JP3275727B2 - 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製2層バルブシートの製造方法 - Google Patents

耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製2層バルブシートの製造方法

Info

Publication number
JP3275727B2
JP3275727B2 JP24630796A JP24630796A JP3275727B2 JP 3275727 B2 JP3275727 B2 JP 3275727B2 JP 24630796 A JP24630796 A JP 24630796A JP 24630796 A JP24630796 A JP 24630796A JP 3275727 B2 JP3275727 B2 JP 3275727B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
hard particles
layer
powder
based sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24630796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1088299A (ja
Inventor
孝司 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP24630796A priority Critical patent/JP3275727B2/ja
Publication of JPH1088299A publication Critical patent/JPH1088299A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3275727B2 publication Critical patent/JP3275727B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディーゼルエン
ジンやガソリンエンジンなどの内燃機関の構造部材であ
るFe基焼結合金製2層バルブシートの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のFe基焼結合金製2層
バルブシートとしては、例えば特開平5−140702
号公報に記載されるものなど多くのものが知られてお
り、これらがFe基焼結合金のバルブ当接層と、該バル
ブ当接層と一体焼結結合されたFe基焼結合金のバック
アップ層で構成されることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の内燃機関
の高出力化および大型化はめざましく、これに伴ない、
内燃機関の構造部材であるバルブシートは、より一段の
高温環境下での稼働を余儀なくされるが、上記の従来F
e基焼結合金製2層バルブシートはじめ、その他多くの
バルブシートをより一段の高温環境下で用いた場合、特
にバルブ当接層の摩耗進行が急激に促進されるようにな
り、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、特に高温環境にさらされても、
すぐれた耐摩耗性を発揮するFe基焼結合金製2層バル
ブシートを開発すべく研究を行なった結果、特にFe基
焼結合金製2層バルブシートのバルブ当接層を、 (a)素地形成用合金粉末として、重量%(質量%)で
[以下、%は組成に関する%は重量%(質量%)を示
す]、 C:0.2〜3%、 Ni:0.5〜7%、 Co:1〜12%、 Nb:0.05〜1.5
%、 を含有し、さらに、 Cr:0.3〜6%、 Mo:0.2〜6%、 W:0.5〜6%、 Si:0.1〜1%、 のうちの1種または2種以上、 を含有し、または含有せず、残りがFeと不可避不純物
からなる組成を有する合金鋼粉末、 (b)硬質粒子A形成用合金粉末として、 Mo:20〜35%、 Cr:5〜10%、 Si:1〜4%、 を含有し、残りがCoと不可避不純物からなる組成を有
するCo−Mo−Cr系合金からなるCo基合金粉末、 (c)硬質粒子B形成用合金粉末として、 C:0.5〜3%、 W:15〜30%、 Co:15〜30%、 Fe:5〜15%、 Nb:0.2〜2%、 Si:0.2〜2%、 を含有し、残りがCrと不可避不純物からなる組成を有
するCr−W−Co−Fe系合金からなるCr基合金粉
末、 以上(a)〜(c)粉末を原料粉末として用いることに
より形成した、 C:0.5〜2%、 Si:0.05〜1%、 Co:8〜16%、 Cr:2〜8%、 Mo:1.5〜6%、 W:1.5〜6%、 Ni:0.5〜2%、 Nb:0.05〜1%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる全体組
成、合金鋼の素地に、Co−Mo−Cr系合金からなる
Co基合金硬質粒子Aと、Cr−W−Co−Fe系合金
からなるCr基合金硬質粒子Bとが、光学顕微鏡組織写
真で観察して、合量で6〜26面積%の割合で分散分布
し、かつ前記硬質粒子Aの割合が硬質粒子に占める割合
で25〜75面積%である組織、および5〜25%の気
孔率、を有するFe基焼結合金で構成すると、この結果
