JPH0515788B2 - - Google Patents

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JPH0515788B2
JPH0515788B2 JP59278646A JP27864684A JPH0515788B2 JP H0515788 B2 JPH0515788 B2 JP H0515788B2 JP 59278646 A JP59278646 A JP 59278646A JP 27864684 A JP27864684 A JP 27864684A JP H0515788 B2 JPH0515788 B2 JP H0515788B2
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ion
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film
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Mamoru Sato
Koichi Yamaguchi
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Agency of Industrial Science and Technology
Kyocera Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C14/00Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/0641Nitrides
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  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は立方晶窒化ホウ素又は六方最密充填窒
化ホウ素からなる高硬度窒化ホウ素膜(以下、窒
化ホウ素をBNと略す)の製造方法に関するもの
である。 〔先行技術〕 BNには、立方晶窒化ホウ素(以下、CBNと略
す)、六方最密充填窒化ホウ素(以下、WBNと
略す)、六方晶窒化ホウ素(以下、HBNと略す)
の結晶構造があり、この中で、CBN及びWBNは
耐熱衝撃性、熱伝導性、硬度及び耐摩耗性、なら
びに高温での鉄族金属に対する耐性にも優れてい
るために、種々の広範な用途に注目されており、
これに伴い、良質のCBNやWBNの製造が研究さ
れている。 公知の製造方法として高価な装置を使用して数
万気圧且つ千数百度という超高圧、超高温のもと
で合成する方法があるが、近時、気相成長法によ
つて基体の表面に効率的にCBNやWBNを合成し
て、その薄膜を生成することも研究されている。 薄膜形成技術には、化学蒸着法及び物理蒸着法
に大きく分類され、就中、イオンを用いた物理蒸
着法がBN膜の研究の主流になつている。これに
は、イオン化された原子を加速し、その後、減速
して基体上に被着させるというイオンビームデポ
ジシヨン法、クラスターイオンを加速して基体に
衝突させて一度に多量の原子を被着させるという
クラスターイオンプレーテイング法、イオン化し
て加速した希ガス等でスパツタした原子を基体に
被着させるというイオンビームスパツタリング法
等がある。この方法においては、そのイオンの運
動エネルギーは数eV〜数百eVであり、イオン種
が基体の内部に注入されることはほとんどなく、
そのために、薄膜と基体との密着性については十
分ではなかつた。 更に、イオンミキシング法においては、基体上
にある物質を蒸着し、次いで希ガスなどのイオン
種を数百KeV以上の運動エネルギーで照射する
と、蒸着物質の原子はイオン種の衝突によつて反
跳するため、基体内部に侵入しこれに伴つて、基
体と蒸着層との間に両者の成分から構成される新
しい薄膜が形成され、然る後、残余の蒸着膜を化
学的方法で除去し、そして、基体表面上に新しい
薄膜を形成するのであり、これによれば、イオン
種のエネルギーが大きくなつてもイオン電流を大
