JPH0385099A - スピーカ用振動板及びその製造法 - Google Patents
スピーカ用振動板及びその製造法Info
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- JPH0385099A JPH0385099A JP22044189A JP22044189A JPH0385099A JP H0385099 A JPH0385099 A JP H0385099A JP 22044189 A JP22044189 A JP 22044189A JP 22044189 A JP22044189 A JP 22044189A JP H0385099 A JPH0385099 A JP H0385099A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
[産業上の利用分野]
本発明はスピーカ用振動板及びその製造法に係り、音響
特性を改善すると共に優れた音響特性の振動板を容易に
製造することができる方法に関するものである。 C従来の技術J 従来よりスピーカ用振動板やセンターキャップに使用さ
れる金属材料としてはアルミニウムやジュラルミン等が
多く用いられており、表面処理によってセラミックス等
を付着させることにより音響特性を改善する方法がとら
れている。 表面処理には湿式法と乾式法があり、湿式法では陽極酸
化や無電解メツキが、乾式法ではイオンブレーティング
法や熱プラズマ化学輸送法(熱プラズマCVD法)が、
それぞれ用いられている。 [発明が解決しようとする課題] 上記したような表面処理法により、特に優れた音響特性
を示すダイヤモンドやボロン化合物の材料を振動板に応
用して性能を高めるためには500℃〜1000℃の高
温をかけて作成する必要があるが、従来より振動板材料
として使用されているアルミニウムは融点が600℃で
あるため融解し、また、チタンは融点が1600℃と高
いが相転移点が600℃乃至700℃にあるため、融解
はしないものの著しい変形が生じる欠点があった。 また、セラミックスのアルミナやボロン、シリコンカー
バイト等のパウダーを焼結したり蒸着法によりセラミッ
クス化する方法もあるが、破損しやすい欠点があると共
に概して高価になる欠点がる。 本発明の第1の目的は上記した従来のスピーカ用振動板
の欠点を解消し、音響特性の優れたスピーカ用振動板を
提供することにあり、本発明の第2の目的は上記した従
来の製造法の欠点を解消し、優れた音響特性のスピーカ
用振動板を容易に製造することができる方法を提供する
ことにある。 [課題を解決するための手段] 本発明のスピーカ用振動板は、モリブデン箔を金属箔プ
レス成形法もしくはエアー成形法により等の所定の振動
板形状に成形して振動板基材としたものである。 この振動板基材の少なくとも片面に結晶質のダイヤモン
ド膜を付着形成したものは音響特性が優れたものとなる
。 本発明のスピーカ用振動板の製造法は、モリブデン箔を
金属箔プレス成形法もしくはエアー成形法により振動板
形状に成形して振動板基材を得、該振動板基材の少なく
とも片面に結晶質のダイヤモンド膜を付着形成せしめた
後、不活性ガスを充填した電気炉にて所定の温度、例え
ば、500℃乃至1500℃でアニーリングする方法で
ある。 スピーカ用振動板の他の製造法は、モリブデン箔を金属
箔プレス成形法もしくはエアー成形法により振動板形状
に成形して振動板基材を得、該振動板基材の表面に結晶
質のダイヤモンド膜を付着形成せしめた後、不活性ガス
を充填した電気炉にてアニーリングし、これを強酸もし
くは強アルカリ溶液に浸漬してモリブデン箔を溶解せし
めて、ダイヤモンド膜だけで形成されたスピーカ用振動
板を得る方法である。 [作 用] モリブデン箔を成形して振動板とした場合、アルミニウ
ムやチタンによる振動板よりも速い音速が得られる。 また、モリブデン振動板基材の表面にダイヤモンド膜を
付着形成すると、ヤング率及び音速が更に向上する。 上記のスピーカ用振動板を製造する場合、振動板基材が
モリブデンであるから融点が高<(2600℃)、膨張
率がチタンのl/2、アルミニウムの175であって熱
膨張が少なく、熱変形も少ない。 また、このようにしてダイヤモンド膜を形成せしめたも
のを酸化防止のための不活性ガス中でアニーリングする
ことにより、蒸着時にダイヤモンド膜に生じる内部応力
が緩和され、ダイヤモンド膜の破損は生じない。 このため、モリブデン振動板基材を溶解してダイヤモン
ド膜だけで振動板を得る場合にも、溶解時又は溶解後に
ダイヤモンド膜が破損することはない。 このようにしてダイヤモンド膜だけで形成されたスピー
カ振動板はヤング率及び音速に優れた振動板とすること
ができる。
