JPH0386767A - 新規劣化防止剤 - Google Patents

新規劣化防止剤

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JPH0386767A
JPH0386767A JP22546789A JP22546789A JPH0386767A JP H0386767 A JPH0386767 A JP H0386767A JP 22546789 A JP22546789 A JP 22546789A JP 22546789 A JP22546789 A JP 22546789A JP H0386767 A JPH0386767 A JP H0386767A
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oil
hydrogen
anthracene
tar
deterioration
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JP22546789A
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English (en)
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Junichi Kubo
純一 久保
Atsuo Tokutake
徳竹 ▲あつ▼夫
Toshitsune Yoshikawa
利常 吉川
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規な劣化酸化防止剤を提供するもので、さ
らに詳しくは特に高温で使用される場合に顕著な効果を
有し、例えばエンジニャリングプラスチック、液晶ポリ
マーなどの高温で形成しなければならない熱可塑性樹脂
や高温で使用される油およびゴムに対し、有効な劣化防
止剤を提供するものである。
(従来技術) 従来から、熱可塑性樹脂、ゴム、油等の熱劣化を防ぐた
めに各種の酸化安定剤が添加されている。
例えば熱可塑性樹脂、ゴムにおいては、特に劣化の初期
段階で分子切断によって発生するラジカルを抽捉するこ
とが有効であり、この目的で各種のヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤等が添加されてい
る。これらの酸化防止剤の作用は、フェノール性OHま
たはアミン性NHのHがポリマーラジカルを捕えること
によりラジカルを安定化させることにある。
しかし、これら従来の酸化防止剤はいずれもある程度の
効果を有するものの、未だ充分であるとはいい難い。特
に高温時における酸化防止剤の揮発等の原因により劣化
防止性能が充分でなく、通例の成形時および/または高
温時において性能のよりすぐれる劣化防止剤が望まれて
いる。
また昨今においては、熱可塑性樹脂の成形加工の高速化
の要求が高まるにつれて単位時間当りの樹脂の溶融押出
量の増大が要望されている。この要求に対応する1つの
方法としては、成形時の温度を上昇させ、かつ成形時の
剪断速度を大きくする方法がある。成形時の温度上昇お
よび剪断速度の増大は、いずれも熱可塑性樹脂の熱劣化
を引き起こす方向であるので、この場合にも熱安定性の
高い劣化防止剤が望まれている。
更に熱可塑性樹脂のもう1つの問題点として、低温では
充分に可塑化されにくく成形しにくい樹脂あるいは溶融
可塑化温度と樹脂自身の熱分解温度が近い樹脂がある。
前者の例として、ポリオレフィンでは直鎖状低密度ポリ
エチレンがあり、従来の高圧法低密度ポリエチレンの成
形温度が、例えばフィルム成形では140〜160℃で
あったに対し、直鎖状低密度ポリエチレンでは200〜
250℃が一般的である。
後者の例としてはポリアミドが挙げられ、250〜30
0℃で成形される。他の例としては、液晶ポリマーであ
る芳香族ポリエステルでは、さらに高温の400℃近傍
で成形され、成形時の劣化を抑える酸化防止剤が無いの
が実状であり、いずれも高温成形時の劣化防止には不十
分である。
また、石油製品についてもその熱劣化および酸化は重大
な問題であり、特に潤滑油、熱処理油、金属加工油、熱
媒体油等については深刻な問題である。これらの油はし
ばしば高温にさらされるために熱により性状の劣化を生
じ、さらには炭素質が生成し、また他の要因と絡んでス
ラッジ生成の原因となる。また、これら石油製品は酸化
による変質のために性状が劣化するほか、酸性物質の生
成による金属の腐食、酸化生成物の重縮合によるスラッ