製造されたFe基焼結合金製2層バルブシートにおいて
は、上記バルブ当接層を構成する上記硬質粒子Aが高温
耐摩耗性にすぐれていることから、これによってより高
温下での使用に際してもすぐれた耐摩耗性が確保され、
また上記硬質粒子Bはすぐれた常温耐摩耗性をもつこと
から、これによって特に内燃機関の初期稼動時および低
速運転時における耐摩耗性が確保され、全体的にすぐれ
た耐摩耗性を長期に亘って発揮するようになり、またこ
れに銅または銅合金を溶浸させると熱伝導性および強度
が向上し、さらに鉛または鉛合金を溶浸させると潤滑
性、制振性、および被削性が向上するようになるという
研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、Fe基焼結合金のバルブ当接層
と、これと一体焼結結合されたFe基焼結合金のバック
アップ層で構成されたFe基焼結合金製2層バルブシー
トを製造する方法において、 (a)素地形成用合金粉末として、 C:0.2〜3%、 Ni:0.5〜7%、 Co:1〜12%、 Nb:0.05〜1.5
%、 を含有し、さらに、 Cr:0.3〜6%、 Mo:0.2〜6%、 W:0.5〜6%、 Si:0.1〜1%、 のうちの1種または2種以上、を含有し、または含有せ
ず、残りがFeと不可避不純物からなる組成を有する合
金鋼粉末、 (b)硬質粒子A形成用合金粉末として、 Mo:20〜35%、 Cr:5〜10%、 Si:1〜4%、 を含有し、残りがCoと不可避不純物からなる組成を有
するCo−Mo−Cr系合金からなるCo基合金粉末、 (c)硬質粒子B形成用合金粉末として、 C:0.5〜3%、 W:15〜30%、 Co:15〜30%、 Fe:5〜15%、 Nb:0.2〜2%、 Si:0.2〜2%、 を含有し、残りがCrと不可避不純物からなる組成を有
するCr−W−Co−Fe系合金からなるCr基合金粉
末、以上(a)〜(c)粉末を原料粉末として用い、 C:0.5〜2%、 Si:0.05〜1%、 Co:8〜16%、 Cr:2〜8%、 Mo:1.5〜6%、 W:1.5〜6%、 Ni:0.5〜2%、 Nb:0.05〜1%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる全体組
成、素地中に、Co−Mo−Cr系合金からなる高温耐
摩耗性Co基合金硬質粒子Aと、Cr−W−Co−Fe
系合金からなる常温耐摩耗性Cr基合金硬質粒子Bと
が、光学顕微鏡組織写真で観察して、合量で6〜26面
積%の割合で分散分布し、かつ前記硬質粒子Aの割合が
硬質粒子に占める割合で25〜75面積%である組織、
および5〜25%の気孔率、を有するFe基焼結合金か
らなり、さらに必要に応じてこれに銅または銅合金、あ
るいは鉛または鉛合金が溶浸されたバルブ当接層を形成
することを特徴とする耐摩耗性のすぐれFe基焼結合金
製2層バルブシートの製造方法に特徴を有するものであ
る。
【0006】なお、この発明の2層バルブシートは、バ
ルブ当接層形成に、上記の通りの組成をもった、素地形
成用合金鋼粉末、硬質粒子A形成用Co基合金粉末、お
よび硬質粒子B形成用Cr基合金粉末を原料粉末として
用い、これら原料粉末を所定の割合に配合し、以下通常
の条件で、混合してバルブ当接層形成用混合粉末とし、
これと別途用意したバックアップ層形成用混合粉末と共
に、所定の形状にプレス成形し、焼結し、さらに必要に
応じて銅または銅合金、あるいは鉛または鉛合金を溶浸
することによって製造される。
【0007】つぎに、この発明の方法によって製造され
た2層バルブシートのバルブ当接層において、これを構
成するFe基焼結合金の全体組成、硬質粒子の割合、お
よび気孔率を上記の通りに限定した理由を説明する。 (A) 成分組成 (a) C C成分には、素地に固溶して、これを強化するほか、素
地に分散する炭化物を形成して素地の耐摩耗性を向上さ
せ、さらに硬質粒子A,Bのそれぞれに含有して耐摩耗
性を向上させる作用があるが、その含有量が0.5%未
満では前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その
含有量が2%を越えると、相手攻撃性が急激に増大する
ようになることから、その含有量を0.5〜2%、望ま
しくは0.8〜1.5%と定めた。
【0008】(b) Si Si成分は、主に硬質粒子A,Bに含有して、硬質の金
属間化合物を形成し、これの耐摩耗性向上に寄与する
が、その含有量が0.05%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が1%を越えると硬質
粒子B自体が脆化し、耐摩耗性低下の原因となることか
ら、その含有量を0.05〜1%、望ましくは0.2〜
0.7%と定めた。
【0009】(c) Co Co成分には、素地にあっては、これを固溶強化し、ま
た硬質粒子Aではこれの高温耐摩耗性向上に寄与し、か
つ硬質粒子Bにおいては、これを固溶強化する作用があ
るが、その含有量が8%未満では前記作用に所望の効果
が得られず、一方その含有量が16%を越えると、バル
ブ当接層自体の耐摩耗性が低下するようになることか
ら、その含有量を8〜16%、望ましくは10〜14%
と定めた。
【0010】(d) Cr Cr成分には、素地にあってはこれを固溶強化し、また
硬質粒子Bでは、主成分として含有して炭化物および金
