して区別し、同図中に示した。aは複合鉄粉を
用いたもの、bは混合法によるものを示す。
(4)評価 第1図はSn含有量と成形体密度および焼結体密度との
関係を示し、第2図はSn含有量と外径寸法収縮率および
同収縮率の標準偏差との関係を示すグラフ図である。
関係を示し、第2図はSn含有量と外径寸法収縮率および
同収縮率の標準偏差との関係を示すグラフ図である。
第1図(下図)より、Snの含有は成形体密度の向上すな
わち成形性の向上に寄与していることが確認された。特
に、複合鉄粉を用いたNo.1a〜7aにおいて、Sn1%以上で
この傾向が著しい。
わち成形性の向上に寄与していることが確認された。特
に、複合鉄粉を用いたNo.1a〜7aにおいて、Sn1%以上で
この傾向が著しい。
第2図(上図)より、複合鉄粉を用いたNo.1a〜7aは、
混合法によって得られたNo.1b〜7bに対して、すべてのS
n範囲において、外径寸法収縮率の標準偏差が小さい。
これは、複合鉄粉を用いることによって、寸法安定性の
向上を図れることを意味する。特に、本発明範囲内のN
o.2a〜5aおよび範囲外のNo.6aは寸法安定性に優れてい
る。また、Snの含有量の増大に従って焼結体密度並びに
外径収縮率が低下しており、このことより、Snの含有に
よって、焼結時の寸法収縮が緩和されることが確認され
た。
混合法によって得られたNo.1b〜7bに対して、すべてのS
n範囲において、外径寸法収縮率の標準偏差が小さい。
これは、複合鉄粉を用いることによって、寸法安定性の
向上を図れることを意味する。特に、本発明範囲内のN
o.2a〜5aおよび範囲外のNo.6aは寸法安定性に優れてい
る。また、Snの含有量の増大に従って焼結体密度並びに
外径収縮率が低下しており、このことより、Snの含有に
よって、焼結時の寸法収縮が緩和されることが確認され
た。
第3図はP含有量と成形体密度および焼結体密度との
関係を示し、第4図はP含有量と外径寸法収縮率および
同収縮率の標準偏差との関係を示すグラフ図である。
関係を示し、第4図はP含有量と外径寸法収縮率および
同収縮率の標準偏差との関係を示すグラフ図である。
第3図(下図)より、Pの含有に従って、成形性を低下
させ、一方、第4図(下図)より焼結に際して収縮し、
焼結体密度を上昇させることが確認された。
させ、一方、第4図(下図)より焼結に際して収縮し、
焼結体密度を上昇させることが確認された。
第4図(下図)より、Pが0.3%以上で、大きな収縮が
得られることが確認された。また、第4図(上面)よ
り、Pが0.3%以上で、複合鉄粉を用いたNo.3aおよびN
o.13a〜16aは混合法によるNo.3bおよびNo.13b〜16bより
すべて収縮率の標準偏差が小さく、特に本発明範囲内の
No.3aおよびNo.13a〜15aは標準偏差が小さく、寸法安定
性が良好であることが確認された。
得られることが確認された。また、第4図(上面)よ
り、Pが0.3%以上で、複合鉄粉を用いたNo.3aおよびN
o.13a〜16aは混合法によるNo.3bおよびNo.13b〜16bより
すべて収縮率の標準偏差が小さく、特に本発明範囲内の
No.3aおよびNo.13a〜15aは標準偏差が小さく、寸法安定
性が良好であることが確認された。
(5)磁気特性の評価 第2図(上部)および第4図(上面)から、複合鉄粉
を用いた焼結体のうち寸法収縮率の標準偏差の小さいも
の(No.2a〜6a,13a〜15a)を選び、直流磁気特性を測定
した。この際、比較のため、同組成の混合法による焼結
体(No.2b〜6b,13b〜15b)並びに純鉄粉によって製作さ
れたものについても同様の測定を行った。
を用いた焼結体のうち寸法収縮率の標準偏差の小さいも
の(No.2a〜6a,13a〜15a)を選び、直流磁気特性を測定
した。この際、比較のため、同組成の混合法による焼結
体(No.2b〜6b,13b〜15b)並びに純鉄粉によって製作さ
れたものについても同様の測定を行った。
その結果を第2表に示す。磁気特性のうち、特に磁束
密度は焼結体密度に大きく依存するため、同表には焼結
体密度も併せて表示した。同表中、B50は磁界の強さ500
0A/mにおける磁束密度(単位T:テラス)を示す。
密度は焼結体密度に大きく依存するため、同表には焼結
体密度も併せて表示した。同表中、B50は磁界の強さ500
0A/mにおける磁束密度(単位T:テラス)を示す。
第2表によると、焼結体密度が各試料で相違するので
磁束密度を比較することができない。そこで、下記式に
示すように、試料と同密度の純鉄粉焼結体のB50との差
ΔB50を調べて評価することにした。
磁束密度を比較することができない。そこで、下記式に
示すように、試料と同密度の純鉄粉焼結体のB50との差
ΔB50を調べて評価することにした。
ΔB50=A−α A:試料のB50 α:試料と同密度の純鉄粉焼結体のB50 ΔB50はゼロに近いほど、磁気特性上、純鉄粉焼結体と
等価であることを示し、試料における鉄粉以外の混合物
の影響が少ないことを示す。
等価であることを示し、試料における鉄粉以外の混合物
の影響が少ないことを示す。
尚、純鉄粉焼結体の密度と磁束密度との関係は、本発明
者の研究により B50=0.508×焼結体密度−2.23 となることが明らかにされているので、この式によって
αの値を与えた。
者の研究により B50=0.508×焼結体密度−2.23 となることが明らかにされているので、この式によって
αの値を与えた。
(4)ΔB50を計算した結果を第3表に示す。
第2表および第3表より、複合鉄粉を用いた焼結体の
うち6aを除くもの(本発明実施例に該当)は、いずれも
B50が1.52T以上で、ΔB50も0〜−0.01であり、混合法