特性を改善すると共に優れた音響特性の振動板を容易に
製造することができる方法に関するものである。 C従来の技術J 従来よりスピーカ用振動板やセンターキャップに使用さ
れる金属材料としてはアルミニウムやジュラルミン等が
多く用いられており、表面処理によってセラミックス等
を付着させることにより音響特性を改善する方法がとら
れている。 表面処理には湿式法と乾式法があり、湿式法では陽極酸
化や無電解メツキが、乾式法ではイオンブレーティング
法や熱プラズマ化学輸送法(熱プラズマCVD法)が、
それぞれ用いられている。 [発明が解決しようとする課題] 上記したような表面処理法により、特に優れた音響特性
を示すダイヤモンドやボロン化合物の材料を振動板に応
用して性能を高めるためには500℃〜1000℃の高
温をかけて作成する必要があるが、従来より振動板材料
として使用されているアルミニウムは融点が600℃で
あるため融解し、また、チタンは融点が1600℃と高
いが相転移点が600℃乃至700℃にあるため、融解
はしないものの著しい変形が生じる欠点があった。 また、セラミックスのアルミナやボロン、シリコンカー
バイト等のパウダーを焼結したり蒸着法によりセラミッ
クス化する方法もあるが、破損しやすい欠点があると共
に概して高価になる欠点がる。 本発明の第1の目的は上記した従来のスピーカ用振動板
の欠点を解消し、音響特性の優れたスピーカ用振動板を
提供することにあり、本発明の第2の目的は上記した従
来の製造法の欠点を解消し、優れた音響特性のスピーカ
用振動板を容易に製造することができる方法を提供する
ことにある。 [課題を解決するための手段] 本発明のスピーカ用振動板は、モリブデン箔を金属箔プ
レス成形法もしくはエアー成形法により等の所定の振動
板形状に成形して振動板基材としたものである。 この振動板基材の少なくとも片面に結晶質のダイヤモン
ド膜を付着形成したものは音響特性が優れたものとなる
。 本発明のスピーカ用振動板の製造法は、モリブデン箔を
金属箔プレス成形法もしくはエアー成形法により振動板
形状に成形して振動板基材を得、該振動板基材の少なく
とも片面に結晶質のダイヤモンド膜を付着形成せしめた
後、不活性ガスを充填した電気炉にて所定の温度、例え
ば、500℃乃至1500℃でアニーリングする方法で
ある。 スピーカ用振動板の他の製造法は、モリブデン箔を金属
箔プレス成形法もしくはエアー成形法により振動板形状
に成形して振動板基材を得、該振動板基材の表面に結晶
質のダイヤモンド膜を付着形成せしめた後、不活性ガス
を充填した電気炉にてアニーリングし、これを強酸もし
くは強アルカリ溶液に浸漬してモリブデン箔を溶解せし
めて、ダイヤモンド膜だけで形成されたスピーカ用振動
板を得る方法である。 [作 用] モリブデン箔を成形して振動板とした場合、アルミニウ
ムやチタンによる振動板よりも速い音速が得られる。 また、モリブデン振動板基材の表面にダイヤモンド膜を
付着形成すると、ヤング率及び音速が更に向上する。 上記のスピーカ用振動板を製造する場合、振動板基材が
モリブデンであるから融点が高<(2600℃)、膨張
率がチタンのl/2、アルミニウムの175であって熱
膨張が少なく、熱変形も少ない。 また、このようにしてダイヤモンド膜を形成せしめたも
のを酸化防止のための不活性ガス中でアニーリングする
ことにより、蒸着時にダイヤモンド膜に生じる内部応力
が緩和され、ダイヤモンド膜の破損は生じない。 このため、モリブデン振動板基材を溶解してダイヤモン
ド膜だけで振動板を得る場合にも、溶解時又は溶解後に
ダイヤモンド膜が破損することはない。 このようにしてダイヤモンド膜だけで形成されたスピー
カ振動板はヤング率及び音速に優れた振動板とすること
ができる。
実施例1
第1図のように厚さ14ミクロンのモリブデン箔を用い
て、直径25ミリ、球状半径19ミリのドーム形振動板
基材1を金型成形し、これをスピーカ用振動板S1とし
た。 金属モリブデンは密度がチタンの2倍であるが、成形技
術の向上により、薄い箔でもスピーカ用振動板形状に成
形することができるようになった。このドーム形振動板
Slの音響定数は後述する。 実施例2 上記のモリブデンによるドーム形振動板基材1の表面に
第4図に示すダイヤモンド生成装置を用いて熱プラズマ
CVD法によって結晶質ダイヤモンドを蒸着し、厚さ3
ミクロンのダイヤモンド膜2を付着形成した第2図に示
すようなスピーカ用振動板S2を得た。 このダイヤモンド膜2の蒸着に際しては下記の条件で実
施した。・ 供給原料ガス比率 ガス流量 アルゴン 100% メタン 0.1% 水 素 7 % 50リットル/分 真空度 20 Torr 蒸着速度 30ミクロン/時間 表面温度 800℃ 第4図のダイヤモンド生成装置は熱プラズマCVD法に