きくする必要もなく、また、多量の異種原子を基
体表面近くに注入することができるが、注入され
る原子と基体の構成原子との混合比を一定に保つ
ことが困難である。 したがつて、上述のようなイオンを用いる薄膜
形成技術においても、未だCBNやWBNの合成が
報告されていなかつた。 本発明者等は上記事情に鑑み、鋭意研究の結
果、先に、ホウ素を含有する蒸発源及び少なくと
も窒素からなるイオン種を発生せしめるイオン発
生源によつて、基体上にそれぞれ蒸着及びイオン
照射することによつて、主にCBNやWBNからな
る高硬度BN膜が形成できることを見出した。 そして、本発明者等は上記により高硬度膜を得
られた点についてさらに鋭意研究に努めた結果、
高硬度BN膜の生成を阻害する因子を見出した。 〔発明の目的〕 従つて、本発明は上記知見に基づいて完成され
たものであつて、その目的は主にCBNやWBNか
らなる良質な薄膜を基体上に合成する高硬度BN
膜の製造方法を提供せんとするものである。 〔問題を解決するための手段〕 本発明によれば、反応室内の金属ホウ素からな
る蒸発源から前記反応室内の基体上にホウ素分を
蒸着させると共に、少なくとも窒素を含むイオン
種を発生せしめるイオン発生源から該イオン種を
加速せしめ原子当り5〜100KeVのイオン加速エ
ネルギーで前記基体上に照射し、前記基体表面に
立方晶窒化ホウ素又は六方最密充填窒化ホウ素を
生成させるにあたり、酸化ホウ素、炭化ホウ素及
び六方晶窒化ホウ素の生成を抑制するために前記
反応室内に存在する全原子中の酸素原子及び炭素
原子の合計の濃度を100ppm以下に制御すること
を特徴とする高硬度窒化ホウ素膜の製造方法を提
供するものである。 以下、本発明を詳述する。 即ち、本発明に係わる方法によれば、基体上
に、ホウ素を含有する金属ホウ素からなる蒸発源
からその蒸着物質を蒸発させて基体上に蒸着させ
ると共に、少なくとも窒素からなるイオン種を発
生せしめるイオン発生源からそのイオン種を発生
せしめ、これを所定の加速手段により加速して所
定のイオン加速エネルギーを付与し基体上に照射
することにより、主にCBNやWBNからなる高硬
度BN膜が合成される。また、基体上に前記蒸着
物質が蒸着された後に前記イオン種を照射して
CBNやWBNを含有する薄膜を合成し、斯様に蒸
着層の形成とイオン照射を交互に繰り返して高硬
度BN膜の膜厚を大きくすることもできる。 これによれば、蒸着ホウ素膜の形成と同時に、
又はその形成後に、打ち込まれた窒素原子による
めり込み効果、並びにイオンが膜中で静止する時
に発生するエネルギーの熱的効果によつて、数万
気圧且つ千数百度に似かよつた高励起状態を瞬間
的かつ局部的につくりだし、高硬度BN膜を生成
させるのに不可欠なホウ素原子及び窒素原子の
SP3混成軌道が形成される。この現象に基づい
て、かかるホウ素原子と窒素原子がSP3結合を
し、それがCBNやWBNを含有する高硬度BN膜
の結晶核となり、CBNやWBNを形成していく。 前記ホウ素を含有する蒸発源には、金属ホウ素
又はホウ素化合物(窒化ホウ素、硫化ホウ素、ホ
ウ化リン、ホウ化水素、アルミニウム若しくはマ
グネシウム含有の金属ホウ化物、遷移金属のホウ
化物)の中から一種又は二種以上が用いられる。
これらの中でも金属ホウ素が最も好適である。 前記イオン種には、所定のイオン加速エネルギ
ーを得てホウ素原子に作用してCBNまたはWBN
を生成するものであれば良い。 具体的には、窒素原子イオン(N+);窒素分子
イオン(N2 +);アンモニアイオン(NH3 +)のよ
うな窒素化合物イオン;窒化ホウ素イオン
(BN+)の如きホウ素化合物イオン;又は不活性
ガスイオン(例えばAr+)のいずれか1種である
ことが好ましい。また、B3N3H6或いはAl2B3N4
等をイオン化してイオン種として用いることがで
きる。更に、上述した窒素含有イオン種と共に、
ホウ素イオン(B+);ホウ化水素イオン
(B2H6 +)等のイオン種を併用することもできる。
これらの中でも窒素原子イオン(N+)、窒素分子
イオン(N2 +)が最も好適である。 このようなイオン種は、後述する装置によつて
