JPH039154Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は磁気記録再生装置における回転ヘツド
装置のテープ案内ドラムに磁気テープをローデイ
ングするための磁気テープローデイング装置の改
良に関する。

背景技術とその問題点 従来の回転ヘツド方式の磁気記録再生装置は、
第１図に示すように回転ヘツド装置１に磁気テー
プ２を斜めに巻き付けて記録するものである。

このため、第２図に示すように回転ヘツド装置
１に巻き付ける磁気テープの入口側の角度と出口
側の角度に差を生ずる。

すなわち、この磁気テープ２の幅のセンタを通
り回転ヘツド装置１入口側（磁気テープが巻き付
き始める側）で巻き付き始める磁気テープ２の作
る平面に直角な面３と、この磁気テープ２の幅の
センタを通り回転ヘツド装置１出口側（磁気テー
プが巻き付き終わる側）で巻き付き終わつた磁気
テープ２の作る平面に直角な面４とのなす角度に
差を生ずる。

このため磁気テープ２の供給リール５のハブの
回転軸７と巻取リール６のハブの回転軸８が平行
になるように磁気記録再生装置の回転駆動軸を設
定し、このハブの両回転軸７，８に対して回転ヘ
ツド装置１の回転軸９を所定角度傾斜させてテー
プパスを構成する。

また、これに加えて回転ヘツド装置１の入口側
と出口側で生ずる磁気テープの巻付位置の段差を
解消するため、回転ヘツド装置１に巻き付けると
きの磁気テープ２のテープパスを長いものにし、
かつ磁気テープ２をローデイングする随所のテー
プガイドを傾斜させ磁気テープ２の傾斜角を修正
し、この段差を吸収しているので磁気テープのロ
ーデイング機構も複雑で比較的大きなものになり
がちであつた。

しかし、この磁気テープのテープパスを短くす
ると磁気テープ２には幅方向のひねりがかかるの
で、磁気テープ２を回転ヘツド装置１にローデイ
ングした状態で磁気テープ２を高速走行させる
と、テープの幅方向の外力に対して比較的弱い磁
気テープは傷み易すく、わかめ状に縮れ変形を起
こす場合もあり、不具合である。

そこで平面的なテープパスを走行する磁気テー
プにヘリカルスキヤン方式の記録再生を行なう磁
気記録再生装置が提案されている。

すなわち、第２図に示した例で説明すると回転
ヘツド装置１に巻回する磁気テープ２の幅のセン
タを通り回転ヘツド装置１入口側（磁気テープが
巻き付き始める側）で巻き付き始める磁気テープ
２の作る平面に直角な面３と、この磁気テープ２
の幅のセンタを通り回転ヘツド装置１出口側（磁
気テープが巻き付き終わる側）で巻き付き終わつ
た磁気テープ２の作る平面に直角な面４とが同一
面上に配置されるようにする。

これは、第３図に示すように磁気テープ２の供
給リール５のハブの回転軸７と巻取リール６のハ
ブの回転軸８が平行でこれと同時に、回転軸と同
芯的な円柱面を有する回転ヘツド装置１の回転軸
９やピンチローラ３４等の回転軸も上述の回転軸
７，８と平行にし、回転ヘツド装置１に巻回する
ようローデイングされた磁気テープ２の幅の二点
鎖線で示すセンタ１０を通り磁気テープ２の作る
曲面に対して直角な面である仮想平面１１上に載
るようにした平面的なテープパスを磁気テープが
走行するようにし、磁気テープ２の幅方向の仮想
断面の各点に均一なテンシヨンがかかる理想的な
テープパスとし、テープトランスポートのシンプ
ル化を図るものである。

そして、このように平面的なテープパスを走行
する磁気テープに記録再生を行なう回転ヘツド装
置１を、第４図に示すように回転ドラム１２の回
転軸１３の下部に螺旋斜面状のカム面をもつ動部
１４とこの螺旋斜面に摺接して支持するピン１５
をもつフレーム１６とよりなるカム機構によつ
て、回転ドラム１２全体が回動にともないその回
転軸方向（矢印Ａで示すスラスト方向）に上下動
するように構成し、相対的に回転ヘツド装置の磁
気ヘツドが斜状に移動するようにする。

または、第５図に示すように、回転ドラム１２
に磁気ヘツドのヘツドチツプ１７がその自由端部
に固着してあるバイモルフ素子（電気−機械変換
素子）１８を装着し、このバイモルフ素子１８を
湾曲させて、ヘツドチツプ１７を回転軸方向（矢
印Ａで示すスラスト方向）に上下動するように構
成し、回転ドラムの回動と相俟つて、相対的に回
転ヘツド装置のヘツドチツプ１７が斜状に移動す
るようにする。

