JPH0380398B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は分散化して配置された機器間の通信制
御装置に関するものである。

従来の技術 近年、複数の機器を集中的に制御したり、現在
の機器の状態をモニタ監視することを目的とし
て、各機器を電気的な通信網で結び互いに制御信
号を伝送し合う伝送制御方法が各種報告されてい
る。一例として、一般家庭内の負荷を制御するの
に商用100V電灯線を伝送通信路として用いる方
法がある。これは電灯線の交流電圧上にこれより
は十分高い周波数の通信用信号電圧を重畳させて
各機器間を通信させるもので、制御用の特別配線
が不必要なことから配線にともなう手間や費用が
少なくてすむという特徴を持つ。

ここで機器とは、制御される負荷と、負荷の状
態を検知する負荷状態検知機能と負荷を通電（以
降ONと記す）が非通電（以降OFFと記す）かの
いずれかに制御する負荷制御機能と、他の機器と
制御信号を送受する通信機能と、自局アドレス設
定機能とを有した制御モジユールとを組み合わせ
たものを言う。また、制御用の機器として、各機
器と制御信号を送受する通信機能と、各機器に伝
送するON／OFF制御信号を発生する制御信号発
生機能と、各機器がON状態かOFF状態かを表示
するモニタ表示機能と、各機器に対応する可変ま
たは固定の相手局アドレス設定機能と、自局アド
レス設定機能とを有した制御ターミナルがある。

この電灯線を利用した伝送制御装置について、
以下に図面を参照しながら説明する。第３図は従
来の電灯線を利用した伝送制御装置の構成図を示
す。１は商用100Vの電灯線であり、一般家庭内
にあるものである。機器８，９はそれぞれ負荷
４，５と制御モジユール２，３が組み合わされた
ものであり、それぞれ電灯線１に接続されてい
る。制御モジユール２，３は前述したように負荷
状態検知機能、負荷制御機能、通信機能と自局ア
ドレス設定機能を有したもので、自己と組み合わ
された負荷４，５のON／OFF制御信号を検知制
御し、また電灯線１を伝送通信路として他機器と
通信を行なう。この通信を可能とするための自局
アドレスを設定する手段が自局アドレス設定手段
６，７である。一方、制御ターミナル１０は機器
の一種であり、電灯線１に接続され、前述したよ
うに通信機能、制御信号発生機能、モニタ表示機
能、自局アドレス設定機能と相手局アドレス設定
機能を有する。以上の構成において、例えば制御
したい負荷８に対応する負荷制御スイツチ１６〜
１９のうちの一つのスイツチ、例えば１６を押す
ことによつて、制御ターミナル１０はこの負荷制
御スイツチ１６に対応する相手局アドレス設定手
段１２〜１５のうちの一つの相手局アドレス設定
手段１２によつて設定された制御モジユール２に
対し、ON／OFFの制御コマンドと自局アドレス
と相手局アドレスとで構成された信号を送る。こ
の信号により制御モジユール２は負荷８を制御
し、その制御結果を自局アドレスを付加して制御
ターミナル１０に送信する。これを受けた制御タ
ーミナル１０は送信されてきた相手局アドレスに
対応するモニタ表示灯２０〜２３のうちの一つの
モニタ表示灯２０を点灯する。以上の様な一連の
動作で負荷の状態を希望どおりに制御したりその
結果をモニタ監視したりする。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、制御ター
ミナルの負荷制御スイツチを、それぞれの負荷を
制御する制御モジユールに対応させるため、制御
モジユールの数だけ相手局アドレス設定手段が必
要となつていた。そのため、制御ターミナルが大
形化するという問題や、アドレス設定に手間がか
かるという問題があつた。

本発明は上記問題点を解消するもので、制御タ
ーミナルに一つの相手局アドレス設定手間を設
け、この相手局アドレス設定手段に一つの相手局
アドレスを設定するだけで、全ての制御モジユー
ルのアドレスに対応する相手局アドレスの設定が
できる、小型で安価な伝送制御装置を提供するも
のである。

問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために、本発明は、受信
した信号により負荷を制御する制御モジユール
と、前期制御モジユールを制御するための信号を
伝送する制御ターミナルと、前記制御モジユール
と制御ターミナルを結ぶ双方向の伝送通信路とし
ての商用電力線とで構成する伝送制御装置であつ
て、前記制御ターミナルは、ただ一つの相手局ア
ドレス設定手段と、前記相手局アドレス設定手段
を設定した時にこの設定値に加算または減算する
ことで、全ての制御モジユールのアドレスに対応
する相手局アドレスが逐次定まる自動設定手段を
有した構成としたものである。

作 用 この構成によつて、制御ターミナルにただ一つ
の相手局アドレス設定手段を設けるだけで、複数
の制御モジユールのアドレスに対応する相手局ア
ドレスの設定が可能となる小型の制御ターミナル
を備えた伝送制御装置とすることができる。