ジの生成などの弊害が避けられない。この弊害を防止す
るため酸化防止剤を配合した油が使用され、このための
酸化防止剤が数多く提案されているが、それぞれ何らか
の弱点ないしは欠陥を持ち、万能の酸化防止剤は今もっ
て開発されていないのが実情である。さらに、これら石
油製品の劣化は熱による劣化と酸化による劣化がそれぞ
れ単独に生じるものではなく、この両者が互いに絡み合
って生じるケースが多いが、−・般に使用されている酸
化防止剤は熱に弱く、高温においてもその機能を発揮し
得るものはほとんど見当らない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは上記の問題点に鑑み、通例の成形時および
/または高温時において、より性能のすぐれた劣化防止
剤を堤供することを目的とするものであり、特に高温度
の使用時における熱劣化の起こしにくい劣化防止剤を堤
供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、高温においても揮散してしまうことがなく、
成形加工時に容易に水素を放出する水素供与性物質化合
物が、熱可塑製樹脂、ゴム、油等の劣化防止に有効であ
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は2環以上の芳香環を有する化合物お
よび/または芳香環1環と不飽和5員環1個とを共に有
する化合物またはこれらの混合物を水素化した水素化油
からなる水素供与性物質を主成分とする新規劣化防止剤
を提供する。
更に好ましくは、上記2環以上の芳香環を有する化合物
および/または芳香環1環と不飽和5員環1個とを共に
有する化合物またはこれらの混合物が、〔1〕(I)石
炭系タールまたはこれを分溜して得られる油であるか、
あるいは(II)石油の熱分解、接触分解または接触改
質から得られる沸点200℃以上の油をであって、水素
化に供する原料油は上記(I)、  (II)混合物で
も差し支えない。
本発明をさらに具体的に説明する。
本発明の2環以上の芳香環を有する化合物および/また
は芳香環1環と不飽和5員環1個とを共に有する化合物
またはこれらの混さ物とは、具体的には、石炭系タール
またはこれを分溜して14られ、る油、あるいは石油の
熱分角ダ、接触分解または接触改質から得られる沸点2
00℃以上の油の少なくとも1種である。
より具体的には、(I)石炭系タールまたはこれを分溜
して得られる油としては、洗浄油、アントラセン油、タ
ール油、タール軽油、カルボール油、ナフタレン油、ピ
ッチ油、タレオソート油、石炭液化油またはこれらの混
合物が例示される。
また(II)石油の熱分解、接触分解または接触改質か
ら得られる沸点200℃以上の油としては、ナフサ熱分
解残油、接触分解装置(FCC装置)からのサイクルオ
イル、スラリーオイルならびにデカンテッドオイル(D
CO) 、ナフサ接触改質残油、原油熱分解タールまた
はこれらの混合物が例示される。
前記石炭系タールまたはこれらを分溜して得られる油及
び石油を熱分解、接触分解または接触改質から得られる
沸点200℃以上の油を水素化する方法は任意であるが
、通常水素化機能を有する触媒に存在下で水素ガスによ
り水添する方法が用いられる。
水素化機能を有する触媒としては、特に制限はなく、石
油留分の水素化処理に用いる公知の触媒が使用できる。
具体的には、周期律表第V〜第■族から選ばれた少なく
とも18iの金属元素、特にニッケル、コバルト、モリ
ブデン、バナジウム及びタングステンから選ばれる少な
くとも1種の金属元素の硫化物、酸化物などを、アルミ
ナ、シリカ、シリカ・アルミナ、カチオン置換ゼオライ
ト等の無機質担体に担持させたもの、あるいは芳香環核
水素化触媒、例えばニッケル、酸化ニッケル、ニッケル
ー銅、白金、酸化白金、白金−ロジウム、白金−リチウ
ム、ロジウム、パラジウム、コバルト、ラミーコバルト
、ルテニウム等の金属を活性炭、アルミナ、シリカ−ア
ルミナ、けいそう土及びゼオライトなどの無機質担体に
担持させたものが例示される。
原料油をこれらの水素化機能を有する触媒の存在下で水
素化する際の条件は、前記石油溜分の水素化処理に用い
られる触媒の場合には300℃〜400℃、30気圧〜
150気圧であることが好ましく、また芳香環核水素化
触媒の場合は150℃〜300℃、30気圧〜150気
圧であることが望ましい。
反応装置についても特に制限はなく、一般の固定床反応
装置を使用することによって有効な水素供与性を有する