属間化合物を形成して常温耐摩耗性を向上させ、さらに
硬質粒子Aでは同じく炭化物および金属間化合物を形成
し、Coとの共存で高温耐摩耗性向上に寄与する作用が
あるが、その含有量が2%未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方その含有量が8%を越えると焼結性
が低下し、バルブ当接層に所望の強度を確保することが
できなくなることから、その含有量を2〜8%、望まし
くは4〜6%と定めた。
【0011】(e) Mo Mo成分には、素地においては、これを固溶強化し、か
つ硬質粒子Bには実質的に含有せず、主体が硬質粒子A
に含有して炭化物を形成し、主成分であるCoとの共存
において高温耐摩耗性を向上させる作用があるが、その
含有量が1.5%未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方その含有量が6%を越えると相手攻撃性が増
大するようになることから、その含有量を1.5〜6
%、望ましくは2〜4%と定めた。
【0012】(f) W W成分には、主として硬質粒子Bに含有して炭化物およ
び金属間化合物を形成し、もって常温耐摩耗性の向上に
寄与するが、その含有量が1.5%未満では前記作用に
所望の効果が得られず、一方その含有量が6%を越える
と相手攻撃性が増すようになることから、その含有量を
1.5〜6%、望ましくは2〜4%と定めた。
【0013】(g) Ni Ni成分には、素地および硬質粒子A,Bのいずれにも
固溶して、これを強化する作用があるが、その含有量が
0.5%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一
方その含有量が2%を越えると耐摩耗性が低下するよう
になることから、その含有量を0.5〜2%、望ましく
は0.8〜1.5%と定めた。
【0014】(h) Nb Nb成分は、主に硬質粒子Bに含有して炭化物を形成
し、常温耐摩耗性向上に寄与する作用をもつが、その含
有量が0.05%未満では前記作用に所望の効果が得ら
れず、一方その含有量が1%を越えると相手攻撃性が増
すようになることから、その含有量を0.05〜1%、
望ましくは0.2〜0.7%と定めた。
【0015】(B) 硬質粒子の割合 上記の通り、バルブ当接層は、それぞれの硬質粒子A,
Bによってすぐれた高温耐摩耗性と常温耐摩耗性をもつ
ようになり、したがって硬質粒子に占める割合で、硬質
粒子Aの割合が25面積%未満では所望の高温耐摩耗性
を確保することができず、一方その割合が75面積%を
越えると相対的に硬質粒子Bの割合が少なくなりすぎて
所望の常温耐摩耗性を確保することができなくなること
から、硬質粒子Aの割合を25〜75面積%、望ましく
は40〜60容量%と定めた。また、硬質粒子の全体割
合が6面積%未満では所望の耐摩耗性を確保することが
できず、一方その全体割合が26面積%を越えると相手
攻撃性が急激に増大するばかりでなく、強度も低下する
ようになることから、その全体割合を6〜26面積%、
望ましくは10〜20面積%と定めた。
【0016】(C) 気孔率 10%未満の気孔率では保油効果による潤滑性向上効果
が期待できないばかりでなく、銅および銅合金や鉛およ
び鉛合金の溶浸が不均一になって、これら溶浸による効
果を十分に発揮させることができず、一方気孔率が25
%を越えると強度および耐摩耗性の低下が避けられない
ことから、気孔率を5〜25%、望ましくは10〜20
%と定めた。
【0017】また、この発明の2層バルブシートのバッ
クアップ層は、上記のバルブ当接層と強固に一体焼結結
合し、かつすぐれた高温強度を有するFe基焼結合金、
すなわち上記の特開平5−140702号公報に記載さ
れる2層バルブシートのバックアップ層を構成するFe
基焼結合金と同じFe基焼結合金、さらに詳述すれば 、 C:0.3〜1.2%、 Cr:1.2〜3.5
%、 Mo:0.1〜1%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成、並
びに5〜25%の気孔率、を有するFe基焼結合金で構
成するのが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の2層バルブシ
ートの製造方法を実施例により具体的に説明する。ま
ず、バルブ当接層形成用原料粉末として、それぞれ表1
〜3に示される平均粒径および成分組成をもった素地形
成用合金粉末M−1〜M−13、硬質粒子A形成用合金
粉末A−1〜A−6、および硬質粒子B形成用合金粉末
B−1〜B−13を用意し、これらを表4に示される組
合せで所定の割合に配合し、またバックアップ層形成用
原料粉末として、いずれも−100meshの粒度を有する
Fe粉末、Fe−Cr合金(Cr:75%含有)粉末、
Mo粉末、および黒鉛粉末を用意し、これらを表5に示
される配合組成に配合し、いずれもステアリン酸亜鉛:
1%を加えてミキサーにて30分間混合して、バルブ当
接層形成用混合粉末a〜qおよびバックアップ層形成用
混合粉末ア〜キを調製し、これを表6〜9に示される組
合せでバルブ当接層とバックアップ層の相対割合が重量
比で4:6となる割合に金型内に装入し、5〜7ton /
cm2 の範囲内の所定の圧力で圧粉体にプレス成形し、こ
の圧粉体を500℃に30分間保持して脱脂し、アンモ
ニア分解ガス雰囲気中、1180〜1250℃の範囲内
