JPH0377870B2 - - Google Patents

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JPH0377870B2
JPH0377870B2 JP60067803A JP6780385A JPH0377870B2 JP H0377870 B2 JPH0377870 B2 JP H0377870B2 JP 60067803 A JP60067803 A JP 60067803A JP 6780385 A JP6780385 A JP 6780385A JP H0377870 B2 JPH0377870 B2 JP H0377870B2
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ion
ions
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boron
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Mamoru Sato
Koichi Yamaguchi
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Kyocera Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
Kyocera Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は高硬度窒化ホウ素膜の製造方法に係
り、詳細には真空蒸着法及びイオン照射法から構
成される高硬度窒化ホウ素膜(以下、窒化ホウ素
をBNと略す)の製造方法に関する。 〔先行技術〕 BNには立方晶窒化ホウ素(以下、CBNと略
す)、六方最密充填窒化ホウ素(以下、WBNと
略す)、六方晶窒化ホウ素(以下、HBNと略す)
の結晶構造があり、この中でCBN及びWBNは耐
熱衝撃性、熱伝導性、硬度及び耐摩耗性、並びに
高温での鉄族金属に対する耐性にも優れているた
め種々の広範な用途に注目されており、これに伴
い良質のCBNやWBNの製造が研究されている。 公知の製法技術として高価な装置を使用して数
万気圧且つ千数百度という超高圧・超高温のもと
で合成できる方法があるが、近時、気相成長法に
よつて基体の表面に効率的にCBNやWBNを合成
して、その薄膜を生成することも研究されてい
る。 薄膜形成技術には化学蒸着法及び物理蒸着法に
大きく分類され、とりわけ、イオンを用いた物理
蒸着法がBN膜の研究の主流になつている。これ
にはイオン化された原子を加速し、その後、減速
して基体上に被着させるというイオンビームデポ
ジシヨン法、クラスターイオンを加速して基体に
衝突させて一度に多量の原子を被着させるという
クラスターイオンプレーテイング法、イオン化し
て加速した希ガス等でスパツタした原子を基体に
被着させるというイオンビームスパツタリング法
等がある。この方法においては、そのイオンの運
動エネルギーは数eV〜数百eVであり、イオン種
が基体の内部に注入されることはほとんどなく、
そのために薄膜と基体との密着性については十分
でなかつた。 更に、イオンミキシング法においては基体上に
ある物質を蒸着し、次いで希ガスなどのイオン種
を数百KeV以上の運動エネルギーで照射すると、
蒸着物質の原子はイオン種の衝突によつて反跳す
るため、基体内部に侵入し、これに伴つて基体と
蒸着層との間に両者の成分から構成される新しい
薄膜が形成され、然る後、残余の蒸着膜を化学的
方法で除去し、そして基体表面上に新しい薄膜を
形成するのであり、これによればイオン種のエネ
ルギーが大きくなつてもイオン電流を大きくする
必要もなく、また、多量の異種原子を基体表面近
くに注入することができるが、注入される原子と
基体の構成原子との混合比を一定に保つことが困
難である。 従つて、上述のようなイオンを用いる薄膜形成
技術においても、未だCBNやWBNの合成が報告
されていなかつた。 本発明者等は上記事情に鑑み、鋭意研究の結
果、先に、ホウ素を含有する蒸発源及び少なくと
も窒素から成るイオン種を発生せしめるイオン発
生源によつて、基体上にそれぞれ蒸着及びイオン
照射すると良質のCBNやWBNが形成できること
を見い出した。 即ち、第2図はこの薄膜形成方法を実施するた
めの典型的な装置を示す概略図である。イオン化
されるべきガス、例えば窒素はリークバルブ1を
経てイオン源2に導入され、ここでイオン化され
たのち、加速器3で加速されて所定のイオン加速
エネルギーが付与される。イオンは次に分析マグ