創世され、必要により、質量分析用のマグネトロ
ンを用いて磁気的に選択されて、基体表面に供給
される。 前記基体には、セラミツクス、超硬合金、サー
メツト又は各種の金属若しくは合金などが使用で
きる。ただし、基体が電気絶縁体の場合には、荷
電している場所と荷電していない場所とではそこ
に形成された蒸着膜の特性が異なり膜全体の特性
のバラツキが生じ易くなるので、基体としては電
気伝導体であることが好ましい。しかし、電気絶
縁体であつてもその表面に常法により電気伝導性
の薄膜を形成すれば良い。 本発明においては、前記イオン種のイオン加速
エネルギーがイオン種の原子当り5〜100KeVで
あることが重要である。 このイオン種のイオン加速エネルギーが5KeV
未満の場合には、蒸着膜へのイオン種の注入量が
減少してスパツタ現象が支配的となり、また
100KeVを越えると基体表面の蒸着層よりもかな
り深くイオン種が注入されるので蒸着層にCBN
やWBNを主体とする高硬度BNが生成しにくく
なり、また、蒸着層が高温になりすぎてHBNの
生成が支配的となりCBNやWBNを主体とする高
硬度BNが生成しにくくなる。 また、本発明においては、前述した蒸着及びイ
オン種の照射処理を、該イオン種よりも低エネル
ギーのレベルに活性化された窒素原子又は窒素化
合物の雰囲気中で行うことも重要である。即ち、
本発明は、ホウ素含有蒸発源と高エネルギー窒素
含有イオン種よりも低レベルに活性化された窒素
原子も高硬度BNの生成に有効に関与することを
確かめた。 本発明のイオン化合成法、即ち、Ion and
Vapour Deposition(IVD法)に用いるイオン種
は、既に指摘した通り原子当たり5〜100KeVの
高エネルギーを有する。一方、イオンビームデポ
ジシヨン法、クラスターイオンプレーテイング
法、イオンビームスパツタリング法等の通常の薄
膜形成技術に用いられるイオン種の運動エネルギ
ーはIVD法よりはるかに低い数eV〜数百eVのオ
ーダーである。 本発明においては、このように低レベルに励起
された窒素原子や窒素化合物をIVD法の雰囲気中
に共存させることにより、蒸発源及びイオン種に
窒素原子が著しく不足している状態を補完し、良
質なBN膜が形成されるようにしたのである。 しかも、本発明によれば、蒸発源及びイオン種
におけるB/N原子比を0.2〜10の範囲とするこ
とにより、極めて品質の高いBN膜が形成される
ことは、後述する例に示す通りであり、更に雰囲
気からの窒素原子の補完により単位時間当たりの
膜の生成速度が著しく増大することも後述する例
から明白である。更に、イオン種照射をめり込み
効果及び熱的効果に主として利用し、反応体を低
エネルギーレベルに励起された雰囲気として補給
することにより、膜生成のエネルギー効率をも顕
著に向上することができる。 本発明において、低エネルギーレベルに励起さ
れた窒素或いは窒素化合物の雰囲気を、基体表面
の近傍に形成されるには種々の手段を採用しう
る。最も簡便な手段は、前述したイオン発生源か
ら高エネルギーのイオン種と共に低エネルギーレ
ベルに活性化された窒素原子や窒素化合物をも基
体表面に供給することである。また、別法とし
て、窒素ガスや窒素化合物の気流中でアーク放電
を生じさせて、低レベルに活性化された窒素原子
や窒素化合物を形成させ、これを蒸着及び照射域
に導入することもできる。 前記した如く、低エネルギーレベルに活性化さ
れた窒素原子や窒素化合物の雰囲気中でイオン照
射と真空蒸着を行い、雰囲気より不足の窒素分を
自然と補完することにより良質なBN膜を形成さ
せることができる。 さらに、本発明においては、前記基体に負のバ
イアス電圧を印加することが重要である。即ち、
低エネルギーレベルに活性化された窒素原子や窒
素化合物の雰囲気が全体として正に帯電している
という新たな知見に基づき、後述の実施例が示す
ように、基体に負のバイアス電圧を印加すれば、
雰囲気が引き寄せられ、積極的に窒素成分が基体
表面に取り込まれ、BN膜形成に雰囲気が有効に
寄与することができる。 そして、斯様なバイアス電圧の印加に伴つて蒸
