JP3147521B2 - 異方性磁石の製造方法 - Google Patents

異方性磁石の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は異方性磁石の製造方法に
係り、特に母粒子と該母粒子の周囲を覆う子粒子とから
なるカプセル粒子を使用した異方性磁石の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、異方性磁石は、所要の原料粉を混
合し、これを所定の型内に充填して加圧し所望の形状に
圧粉成形した後、この成形体を真空又はAr等の不活性
ガス雰囲気に置換した焼結炉内で上記原料粉の融点以下
の温度で焼成固化することにより製造していた。そし
て、上記圧粉成形時には、圧力分布を均一化し、成形性
を向上させるため、原料粉にステアリン酸等の滑材及び
ワックス等の滑材・バインダ材を混入していた。
【0003】また、ホットプレス法により上記圧粉成形
と焼結との工程を同時に行って熱間成形を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の異方
性磁石の製造方法にあっては、上記圧粉成形時に、原料
粉に滑材及びバインダ材を混入していたので、これらの
樹脂分を所定の温度で処理・除去しなければならなかっ
た。そのため、製造時間が掛かり、収縮率の形状効果に
より所望の形状が得られず、その形状修正のための後加
工を要するという問題があった。
【0005】また、上記ホットプレス法を用いた場合、
金型を使用すると、焼結温度によって金型と原料粉とが
反応接合していわゆる焼付きを生じるため、離型性が劣
るという問題があった。
【0006】また、離型性を向上させるべくカーボン型
を使用しても、焼結体の表面が炭化するという問題があ
った。
【0007】本発明の目的は、上記課題に鑑み、形状修
正のための後加工が不要であり、離型性を向上させるこ
とができ、且つ焼結体の表面炭化を防止することができ
る異方性磁石の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明に係る異方性磁石の製造方法は、母粒子と該母粒子
の周囲を覆う子粒子とからなるカプセル粒子を、成形型
内で放電焼結法により成形固化する異方性磁石の製造方
法において、上記カプセル粒子の母粒子としてアモルフ
ァスを含む希土類磁性合金粉を用いると共に、上記子粒
子として非磁性酸化物粉であるCuO粉を用い、上記放
電焼結法による成形固化時に、上記子粒子のCuOを還
元させてCu金属質と発生ガスを生成させ、この発生ガ
スとCu金属質により上記各母粒子間の滑性を高めると
共に、滑性作用により成形固化の均一性を高めるように
したものである。また、上記Cu金属質をCu又はCu
2 O、上記発生ガスを酸素の単原子分子としたものであ
る。
【0009】
【作用】上記構成によれば、アモルファスを含む希土類
磁性合金粉を母粒子とし、非磁性酸化物粉であるCuO
を子粒子とするカプセル粒子を使用している。従っ
て、カプセル粒子の放電焼結法による成形固化時に、非
磁性酸化物(CuO)の還元によるCu金属質の生成を
利用して、粒子(希土類磁性合金粉体)間の滑性を高
められる。また、この発生ガスの滑性作用を利用した
形固化時のずれ応力により、粒内の再結晶速度を高めら
れると共に、成形固化の均一性も高められるものであ
る。
【0010】一方、CuO及びCu金属質の金属成分で
あるCuは、加圧による粒界拡散によって成形型の内側
で焼結体を覆い込むような状態で存在することになる。
このCuを含んだ膜は希土類磁性合金粉と成形型との反
応を抑制し、成形型からの離型性を向上させるものであ
る。
【0011】また、上記酸化物を非磁性とするのは、該
酸化物は母粒子たる磁性粉の周囲に子粒子として介在す
るので、磁性を有するものを使用すると、磁性粉の周囲
でN−S回路が閉じた状態となり、磁石機能が低下する
からである。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る異方性磁石の製造方法の
好適一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
【0013】図1乃至図5は、本実施例の異方性磁石の
製造方法を示す概略図である。まず図1に示すように、
原料粉1の計量を行う。原料粉1には、希土類磁性合金
粉と非磁性酸化物粉とを使用する。希土類磁性合金粉に
は、例えば、非晶質磁性材料に単ロール急冷法を用いて
製造された急冷凝固系Nd−Fe−B磁性粉を用いる。
この急冷凝固系磁性粉には、アモルファス磁性粉も含む