ネツト4に導入され、ここで必要とするイオン種
のみが磁気的に選択されて反応室5に供給され
る。 反応室5は真空ポンプ(例えばターボ分子ポン
プ)6によつて10-4Torr以下の高真空に維持さ
れる。基体7は基体ホルダ8に固定され、ここに
上記したイオン種が照射される。照射に際しては
基体7に均一にイオン種を照射するために収速レ
ンズ9にイオン種を通過させることが望まれる。 10は基体7の下に配置された蒸着装置であつ
て、この装置の加熱方法は電子ビーム加熱、レー
ザー線加熱など適宜な方法が用いられる。この中
には例えばホウ素(B)を含有する蒸発源が収容され
ている。ホウ素を含有する蒸発源の蒸着量及び蒸
着速度は、基体ホルダ8の横に配設した例えば石
英板使用の振動型膜厚計11によつて測定すれば
よい。 また、イオン種の原子数、すなわち、イオン電
流は、二次電子追返し電極12を付設した電流積
算計13によつて正確に測定することができる。 そして、基体7と二次電子追返し電極12の間
に、基体7に負のバイアス電圧されるように電圧
の調節可能なバイアス電源14が接続されてい
る。 このような装置において、基体7を所定位置に
セツトし、反応室5内を所定の真空度に保ち、蒸
着装置10を作動してホウ素を含有する蒸発源を
基体7に所定量蒸着させ、且つそこに所定のイオ
ン種を所定のイオン加速エネルギーで照射すると
同時に、基体7に所定の負のバイアス電圧を印加
すれば、基体表面にはCBN及びWBNを主体とす
る高硬度BNの薄膜が形成される。 しかしながら、この薄膜形成方法においてはイ
オン源2より基体7へ向けて照射されるイオン種
の進路と金属蒸着装置より基体7へ向けて照射さ
れる蒸着物質の進路は同じ方向にない。従つて第
2図の装置によれば蒸着物質は基体7へ向けて傾
斜した角度で投入し、基体7の表面や膜形成面の
微小な凹凸に起因して蒸着物質が照射されない影
の箇所がミクロ的に発生し、均一な面照射が行な
われないという問題があつた。 またイオン種は基体7上で高励起レベルに達す
るのは容易であると考えられるが、他方の蒸着物
質については活性化が行なわれていない。従つて
蒸着物質が活性化エネルギー状態を獲得して基体
7上に蒸着するようにするとイオン原子との反応
結合の進行が行なわれ易くなるので好ましい。 〔発明の目的〕 従つて本発明の目的は良質のCBNやWBNから
成る薄膜を基体上に合成する新規な高硬度をBN
膜の製造方法を提供せんとするものであつて、イ
オンビームの進路と蒸着物質の進路を同じ方向に
して影のない均一な面照射を行なうと共にイオン
ビームデポジシヨンにおける高エネルギーイオン
の生成と同時に蒸着されるべき蒸気物質の活性化
も行われるようにし、これにより高品質な高硬度
BN膜を形成させ得る方法を提供するにある。 本発明の他の目的は上述した高品質のCBNや
WBNから成る薄膜を、成膜速度を制御しながら
高い膜生成速度で基体上に形成させる方法を提供
するにある。 本発明の更に他の目的は高いエネルギー効率
で、高品質BN膜を基体上に形成させ得る方法を
提供するにある。 〔発明の概要〕 本発明によれば、ホウ素含有蒸着物質を蒸発さ
せるための蒸着手段、少なくとも窒素を含むイオ
ン生成用ガスをイオンと電子とに解離させるため
のプラズマ発生領域、生成するイオンを加速して
基体上に照射させるイオンビーム加速領域、及び
イオンビームが照射され且つ該蒸着物質が蒸着さ
れるべき基体を、この順序に且つ実質上一直線に
整合して配置させ、該蒸着物質の蒸気を前記プラ
ズマ発生領域及びイオンビーム加速領域を通して
基体上に蒸着させると同時にイオン加速エネルギ
ーが原子当り5〜100KeVのイオンビームを基体
上に照射することにより、基体上に立方晶窒化ホ
ウ素、六方最密充填窒化ホウ素、又はこれらの組
み合せを含有する薄膜を形成することを特徴とす
る高硬度窒化ホウ素膜の製法が提供される。 〔問題を解決するための手段〕 次に本発明を詳細に述べる。 第1図は本発明の薄膜形成装置の概略配置図で
ある。 図中、保持機構15により保持されるホウ素含
有蒸着物質16、少なくとも窒素を含むイオン生
成用ガスをイオンと電子とに解離させるためのプ
ラズマ発生領域17、生成するイオンを加速して
基体18上に照射させるためのイオンビーム加速
領域19及び支持機構20により支持される基体
18を、この順序でしかも実質上一直線に整合し
て配置することが本発明の顕著な特徴である。 即ち、図において、プラズマ発生室29の最下
部には、例えば金属ホウ素等の蒸着物質16を納
めた銅ハースのような保持機構15が設けられて
おり、その上方にプラズマ発生領域17があり、