水素化油を調製することができる。
本発明の劣化防止剤のように、成形加工時に樹脂等の劣
化をH効に防止するためには、成形加工温度もしくは使
用温度において、揮散せずに溶融した熱可塑性樹脂内等
に留まり、かつ混練時または使用時に発生するラジカル
(ポリマーラジカル等)を充分に捕捉できる水素を放出
することが重要であるが、石炭系タールまたはこれを分
溜して得られる油あるいは石油の熱分解、接触分解ある
いは接触改質から得られる油は、2環以上の芳香環を有
する化合物及び芳香環1環と不飽和5員環1個とをとも
に有する化合物を多く含むので、これを水素化すること
により、上記の特に高温成形時に、容易に水素を供与す
る水素供与性物質を得ることができる。特に、上記油の
内初留200 ”C以上の留分を水素化した水素化油は
、高温時でも揮散しない劣化防止剤を与える。
上記の水素供与性物質とは、下記の方法で水素供与性を
評価したときに、水素受容体(アントラセン)への水素
移行量が、350℃において少なくとも0.1(水素原
子/molアントラセン)である物質をいう。
水素供与性の評価は、水素受容体を用いて移行性水素の
捕捉量から求める方法によった。
すなわち、試料とアントラセンなどの水素受容体を一定
条件で反応させ、反応換水素化された水素受容体の量を
ガスクロマトグラフィーなどで分析する。
具体的には、所定量の試料およびアントラセを試料/ア
ントラセン−1/2の重量比で撹拌機付“きオートクレ
ーブに収容し、下記表−1に示した条件で反応させる。
表−1 反応温度 350℃ 反応圧力 50kg/c−・g (N2圧)反応時間 
30分 触      媒  なし 実 験 装 置  内容ff1li!χ電磁撹拌式%式
% 試料/アントラセン 1/2 (重量比) 上記反応前後の9.10−ジヒドロアントラセン、1.
4.5.8−テトラ辷トロアントラセン、1.4.5.
8゜9.10−ヘキサヒドロアントラセン、1.2.3
.4.5.6.7.8−オクタヒドロアントラセン並び
に残存アントラセンの量をガスクロマトグラフィーで分
析した。
これらアントラセンの水素化物生成に使用される水素は
、水素供与性を有する炭化水素類から供給されるので、
これら炭化水素類からアントラセンに移行した水素の量
(水素原子/■01アントラセン)を求め、これを水素
供与性として測定する。
なお、この方法はYokono T、、Marsh H
,&Yokon。
M、、Fucl、60.607  〔1〕(I981)
に記載されている方法にやじたちのである。
本発明の劣化防止剤は、熱可塑性樹脂、ゴム、浦等に好
適に使用することができる。その上記の添加量は、熱可
塑性樹脂、ゴムおよび油の種類、用途等により光なるが
、一般的には、熱可塑性樹脂に対しては0.01〜20
重量%の範囲、好ましくは0.1〜IO重量%の範囲で
添加される。
上記添加量が0゜01重量%未満では効果が低く、20
重量%を越える量を添加してもこれ以上の効果の向上が
望めないばかりでなく、ブリードアウトする恐れがある
またゴムの場合においては、0.01〜30重量%、好
ましくは0,05〜20ffi量%の範囲で添加される
この添加量が0.01ff!1lilk%未満では効果
が低く、30重量%を越える量を添加しても以上の効果
の向上が望めないが、ゴムの軟化剤として使用すること
は可能である。
本発明の劣化防止剤を油に添加する場合においては、少
なくとも0,01重量%以上、好ましくは、0.1〜3
0重量%の範囲で使用される。この添加量が0.01f
fl量%未満では、効果が低いが上限については特に制
限されるものではない。
本発明の劣化防止剤が適用可能な熱可塑性樹脂としては
、ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの
単独重合体あるいはそれらの相互共重合体、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸ま
たはその誘導体との共重合体等のポリオレフィン系樹脂
、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニ
ル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアル
コール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂
、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアセタ
ール系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリエー
テルサルフォン、ポリオレフィン系樹脂、ポリエーテル
・エーテルケトン、ボリアリレート、全芳香族ポリエス
テル等の液晶ポリマー、ポリイミド、ポリアラミド等が
挙げられる。
ゴムとしては、天然ゴム、エチレン−プロピレン共重合
体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン」(重合体ゴム
、クロロスルフォン化ポリエチレン、スチレン−ブタジ
ェンゴム、スチレン−ブタジェン−アクリロニトリルゴ
ム、インプレンゴム、ブチルゴム、多硫化系物系(チオ
コール等)ゴム、有機ケイ素化合物系ゴム、含フツ素化
合物系ゴム、ウレタン系ゴム、ビニル系ゴム等が挙げら
れる。
浦としては、エンジン油(4サイクルエンジン油、2サ
イクロガソリンエンジン油、陸用ディーゼルエンジン油
、舶用ディーゼルエンジン油、ガスエンジン油等)、タ
ービン油(無添加タービン油、添加タービン油、ガスタ
ービン油、舶用タービン油等)、ギヤー油(自動車ギヤ
ー油、工業用ギヤー油、自動変速機油等)、油圧作動油
、圧縮機油、真空ポンプ油、冷凍機油、金属加工油(切
削油、研削油、圧延油、プレス油、引き抜き油、絞り−
しごき加工油、転造部、鍛造部、熱処理油、放電加工油
等)、滑り案内面部、軸受油等の潤滑油、電気絶縁部、
さび止め浦、熱媒体油、グリース等、各種の油に、鉱油
系、合成糸を問わず好適に使用される。
本発明においては、上記の水素供与性物質に、さらにヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤
等の公知の酸化防止剤を併用することによって、相乗的
に熱安定性を改善することができる。
このようなフェノール系酸化防止剤としては、トリエチ
レングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5−メ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、n
−オクタデシル−5−(3−5=−ジーtブチル4゛−
ヒドロキシフェニル)ロビオネート、テトラキス−〔メ
チレン−5−(3=  5−ジー上ブチル−4″−ヒド
ロキシフエニル)プロピオネートコメタン、1,3゜5
−トリメチル−2,4,6−ドリスー(3,5−ジーt
ブチルー4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(
3,5−ジーtブチルー4−ヒドロキシベンジル)イソ
シアヌレ−)、N、N=へキサメチレンビス(3,5−
ジー上ブチル−4−ヒドロキシーヒドロシンナアミド)
等が例示される。
アミン系酸化防止剤としては、オクチル化ジフェニルア
ミン、2,4−ビス−(II−オクチルチオ)−6−(
4−ヒドロキシ−3,5−ジーを一ブチルアニリノ) 
−1,3,5−1−リアジン、フェニル−1−ナフチル
アミン、ポリ(2,2,4−トリメチル)−1,2−ジ
ヒドロキノリン、NIN゛−ジフェニル−p−フ二二レ
ンジアミン等が例示される。
本発明の劣化防止剤にはさらにイオウ系酸化防止剤やリ
ン系酸化防止剤を混合することができる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えばジラウリルチオジ
プロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、
ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ウラリル−
チオプロピオネート)等が例示される。
リン系酸化防IL剤としてはトリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)−4゜4−ビフエニレンフ
ォスフォナイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル
)ペンタエリスリトールシフオスファイト、トリスノニ
ルフェニルフォスファイト、ジフェニルイソオクチルフ
ォスファイト、テトラトリデシル−4,4−一プチリデ
ンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)−シ
フォスファイト等が例示される。
もちろんこれらの酸化防止剤は2種以上併用しても良い
し、必要に応じて他のベンゾトリアゾール系、ベンゾフ
