JPH0380636B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は感光層を有する証明カードに関するも
のであつて、該層上に写真乃至証印のような現像
された区域の形式で情報が形成されたものであ
る。

透明なカバーシートの間に封入または未封入い
ずれかの単層又は多層の証書又は証明カードなど
は本発明の特許請求の範囲における均等物であ
る。それゆえに、この一般化された用語の証明カ
ードは、以下の説明において、前記範疇の変形例
を含むものである。

証明カード方式のものは、アグフア・ゲバルト
（Agfa−Gevaert）社からアギス方式（Agiss
System）という名前で販売されているので、公
知である。この方式に使用されている証明カード
の基盤は永久的感光層である。この感光層は日光
に感光しないので、日光のもとでも未露光のカー
ド用紙を取扱うことができる。このことは、たと
えば証明カードの個人化処理にかなりの便宜を与
える。

このカードの製作は、単色又はそれ以上の色に
印刷しかつ感光乳剤で被つたカード用紙を特殊カ
メラ内に配置して写真及びカード所有者の個人的
情報を証明カード用紙に転写して、なされる。証
明カードが仕上がつた後引続いて、損傷、汚れ乃
至偽造を防護するためにプラスチツク製封筒にカ
ードを封入する。

他の証明カードはスイス国特許第477066号の明
細書に開示されており、この場合もまた、カード
の基盤は感光層を備えて写真及び個人的情報項目
が記録されているものである。

偽造や模造からカードを防護するために、これ
らの方式における写真及び情報項目はさらに、感
光層の現像後細い波状の線群などのような形式の
重ねり刷りがなされる。

この追加して重ね刷りされた模様すなわちパタ
ーンはカードの情報項目上に位置しているので、
写真や情報項目の改ざんによつて印刷パターンに
必らず損傷を生じることとなる。この印刷された
パターンは十分に繊細かつ複雑に形成されそのた
め損傷したパターン区域の修正が不可能である場
合は、この重ね刷りのパターンはカードの資料の
いかなる改ざんも非常に効果的に阻止できる。

偽造や改ざんを防止するので、防護を高めると
いう明白な利点があるにもかかわらず、この方法
はそれでもなお安全性と製作技術の分野において
いくつかの欠点を有している。

波状パターンの重ね刷りは感光層の現像後に施
されるので、印刷した色の大きく変動する許容特
性のため、交差する白黒調の写真表面の場合のよ
うな結果になる。この欠点は、重ね刷りが地の暗
い区域ではほとんど目に見えなくなるという結果
を生じる。よく被覆する色が使用された場合は、
入射又は直射光線でカードが見られるときに最も
よく改善がなされる。しかしながら透光光線で見
られる場合は印刷パターンの均一の印象が変わ
り、したがつて大きく乱される。

そのうえ、偽造防護の点に関する限り、線パタ
ーンが不適当な溶剤で完全に取り除かれる場合
は、写真や情報項目の変更や交換を少しも暴露す
ることなくカード上の資料を偽造してから別の線
パターンを使用して表面全体を重ね刷りすること
が可能であるということが欠点として重要視しな
ければならない。

カード製作の実施に関連する別の欠点は、安全
に個人化してしまつた証明カードすなわち写真や
個人的情報を備え終つた証明カードは同じ場所で
通常実施されるはずがない印刷工程を経なければ
ならない、ということである。

本発明の目的は前述の欠点をなくしかつ偽造又
は模造に対してさらに大きな防護を可能とする証
明カードを提供することである。

この目的は本発明によれば、現像区域が複雑な
模様を有する透明な防護パターンでさえぎられる
ことによつて達成される。

重ね刷りを防護パターンは、感光層の露光に際
して光線通路内に位置している分離パターンとし
て、また現像前に感光層に印刷された一種のパタ
ーンとして、いづれでも形成することができる。

本発明による防護パターンの重ね刷りは、その
覆われ又はマスクされた区域の乳剤層が露光によ
つて変色するのを防止する。このことは結果とし
て公知の証明カードと比較して著しい利点とな
る。