このプラズマ発生領域17にイオン生成用ガス2
1を導入するためのガス導入管22が設けられ、
その周囲には熱電子放出用のフイラメント23及
びプラズマ発生用マグネツトコイル24が配置さ
れる。プラズマ発生領域17とその上方のイオン
ビーム加速領域19との間には、プラズマ発生領
域17で発生するイオンをイオンビーム加速領域
19に引出すための、例えばグリツド状或いは格
子状の引出し電極25が設けられる。 このイオンビーム加速領域19には引出された
イオンをビームの形で加速するための加速機構、
所謂レンズ26が配置される。このレンズ26
は、図示していないが、それ自体公知の引出レン
ズ、減速レンズ及び加速レンズの単独又は組合せ
から成つていてもよい。反応室27内のこのイオ
ンビーム加速領域19の上方には、支持機構20
に支持されて、イオン及び蒸気が照射される基体
18が収容される。反応室27の一端には、反応
原子や分子の流れが基体18に直交するようにガ
ス吸引用の真空ポンプ(図示せず)に接続される
ガス排出口28が設けられる。従つてこのガスの
流れ方により、反応室27の内部に吸着していた
ガス、例えば水、酸素、有機物などが基体18に
到達しないようになつている。 また、基体18と、蒸着物質の保持機構15と
は、直流電源30に対して、基体18が負極性、
保持機構15が正極性となるように接続される。
図示した具体例では、この直流電源30はアース
を介在して直列に接続されたイオン加速用可変負
電源30aと電子加速用可変正電源30bとから
成つている。また、プラズマ発生室29は電子が
流れ出さないように抵抗を介して接地され、引出
し電極25はイオンの取出を可能にするバイヤス
電圧を印加する可変負電源31に接続されてい
る。 更に、プラズマ発生領域17と蒸着物質16と
の間には、プラズマ発生領域で発生する電子をビ
ームの形で蒸着物質16へ向けて加速するための
電子収束用マグネツトコイル32が配置される。 ガス導入管22を介して導かれたイオン生成用
ガス21は、プラズマ発生領域17を有するプラ
ズマ発生室29に入り、次いでフイラメント23
から熱電子を放出させることにより、プラズマを
発生させるのに伴つてプラズマ発生用マグネツト
コイル24によりそのプラズマ発生効率を高め、
プラズマ発生領域17において解離したイオンと
電子を生成する。 生成したイオンは、負のバイアス電圧が印加さ
れた引出し電極25の作用により、プラズマ発生
領域17外、即ち真空ポンプによつて10-4Torr
以下の高真空に維持されている反応室27内に取
出され、レンズ26の作用により集束され加速さ
れて、負のバイアス電圧が印加されている基体1
8にイオン加速ビームとして照射される。 本発明によれば、前記イオンの運動エネルギー
は原子当り0.01KeV〜100KeV、好ましくは
0.1KeV〜40KeVに設定するのがよく、かかる設
定により、高硬度BN膜が形成でき易くなる。 また、本装置によればプラズマ発生領域17の
電子は次に述べる真空蒸着手段の加熱用電子ビー
ムの供給源として用いられる。 即ち、本発明の薄膜形成装置に設けられた真空
蒸着手段によれば、プラズマ発生室17の壁面の
一部に蒸着物質16が納められた銅ハースの保持
機構15が付設されている。更に電子加速用可変
正電源30bによつて保持機構16と基体18の
間を保持機構16が正になるように印加すること
により、プラズマ発生領域17の電子は電子収束
用マグネツトコイル32によつてビーム状に蒸着
物質16へ照射し、これにより蒸着物質16は加
熱されて蒸発し易くなる。そして、蒸発した金属
物質はプラズマ発生領域17を通過する際にイオ
ン化が高度に活性化されながら基体18上に蒸着
される。 以上説明した本発明によれば、イオンビームと
蒸気物質とを完全に同一方向から同時に基体に照
射させることが可能となり、影のない均一な面照
射を行い、均質でしかも高品質の薄膜の形成が可
能となる。 また、蒸気物質をプラズマ発生領域及びイオン
加速領域を通して、基体に照射させることによ
り、蒸気物質を高度に活性化することが可能とな
り、蒸着物質とイオンとの反応を一層容易に行わ
せることが可能となる。 更に、プラズマ発生領域で発生する電子が蒸着
物質の加熱蒸発に有効に利用され、エネルギーコ
ストの低減に連なると共に、蒸着装置部の構成を
簡略化することが可能となる。 勿論、蒸着物質の加熱はこれに限定されず、レ
ーザー線加熱、ヒーターによる加熱を単独で或い
は電子ビーム加熱との併用で用いることもでき
る。 基体に印加するイオン加速用負電圧E1はマイ
ナス0.01乃至20KV、特にマイナス0.1乃至10KV
の範囲が適当であり、一方引出し電極に印加する