によるものに比べて極めて優れた磁束密度を示すことが
確認された。
うち6aを除くもの(本発明実施例に該当)は、いずれも
B50が1.52T以上で、ΔB50も0〜−0.01であり、混合法
によるものに比べて極めて優れた磁束密度を示すことが
確認された。
尚、磁気特性のうち、保磁力については、複合鉄粉を用
いたもの及び、混合法により製作されたものは共に純鉄
粉焼結体よりも良好な結果が得られている。
いたもの及び、混合法により製作されたものは共に純鉄
粉焼結体よりも良好な結果が得られている。
No.6aの磁気特性が劣っているのは、Snが多くなると焼
結時にSnが凝集するためと考えられる。
結時にSnが凝集するためと考えられる。
(発明の効果) 以上説明した通り、本発明の軟磁性焼結材用複合鉄粉
は、鉄粉粒子表面にFe-P合金粉およびSn粉が拡散結合さ
れているから、成形時にP乃至Sn成分が成形体中に偏在
するおそれがまったくなく、かかる偏在に起因した寸法
精度並びに磁気特性のバラツキを確実に防止することが
できる。
は、鉄粉粒子表面にFe-P合金粉およびSn粉が拡散結合さ
れているから、成形時にP乃至Sn成分が成形体中に偏在
するおそれがまったくなく、かかる偏在に起因した寸法
精度並びに磁気特性のバラツキを確実に防止することが
できる。
また、PおよびSnの含有範囲を特定の範囲に制限してい
るので、寸法安定性および磁気特性の良好な焼結体を確
実に得ることができる。
るので、寸法安定性および磁気特性の良好な焼結体を確
実に得ることができる。
第1図はSn含有量と成形体密度および焼結体密度との関
係を示すグラフ図、第2図はSn含有量と外径寸法収縮率
および同収縮率の標準偏差との関係を示すグラフ図、第
3図はP含有量と成形体密度および焼結体密度との関係
を示すグラフ図、第4図はP含有量と外径寸法収縮率お
よび同収縮率の標準偏差との関係を示すグラフ図であ
る。
係を示すグラフ図、第2図はSn含有量と外径寸法収縮率
および同収縮率の標準偏差との関係を示すグラフ図、第
3図はP含有量と成形体密度および焼結体密度との関係
を示すグラフ図、第4図はP含有量と外径寸法収縮率お
よび同収縮率の標準偏差との関係を示すグラフ図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】鉄粉粒子表面にFe-P合金粉およびSn粉が拡
散結合された複合鉄粉であって、化学組成が重量%で、
P:0.3〜1.0% Sn:1〜4% 残部実質的にFe であることを特徴とする軟磁性焼結材用複合鉄粉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61189233A JPH0680161B2 (ja) | 1986-08-11 | 1986-08-11 | 軟磁性焼結材用複合鉄粉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61189233A JPH0680161B2 (ja) | 1986-08-11 | 1986-08-11 | 軟磁性焼結材用複合鉄粉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6345303A JPS6345303A (ja) | 1988-02-26 |
JPH0680161B2 true JPH0680161B2 (ja) | 1994-10-12 |
Family
ID=16237827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61189233A Expired - Lifetime JPH0680161B2 (ja) | 1986-08-11 | 1986-08-11 | 軟磁性焼結材用複合鉄粉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0680161B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SE9102442D0 (sv) * | 1991-08-26 | 1991-08-26 | Hoeganaes Ab | Pulvermetallurgisk komposition med goda mjukmagnetiska egenskaper |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57123955A (en) * | 1981-01-26 | 1982-08-02 | Mitsubishi Metal Corp | Free graphite dispersion type sintered sliding iron material and its manufacture |
-
1986
- 1986-08-11 JP JP61189233A patent/JPH0680161B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57123955A (en) * | 1981-01-26 | 1982-08-02 | Mitsubishi Metal Corp | Free graphite dispersion type sintered sliding iron material and its manufacture |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6345303A (ja) | 1988-02-26 |
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