の所定温度に1時間保持の条件で焼結して、バルブ当接
層が表6〜9に示される全体組成および硬質粒子の割合
(100倍の光学顕微鏡組織写真にもとづいて画像解析
装置にて測定)を示し、バックアップ層が表5の配合組
成と実質的に同じ成分組成を有し、かつ同じく表7,9
に示される気孔率を有するFe基焼結合金で構成され、
寸法が外径:34mm×最小内径:27mm×厚さ:7.2
mmの本発明2層バルブシート1〜13および比較2層バ
ルブシート1〜4をそれぞれ製造した。なお、上記比較
2層バルブシート1〜4は、これを構成するバルブ当接
層における硬質粒子の割合がこの発明の範囲から外れ、
これによって全体組成もこの発明の組成範囲から外れる
ようになったものである。
【0019】さらに、上記本発明2層バルブシート1〜
13および比較2層バルブシート1〜4を本体とし、こ
れのそれぞれの上面に、純銅、Cu−3%Co合金(以
下、Cu合金1という)またはCu−3%Fe−2%M
n−2%Zn合金(以下、Cu合金2という)の溶浸材
を表10に示される組合せで載置し、この状態でメタン
変成ガス雰囲気中、温度:1100℃に15分間保持の
条件で銅または銅合金の溶浸処理を施すことにより本発
明銅溶浸2層バルブシート1〜13および比較銅溶浸2
層バルブシート1〜4をそれぞれ製造した。また、同じ
く上記本発明2層バルブシート1〜13および比較2層
バルブシート1〜4を本体とし、これに表11に示され
る組合せで、純鉛、Pb−4%Sb合金(以下、合金a
という)、またはPb−5%Sn合金(以下、合金bと
いう)の溶浸材の加熱浴中に、窒素雰囲気中、浴表面に
8kg/cm2 の圧力を付加した状態で1時間浸漬の条件で
鉛または鉛合金の溶浸処理を施すことにより本発明鉛溶
浸2層バルブシート1〜13および比較鉛溶浸2層バル
ブシート1〜4をそれぞれ製造した。
【0020】つぎに、この結果得られた各種の2層バル
ブシートについて、バルブシート台上摩耗試験機を用
い、 バルブの材質:SUH−3、 バルブの加熱温度:800℃、 バルブの着座回数:3000回/min 、 雰囲気:0.4kg/cm2 の圧力のプロパンガスと、流
量:1.5l/min の酸素ガスによる燃焼ガス、 バルブシートの加熱温度(水冷):300〜400℃、 着座荷重:25kg、 試験時間:2時間の連続運転と10分間の停止を1サイ
クルとして20サイクル、 の条件で摩耗試験を行ない、バルブシートのバルブ当接
層における最大摩耗深さと相手材であるバルブの最大摩
耗深さを測定した。これらの測定結果を表9〜11に示
した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】
【表8】
【0029】
【表9】
【0030】
【表10】
【0031】
【表11】
【0032】
【発明の効果】表6〜11に示される結果から、本発明
2層バルブシート1〜13、本発明銅溶浸2層バルブシ
ート1〜13、および本発明鉛溶浸2層バルブシート1
〜13は、いずれも低い相手攻撃性で、かつ高温運転条
件下ですぐれた耐摩耗性を示すのに対して、比較2層バ
ルブシート1〜4、比較銅溶浸2層バルブシート1〜
4、および比較鉛溶浸2層バルブシート1〜4に見られ
るように、バルブ当接層を構成するFe基焼結合金の硬
質粒子の割合がこの発明の範囲から外れると、耐摩耗性
が低下したり、相手攻撃性が増したりすることが明らか
である。上述のように、この発明の方法により製造され
た2層バルブシートは、特にバルブ当接層が硬質粒子
A,Bを含有することによって高温および常温耐摩耗性
が著しく向上したFe基焼結合金で構成されているの
で、これを高温運転の内燃機関に用いてもすぐれた耐摩
耗性を長期に亘って発揮するのである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−225008(JP,A) 特開 平6−330261(JP,A) 特開 平5−140702(JP,A) 特開 平6−271998(JP,A) 特開 平4−358046(JP,A) 特開 平8−134607(JP,A) 特開 平5−202451(JP,A) 特開 平2−163350(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 304 C22C 33/02 C22C 38/52 F01L 3/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe基焼結合金のバルブ当接層と、これ
    と一体焼結結合されたFe基焼結合金のバックアップ層
    で構成されたFe基焼結合金製2層バルブシートを製造
    する方法において、 (a)素地形成用合金粉末として、重量%(質量%)
    で、 C:0.2〜3%、 Ni:0.5〜7%、 Co:1〜12%、 Nb:0.05〜1.5
    %、 を含有し、さらに、 Cr:0.3〜6%、 Mo:0.2〜6%、 W:0.5〜6%、 Si:0.1〜1%、 のうちの1種または2種以上、 を含有し、または含有せず、残りがFeと不可避不純物
    からなる組成を有する合金鋼粉末、 (b)硬質粒子A形成用合金粉末として、重量%(質量
    %)で、 Mo:20〜35%、 Cr:5〜10%、 Si:1〜4%、 を含有し、残りがCoと不可避不純物からなる組成を有