負電圧E2はマイナス0.01乃至100KV、特にマイナ
ス5乃至40KVである。更に、蒸着物質に印加す
る正電圧E3は1乃至20KV、特に4乃至10KVの
範囲が適当である。 このような装置を用いて、基体18を所定位置
にセツトし、反応室27内を所定の真空度に保
ち、蒸着装置を作動してホウ素を含有する蒸着物
質16から蒸気物質を飛ばしてプラズマ発生領域
17を通過させ、基体18に所定量蒸着させ、且
つそこに少なくとも窒素を含むイオン種を所定の
イオン加速エネルギーで照射し、同時に基体18
に所定の負バイアスを印加して基体18の表面に
は、BNから成る高硬度膜が形成される。 本発明によれば、窒素のイオン種は基体上で
SP3混成軌道の高エネルギーレベルに達するのは
比較的容易であると考えられる。従つて、他方の
ホウ素についてはその蒸気ホウ素はプラズマ発生
領域17を通過する際にイオン化されながら活性
化エネルギー状態を獲得して基体上に蒸着するた
め窒素原子とSP3結合がし易くなる。 更に本発明によれば窒素のイオン種が基体に向
かう進路と蒸気ホウ素が基体に向う進路は同じで
あつて、そして基体に概ね垂直の方向へ向かうた
め、影のない均一な面照射を行なうことができ
る。 従つて所望の高硬度BN膜を高い膜生成速度で
効率的に形成することができる。 前記ホウ素を含有する蒸着物質には、金属ホウ
素又はホウ素化合物(チツ化ホウ素、硫化ホウ
素、ホウ化リン、ホウ化水素、アルミニウム若し
くはマグネシウム含有の金属ホウ化物、遷移金属
のホウ化物)の中から一種又は二種以上が用いら
れる。 前記イオン種には、所定のイオン加速エネルギ
ーを有するイオン種で、ホウ素を含有する蒸着物
質に作用してCBNやWBNを主体とする高硬度
BN膜を形成するものであればよい。具体的に
は、窒素原子イオン(N+);窒素分子イオン
(N+ 2);アンモニウムイオン(NH+ 3)のような窒
素化合物イオン;窒化ホウ素イオン(BN+)の
如きホウ素化合物イオン;又は不活性ガスイオン
(例えばAr+)のいずれか1種であることが好ま
しい。また、B3N3H6或いはAl2B2N4等をイオン
化してイオン種として用いることもできる。更
に、上述した窒素含有イオン種と共に、ホウ素イ
オン(B+)、ホウ素イオン(B2H6 +)等のイオン
種を併用することもできる。 このようなイオン種は、前述したプラズマ発生
領域で創生され、基体表面に供給される。 前記基体には、セラミツクス、超硬合金、サー
メツト又は各種の金属若しくは合金など何であつ
てもよく、その材質は問わない。ただし、基体が
電気絶縁体の場合には、荷電している場所と荷電
していない場所とではそこに形成された蒸着膜の
特性が異なり膜全体の特性のバラツキが生じ易す
くなるので、基体としては電気伝導体であること
が好ましい。しかし、電気絶縁体であつてもその
表面に常法により電気伝導体の薄膜を形成すれば
よい。 本発明のBN薄膜の形成においては、前記イオ
ン種のイオン加速エネルギーがイオン種の原子当
り5〜100KeVであることが重要である。 このイオン種のイオン加速エネルギーが5KeV
未満の場合には、蒸着膜へのイオン種の注入量が
減少してスパツタ現象が支配的となり、また
100KeVを超えると基体表面の蒸着層よりも可成
り深くイオン種が注入されるので蒸着層にCBN
やWBNを主体とする高硬度BNが生成しにくく
なり、また、蒸着層が高温になりすぎてHBNの
生成が支配的となつてCBNを主体とする高硬度
BNが生成しにくくなる。 本発明によれば、蒸着物質及びイオン種から供
給されるB/N原子比を0.2乃至10の範囲とする
ことが望ましく、これにより、極めて品質の高い
BN膜が形成される。 この最適条件は0.5〜5の範囲であることが実
験上確かめられている。 本発明においてはまた、イオン種のイオン加速
エネルギーを所定範囲に設定するに伴つて、基体
に対するイオン種のdose rate(基体単位面積当り
のイオン電流)を、イオン種の照射によつて基体
に発生する熱量が、基体の単位面接(cm2)当り
0.01〜20Wになるように設定することが望まし
い。20Wを超すと、ホウ素蒸着層が高温になりす
ぎてHBNの生成が支配的となり、CBNやWBN
から成る高硬度BNが形成されにくくなり、他
方、0.01W未満では、イオン種によるめり込み効
果及び熱的効果が得られず、CBNやWBNが合成
されにくくなる。 更に、本発明においては、基体の温度を−200
〜700℃に設定するのがよい。 基体の温度が−200〜700℃に設定されている
と、局所的且つ瞬間的に生成された高励起状態が
保持されやすくなると同時に、生成したCBNや