感光層（たとえば白紙）に重ね刷りした防護パ
ターンの線群は証明カードの表面全体にわたつて
同一の光学的特性をもつているので、この線パタ
ーンは、その全体にわたつて一様で、しかも強烈
に黒色化した環境たとえば写真や情報項目におい
てさえもはつきり目に見える配色と調色とを表わ
す。勿論、印刷された色は、その色によつて隠さ
れた区域の黒色化を妨げるような方法を使用した
写真方法に合致しなければならない。

偽造者は記録された防護パターンを用いてい
る、カードの感光層上に印刷された防護パターン
を取り除くことに成功したならば、印刷の線群の
真下に位置するこれらの区域は、非露出区域なの
で露出されると用紙の白地が出て白くなつて現わ
れる。それゆえに、露出さえた乳剤層区域の線パ
ターンは一層はつきり見えて、重ね刷りの除去に
もかかわらず容易に認識できる。

写真や情報項目の改ざんに関して、偽造者はそ
の後防護パターンを復元しようとするときに結局
失敗するであろう、何故ならばそのパターンを原
の印刷と完全に同一にするばかりでなくまたすで
に存在している白線の網目（非露出区域）に正確
に合致させなければならないからである。この合
致操作において起きるのが避けられない最もささ
いな不一致でさえも視覚によつて、たとえばモア
レ（Moire′）縞の効果によつて、企てた偽造が
容易に暴露され、従つて誰にでも簡単に偽造を見
破ることができる。

露光時のみ光線通路内に配置した防護パターン
で証明カードの表面を被うことだけで、感光性区
域を防護した場合は、このパターンは露出区域す
なわち暗黒色化した区域でのみ認知できる。この
場合に偽造を企てた時は、感光層上に位置する印
刷された模様を取り除く必要がない。しかしなが
ら、明るい非露出区域の線群に妨げによつて、線
状網目を模倣することは、たとえばもし写真を補
修された場合に実際に不可能である。これは偽造
の企てを有効な方法で一層困難にする。廉価にも
かかわらず（防護手段の付加は単に線状マスクを
カメラの光線通路内に配置することのみしか必要
としない）、この方法がさまざまな場合の偽造や
模造の防護を十分に保証するものである。

最後に、新しい証明カードの製作工程が先行技
術と比較して簡略化されたことに注目しなければ
ならない。写真の情報が防護パターンの混合又は
ぼかしで単に保護されている場合は証明カードに
追加手段を備える必要がない。

単色又は多色の防護パターンを重ね刷りするこ
とにより証明カードが保護される場合は、用紙は
感光乳剤で被覆された後ただちに巻物状にするか
又はシートにして単一又はそれ以上の印刷工程に
供給することができる。印刷工程で、防護パター
ンの網目が、たとえば微細に構成された線群状の
網目、例示すると有価証券の印刷ですでに知られ
ているなわ編みパターンのような網目を形成して
供される。この重ね刷りはまた切手印刷機におい
ても実施できる。日光に感光しない感光層が使用
される場合は、印刷工程及びその後の工程におい
て未露出乳剤層を保護するために設置しなければ
ならない特定の層は不要である。写真又は情報項
目は最終工程で個々のカードの感光層に転写され
る。

偽造及び模造に対して高度の防護を有するにも
かかわらずこの工程は他の公知の工程と異なるの
でカードの集中生産のみならず特に分散生産もま
た可能であり、偽造や模造からカードを防護する
手段を未露出感光乳剤にあらかじめ備えてあるの
で個々の証明カードは発行所においてさえも費用
の高い後処理の必要もなく仕上げることができ
る。従つて、この証明カードは消費者に即時発行
することができる。

さて、本発明を、その好ましい実施例に基づき
添付図を参考にして次に詳しく説明する。

第１図は本発明に基づいて製作した証明カード
であつてその表面上に印刷した防護パターンによ
つて防護しているものを示し、またさらにその断
面を第２図に示す。よりよく明確にするために個
個の層は、断面図においては、やや過大視して示
してある。この例示のカードはカバーシートに未
封入の証明書として形成したものである。すでに
前述したように、この証書はいつでも２枚の透明
なカバーシートの間に封入することができるもの
である。

図に示す証明カードは証書１として形成したも
ので該証書はすかし模様を備え、かつ単色又は多
色で印刷したものである。例示の証書１は片面だ
けに感光層３を備えてあり、該層は証書に永久接
合しているものである。感光層３は日光の影響に
よつて光化学反応を起さないように形成されてい
ることが好ましい。