ェノン系、サリシレート系、ニッケル錯塩系及びヒンダ
ードアミン系の光安定剤、重金属不活性剤、金属石鹸類
、増核剤、可塑剤、有機スズ化合物、難燃剤、帯電防止
剤、滑剤、抗ブロック剤、充填剤、発泡剤、架橋剤など
を含有してもよい。
(発明の効果) 上述のように本発明の劣化防止剤は、従来の酸化時に剤
では効果の低い高温においても、成形加工時に容易に水
素を放出して、従来の酸化防止剤と同様にラジカルを捕
らえ、特に高温度の使用時において性能低下を起こしに
くいので、顕著な効果を発揮する。
また石炭系タールまたはこれを分溜して得られる油およ
び/または石油の熱分解、接触分解または接触改質から
得られる沸点200℃以上の油を水素化することで得ら
れることから経済的にも有利であり、熱可塑性樹脂、ゴ
ム、油等の劣化防止剤として、特に従来にない熱可塑性
樹脂の高温成形もしくは圧延油等の如く、高温下での劣
化防止剤として有効に使用することができる。
(実施例) 以下にオレフィン系重合体及びポリエステルを用いた実
施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明するが
、本発明はこれらによって限定されるものではない。
なお実施例及び比較例に於ける熱安定性の測定は下記の
方法で行った。
予め加熱されたラボプラストミル(東洋精機製)内で、
各合成樹脂の無添加粉末に本発明品及び添加剤を混合し
、窒素雰囲気下または酸素雰囲気下で30rp■で混練
し、トルク変化を測定した。
架橋劣化型ポリマーの場合には、急激なトルクの上昇の
起きるまでの誘導期間を測定し熱劣化の指標とした。
劣化型ポリマーの場合には、トルク値が初期値より20
%低下する時間を測定し、熱劣化の指標とした。
実験1 石炭系タールまたはこれらから得られる留分を水素化し
た例として、アントラセン油及びクレオソート油を水素
化した例を示す。
アントラセン油及びクレオソート油を表2に示した条件
で水素化した水素化油の水素供与性を上述の方法で測定
した。
得られたアントラセン水素化油及びクレオソート水素化
油のアントラセンへの水素移行量はそれぞれ0.40及
び0.45 (H原子/I01アントラセン)であり十
分な水素供与性を有していた。
なお水素供与性を有しない油の例として灯油のアントラ
センへの水素移行性を測定した結果、0.027(水素
原子/molアントラセン)であった。
実験2 石油系分解残油を水素化した例として、接触改質残油及
びナフサ熱分解残油を表−2に示した条件で水素化し水
素化油の水素供与性を測定した。
得られた水素化油のアントラセンへの水素移行量はそれ
ぞれ0.33およびO40(H原子/■ofアントラセ
ン)であり十分な水素供与性を有していた。
表−2油の水素化条件 反応温度 反応圧力 H8V 触媒 反応装置 370 ℃ 50kg/cj ◆g (H2圧) 1、 0 Co−Mo−Al1 0B 市販脱硫触媒 下向き流通固定床反応装置 実施例1−3及び比較例1−2 ホモポリプロピレン無添加品(8石ポリプロ、V F 
R0,5g / 10m1n、)を用い、実験1で得ら
れたアントラセン水素化油または実験2で得られたナフ
サ熱分解残油水素化油、あるいは実験1で得られたアン
トラセン水素化油とフェノール系酸化防止剤Aを混合し
、窒素雰囲気下で、加熱温度を変えて熱劣化性能を測定
した。
また比較例1では上記フェノール系酸化防止剤Aだけを
添加し、比較例2ではフェノール系酸化防止剤Bと金属
石鹸の両方を混用して、上と同様に熱劣化性能を評価し
た。結果を表−3に示す。
表−3に示されるように本発明のアントラセン水素化油
等の水素供与性物質を配合した実施例1、実施例2およ
びフェノール系酸化防止剤Aと併用した実施例3は高温
時の熱安定性が優れていることがわかる。
実施例4−5及び比較例3−4 高密度ポリエチレン無添加品(日石スタフレンE809
 、MF Ro、80g/10m1n、密度0.950
 g/cc)を用い、酸素雰囲気下で、実験1で得られ
たクレオソート水素化油とフェノール系酸化防止剤Aと
の熱劣化性能の比較を行った。結果を表−4に示す。
230℃以上の高温ではクレオソート水素化油のの熱安
定性は非常に優れている。
実施例6−8及び比較例5−6 120℃で4特間乾燥させたポリエステル樹脂(ユニベ
ットRT533 CN、日本ユニペット社製:を用い、
前記実施例1と同様に窒素雰囲気下で、実験1で得られ
た水添アントラセン油と酸化防止剤Cとの熱劣化性能を
比較した。結果を表−5に示す。
280℃において酸化防止剤Cより優れた性能を有して