WBNがHBNに変換しないように凍結させるこ
とができる。この基体温度が−200℃未満である
と基体表面に形成したBN膜が剥離しやすくな
り、700℃を超えると、生成したCBNやWBNが
HBNに変換しやすくなる。この基体温度の最適
温度は0〜400℃であることが実験上、確かめら
れている。 〔実施例〕 第2図に示した装置を使用し、次の条件で薄膜
の生成を行つた。 蒸着物質 金属ホウ素 イオン生成用ガス 窒素ガス 基体 単結晶シリコン 反応室真空度 2×10-5Torr イオン加速用負電圧(E1) 第1表 引出し電極印加負電圧(E2) 35KV 蒸発物質印加正電圧(E3) 4KV 基体温度 第1表 窒素ガスを用いた場合、主なイオン種はN+ 2
N+イオンであり、そのイオンの照射量の測定は、
第1図のフアラデーカツプ33a及びカロリーメ
ーター33bにより行つた。また、膜厚の測定は
第1図の水晶発振による膜厚モニター計34により
行つた。 B/Nの原子比の調節は、電子加速電圧(E3
及び電子収束レンズ32への電流を変化させて、
金属ホウ素の蒸発量を変えることにより行つた。
膜中のBN組成比は次の通りの方法により求め
た。即ち、ラザフオードバツクスキヤタリング法
によりあらかじめBN組成比を求め、その結果を
もとにして膜厚モニター計34、並びにフアラデー
カツプ33a及びカロリーメーター33bのそれ
ぞれの測定値との較正曲線を作成して、膜中の
BN組成比を求めた。 また基体18の加熱はセラミツクヒーター(図
示せず)により行つた。 得られた結果を第1表に示す。
【表】 第1表中、試料No.1乃至No.8においては原子比
を幾通りかに変えた場合を示し、B/N原子比が
1である試料No.5が一番大きい硬度を示してい
る。 また、試料No.9乃至No.12においてはイオン加速
用負電源の電圧が大きくなるのに伴つてイオン1
個当りのイオン加速エネルギーが大きくなり、こ
れにより硬度が僅かに大きくなり、且つ膜生成速
度も大きくなつている。 更にまた、試料No.13乃至18においてはイオン加
速エネルギーを所定範囲に設定すれば優れた硬度
特性が得られ、且つ膜生成速度を向上させること
ができる。 試料No.19乃至22については、基体温度を変えて
硬度特性を調べた。 〔発明の効果〕 以上の通り、本発明の高硬度BN膜の製法によ
れば、イオンビームの進路と蒸着原子の進路を同
じ方向にして影のない均一な面照射を行なうと共
にイオンビームデポジシヨンにおける高エネルギ
ーイオンの生成と同時に蒸着される蒸気物質の活
性化が行われるようになつた。その結果、高品質
な高硬度BN膜が高い膜生成速度で基体上に形成
することができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる窒化ホウ素膜製造装置
の配置図、第2図は既に提案した窒化ホウ素膜製
造装置の配置図である。 16……ホウ素含有蒸着物質、17……プラズ
マ発生領域、7,18……基体、19……イオン
ビーム加速領域、25……引出し電極、30……
直流電源。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ホウ素含有蒸着物質を蒸発させるための蒸着
    手段、少なくとも窒素を含むイオン生成用ガスを
    イオンと電子とに解離させるためのプラズマ発生
    領域、生成するイオンを加速して基体上に照射さ
    せるイオンビーム加速領域、及びイオンビームが
    照射され且つ該蒸着物質が蒸着されるべき基体を
    この順序に且つ実質上一直線に整合して配置さ
    せ、該蒸着物質の蒸気を前記プラズマ発生領域及
    びイオンビーム加速領域を通して基体上に蒸着さ
    せると同時に、イオン加速エネルギーが原子当り
    5〜100KeVのイオンビームを基体上に照射する
    ことにより立方晶窒化ホウ素、六方最密充填窒化
    ホウ素、又はこれらの組み合せを含有する薄膜を
    形成することを特徴とする高硬度窒化ホウ素膜の
    製法。
JP6780385A 1985-03-30 1985-03-30 高硬度窒化ホウ素膜の製法 Granted JPS61227163A (ja)

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WO2010114141A1 (ja) 2009-03-30 2010-10-07 宇部興産株式会社 含窒素シラン化合物粉末及びその製造方法

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