第２図に特に示すように、印刷した防護パター
ン６は感光層３上に設けてある。この防護パター
ンの印刷（図には非常に簡略的に示してある）は
安全上の理由から、たとえば証書類の印刷におけ
るごとく、すでに通常化しているものと同様に非
常に細く、かつ複雑に交錯又はへび状に曲がりく
ねつた線群（いわゆるなわ編み模様と云われてい
るもの）に形成することができる。この線網目は
証明カードの表面をおおうために、その全体又は
部分のいずれにも重ね刷りすることができる。こ
の防護印刷は特定カードの情報を保護するのに役
だつものであるから、第１図に示すように、それ
につづく工程で設けられる写真と情報項目の位置
する区域には少くとも施されなければならない
（区域５ａ及び５ｂ参照）。

第３図と第４図は個人化処理を施した後の、す
なわちカード所有者の写真と情報項目とを感光層
に転写した後の前述の証明カードを示している。
例示のものはカード所有者の写真７ならびに個人
の情報項目８がカードの指定された区域５ａ及び
５ｂに転写されたものである。

簡略化するために写真部分のみを単に白黒の濃
淡のぼかしで示してある。勿論、この画像は所望
するカラー又は任意の中間調子に複製することが
できる。特にカラー画像の複製に関する限り、印
刷した防護パターン用に選ばれる配色はこの像が
その周囲を取り巻く部分と十分対比して目立つよ
うなものに選択しなければならない。

第４図において、証明カード上の暗黒色で示し
た現像区域群９は防護パターンの重ね印刷で被わ
れた非現像区域群１０と非常によく区別すること
ができる。暗黒色の現像区域群９は明るい部分す
なわち非現像区域群１０によつて連続してさえぎ
られている。防護印刷６の線群の真下に他の重ね
印刷が位置しなかつたならば、線網目を地は表面
全体にわたつて一様不変の色調に容易になりやす
いということがわかる。従つて暗黒色区域群が非
常に強烈に露出されたときでさえも、防護パター
ン印刷の輪郭はその周囲区域に対して非常によく
目立つもので、とりわけ、透明色が鮮明な線群と
して使用される場合はなおさら目立つものであ
る。

偽造を企て感光層３から防護パターンの線群６
を取去つたならば、非現像区域群１０が露出され
る。証書１の地が無色で形成されている場合は、
無色の網目が見えるようになる。この無色線群の
網目は原防護パターンの印刷に明確に一致してい
るものである。それゆえ、原防護印刷が無色の線
群の網目とよく符号するように位置づけしなけれ
ばならないので原防護印刷を再現することはほと
んど不可能である。

最後に、第５図は先行技術にもとづいて製作さ
れた或る証明カードを示す。この場合は、感光層
３は、防護印刷６を備えておらず、乳剤層の露光
現像後に防護印刷６がその上に重ね刷りされるの
で、本発明の感光層の露光前にこの感光層に防護
パターンを施しておくもののように、防護印刷の
線群６の真下に整列して位置する未現像部分を得
ることができない。

したがつて、本明細書の冒頭ですでに説明した
ような欠点、たとえば対比度の不足、見破ること
の困難な印刷の除去又は分離などによる改ざんの
欠点が生じるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は感光層及び該層上に印刷された防護パ
ターンを有する証明カードを示す図、第２図は第
１図に示す証明カードを切断線２−２に沿つた断
面を示す図、第３図は感光層に写真及び情報項目
を転写した証明カードを示す図、第４図は第３図
に示す証明カードを切断線４−４に沿つた断面を
示す図、第５図は先行技術による証明カードを示
す図。 １……証書、３……感光層、５ａ，５ｂ……防
護区域、６……防護パターン、７……カード所有
者の写真、８……情報項目、９……現像区域、１
０……非現像区域。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基板上に塗布された感光層の所定部分に、未
   現像部分と現像部分とからなる可視情報が記録さ
   れ、該可視情報の上に複雑な線群からなる印刷防
   護パターンが積層され、該線群の真下に前記可視
   情報の未現像部分が整列するよう位置しているこ
   とを特徴とする証明カード。