いる。
表−3 初留233℃〜95%留分357℃ プロピオネート 〔イルガノックス+010チバガイギ一社〕表−5 一トリス(3,5−t−ブチル− ヒドロキシベンジル)ベンゼン [イルガノックス1330.チバガイギー社コ一 実施例9及び比較例7 第1図に示す熱安定性試験装置により、比較例7では5
AE−30基油を、また一方、実施例9では5AE−3
0基油100重量部に、実験1で得た水素化アントラセ
ン油を3重量部添加したものを試料として熱安定性試験
を行った。
すなわち、第1図に示すとおり恒温槽中に試料油を入れ
、湯温は100℃に維持し、赤熱したニクロム線(表面
温度900℃)を20秒間試料油に浸し、40秒間油か
ら引上げる操作を1500回繰返した。気相は油の燃焼
を防ぐために窒素でパージした。その後、試料油を取出
し、目視で炭素質の有無を確認したのちトルエン不溶分
を測定した。結果は次のとおりであった。
実施例9:炭素質の生成は目視で認められないトルエン
不溶分 0.08wt% 比較例7:炭素質の生成が目視で認められるトルエン不
溶分 2.10wL% 実施例10及び比較例8 加硫後のゴム(SBR)の空気加熱老化試験(Gccr
法、JISK6301−1975)を行い、試験後の引
張り強さおよび伸びを比較した。
すなわち、比較例8においては劣化防止剤を添加せず、
実施例10においては劣化防止剤(ナフサ熱分解残油の
水素化物)を0.7vL%添加し、上記テストを行った
。結果を第2図に示す。
比較例8のサンプルは温度の上昇による引張り強さおよ
び伸びの減少が著しいが、劣化防止剤を添加したもの(
実施例10)は比較的引張り強さおよび伸びの値が大き
く、且つ温度上昇による減少の度合いが少ない。
なお、空気加熱劣化試験の主要条件は下記のとおりであ
る。
試験温度(t!内巾央)120℃ 試験時間         50時間 空気のかきまぜ   機械的かくはん 4、
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例9及び比較例7に用いた熱安定性試験装
置を示す説明図であり、第2図及び第3図は、 実施例10及び比較例8の引張り強さ及び伸びを示すグ
ラフである。 特 許 出 願 人 日本石油株式会社 第 図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 〔1〕( I )石炭系タールまたはこれを分溜して得ら
    れる油および/または(II)石油の熱分解、接触分解ま
    たは接触改質から得られる沸点200℃以上の油の少な
    くとも1種を水素化した水素化油からなる水素供与性物
    質を主成分とすることを特徴とする新規劣化防止剤。 〔2〕上記( I )の石炭系タールまたはこれを分溜し
    て得られる油が、洗浄油、アントラセン油、タール油、
    タール軽油、カルボール油、ナフタレン油、ピッチ油、
    クレオソート油、石炭液化油またはこれらの混合物であ
    る請求項〔1〕記載の新規劣化防止剤。 〔3〕上記(II)の石油の熱分解、接触分解または接触
    改質から得られる沸点200℃以上の油が、ナフサ熱分
    解油、接触分解サイクルオイル、スラリーオイル、デカ
    ンテッドオイル(DCO)、ナフサ接触改質残油、原油
    熱分解タールまたはこれらの混合物である請求項〔1〕
    記載の新規劣化防止剤。 〔4〕前記水素供与性物質から、水素受容体(アントラ
    セン)への水素移行量が、350℃において少なくとも
    0.1(水素原子/molアントラセン)である請求項
    〔1〕〜〔3〕記載の新規劣化防止剤。 〔5〕ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化
    防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、アミン系酸化防止
    剤からなる群から選ばれた少なくとも1種の酸化防止剤
    をさらに含有する請求項〔1〕記載の新規劣化防止剤。
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EP0428405A2 (en) * 1989-11-16 1991-05-22 Nippon Oil Co., Ltd. Rubber compositions

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