このようにした回転ヘツド装置１に平面的なテ
ープパスを走行する磁気テープをローデイング
し、この磁気テープに対して回転ヘツド装置の磁
気ヘツドが相対的に斜状にスキヤンするようにし
て、従来のヘリカルスキヤン方式の記録パターン
と同等の記録パターンで記録再生を行なう磁気記
録再生装置が提案されていた。

考案の目的 本考案は上述したように従来提案されている磁
気テープのテープパスを平面的に設定した回転ヘ
ツド方式の磁気記録再生装置に用いられるところ
の、磁気テープを回転ヘツド装置の所定位置に正
確にローデイングするための信頼性が高く、しか
も構造が簡単で廉価な磁気テープのローデイング
装置を提供することを目的とする。

考案の概要 本考案は基準平面に対して、回転軸が直角とな
るように、回転ヘツド装置を配し、磁気テープの
長手方向が、基準平面に対して平行となるように
テープパスを形成すると共に、磁気テープに信号
を斜めに記録する磁気記録再生装置において、テ
ープガイドピンを設けた回動自在な一対のローデ
イングガイド部材と、この一対のローデイングガ
イド部材の中間部にあつて、両ローデイングガイ
ド部材を駆動する摺動自在な単一のローデイング
レバーを配設し、このローデイングレバーの往復
動操作で一対のローデイングガイド部材を回動さ
せ回転ヘツド装置に対しローデイング及びアンロ
ーデイングさせるようにしたことを特徴とするも
のである。

実施例 以下本考案の磁気記録再生装置の磁気テープロ
ーデイング装置の一実施例を図面を参照しながら
説明する。

第６図は、本実施例の概要を示す平面図で、回
転ヘツド装置１は前述した第４図及び第５図に例
示した比類のもの、すなわち磁気ヘツドを装着し
た回転ドラム１２をカム装置で回動させながら上
下動させるもの、又は、磁気ヘツドのヘツドチツ
プ１７をバイモルフ素子の自由端部に取付けて回
転ドラム軸のスラスト方向に揺動するようにした
もの等を用いる。

なお本実施例では２ヘツド方式の回転ヘツド装
置を用い回転ドラム１２の直径を40mm、回転ドラ
ム１２の回転数を1800r.p.mとし、テープ巻付角
90゜で、テープ幅3.81mmの磁気テープ２にデジタ
ル信号の記録再生を行なうものである。

そして、本例の回転ヘツド装置１には前述した
第３図に示すような平面的テープパスで磁気テー
プ２をローデイングする。

そして、このような平面的テープパスで磁気テ
ープ２をローデイングするため、第６図に示すよ
うな磁気テープローデイング装置を用いる。

この磁気テープローデイング装置は、左右一対
のローデイングガイド部材２１，２２と、この一
対のローデイングガイド部材２１，２２を同時に
駆動するためにその中間部に設けられたローデイ
ングレバー２３とより成る。

この左右一対のローデイングガイド部材２１，
２２は左右対称に形成配置されるものであり、そ
れぞれ各腕部２４，２５と各セクタ部２６，２７
とにより扇形歯車を構成するようにしてある。そ
して、各腕部２４，２５の根端部を、それぞれテ
ープカセツト２０の前面開口部の両端部分にある
各ガイドローラ２８，２８の回転軸と同芯となる
ように軸着し、各セクタ部２６，２７が対向して
回動するように構成する。

またこの一対のローデイングガイド部材２１，
２２を駆動するためのローデイングレバー２３
は、各セクタ部２６，２７に歯合する一対のラツ
ク２９，２９を縦両側部に穿設した矩形板部３０
と、この矩形板部３０から一体的に延出した支板
３１をもち、その縦中央部に直線状の溝である案
内長溝４２を穿設して成る。このように形成され
たローデイングレバー２３はその各ラツク２９，
２９を各セクタ部２６，２７の相対等する位置の
歯に歯合し、かつメカシヤーシ等に立設された突
棒４３をその案内長溝に挿通して取付けられる。

ここで、第６図の右側に示したローデイングガ
イド部材２１における腕部２４の自由端部及びそ
の中間部にはそれぞれ円柱状のガイドピン３２，
３２を立設する。また、図の左側に示したローデ
イングガイド部材２２における腕部２５にはその
自由端部にガイドピン３３を立設する。さらに、
この腕部２５と同軸にピンチローラレバー４０を
軸着し、このピンチローラレバー４０の自由端に
ピンチローラ３４を軸着する。なおこの際、ピン
チローラ３４の軸を腕部２５の長孔４１に嵌挿し
て、これに案内されるようにする。さらにピンチ
ローラレバー４０と腕部２５とに図示しないバネ
を張架し、ピンチローラ３４がキヤプスタン３５
に圧着するための予圧を与え得るように構成す
る。