ものである。このアモルファスも含むとは、急冷凝固系
合金の微結晶はその列的規則性が急冷によって準安定に
なっているので、材料組成によって非晶質になっている
ものも含む趣旨である。具体的には、ネオケムNdメタ
ルに、ネオジウム(Nd),鉄(Fe)及びボロン
(B)の合金を混合し、この混合物をジェットキャスト
したものを粉砕して粉末化した後、これに所定の熱処理
を施して製造される。
【0014】一方、非磁性酸化物粉にはCuOを使用
し、上記希土類磁性合金粉に対して0.01〜1.0重
量%の割合で添加する。
【0015】次に、図2に示すように、計量した希土類
磁性合金粉とCuO粉との混合を行う。この混合工程
は、例えば、乳鉢2,ボールミル,又は他の機械的混合
機を用いて行う。原料粉1の混合を行うと、図3に示す
ように、上記希土類磁性合金粉を母粒子3とし、CuO
粉を子粒子4とするカプセル粒子5が形成される。この
カプセル状態とは、周知のファンデル・ワールス力によ
る付着作用を利用して、母粒子3の周囲を子粒子4で覆
うものである。このようにカプセル状態にするには、母
粒子3の直径に対して子粒子4の直径を、例えば、十分
の一から二十分の一程度に小さく設定することが望まし
い。
【0016】そして、図4に示すように、混合により形
成されたカプセル粒子5を成形型6内に充填する。この
成形型6の材質には、例えば、WC−Co合金等の金
属,カーボン及びサーメット等を使用する。
【0017】その後、図5に示すように、電源7から上
記成形型6に通電し、CuOの溶融点以下の温度で放電
焼結法により成形固化する。そして、離型すれば異方性
磁石としての焼結体8を得ることができるものである。
尚、本発明は、放電焼結法を用いているが、磁場プレス
は用いていない。
【0018】次に、上記実施例における作用を述べる。
【0019】上述したように、本実施例の異方性磁石の
製造方法は、アモルファスを含む希土類磁性合金粉を母
粒子3とし、非磁性酸化物粉であるCuO粉を子粒子4
とするカプセル粒子5を使用している。従って、カプセ
ル粒子5の放電焼結法による成形固化時に、非磁性酸化
(CuO)の還元によるCu金属質(Cu又はCu 2
O)の生成を利用して、粒子(希土類磁性合金粉体)
間の滑性を高められる。具体的には、CuO→Cu又は
CuO→Cu2 O等となる時の発生ガス(酸素の単原子
分子)による滑性作用を利用している。このように、C
u単体ではなく非磁性酸化物(CuO)を使用するの
次の理由による。すなわち、銅(Cu)は酸素(O
2 )に対して活性であるので、その表面は酸化してCu
O又はCu2 O化している場合が多い。しかし、この状
態でのCuは微粉末になりにくく、微粉末が得られたと
してもCu+O→CuOの酸化反応を起こすので、要望
する滑性作用を生じるガス分は得られないからである。
【0020】また、この発生ガスの滑性作用を利用した
成形固化時のずれ応力により、粒内の再結晶速度を高め
られると共に、成形固化の均一性を高められるものであ
る。
【0021】さらに、CuOの反応を詳述する。例え
ば、成形型6を置く雰囲気が大気中であるとすると、そ
の雰囲気はN2 ,O2 の比で構成される。ここで、温度
が上昇すれば、ボイルシャルルの法則により体積は膨脹
するので、積に対する各圧力(分圧)は下がる。
【0022】すると、2CuO→2Cu+O2 と反応し
たり、4CuO→2Cu2 O+O2と反応するところ
が、酸素分の発生がCuO→Cu+O又は2CuO→
Cu2O+Oと単原子分子化し易くなってしまう。この
分子が単原子分子化し易く不安定なところを利用してい
る。このためには、成形型6内のガス分圧必要以上に
ない、外部から成形型6内に流入するガス(N,
O,C)を防ぐだけで良い。
【0023】一方、CuO及びCu金属質の金属成分で
あるCuは、加圧による粒界拡散によって成形型6の内
側で焼結体8を覆い込むような状態で存在することにな
る。このCuを含んだ膜は希土類磁性合金粉と成形型6
との反応を抑制し、成形型6からの離型性を向上させる
ものである。
【0024】具体的には、離型性が向上する理由を次の
ように説明することができる。まず、放電時における微
少域のエネルギ密度を考えると、放電エネルギはエネル
ギ密度が高いけれども、電極質量とエネルギ密度とには
相関関係はない。すなわち、放電によるエネルギは、電
極材としての母粒子3の表面状態のみの因子となる。よ
って、母粒子3の粒界面のみでの反応となり、拡散は粒
界を主たる媒体として起こることになる。従って、母粒
子3と成形型6との間にもCu系の化合物(Cu,Cu
O,Cu2 O)が存在することになる。このように母粒
子3と成形型6との間にCu系の化合物が介在すると、