    するCo−Mo−Cr系合金からなるCo基合金粉末、 (c)硬質粒子B形成用合金粉末として、重量%(質量
    %)で、 C:0.5〜3%、 W:15〜30%、 Co:15〜30%、 Fe:5〜15%、 Nb:0.2〜2%、 Si:0.2〜2%、 を含有し、残りがCrと不可避不純物からなる組成を有
    するCr−W−Co−Fe系合金からなるCr基合金粉
    末、 以上(a)〜(c)粉末を原料粉末として用い、同じく
    重量%(質量%)で、 C:0.5〜2%、 Si:0.05〜1%、 Co:8〜16%、 Cr:2〜8%、 Mo:1.5〜6%、 W:1.5〜6%、 Ni:0.5〜2%、 Nb:0.05〜1%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる全体組
    成、 合金鋼の素地に、Co−Mo−Cr系合金からなる高温
    耐摩耗性Co基合金硬質粒子Aと、Cr−W−Co−F
    e系合金からなる常温耐摩耗性Cr基合金硬質粒子Bと
    が、光学顕微鏡組織写真で観察して、合量で6〜26面
    積%の割合で分散分布し、かつ前記硬質粒子Aの割合が
    硬質粒子に占める割合で25〜75面積%である組織、 および5〜25%の気孔率、 を有するFe基焼結合金で構成されたバルブ当接層を形
    成することを特徴とする耐摩耗性のすぐれたFe基焼結
    合金製2層バルブシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 Fe基焼結合金のバルブ当接層と、これ
    と一体焼結結合されたFe基焼結合金のバックアップ層
    で構成されたFe基焼結合金製2層バルブシートを製造
    する方法において、 (a)素地形成用合金粉末として、重量%(質量%)
    で、 C:0.2〜3%、 Ni:0.5〜7%、 Co:1〜12%、 Nb:0.05〜1.5
    %、 を含有し、さらに、 Cr:0.3〜6%、 Mo:0.2〜6%、 W:0.5〜6%、 Si:0.1〜1%、 のうちの1種または2種以上、 を含有し、または含有せず、残りがFeと不可避不純物
    からなる組成を有する合金鋼粉末、 (b)硬質粒子A形成用合金粉末として、重量%(質量
    %)で、 Mo:20〜35%、 Cr:5〜10%、 Si:1〜4%、 を含有し、残りがCoと不可避不純物からなる組成を有
    するCo−Mo−Cr系合金からなるCo基合金粉末、 (c)硬質粒子B形成用合金粉末として、重量%(質量
    %)で、 C:0.5〜3%、 W:15〜30%、 Co:15〜30%、 Fe:5〜15%、 Nb:0.2〜2%、 Si:0.2〜2%、 を含有し、残りがCrと不可避不純物からなる組成を有
    するCr−W−Co−Fe系合金からなるCr基合金粉
    末、 以上(a)〜(c)粉末を原料粉末として用い、同じく
    重量%(質量%)で、 C:0.5〜2%、 Si:0.05〜1%、 Co:8〜16%、 Cr:2〜8%、 Mo:1.5〜6%、 W:1.5〜6%、 Ni:0.5〜2%、 Nb:0.05〜1%、 を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる全体組
    成、 合金鋼の素地に、Co−Mo−Cr系合金からなる高温
    耐摩耗性Co基合金硬質粒子Aと、Cr−W−Co−F
    e系合金からなる常温耐摩耗性Cr基合金硬質粒子Bと
    が、光学顕微鏡組織写真で観察して、合量で6〜26面
    積%の割合で分散分布し、かつ前記硬質粒子Aの割合が
    硬質粒子に占める割合で25〜75面積%である組織、 および5〜25%の気孔率、 を有するFe基焼結合金からなり、かつ前記Fe基焼結
    合金に銅または銅合金、あるいは鉛または鉛合金を溶浸
    してなるバルブ当接層を形成することを特徴とする耐摩
    耗性のすぐれたFe基焼結合金製2層バルブシートの製
    造方法。
JP24630796A 1996-09-18 1996-09-18 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製2層バルブシートの製造方法 Expired - Fee Related JP3275727B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24630796A JP3275727B2 (ja) 1996-09-18 1996-09-18 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製2層バルブシートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24630796A JP3275727B2 (ja) 1996-09-18 1996-09-18 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製2層バルブシートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1088299A JPH1088299A (ja) 1998-04-07
JP3275727B2 true JP3275727B2 (ja) 2002-04-22

