JP2000297356A - 高温耐摩耗性焼結合金 - Google Patents
高温耐摩耗性焼結合金Info
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Abstract
性をさらに向上させるとともに、被削性をもより一層改
良した高温耐摩耗性焼結合金を提供する。 【解決手段】W、V、Cr、Si、Mn、S、Cが特定
されたFe基合金において、かつ、W、V、Cr、S
i、Mn、S、Cが特定された0.3〜1.6%のMn
S粒子とWを主とする炭化物が分散する第1基材相と、
又W、V、Cr、Si、Mn、S、Cが特定された0.
3〜1.6%のMnS粒子とWを主とする炭化物が分散
するとともに、粒径が1μm以上のWCが面積比で、1
0〜20%相中に分散する第2基材相とからなり、前記
第1基材相と前記第2基材相からなる基地に対して前記
第1基材相が占める割合が20〜80%であり、これら
2つの相が斑状に分布するとともに、粒界または気孔中
にさらにMnS粒子が0.3〜1.6%分散する組織を
呈する高温耐摩耗性焼結合金。
Description
れるバルブシート等に好適な高温での耐摩耗性に優れた
鉄系焼結合金に関する。
−55593号公報や、特開平7−233454号公報
等で開示された高Co系の材料や、特開平5−9667
号公報や特公平1−51539号公報等で開示された
W,Mo,V,Nb,Ti,Ta等の微細炭化物を基材
中に分散させて耐摩耗性を向上させた材料をはじめ、多
くの材料が知られている。
関の高性能化、バルブシートにおける高温耐摩耗性、有
鉛・無鉛ガソリン対応に伴う耐食性向上および被削性向
上の要求がさらに高まる状況下において、上記従来材で
ある高Co系の材料では経済的に不利であり、また、微
細炭化物が基地中に分散した材料では炭化物の種類およ
び炭化物の量が最適であるとは言えず、自己耐摩耗性と
相手攻撃性の両立が困難であり、要求特性を十分満足す
ることができないと言う問題点があった。
851号において、全体組成が、重量比で、W:3〜1
3.4%、V:0.4〜5.6%、Cr:0.2〜5.
6%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜0.6
%、C:0.6〜2.2%、残部:Feおよび不可避不
純物からなる成分を有し、かつ、W:3〜7%、Cr:
1%以下、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.1〜
0.6%、C:2.2%以下、残部:Feおよび不可避
不純物からなる第1基材相に対し、W:3〜15%、
V:2〜7%、Cr:1〜7%以下、Si:0.1〜
0.6%、Mn:0.1〜0.6%、C:2.2%以
下、残部:Feおよび不可避不純物からなる第2基材相
が20〜80%を占めており、これら2つの相が斑状に
分布する組織を呈することを主たる特徴とする高温耐摩
耗性焼結合金を開示した。
で開示の焼結合金をベースに、相手攻撃性を小さく抑制
したまま自己耐摩耗性をさらに向上させるとともに、被
削性をもより一層改良して、要求特性をさらに満足する
高温耐摩耗性焼結合金を提供することを目的としてい
る。
性焼結合金は、前述の特開平10−310851号で開
示の焼結合金の金属組織を見直した結果、第1基材相と
第2基材相とに分散する炭化物の大きさ、量を適正なも
のにすることで相手攻撃性を抑制したまま自己耐摩耗性
を向上できることを見出すとともに、基地中もしくは粒
界または気孔中のいずれか一方のみしか分散させていな
かったMnS粒子を基地中および粒界または気孔中の両
方に分散させることで強度、耐摩耗性を損なわずに被削
性を向上させることが可能であることを見出したことに
よりなされたもので、具体的には次のようなものであ
る。
高温耐摩耗性焼結合金は、全体組成が、重量比で、W:
3.74〜13.36%、V:0.39〜5.58%、
Cr:0.2〜5.78%、Si:0.1〜0.6%、
Mn:0.39〜1.99%、S:0.21〜1.18
%、C:2.16%以下、残部:Feおよび不可避不純
物からなる成分を有し、かつ、成分組成が、W:3〜7
%、Cr:1%以下、Si:0.1〜0.6%、Mn:
0.2〜1%、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以
下、残部:Feおよび不可避不純物であって、0.3〜
1.6%のMnS粒子とWを主とする炭化物が分散する
第1基材相と、成分組成が、W:7〜15%、V:2〜
7%、Cr:1〜7%、Si:0.1〜0.6%、M
n:0.2〜1%、S:0.1〜0.6%、C:2.2
%以下、残部:Feおよび不可避不純物であって、0.
3〜1.6%のMnS粒子とWを主とする炭化物が分散
するとともに、粒径が1μm以上のW炭化物が、面積比
で、10〜20%相中に分散する第2基材相とからな
り、前記第1基材相と前記第2基材相からなる基地に対
して前記第1基材相が占める割合が20〜80%であ
り、これら2つの相が斑状に分布するとともに、粒界ま
たは気孔中にさらにMnS粒子が0.3〜1.6%分散
する組織を呈するものとしたことを特徴としている。
耐摩耗性焼結合金は、全体組成が、重量比で、W:3.
74〜13.36%、V:0.79〜5.88%、C
r:0.2〜5.78%、Si:0.1〜0.6%、M
n:0.39〜1.99%、S:0.21〜1.18
%、W:2.16%以下、残部:Feおよび不可避不純
物からなる成分を有し、かつ、成分組成が、W:3〜7
%、V:0.5〜1.5%、Cr:1%以下、Si:
0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1%、S:0.1〜
0.6%、C:2.2%以下、残部:Feおよび不可避
不純物であって、0.3〜1.6%のMnS粒子とWを
主とする炭化物が分散する第1基材相と、成分組成が、
W:7〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜7%、S
i:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1%、S:0.
1〜0.6%、C:2.2%以下、残部:Feおよび不
可避不純物であって、0.3〜1.6%のMnS粒子と
Wを主とする炭化物が分散するとともに、粒径が1μm
以上のW炭化物が、面積比で、10〜20%相中に分散
する第2基材相とからなり、前記第1基材相と前記第2
基材相からなる基地に対して前記第1基材相が占める割
合が20〜80%であり、これら2つの相が斑状に分布
するとともに、粒界または気孔中にさらにMnS粒子が
0.3〜1.6%分散する組織を呈するものとしたこと
を特徴としている。
4発明合金の高温耐摩耗性焼結合金は、上記2種の高温
耐摩耗性焼結合金のいずれかの気孔中に、さらに、アク
リル系樹脂や銅もしくは銅合金が充填されているものと
したことを特徴としている。
組成が、重量比で、W:3.74〜13.36%、V:
0.39〜5.58%、Cr:0.2〜5.78%、S
i:0.1〜0.6%、Mn:0.39〜1.99%、
S:0.21〜1.18%、C:2.16%以下、残
部:Feおよび不可避不純物からなる成分を有し、か
つ、成分組成が、W:3〜7%、Cr:1%以下、S
i:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1%、S:0.
1〜0.6%、C:2.2%以下、残部:Feおよび不
可避不純物であって、0.3〜1.6%のMnS粒子と
Wを主とする炭化物が分散する第1基材相と、成分組成
が、W:7〜15%、V:2〜7%、Cr:1〜7%、
Si:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1%、S:
0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部:Feおよ
び不可避不純物であって、0.3〜1.6%のMnS粒
子とWを主とする炭化物が分散するとともに、粒径が1
μm以上のW炭化物が、面積比で、10〜20%相中に
分散する第2基材相とからなり、前記第1基材相と前記
第2基材相からなる基地に対して前記第1基材相が20
〜80%を占めており、これら2つの相がより望ましく
は平均粒径20〜150μmの大きさで斑状に分布する
基地組織とするとともに、MnS粒子が基地組織中と粒
界または気孔中とにそれぞれ0.3〜1.6%ずつ分散
する組織を呈する高温耐摩耗性焼結合金であり、この高
温耐摩耗性焼結合金では、粒径が1μm以下の微細なW
を主とする炭化物が分散する第1基材相と、粒径が1μ
m以上のWの炭化物が、面積比で、第2基材相の10〜
20%分散するとともにさらに粒径が1μm以下の微細
なW炭化物と微細なV炭化物とが主体の炭化物が均一に
分散し、かつCrで基地を強化した第2基材相がより望
ましくは平均粒径20〜150μmの大きさで斑状に分
布する組織構成にすることで、相手材であるバルブへの
攻撃性を小さく抑制しながら、バルブシートの耐摩耗性
を向上させ、かつ被削性をも向上させることが可能とな
った。
第1基材相においては、第1基材相中のWの含有量が7
%を超えると、第1基材相に分散するW炭化物の量が多
くなって相手材であるバルブへの攻撃性が高まり、3%
を下回るとW炭化物の量が乏しく自己耐摩耗性が低下す
る。また、第1基材相中に分散するW炭化物の大きさが
1μmを超えると、相手攻撃性が高まる。
よいが、焼結時に第2基材相より拡散されて1%以下含
有してもよい。拡散によるCrの含有量が1%を超える
と、第1基材相が強化されて硬くなり、第2基材相との
硬さの差が小さくなって相手攻撃性が高まる。
第2基材相においては、第1基材相と同様に、第2基材
相中のWの含有量が15%を超えると第2基材相中に分
散するW炭化物の量が多くなって相手攻撃性が高まり、
7%を下回るとW炭化物の量が少なくなって摩耗性向上
の効果が乏しくなる。
も、全てのW炭化物が1μm未満であると自己耐摩耗性
が低下するとともに、粒径が1μm以上のW炭化物が面
積比で第2基材相中に占める割合が20%を超えると相
手攻撃性が高まり、10%を下回ると耐摩耗性改善の効
果が乏しくなる。
とWと同様に相手攻撃性が高まり、2%を下回ると耐摩
耗性が低下する。また、第2基材相中に分散するV炭化
物の大きさが1μmを超えると、相手攻撃性が高まる。
させることで基地の焼入れ性が改善されV炭化物を硬い
MC型炭化物として析出させることができるが、7%を
超えると相手攻撃性が高まり、1%を下回ると耐摩耗性
が低下する。
2基材相とで共通の元素で、どちらの場合も同じ作用効
果を有するので一括して説明する。
しているが、Siの含有量が0.6%を上回ると基地が
脆化して強度が低下し、0.1%を下回っても焼結性が
阻害されて強度が低下する。
に分散し被削性の改善に働くとともに、S量が少ない場
合に、余剰のMnは基地に固溶され基地強化に働く。基
地中に分散するMnS粒子量が1.6%すなわちMn量
で1%を超えると基地の強度が低下し、0.3%すなわ
ちMn量で0.2%を下回ると被削性改善の効果が乏し
い。また、基地に固溶されるMn量は0.1%以上で基
地強化に働くが、0.6%を超えると焼結性が阻害され
て強度が低下する。
散して被削性の改善に働くが、Mn量が少ない場合に余
剰のSはCrとともにCr硫化物粒子を形成し、MnS
粒子同様被削性の改善に働く。ただし、MnS粒子とC
r硫化物粒子とを比べた場合に、MnS粒子の方が被削
性改善の効果が大きいのでS量はMnS粒子を形成する
のに必要な量のみを添加することが好ましい。そして、
S量が0.6%(MnS粒子量で1.6%)を超えると
基地の強度が低下し、0.1%(MnS粒子量で0.3
%)を下回ると被削性改善の効果が乏しい。
の炭化物の構成とすることで、硬さの高い第2基材相
と、第2基材相に比較して軟質な第1基材相とが得ら
れ、硬さが斑状に分布することで相手攻撃性を低く抑制
したまま自己耐摩耗性を高めることが可能となるが、第
1基材相と第2基材相からなる基地に対する第1基材相
の割合が、基地の20%を下回ると第1基材相より硬い
第2基材相の量が増え、相手材であるバルブへの攻撃性
が高まり、80%を上回ると自己耐摩耗性が低下する。
前述の如く1.6%までが限度であるが、基地組織の外
すなわち粒界または気孔中に別にMnS粒子をさらに分
散させることで強度の低下を生じることなく被削性の改
善を図ることが可能となる。そして、粒界または気孔中
に分散するMnS粒子は1.6%(Mn量,S量でそれ
ぞれ1.01%,0.59%)を超えると粉末の圧縮性
を損なうとともに焼結の進行をも阻害して強度が低下
し、0.3%(Mn量,S量でそれぞれ0.19%,
0.11%)を下回ると被削性改善の効果が乏しい。
明合金の第1基材相にVを0.5〜1.5%含有させる
ことで耐食性をより一層向上させ、有鉛ガソリン使用環
境下においても良好な耐摩耗性の発揮を可能にしたもの
である。このとき、Vの含有量が0.5%を下回ると耐
食性が不足するため耐摩耗性が低下し、1.5%を上回
ると第1基材相中に析出するV炭化物の量が多くなるた
め相手攻撃性が高まる。
しくは第2発明合金の気孔中にアルクル系樹脂を含浸し
て充填したもので被削性をさらに向上させることが可能
となる。これは、気孔中になにもない場合の切削状態が
断続切削状態であり切削時の工具刃先に衝撃が繰り返し
与えられるのに対し、気孔中にアルクル樹脂が充填され
ることで、切削状態が断続切削から連続切削になり工具
刃先への衝撃が緩和されること、および、気孔中にアク
リル樹脂が存在することでアクリル樹脂の抵抗により、
気孔中になにもない場合に比べて切削時の塑性変形量が
小さくなり、その分ロスが少なくなることによると考え
られる。
しくは第2発明合金の気孔中に銅もしくは銅合金を溶浸
して充填したもので被削性をさらに向上させることが可
能となる。これは、前述のアクリル樹脂含浸の場合と同
様、切削状態が断続切削状態から連続切削状態になり工
具刃先への衝撃が緩和されること、および、切削時の気
孔の塑性変形量が小さくなり、その分ロスが少なくなる
ことに加えて、銅もしくは銅合金が熱伝導性に優れるた
め工具刃先の切削点で発生する切削熱を逃がし、熱のこ
もりを抑え刃先へのダメージを緩和することによる考え
られる。
は、比較的大きなW炭化物が分散する硬質な第2基材相
と、大きなW炭化物が分散せず第2基材相に比べて軟質
な第1基材相が斑状に分布することにより相手攻撃性を
小さく抑制したまま自己耐摩耗性を向上させ、基地中と
粒界もしくは気孔中との両方にMnS粒子が分散するこ
とで被削性をも改善でき、高温耐摩耗性焼結合金として
の要求特性をさらに満足することができるという著しく
優れた効果がもたらされる。
5%含有させ、全体組成中のVが0.79〜5.88%
であるものとすることによって、有鉛ガソリン使用の環
境下においても耐摩耗性をより一層向上することが可能
であるという著しく優れた効果がもたらされる。
脂や銅もしくは銅合金を含浸させて充填することによ
り、被削性のより一層の向上を実現することが可能であ
るという著しく優れた効果がもたらされる。
するが、本発明はこのような実施例のみに限定されない
ことはいうまでもない。
平10−310851号で開示の高温耐摩耗性焼結合金
の改良にあたり、改良を加えた部分について実施例およ
び比較例によりさらに具体的に説明する。
相形成用合金粉末は、平均粒径が20〜150μmのも
のであって、第1基材相形成用合金粉末としては表1に
示す成分組成の1A〜1Mの粉末を用い、第2基材相形
成用合金粉末としては表2に示す成分組成の2A〜2Q
の粉末を用いた。
粉末を表3の割合で配合するとともに成形潤滑剤として
ステアリン酸亜鉛を配合し、混合機にて30分間混合し
た後、6.5tonf/cm2の圧力で、φ40mm×
φ20mm×10mmのリング形状に成形し、分解アン
モニアガス雰囲気中で1180℃×30分間焼結して、
表4に示す全体組成の本発明に係わる発明例合金試料1
〜29およびいずれかの条件が本発明の範囲をはずれた
比較例合金試料1〜15の各焼結合金試料を得た。そし
て、それらの試料の一部については、焼結後の試料に銅
粉の圧粉体をのせ、分解アンモニアガス雰囲気中で14
0℃×30分間保持して気孔中に銅溶浸を行い、あるい
は、アクリル樹脂を真空含浸法で焼結合金の気孔中に含
浸した後100℃の湯中で硬化させてアクリル樹脂含浸
を施した。
に加工し、直列4気筒16バルブ、排気量1600cc
の実機エンジンの排気側に組み込むとともに、相手材と
なるバルブにSUH−36相当の材質でバルブフェース
部にステライト盛りしたものを用い、燃料として無鉛ガ
ソリンと有鉛ガソリンを用いて、6000rpmのエン
ジン回転数で400時間の連続運転を行った後、バルブ
シートおよびバルブの摩耗量を測定して耐摩耗性の評価
を行った。
グ形状試料50個を回転数525rpm,切削代0.5
mm,送り速度0.1mm/revの条件で切削工具と
して超硬チップを用いて乾式切削としたときの最大切削
抵抗値により評価した。
をオートグラフにてクロスヘッドスピード0.5mm/
分の条件で評価した。この結果を表5に示す。
(図1)]発明例合金1,2,12,28および29と
比較例合金1および2を比較して基地中に占める第1基
材相の割合の影響を調べると、第1基材相と第2基材相
とからなる基地に占める第1基材相の割合が20〜80
%の間で摩耗量が小さく安定するとともに、この範囲を
はずれると摩耗量が大きくなっており、この範囲で耐摩
耗性が良好なことが確認された。
2)]発明例合金3,4,12および23と比較例合金
3および4を比較して第2基材相中のW含有量の影響を
調査するとW含有量が7〜15重量%の範囲で摩耗量が
小さくなっており、この範囲で耐摩耗性が良好なことが
確認された。
占める割合の影響(図3)]発明例合金5,12および
22と比較例合金11,12および13を比較して1μ
m以上のW炭化物が第2基材相中に占める割合の影響を
調べると、1μm以上のW炭化物の量が10〜20%の
範囲で摩耗量が小さくなっており、耐摩耗性が良好なこ
とが確認された。
4,図5)]発明例合金6,7,12,19および20
と比較例合金5および6を比較することで第1基材相中
に分散するMnS量の変化が及ぼす影響を、また、発明
例合金8,9,12,17および18と比較例合金7お
よび8を比較することで第2基材相中に分散するMnS
量の変化が及ぼす影響を調べると、いずれの場合にもM
nS量が0.3重量%で被削性改善の効果が顕著にな
り、MnS量の増加にしたがい被削性は向上するが強度
は低下する傾向を示し、1.6重量%を超えると急激に
基地が脆化する結果耐摩耗性も低下することが確認され
た。
影響(図6)]発明例合金10,11,12,15およ
び16と比較例合金9および10を比較して粒界もしく
は気孔中に分散するMnS量の変化が及ぼす影響を調べ
ると、MnS量が0.3重量%で被削性改善の効果が顕
著になり、MnS量の増加にしたがい被削性は向上する
が強度は低下する傾向を示し、1.6重量%を超えると
急激に基地が脆化する結果耐摩耗性も低下することが確
認された。
合金12,16,18,20により第1基材相中に分散
するMnS量、第2基材相中に分散するMnS量、およ
び粒界もしくは気孔中に分散するMnS量の最大量がそ
れぞれ1.6重量%であることが確認されたが、それぞ
れを最大にした発明例合金21により耐摩耗性および強
度を低下させることなくより一層被削性を向上させるこ
とができることが確認された。
7)]発明例合金24〜27と比較例合金14および1
5を比較して第1基材相中のV含有量の影響を調べるこ
とでV含有量が0.5〜1.5重量%の範囲で有鉛ガソ
リン使用下において優れた耐摩耗性を示すことが確認さ
れた。
明例合金12および13を比較することで、Cu溶浸も
しくはアクリル樹脂含浸を施すことで耐摩耗性および強
度を低下させることなくより一層被削性を向上させるこ
とができることが確認された。
結果を例示するグラフである。
例示するグラフである。
割合の影響を調べた結果を例示するグラフである。
結果を例示するグラフである。
結果を例示するグラフである。
を調べた結果を例示するグラフである。
例示するグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 全体組成が、重量比で、W:3.74〜
13.36%、V:0.39〜5.58%、Cr:0.
2〜5.78%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.
39〜1.99%、S:0.21〜1.18%、C:
2.16%以下、残部:Feおよび不可避不純物からな
る成分を有し、 かつ、成分組成が、W:3〜7%、Cr:1%以下、S
i:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1%、S:0.
1〜0.6%、C:2.2%以下、残部:Feおよび不
可避不純物であって、0.3〜1.6%のMnS粒子と
Wを主とする炭化物が分散する第1基材相と、 成分組成が、W:7〜15%、V:2〜7%、Cr:1
〜7%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1
%、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部:
Feおよび不可避不純物であって、0.3〜1.6%の
MnS粒子とWを主とする炭化物が分散するとともに、
粒径が1μm以上のW炭化物が、面積比で、10〜20
%相中に分散する第2基材相とからなり、 前記第1基材相と前記第2基材相からなる基地に対して
前記第1基材相が占める割合が20〜80%であり、こ
れら2つの相が斑状に分布するとともに、粒界または気
孔中にさらにMnS粒子が0.3〜1.6%分散する組
織を呈することを特徴とする高温耐摩耗性焼結合金。 - 【請求項2】 全体組成が、重量比で、W:3.74〜
13.36%、V:0.79〜5.88%、Cr:0.
2〜5.78%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.
39〜1.99%、S:0.21〜1.18%、C:
2.16%以下、残部:Feおよび不可避不純物からな
る成分を有し、 かつ、成分組成が、W:3〜7%、V:0.5〜1.5
%、Cr:1%以下、Si:0.1〜0.6%、Mn:
0.2〜1%、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以
下、残部:Feおよび不可避不純物であって、0.3〜
1.6%のMnS粒子とWを主とする炭化物が分散する
第1基材相と、 成分組成が、W:7〜15%、V:2〜7%、Cr:1
〜7%、Si:0.1〜0.6%、Mn:0.2〜1
%、S:0.1〜0.6%、C:2.2%以下、残部:
Feおよび不可避不純物であって、0.3〜1.6%の
MnS粒子とWを主とする炭化物が分散するとともに、
粒径が1μm以上のW炭化物が、面積比で、10〜20
%相中に分散する第2基材相とからなり、 前記第1基材相と前記第2基材相からなる基地に対して
前記第1基材相が占める割合が20〜80%であり、こ
れら2つの相が斑状に分布するとともに、粒界または気
孔中にさらにMnS粒子が0.3〜1.6%分散する組
織を呈することを特徴とする高温耐摩耗性焼結合金。 - 【請求項3】 請求項1もしくは2に記載の焼結合金の
気孔中に、さらに、アクリル系樹脂が充填されているこ
とを特徴とする高温耐摩耗性焼結合金。 - 【請求項4】 請求項1もしくは2に記載の焼結合金の
気孔中に、さらに、銅もしくは銅合金が充填されている
ことを特徴とする高温耐摩耗性焼結合金。
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