使用される装置であり、熱プラズマを発生するプラズマ
トーチ(ガン) 11及びチャンバー12内は真空排気
15によって真空状態におかれており、原料ガス13が
供給される。被着物である振動板基材lは冷却水16が
循環する放熱器17上にセットされる。この放熱器17
は回転するようになっている。 プラズマトーチ11はアノード(陽極)18とカソード
(陰極)19で構成した電極間の直流放電によって炭化
水素ガスのメタンと水素が分解したプラズマをトーチか
ら放出し、化学輸送法(CVD)によって振動板基材l
上に結晶粒のダイヤモンド膜が堆積するようになってい
る。 実施例3 モリブデン振動板基材1上に34ミクロンのダイヤモン
ド膜2を形成し、これを電気炉に入れて不活性ガスのア
ルゴンを導入し、真空中にてダイヤモンド膜のアニール
を行なった。このアニーリング工程は蒸着時にダイヤモ
ンド膜で生じる内部応力を緩和するためのものであり、
電気炉の条件は昇温50℃/時間で1000℃とし、保
持時間2時間、降温50℃/時間とした。 このアニーリングはダイヤモンドが酸化し始める温度で
ある600℃以上の温度で行なうことが必要であり、不
活性ガスは酸化を防止する。 実施例4 実施例3と同様にしてダイヤモンド膜を形成すると共に
アニーリングして内部応力をなくした振動板を弗可水素
と発煙硝酸1:1の割合による溶液中に浸漬し、モリブ
デンを溶解して第3図に示すようなダイヤモンド膜だけ
によるドーム形振動板S3を得た。ダイヤモンド膜をア
ニーリングをしない振動板は内部応力が残存するため上
記の溶解中又は溶解後に破損した。 前記したように、スピーカ用振動板として従来から軽量
で強いアルミニウムやチタンが用いられているが、モリ
ブデンは音響性能を表わすヤング率及び音速がアルミニ
ウムやチタンよりも優れており、このモリブデンによる
スピーカ用振動板S1は特に高域再生用として高性能を
発揮する。 また、アルミニウムやチタンは融点が低いため表面処理
を高温で行なうと変形を生じたが、モリブデンは融点が
2600℃と高く、膨張率がチタンの172、アルミニ
ウムの115であって熱膨張が少なく、熱変形も少ない
から、その表面にダイヤモンド膜を形成して性能を向上
させる場合に極めて有利である。 実施例2によるスピーカ用振動板はその音速が9000
m / sec、であり、実施例3によるスピーカ用振
動板S3はその音速が17000m / see、以上
であった。 次の表は従来のアルミニウム(八β)、チタン(Tl
)によるドーム形振動板と上記実施例1〜3によるドー
ム形振動板(SL、S2. S3)との音響定数を比較
したものである。 第5図に示す写真図は、実施例2及び3によるダイヤモ
ンド生成膜をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した倍
率3.500倍のダイヤモンド膜の表面を表し、2〜3
ミクロンの結晶粒が生成されており、多結晶になってい
ることが観察される。 第6図はラマン分光特性を表わし、1332cm−’に
ダイヤモンド特有のピークが得られている。 [発明の効果] 本発明に係るスピーカ用振動板によれば、モリブデン箔
で成形された振動板にあってはアルミニウムやチタンに
よる振動板以上の音速が得られ、また、モリブデン振動
板基材の表面にダイヤモンド膜を付着形成した振動板に
あってはヤング率及び音速を大幅に向上させることがで
きる。 そして本発明に係るスピーカ用振動板の製造法によれば
、表面処理に際しての熱変形を大幅に減少させることが
でき、モリブデン振動板基材にダイヤモンド膜を蒸着さ
せるものであるから不純物の生成が少なく、良質なダイ
ヤモンド膜を得ることができる。しかも従来のセラミッ
クス振動板基材への表面処理に比して衝撃に強く、破損
しにくい振動板を得ることができる。 更に、振動板基材を溶解してダイヤモンドだけで形成さ
れた振動板を得るに際しても振動板基材がモリブデン箔
あるから、酸またはアルカリで容易に融解させることが
できる。
て、直径25ミリ、球状半径19ミリのドーム形振動板
基材1を金型成形し、これをスピーカ用振動板S1とし
た。 金属モリブデンは密度がチタンの2倍であるが、成形技
術の向上により、薄い箔でもスピーカ用振動板形状に成
形することができるようになった。このドーム形振動板
Slの音響定数は後述する。 実施例2 上記のモリブデンによるドーム形振動板基材1の表面に
第4図に示すダイヤモンド生成装置を用いて熱プラズマ
CVD法によって結晶質ダイヤモンドを蒸着し、厚さ3
ミクロンのダイヤモンド膜2を付着形成した第2図に示
すようなスピーカ用振動板S2を得た。 このダイヤモンド膜2の蒸着に際しては下記の条件で実