実施例 以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図は本発明の一実施例の伝送制御装置の
構成図を示す。双方向伝送通信路である商用
100V電灯線２４には機器３１，３２および制御
ターミナル３３が接続されている。機器３１，３
２はそれぞれ負荷２７，２８と、この負荷２７，
２８のON／OFF制御を行う制御モジユール２
５，２６とが組み合わされたものである。制御モ
ジユール２５，２６（図では２５，２６の２つし
か示されていないが、以下の説明では４つあるも
のとする）は制御ターミナル３３との通信を可能
とするためのアドレスを設定する手段である自局
アドレス設定手段２９，３０を有している。一
方、制御ターミナル３３にも自局アドレスを設定
する手段としての自局アドレス設定手段３４が備
えられており、この他に制御モジユール２５，２
６のそれぞれに対する制御指令を送るための負荷
制御スイツチ３６〜３９およびこれに対応するモ
ニタ表示灯４０〜４３が備えられている。また負
荷制御スイツチ３６〜３９及びモニタ表示灯４０
〜４３と制御モジユール２５，２６とを対応させ
るための手段としてただ一つの相手局アドレス設
定手段３５とこれにより設定したアドレス値に、
例えば１を加えることをつづけて全ての制御モジ
ユールのアドレスに対応する相手局アドレスを逐
次定めることのできる自動設定手段４４とを有し
ている。

本発明の実施例において一連の動作は従来例の
ものと全く同じであるので省略する。ここでは、
問題点を解決するための手段となつた一つの相手
局アドレス設定手段３５と自動設定手段４４の動
作を中心に説明する。

今、制御ターミナル３３に４つの負荷制御スイ
ツチ３６〜３９およびモニタ表示灯４０〜４３が
あるとする。そして相手局アドレス設定手段３５
を制御モジユール２５の自局アドレス設定手段２
９に設定されているアドレスである10000010B
（２進数表現）と設定すると、負荷制御スイツチ
３６は10000010Bに、負荷制御スイツチ３７は制
御モジユール２６の自局アドレス設定手段３０に
設定されているアドレスである10000011Bに、負
荷制御スイツチ３８は10000100Bに、負荷制御ス
イツチ３９は10000101Bにそれぞれ相手局アドレ
スとして自動設定手段４４により自動的に設定さ
れる。つまり相手局アドレス設定手段３５で設定
されたアドレス値に１を加えることをつづけて、
全ての制御モジユールのアドレスに負荷制御スイ
ツチ３６〜３９を対応させて設定することとな
る。こうすることによつて相手局アドレス設定手
段３５の初期設定値をこの伝送制御装置が有して
いる制御モジユールのアドレスの一番若い番号に
決めてやれば、自動設定手段４４により、全ての
制御モジユールのアドレスに対応するアドレスが
相手局アドレスとして設定でき、負荷制御スイツ
チ３６〜３９をこれらの制御モジユールの全てに
対応させることができる。したがつて、従来例で
述べたようにそれぞれの負荷制御スイツチ３６〜
３９のそれぞれに対して相手局アドレス設定手段
が、ひとつずつ必要な伝送制御装置と違つて相手
局アドレス設定手段が一つだけでよい上に、必要
であれば相手局アドレスをいくつかの制御ターミ
ナルで重複設定し、どの制御ターミナルからでも
負荷の制御やモニタ監視を行うことも容易にでき
る。

第２図は、相手局アドレス設定手段３５により
入力された値から自動設定手段４４を通して負荷
制御スイツチ３６〜３９とモニタ表示灯４０〜４
３とに伝送制御装置が有している制御モジユール
個々が有しているアドレスに対応する相手局アド
レスをそれぞれ対応させる一連の動作をブロツク
図で示したものである。

なお、本実施例では、制御ターミナル３３が負
荷制御できる数を４つとしたが、これは制御ター
ミナルが制御できる範囲でその数をいくらにして
もよい。また、本実施例では相手局アドレスの設
定を１づつ加算する方法で行つた場合について説
明したが、「１」に拘わる必要はなく、また減算
によつて行つても良いことは言うまでもない。

発明の効果 以上のように本発明によれば、ただ一つの相手
局アドレス設定手段により、その制御ターミナル
が伝送制御装置に用いられている全ての制御モジ
ユールのアドレスを自動的に設定することができ
るので、アドレス設定の容易性、設定手段の数の
激減による低コスト化、小型化を達成できる上
に、制御できる負荷の数は変らないという大きな
利点が得られる。

また、あるひとつの負荷を制御することのでき
る制御ターミナルはひとつだけであつたものが、
複数の制御ターミナルからでも容易に制御できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す構成図、第２
図はその伝送制御方法を説明するためのブロツク
図、第３図は従来の伝送制御装置を示す構成図で
ある。 ２４……商用100V電灯線、２５，２６……制
御モジユール、２７，２８……負荷、２９……自
局アドレス設定手段、３３……制御ターミナル、
３４……自局アドレス設定手段、３５……相手局
アドレス設定手段、３６〜３９……負荷制御スイ
ツチ、４０〜４３……モニタ表示灯、４４……自
動設定手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 受信した信号により負荷を制御するモジユー
   ルと、前記制御モジユールを制御するための信号
   を伝送する制御ターミナルと、前記制御モジユー
   ルと制御ターミナルを結ぶ双方向の伝送通信路と
   しての商用電力線とで構成する伝送制御装置であ
   つて、前記制御ターミナルは、ただ一つの相手局
   アドレス設定手段と、前記相手局アドレス設定手
   段を設定した時にこの設定値に加算または減算す
   ることで複数の他の相手局アドレスを逐次定める
   自動設定手段を有し、複数の負荷を制御可能にし
   た伝送制御装置。