発源から発散されたホウ素分のなかで蒸発、イオ
ン照射の際にイオン化される成分も生じ、加速さ
れて基体表面に引き寄せられ、BN膜形成に有効
に作用する。 更に、イオン発生源から発生されたイオン種が
イオン照射に伴つて散乱されるため、一部の散乱
イオン種がBN膜の形成に関与せずに消滅してい
たが、この散乱イオン種が基体に引き寄せられ、
無駄なイオン照射を避けることができる。 本発明者等が実験上確かめたところ、基体に印
加されるバイアス電圧はイオン種のイオン加速エ
ネルギーにも関連するが、−100V〜−10KVくら
いの範囲内に設定されているのが最適である。 更に、斯様なバイアス電圧の印加に伴つて雰囲
気からの窒素原子の補完が一層進行し易くなり単
位時間当たりの膜の生成速度が一段と増大すると
ともに、イオン種照射をめり込み効果及び熱的効
果に主として利用し、反応体を低エネルギーレベ
ルに励起された雰囲気として効率的に補給するこ
とにより、膜生成のエネルギー効率をも一段と顕
著に向上させ得ることが実験上確かめられてい
る。 また、本発明においては前述した通り、イオン
種よりも低エネルギーのレベルに活性化された窒
素原子又は窒素化合物の雰囲気中で蒸着及びイオ
ン種の照射処理を行うに当たり、不可避的に存在
すると考えられる酸素原子又は炭素原子の量を制
限することが重要である。即ち、本発明はCBN
やWBNが生成される反応系においては酸素原子
と炭素原子が阻害因子として関与するという新規
知見に基づくものである。 ホウ素原子と酸素原子は非常に反応し易い系で
あり、本発明に係わるIVD法法の反応系に酸素原
子が混入しているとホウ素原子の一部が酸素原子
の一部と結合して酸化ホウ素が生成し、これが
CBNやWBNの気相成長を阻害し、もしくは
CBNやWBNの結晶粒界に酸化ホウ素が取り込ま
れて膜の安定性を欠く原因となり、高品質な膜が
形成されない。 同様に炭素原子もホウ素原子と非常に反応し易
い系であり、CBNやWBNやの気相成長を阻害し
たり、炭化ホウ素として取り込まれて高品質な膜
が形成されない。 本発明者等の実験によれば、後述する実施例が
示す通り、成膜時に反応室内部に存在する全原子
中の酸素原子及び炭素原子の濃度の合計量を
100ppm以下に制御することにより顕著な高硬度
特性が得られ、HBN、酸化ホウ素、炭化ホウ素
の生成が抑制されることを確かめた。成膜時にお
ける酸素原子及び炭素原子の混入量を前述したレ
ベルに抑制するためには、前記ホウ素及び窒素の
原料として酸素原子や炭素原子の混入の著しく少
ない精製原料を使用し、且つ反応室の減圧の程度
を高める手段が採用される。 なお、酸素原子濃度及び炭素原子濃度の測定
は、成膜時の反応室内部のガスを質量分析計によ
り定量分析して、反応室内に存在するガス、例え
ば、N2ガス、O2ガス、CO2ガス、CO2ガス等の
各分圧を測定した後、各分圧の全圧に対する割合
からこれを酸素原子及び炭素原子の数に換算し全
原子数に対する酸素原子、炭素原子の合計数を算
出することにより算出されるものである。 本発明においては、更に蒸発源及びイオン種よ
り供給される中で、窒素に対するホウ素の原子比
(B/N原子比)が0.2〜10、特に0.5〜5に設定
されていると高硬度のBN膜が形成されやすくな
る。 このB/N原子比が0.2未満であると非晶質状
態のBN膜が形成され易くなり、10を越えるとホ
ウ素が過剰となり、膜中に非晶質状態のホウ素が
形成されやすくなる。 本発明によれば、イオン種のイオン加速エネル
ギーを前述した所定の範囲に設定するのに伴い、
基体に対するイオン種のdose rate(基体単位面積
当たりのイオン電流)をイオン種の照射によつて
基体に発生する熱量が、基体の単位面積(cm2)当
たり0.01〜20Wになるように設定することが重要
である。20Wを越すと、ホウ素蒸着層が高温にな
りすぎてHBNの精製が支配的となり、CBNや
WBNからなる高硬度BN膜が形成されにくくな
り、一方、0.01W未満では、イオン種によるめり
込み効果及び熱的効果が得られず、CBNやWBN
が合成されにくくなる。 さらに、基体の温度は−200〜700℃、特に0〜