母粒子3と成形型6との間には放電(通電)がなく、エ
ネルギ密度の高い部分は発生しないので、各素成分で安
定した介在をすることになる。すなわち、成形型6側の
安定被膜も存在し、相互の拡散は非常に弱いものとなる
ので、成形型6として金属型を使用しても、容易に離型
することができるのである。そして、成形型6としてカ
ーボン型を使用しても、このCu膜によって焼結体8の
表面が炭化するのが防止されるものである。
【0025】尚、実測によると、800℃を固化温度と
しその他の条件を同一とした場合、従来は2000kg
/cm2 の離型圧力が必要であったが、本発明は200
kg/cm2 の圧力で離型することができた。
【0026】また、上記酸化物を非磁性とするのは、該
酸化物は母粒子3たる磁性粉の周囲に子粒子4として介
在するのであるから、磁性を有するものを使用すると、
磁性粉の周囲でN−S回路が閉じた状態となり、磁石機
能が低下するからである。これと同様に、CuO以外の
酸化物であっても、例えばFe3 4 ,Fe2 3 を使
用した場合、磁性を発生する素材になり易いので、あま
り使用できないことになる。
【0027】さらに、上記酸化物の溶融点を決定するに
は酸素分圧が十分あることが条件であり、今回のように
分圧の低い状態では、容易に結合状態を崩したり、又、
昇華分解する。これらのことは、定量性を考える上で非
常にパラメータが多く、数値化されていないのが実状で
ある。しかし、最近は超電導材(高温超電導材)の酸化
物系において、主として様々な測定がされており、これ
を参考に決定することができる。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る異方性
磁石の製造方法によれば、形状修正のための後加工が不
要であり、離型性を向上させることができ、且つ焼結体
の表面炭化を防止することができるという優れた効果を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異方性磁石の製造方法の一実施例
における原料粉計量工程を示す概略図である。
【図2】本発明に係る異方性磁石の製造方法の一実施例
における原料粉混合工程を示す概略図である。
【図3】本発明に係る異方性磁石の製造方法の一実施例
における母粒子と子粒子とのカプセル状態を示す概略図
である。
【図4】本発明に係る異方性磁石の製造方法の一実施例
における混合粉充填工程を示す概略図である。
【図5】本発明に係る異方性磁石の製造方法の一実施例
における成形固化工程を示す概略図である。
【符号の説明】 3 母粒子 4 子粒子 5 カプセル粒子 6 成形型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 裕一郎 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 加藤 雅之 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 奥村 英二 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (56)参考文献 特開 平3−208305(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 41/02 B22F 3/00 C22C 38/00 C22C 45/02 H01F 1/053

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母粒子と該母粒子の周囲を覆う子粒子と
    からなるカプセル粒子を、成形型内で放電焼結法により
    成形固化する異方性磁石の製造方法において、上記カプ
    セル粒子の母粒子としてアモルファスを含む希土類磁性
    合金粉を用いると共に、上記子粒子として非磁性酸化物
    であるCuO粉を用い、上記放電焼結法による成形固
    化時に、上記子粒子のCuOを還元させてCu金属質と
    発生ガスを生成させ、この発生ガスとCu金属質により
    上記各母粒子間の滑性を高めると共に、滑性作用により
    成形固化の均一性を高めるようにしたことを特徴とする
    異方性磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記Cu金属質がCu又はCu 2 Oであ
    り、上記発生ガスが酸素の単原子分子である請求項1に
    記載の異方性磁石の製造方法。
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