施した。・ 供給原料ガス比率 ガス流量 アルゴン 100% メタン 0.1% 水 素 7 % 50リットル/分 真空度 20 Torr 蒸着速度 30ミクロン/時間 表面温度 800℃ 第4図のダイヤモンド生成装置は熱プラズマCVD法に
使用される装置であり、熱プラズマを発生するプラズマ
トーチ(ガン) 11及びチャンバー12内は真空排気
15によって真空状態におかれており、原料ガス13が
供給される。被着物である振動板基材lは冷却水16が
循環する放熱器17上にセットされる。この放熱器17
は回転するようになっている。 プラズマトーチ11はアノード(陽極)18とカソード
(陰極)19で構成した電極間の直流放電によって炭化
水素ガスのメタンと水素が分解したプラズマをトーチか
ら放出し、化学輸送法(CVD)によって振動板基材l
上に結晶粒のダイヤモンド膜が堆積するようになってい
る。 実施例3 モリブデン振動板基材1上に34ミクロンのダイヤモン
ド膜2を形成し、これを電気炉に入れて不活性ガスのア
ルゴンを導入し、真空中にてダイヤモンド膜のアニール
を行なった。このアニーリング工程は蒸着時にダイヤモ
ンド膜で生じる内部応力を緩和するためのものであり、
電気炉の条件は昇温50℃/時間で1000℃とし、保
持時間2時間、降温50℃/時間とした。 このアニーリングはダイヤモンドが酸化し始める温度で
ある600℃以上の温度で行なうことが必要であり、不
活性ガスは酸化を防止する。 実施例4 実施例3と同様にしてダイヤモンド膜を形成すると共に
アニーリングして内部応力をなくした振動板を弗可水素
と発煙硝酸1:1の割合による溶液中に浸漬し、モリブ
デンを溶解して第3図に示すようなダイヤモンド膜だけ
によるドーム形振動板S3を得た。ダイヤモンド膜をア
ニーリングをしない振動板は内部応力が残存するため上
記の溶解中又は溶解後に破損した。 前記したように、スピーカ用振動板として従来から軽量
で強いアルミニウムやチタンが用いられているが、モリ
ブデンは音響性能を表わすヤング率及び音速がアルミニ
ウムやチタンよりも優れており、このモリブデンによる
スピーカ用振動板S1は特に高域再生用として高性能を
発揮する。 また、アルミニウムやチタンは融点が低いため表面処理
を高温で行なうと変形を生じたが、モリブデンは融点が
2600℃と高く、膨張率がチタンの172、アルミニ
ウムの115であって熱膨張が少なく、熱変形も少ない
から、その表面にダイヤモンド膜を形成して性能を向上
させる場合に極めて有利である。 実施例2によるスピーカ用振動板はその音速が9000
m / sec、であり、実施例3によるスピーカ用振
動板S3はその音速が17000m / see、以上
であった。 次の表は従来のアルミニウム(八β)、チタン(Tl
)によるドーム形振動板と上記実施例1〜3によるドー
ム形振動板(SL、S2. S3)との音響定数を比較
したものである。 第5図に示す写真図は、実施例2及び3によるダイヤモ
ンド生成膜をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した倍
率3.500倍のダイヤモンド膜の表面を表し、2〜3
ミクロンの結晶粒が生成されており、多結晶になってい
ることが観察される。 第6図はラマン分光特性を表わし、1332cm−’に
ダイヤモンド特有のピークが得られている。 [発明の効果] 本発明に係るスピーカ用振動板によれば、モリブデン箔
で成形された振動板にあってはアルミニウムやチタンに
よる振動板以上の音速が得られ、また、モリブデン振動
板基材の表面にダイヤモンド膜を付着形成した振動板に
あってはヤング率及び音速を大幅に向上させることがで
きる。 そして本発明に係るスピーカ用振動板の製造法によれば
、表面処理に際しての熱変形を大幅に減少させることが
でき、モリブデン振動板基材にダイヤモンド膜を蒸着さ
せるものであるから不純物の生成が少なく、良質なダイ
ヤモンド膜を得ることができる。しかも従来のセラミッ
クス振動板基材への表面処理に比して衝撃に強く、破損
しにくい振動板を得ることができる。 更に、振動板基材を溶解してダイヤモンドだけで形成さ
れた振動板を得るに際しても振動板基材がモリブデン箔
あるから、酸またはアルカリで容易に融解させることが
できる。
第1図乃至第3図はスピーカ用振動板を示す断面図、第
4図は熱プラズマCVD法によるダイヤモンド生成装置
を示す機構図、第5図は生成されたダイヤモンド膜の表
面を示す写真図、第6図は ラマン分光特性図である。 Sl、S2.S3:スピーカ用振動板
4図は熱プラズマCVD法によるダイヤモンド生成装置
を示す機構図、第5図は生成されたダイヤモンド膜の表
面を示す写真図、第6図は ラマン分光特性図である。 Sl、S2.S3:スピーカ用振動板