400℃に設定されることが良い。基体の温度がか
かる範囲では、局所的且つ瞬間的に生成された高
励起状態が保持されやすくなると同時に、生成し
たCBNやWBNがHBNに変換しないように凍結
させることができる。よつて−200℃未満では基
体表面に形成したBN膜が剥離しやすくなり、
700℃を越えると生成したCBNやWBNがHBNに
変換し易くなる。 次に、本発明の高硬度BN膜の製造に用いられ
る一例の装置を図により説明する。 まず、イオン化されるべきガス例えば、N2
リークバルブ1を得てイオン源2に導入され、こ
こてイオン化されたのち、加速器3で加速されて
所定のイオン加速エネルギーが付与される。イオ
ンは次に分析マグネツト4に導入され、ここで必
要とするイオン種のみが磁気的に選択されて反応
質5に供給される。 反応質5は真空ポンプ(例えばターボ分子ポン
プ)6によつて10-5Torr以下の高真空に維持さ
れる。基体7は基体ホルダ8に固定され、ここに
上記したイオン種が照射される。照射に際して
は、基体に均一にイオン種を照射するために、収
束レンズ9にイオン種を通過させる。 10は、基体7の下に配置された蒸着装置であ
る。装置の加熱方法は、電子ビーム加熱、レーザ
線加熱など適宜な方法が用いられる。この中には
ホウ素を含有する蒸発源が収容されている。この
蒸発源からの蒸着量及び蒸着速度は、基体ホルダ
8の横に配置した例えば石英板使用の振動型膜厚
計11によつて測定すれば良い。 また、イオン種電流は二次電子追返し電極12
を付設した電流積算計13によつて正確に測定で
きる。 更に、低レベルに活性化されたN2原子の雰囲
気を形成するために、アーク放電室14を設け、
この放電室にN2ガスを供給し、差動排気で励起
された窒素原子を反応室5内に導く。 そして、基体7と二次電子追返し電極12の間
に、基体7に負のバイアス電圧が印加されるよう
に電圧調整可能な電源15が接続されている。 このような装置において、基体7を所定位置に
セツトし、反応室5内を所定の真空度に保ち、蒸
着装置10を作動してホウ素を含有する蒸発源を
基体7に所定量蒸着させ、且つそこに所定のイオ
ン種を、前述した所定のイオン加速エネルギーで
照射すると同時に、基体7に負のバイアス電圧を
印加すれば、基体表面にはCBNやWBNを主体と
する高硬度BNの薄膜が形成される。 なお、このときホウ素を含有する蒸発源、イオ
ン種はいずれも基体の一方向からのみ蒸着又は照
射されるので、基体の全表面にCBNやWBN主体
の高硬度BN薄膜を形成する場合にはこの基体に
回転、揺動などの運動を与えれば良い。 以下、本発明の実施例を述べる。 実施例 1 図に示した装置を用いて高純度N2ガスをリー
クバルブ1からPIG型イオン源2に導入した。 発生したイオンに加速器3で種々の加速エネル
ギーを付与した。このイオンビームを分析マグネ
ツト4で質量分析しN2 +のみを磁気的に選択し
た。他方、基体としてシリコン板を用い、これを
基体ホルダ8にセツトし反応室5内を650/sec
のターボ分子ポンプで1×10-5Torrの真空度に
保持した。 ついで、バイアス電圧15によつて基体7に負
のバイアス電圧を印加すると共に金属ホウ素を収
容する電子ビーム蒸着装置10を作動して金属ホ
ウ素を蒸着させ、N2 +イオンの照射と同時にシリ
コン板の上に蒸着させた。この時の反応室5のガ
ス分析したところ活性化したN2ガス雰囲気にな
つていた。 ホウ素の蒸着量、蒸着速度は振動型膜厚計11
で測定し、N2 +イオンの個数は電流積算計13で
測定しB/Nを算出した。 N2 +イオンのイオン加速エネルギ−35KeV、
B/N=1.5、バイアス電圧−1KV、基体温度200
℃の条件、及び真空度0.5×10-5Torrの状態で2
時間続け、厚さ2.5μmのBN膜を形成させた。 本例においては、原料N2ガスとして酸素濃度
が1ppm以下、炭素ガス濃度が2.0以下で純度
99.9995%の市販の高純度N2ガスを用い、また、
原料金属ホウ素として、市販の金属ホウ素からさ
らに精製を重ねて得た純度99.999%の金属ホウ素