Family

ID=17146613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24630796A Expired - Fee Related JP3275727B2 (ja) 1996-09-18 1996-09-18 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製2層バルブシートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3275727B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020044868A (ko) * 2000-12-07 2002-06-19 이계안 이층 재질로 이루어진 밸브시트 조성물
KR20020082056A (ko) * 2001-04-23 2002-10-30 현대자동차주식회사 고성능의 배기밸브시트 소결합금
JP5121276B2 (ja) * 2007-03-30 2013-01-16 株式会社クボタ 高速度鋼系合金複合製品

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1088299A (ja) 1998-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3312585B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシート
JP3786267B2 (ja) 高面圧付加条件下ですぐれた耐摩耗性を発揮するFe基焼結合金製バルブシートの製造方法
JPH03158445A (ja) 耐摩耗性に優れたFe基焼結合金製バルブシート
JP2000297356A (ja) 高温耐摩耗性焼結合金
JP3275727B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製2層バルブシートの製造方法
JP3340908B2 (ja) 焼結摺動部材及びその製造方法
JP3275729B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシートの製造方法
JPH10102220A (ja) 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシート
JPS5938350A (ja) 摩擦部材および摺動部材用焼結Al合金
JP3331926B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製2層バルブシートの製造方法
JP3331927B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシートの製造方法
JP3331928B2 (ja) 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシートの製造方法
JP2643740B2 (ja) 内燃機関用銅溶浸鉄系焼結合金製2層バルブシート
JP2705376B2 (ja) 高強度高靭性を有するFe基焼結合金製バルブシート
JP2643680B2 (ja) 内燃機関用金属充填焼結合金製バルブシート
JPS58224154A (ja) 内燃機関の弁座用Fe基焼結合金
JPH11209855A (ja) 高面圧付加条件下ですぐれた耐摩耗性を発揮するFe基焼結合金製バルブシート
JP2643741B2 (ja) 内燃機関用鉛含浸鉄系焼結合金製2層バルブシート
JPH0543998A (ja) 相手攻撃性のきわめて低い金属充填Fe基焼結合金製バルブシート
JP2643739B2 (ja) 内燃機関用鉄系焼結合金製2層バルブシート
JP3331963B2 (ja) 焼結バルブシートおよびその製造方法
JP2643742B2 (ja) 内燃機関用鉛含浸鉄系焼結合金製2層バルブシート
JPH06145720A (ja) 内燃機関用銅溶浸鉄系焼結合金製2層バルブシート
JPH0860287A (ja) 耐摩耗性のすぐれたFe基焼結合金製バルブシートの製造法
JPH06101428A (ja) 内燃機関用銅溶浸鉄系焼結合金製バルブシート

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020108

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090208

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100208

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110208

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120208

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees