JP2629941B2 - 共還元複合Mo合金粉末およびこれを用いて製造されたFe基焼結合金摺動部材 - Google Patents

共還元複合Mo合金粉末およびこれを用いて製造されたFe基焼結合金摺動部材

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、Fe基焼結合金摺動部材の製造に際して、
硬質分散相形成成分として用いた場合に、前記Fe基焼結
合金摺動部材がすぐれた耐摩耗性を示すようになる共還
元複合Mo合金粉末、およびこれを原料粉末として用いて
製造されたFe基焼結合金摺動部材に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、一般にロータリーコンプレッサーのベーン材や
内燃機関のバルブガイドなどのFe基焼結合金摺動部材の
製造には、原料粉末としてMo粉末が使用され、このMo粉
末はFe基焼結合金で硬質分散相を形成し、部材の耐摩耗
性向上に寄与することは良く知られるところである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記のMo粉末を原料粉末として使用し、これ
を素地に分散させた従来Fe基焼結合金摺動部材において
は、硬質分散相形成成分としてのMo粒子と素地のFe基焼
結合金との密着性が十分でなく、このため実用時にMo粒
子が脱落し易く、近年の各種機関の高速化および高性能
化に伴い、この脱落現象は増々増大する傾向にあり、か
つ脱落したMo粒子が摩耗を一段と促進することから、満
足する耐摩耗性を確保することができないのが現状であ
る。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、硬質
分散相形成成分としてのMo粒子の素地を構成するFe基焼
結合金に対する密着性のすぐれたFe基焼結合金摺動部材
を製造すべく研究を行なった結果、例えば所定の配合組
成を有する金属酸化物混合粉末を、これに同時に混合さ
せた所定量の炭素粉末と雰囲気水素により共還元する方
法、いわゆる共還元法により製造された、Mo粒子相互
が、MoとNiおよびCoのいずれか、または両方とのMo−
(Ni,Co)合金、望ましくはNiおよび/またはCo:1〜20
重量%を含有し、残りが実質的にMoからなる合金で結合
された複合Mo合金粉末を、Fe基焼結合金摺動部材の硬質
分散相形成用原料粉末として用いると、前記Mo−(Ni,C
o)合金は、前記粉末を構成するMo粒子、並びに素地のF
e基焼結合金と強固に結合することから、Fe基焼結合金
の素地中に分散する複合Mo合金粒子の前記素地に対する
密着性は著しく高いものとなり、苛酷な条件下での実用
に際しても脱落や剥離が著しく抑制されるようになり、
この結果としてFe基焼結合金摺動部材はすぐれた耐摩耗
性を発揮するという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、 (1) Mo粒子相互が、MoとNiおよびCoのいずれか、ま
たは両方とのMo−(Ni,Co)合金からなる2〜40重量%
(以下、%は重量%を示す)の割合の結合相で結合され
た組織、並びに5〜40μmの平均粒径を有する共還元複
合Mo合金粉末。
(2) 上記共還元複合Mo合金粉末を硬質分散相形成用
原料粉末として用いて製造された、Mo粒子相互が、Moと
NiおよびCoのいずれか、または両方とのMo−(Ni,Co)
合金からなる2〜40重量%の割合の結合相で結合された
組織、並びに5〜40μmの平均粒径を有する複合Mo合金
を、硬質分散相形成成分として5〜15%の割合で分散含
有してなるFe基焼結合金摺動部材。
に特徴を有するものである。
なお、この発明の共還元複合Mo合金粉末(摺動部材で
は硬質分散相形成成分としての複合Mo合金)を構成する
結合相形成成分としてのMo−(Ni,Co)合金の割合を2
〜40%と限定したのは、その割合が2%未満では、同じ
く構成成分であるMo粒子、並びに素地のFe基焼結合金に
対して十分な密着性を確保することができず、一方その
割合が20%を越えると、相対的にMo粒子の割合が少なく
なり過ぎて、摺動部材の耐摩耗性が低下するようになる
という理由からであり、また前記粉末の平均粒径を5〜
40μmとしたのは、その平均粒径が5μm未満では、摺
動部材製造時の混合工程での均一分散混合が困難であ
り、一方その平均粒径が40μmを越えると、含有量との
関係で、局部的に軟質な部分が生じるようになり、均一
な摩耗をはかることが困難となる理由によるものであ
り、さらに摺動部材における複合Mo合金の割合を5〜15
%に限定したのは、その割合が5%未満では所望のすぐ
れた耐摩耗性を確保することができず、一方その割合が
15%を越えると、混合粉末のプレス成形性が低下し、密