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1、モリブデン箔を金属箔プレス成形法もしくはエアー
成形法により振動板形状に成形して振動板基材としたこ
とを特徴とするスピーカ用振動板。 2、振動板基材がドーム形をなしていることを特徴とす
る請求項1記載のスピーカ用振動板。 3、振動板基材の少なくとも片面に結晶質のダイヤモン
ド膜を付着形成したことを特徴とする請求項1記載のス
ピーカ用振動板。 4、モリブデン箔を金属箔プレス成形法もしくはエアー
成形法により振動板形状に成形して振動板基材を得、該
振動板基材の少なくとも片面に結晶質のダイヤモンド膜
を付着形成せしめた後、不活性ガスを充填した電気炉に
てアニーリングすることを特徴とするスピーカ用振動板
の製造法。 5、アニーリング温度が500℃乃至1500℃である
ことを特徴とする請求項4記載のスピーカ用振動板の製
造法。 6、モリブデン箔を金属箔プレス成形法もしくはエアー
成形法により振動板形状に成形して振動板基材を得、該
振動板基材の表面に結晶質のダイヤモンド膜を付着形成
せしめた後、不活性ガスを充填した電気炉にてアニーリ
ングし、これを強酸もしくは強アルカリ溶液に浸漬して
モリブデン箔を溶解せしめて、ダイヤモンド膜だけで形
成されたスピーカ用振動板を得ることを特徴とするスピ
ーカ用振動板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22044189A JPH0385099A (ja) | 1989-08-29 | 1989-08-29 | スピーカ用振動板及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22044189A JPH0385099A (ja) | 1989-08-29 | 1989-08-29 | スピーカ用振動板及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0385099A true JPH0385099A (ja) | 1991-04-10 |
Family
ID=16751161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22044189A Pending JPH0385099A (ja) | 1989-08-29 | 1989-08-29 | スピーカ用振動板及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0385099A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006290687A (ja) * | 2005-04-12 | 2006-10-26 | Univ Of Electro-Communications | 成型ダイヤモンド膜の製造方法 |
GB2587482A (en) * | 2019-07-12 | 2021-03-31 | Element Six Tech Ltd | Non-planar diamond body |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5635598A (en) * | 1980-07-09 | 1981-04-08 | Pioneer Electronic Corp | Manufacture of speaker diaphragm |
JPS60141697A (ja) * | 1983-12-27 | 1985-07-26 | Pioneer Electronic Corp | ダイヤモンド振動板の製造方法 |
JPH01282999A (ja) * | 1988-05-09 | 1989-11-14 | Kenwood Corp | 音響用振動板及びその製造法 |
-
1989
- 1989-08-29 JP JP22044189A patent/JPH0385099A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB2587482A (en) * | 2019-07-12 | 2021-03-31 | Element Six Tech Ltd | Non-planar diamond body |
GB2587482B (en) * | 2019-07-12 | 2022-05-25 | Element Six Tech Ltd | Non-planar diamond body |
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