この磁気テープのテープパスを構成する複数の
ガイドピン３２，３２，３３及びピンチローラ３
４の中心軸又は回転軸は、他のテープパスの構成
部材である、磁気テープの供給リール５若しくは
巻取リール６のハブの回転軸、及びガイドローラ
２８の回転軸さらにはキヤプスタン３５の回転軸
そして、テンシヨン検出レバー３６の中心軸と平
行であり、これと同時に、円柱状な回転ドラム１
２の中心線及び、消去ヘツド３７及び補助ヘツド
（CTLヘツド等）３８の摺接面の曲面の中心線と
が全て平行になるように構成する。

またこれに加えて、磁気テープの供給リール５
及び巻取リール６のテープを巻回する端面を同一
平面上に設定することにより、本実施例における
平面的テープパスが設定されることになる。

なお、本実施例では腕部２４の２つのガイドピ
ン３２，３２の間で、消去ヘツド３７が磁気テー
プ２に摺接するようにし、腕部２５のガイドピン
３３とピンチローラ３４の間で補助ヘツド３８が
磁気テープ２と摺接するようにしてある。

次に本実施例の磁気テープローデイング装置の
動作について説明すると、まず磁気記録再生装置
が不使用の状態では、左右一対のローデイングガ
イド部材２１，２２及びローデイングレバー２３
は図に一点鎖線で示す位置にある。この状態でテ
ープカセツト２０を磁気記録再生装置に装着す
る。すると、テープカセツト２０の前面の開口部
３９内であつて磁気テープ２の背後にガイドピン
３２，３３及びピンチローラ３４が入り込むこと
になる。

次に記録再生のため磁気テープ２を回転ヘツド
装置にローデイングして使用する場合には、ロー
デイングレバー２３を所定距離だけ矢印Ｂ方向に
沿つて前進させる。すると、各ラツク２９，２９
はこれに歯合する各セクタ部２６，２７にそれぞ
れ対等な矢印Ｃ又はＤ方向の回転運動を与え、こ
の一対のローデイングガイド部材を観音開き状に
動作させる。これにより、各腕部２４，２５の自
由端部の相対向するガイドピン３２，３３が回転
ヘツド装置１に磁気テープ２を所定の巻付角θ
（本例では90゜）で巻回するよう回転ヘツド装置１
に近接する所定位置に設置されることになる。な
お、本実施例では平面的テープパスで磁気テープ
２をローデイングするものであるから、ローデイ
ングレバー２３の往復動を歯車機構によつて、一
対のローデイングガイド部材２１，２２の揺動動
作に変換して平面的に駆動伝達する構成に適合す
るものである。

この状態で平面的テープパスを走行する磁気テ
ープ２に対し、磁気ヘツドが回動しかつ上下動
し、相対的に斜状に移動することによつてヘリカ
ルスキヤン方式の記録再生を行なう。

また、ポーズモード時や、不使用時にはローデ
イングレバー２３を後退させ、一対のローデイン
グガイド部材２１，２２を回動させて、一点鎖で
示す位置に戻し、磁気テープ２をアンローデイン
グ状態にするものである。

上述したように本例装置ではローデイングレバ
ー２３を前進又は後退させるだけでよいので操作
が手軽であり、しかも、歯車伝達機構を用いてい
るので、動作が確実である。

考案の効果 以上詳述したように本考案の磁気記録再生装置
の磁気テープローデイング装置によれば、構造が
単純簡明であり、作動が確実である。よつて、装
置全体として小型化、軽量化を図ることができ、
廉価な製品を提供できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置のテープパスを示す概略図、
第２図は従来の回転ドラムにヘリカルに磁気テー
プを巻回した時のモデルを示す説明図、第３図は
本考案の前提となる磁気テープのテープパスをモ
デル化して示す説明図、第４図及び第５図は本考
案装置に用いられる回転ヘツド装置の部分断面正
面図、第６図は本考案装置の一実施例の概要を示
す平面図である。 図中１は回転ヘツド装置、２は磁気テープ、２
１，２２はローデイングガイド部材、２３はロー
デイングレバーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基準平面に対して、回転軸が直角となるよう
   に、回転ヘツド装置を配し、磁気テープの長手方
   向が、上記基準平面に対して平行となるようにテ
   ープパスを形成すると共に、上記磁気テープに信
   号を斜めに記録する磁気記録再生装置において、
   テープガイドピンを設けた回動自在な一対のロー
   デイングガイド部材と、該一対のローデイングガ
   イド部材の中間部にあつて、両ローデイングガイ
   ド部材を駆動する摺動自在な単一のローデイング
   レバーを配設し、該ローデイングレバーの往復動
   操作で上記一対のローデイングガイド部材を回動
   させ、上記回転ヘツド装置に対して、上記磁気テ
   ープを上記両ガイドピンによつて、ローデイング
   及びアンローデイングさせるようにしたことを特
   徴とする磁気記録再生装置の磁気テープローデイ
   ング装置。