を使用した。 更に、BN膜の成膜時の反応室内の酸素原子濃
度及び炭素原子濃度を質量分析計から各分圧を測
定し、全分圧に対する割合から原子数に換算して
算出した。その結果、前者は2ppmであり、後者
は殆ど確認できなかつた。 さらに得られたBN膜をX線回折により分析し
たところ、CBN(111)およびWBN(002)と同定
できるピークが確認できその存在が判明できた。 さらに、このBN膜のビツカース硬度を測定し
たところ、7200Kg/mm2と著しく大きな値を得るこ
とができた。 次に、原料ガスとして市販の純度99.99%、
99.995%、99.9995%の3種の原料と、原料金属
ホウ素としていずれも市販の金属ホウ素からさら
に精製を重ねて得た純度99.99%、99.999%の2
種の原料を用いて、これらを第1表に示すように
組み合わせて使用し、並びに成膜時の真空度を第
1表の示すように変えて、他の条件を本実施例と
同じにして得られたBN膜のビツカース硬度
(Hv)を測定したところ、第1表に示す通りにな
つた。
【表】 実施例 2 原料N2ガスおよび原料金属ホウ素として実施
例1で用いたものと同じ原料を用いて、さらに場
合によつては反応室内部に酸素ガス、一酸化炭素
ガス、二酸化炭素ガスなどを存在させるか、また
は真空度を変えて反応室内の酸素濃度や炭素濃度
を高めながら、反応室内部に含まれる全原子中の
酸素原子及び炭素原子の濃度を第2表に示すよう
に設定した。尚、これをの量は質量分析計により
導入ガスの分圧より換算して求めた。 かくして得られたBN膜試料についてX線回折
によりCBN、WBNの存在の有無を確かめ、また
ビツカース硬度を測定したところ、第2表に示す
通りの結果が得られた。
【表】
〔発明の効果〕
上述の通り、高硬度BN膜を形成するに当たつ
て反応室内部での酸素原子及び炭素原子が阻害因
子であることは明らかである。従つて、膜形成開
始時及び形成過程に不可避的に混入すると考えら
れる該原子を100ppm以下に設定することにより
安定した品質のBN膜が製造できることになる。
また、本発明の製法については本発明者等が先に
提案したイオン化合成法により実施例を述べたが
例えば電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズ
マCVD法などの他のBN膜の製法によつても本発
明は適用できると考えられる。
【図面の簡単な説明】
添付図は、本発明の一実施例に用いる窒化ホウ
素膜の製造装置の配置図である。 2……イオン源、7……基体、10……蒸発
源、14……アーク放電室、15……バイアス電
源。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 反応室内の金属ホウ素からなる蒸発源から前
    記反応室内の基体上にホウ素分を蒸着させると共
    に、少なくとも窒素を含むイオン種を発生せしめ
    るイオン発生源から該イオン種を加速せしめ原子
    当り5〜100KeVのイオン加速エネルギーで前記
    基体上に照射し、前記基体表面に立方晶窒化ホウ
    素又は六方最密充填窒化ホウ素を生成させるにあ
    たり、酸化ホウ素、炭化ホウ素及び六方晶窒化ホ
    ウ素の生成を抑制するために前記反応室内に存在
    する全原子中の酸素原子及び炭素原子の合計の濃
    度を100ppm以下に制御することを特徴とする高
    硬度窒化ホウ素膜の製造方法。
JP27864684A 1984-02-13 1984-12-29 高硬度窒化ホウ素膜の製造方法 Granted JPS61157674A (ja)

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US06/700,697 US4656052A (en) 1984-02-13 1985-02-12 Process for production of high-hardness boron nitride film

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