度の高い摺動部材を製造することが困難になるという理
由からである。
〔実 施 例〕
つぎに、この発明の粉末および摺動部材を実施例によ
り具体的に説明する。
まず、原料粉末として、いずれも平均粒径:1〜3μm
を有するMo酸化物粉末、Ni酸化物粉末、Co酸化物粉末、
および炭素粉末を用意し、これらの原料粉末を所定の配
合組成に配合し、ボールミルにて72時間湿式混合し、乾
燥した後、共還元法にて水素気流中、900〜1100℃の温
度で還元し、還元後粉砕処理を施すことにより第1表に
示される組成および平均粒径を有する本発明共還元複合
Mo合金粉末(以下本発明複合粉末という)1〜7および
比較共還元複合Mo合金粉末(以下比較複合粉末)1〜5
をそれぞれ製造した。
ついで、これらの本発明複合粉末1〜7および比較複
合粉末1〜5に加えて、原料粉末として、それぞれ第2
表に示される組成を有する粒度:−100メッシュの水ア
トマイズFe基合金粉末、同一325メッシュの黒鉛粉末、
および平均粒径:2μmのMo粉末を用意し、これら原料粉
末をそれぞれ第2表に示される配合組成に配合し、ボー
ルミルにて72時間湿式混合し、乾燥した後、5ton/cm2
圧力で圧粉体にプレス成形し、ついでこの圧粉体を、真
空中、1100〜1170℃の範囲内の所定温度で焼結し、この
結果の焼結体に、温度:1000℃に加熱後、油冷の焼入れ
処理と、温度:200℃での焼戻し処理を施すことにより、
断面:10mm×10mm、長さ:40mmの寸法をもった本発明 Fe基焼結合金摺動試片(以下本発明摺動試片という)1
〜14、比較Fe基焼結合金摺動試片(以下比較摺動試片と
いう)1〜9、および従来Fe基焼結合金摺動試片(以下
従来摺動試片という)1〜3をそれぞれ製造した。
つぎに、この結果得られた各種の摺動試片について、
前記摺動試片を、外径:40mm×内径:27mm×幅:15mmの寸
法をもった水平軸を中心に回転するリング材に上方から
水平状態で押し当てる型式のブロックオンリング試験機
を用い、 リング材:C:2.8%、Si:2.0%、Mo:0.5%、Ni:1.5%、
Cr:0.5%を含有し、硬さ:HRC52を有する鋳鉄、 リング材の周速:5m/sec.、 摺動試片への付加荷重:20kg/cm2、 使用潤滑油:冷凍機油、 試験時間:20時間、 の条件で摩耗試験を行ない、摩耗深さを測定した。この
測定結果も第2表に示した。
〔発明の効果〕
第2表に示される結果から、本発明摺動部材1〜14
は、いずれもMo粒子の素地を構成するFe基焼結合金に対
する密着性が、従来摺動部材1〜3におけるMo粒子に比
して、著しく強固であることから、Mo粒子に脱落や剥離
が発生しにくく、この結果従来摺動部材1〜3に比し
て、すぐれた耐摩耗性を示すことが明らかであり、また
比較摺動部材1〜9に見られるように、粉末および摺動
部材の複合Mo合金における結合相の割合、粉末の平均粒
径、さらに複合Mo合金の摺動部材に占める割合のうちの
いずれかでも、この発明の範囲から外れると所望の耐摩
耗性を確保することができないものである。
上述のように、この発明の共還元複合Mo合金粉末によ
れば、これを構成するMo−(Ni,Co)合金が、Fe基焼結
合金摺動部材の製造時に、Mo粒子相互を強固に結合する
ばかりでなく、素子を構成するFe基焼結合金とも強固に
結合するので、Mo粒子の素地に対する密着性は著しく高
いものとなり、この結果実用時におけるMo粒子の脱落や
剥離などが極端に抑制されるようになることから、摺動
部材はすぐれた耐摩耗性を示すようになるなど工業上有
用な効果がもたらされるのである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mo粒子相互が、MoとNiおよびCoのいずれ
    か、または両方とのMo−(Ni,Co)合金からなる2〜40
    重量%の割合の結合相で結合された組織、並びに5〜40
    μmの平均粒径を有するFe基焼結合金摺動部材製造用共
    還元複合Mo合金粉末。
  2. 【請求項2】硬質分散相形成成分として、Mo粒子相互
    が、MoとNiおよびCoのいずれか、または両方とのMo−
    (Ni,Co)合金からなる2〜40重量%の割合の結合相で
    結合された組織、並びに5〜40μmの平均粒径を有する
    複合Mo合金を、5〜15重量%の割合で含有してなるFe基
    焼結合金摺動部材。
JP1029139A 1989-02-08 1989-02-08 共還元複合Mo合金粉末およびこれを用いて製造されたFe基焼結合金摺動部材 Expired - Lifetime JP2629941B2 (ja)

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