JP2791034B2 - カーボンイオンビーム発生方法 - Google Patents

カーボンイオンビーム発生方法

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昭 高木
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彰 上野
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昭雄 六川
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、負のカーボンイオンビームを使って炭素質
物質を物品の表面にコーティングするためのカーボンイ
オンビーム発生方法に関する。
〔従来の技術と問題点〕
ダイヤモンドは最も硬度の高い物質であるばかりでな
く、高熱伝導性、耐電気絶縁性、などの特徴があり、人
工的に合成することが種々検討されている。特に、基材
にダイヤモンドコーティングすることによって工具など
に使用することが期待されている。ダイヤモンドコーテ
ィング法のうち熱CVD法は、基材温度が高くなるので、
熱ひずみによって寸法精度が悪くなる欠点がある。また
基材とコーティング層の密着力が弱い、大面積への成膜
が難しい、結晶粒が大きくなり表面があらい、などの欠
点がある。一方、イオンや蒸着などのPVD法は前述したC
VDの欠点を補う長所がある。しかし一般的にPVD法は成
膜速度が遅い。例えば、第10回イオン光学シンポジウム
の講演要旨集373−378頁にK.Ogawaほかが発表したPrepa
ration of Transparent Carbon Filims by C2 Ion Beam
Depositionと題する論文に、ターゲットをセシウムの
イオンおよび中性粒子でスパッタして負のカーボンイオ
ンを発生させ、カーボン膜を形成した結果を示してい
る。しかしながら、この方法では、試料上のイオン電流
はCが50〜100μAで、C2が15〜30μAであり、3500Aの
厚さのカーボン膜を作るのに1時間程度かかる。第11回
イオン工学シンポジウムの講演要旨集165頁(G.D.Alton
The Emittance and Brightness Characteristics of N
egative Ion Sources Suitable for MeV Ion Implantat
aion)には前記したと同様の負のイオン源装置を用い、
ターゲットに高密度のグラファイトを用い250μAのイ
オン電流が得られている。イオン電流と成膜速度は比例
関係にあるので、前記した結果と同様に、有効な膜厚を
得るのに、多大な時間を要する。
本発明は、前記した問題点を解決し、基盤との密着力
および成膜速度の点で著しく改善された炭素質膜を物品
の表面に形成するための負のカーボンイオンビーム発生
方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、炭素質を主成分とし、表面にセシウム蒸気
を吸着させたターゲットをプラズマ内にさらし、該ター
ゲットをマイナスに帯電させて該プラズマ中のプラスに
帯電した希ガスでスパッタすることを特徴とするコーテ
ィング用の負のカーボンイオンビーム発生方法である。
本発明で用いる炭素質ターゲットは少なくとも表面近
傍がち密であり、スパッタされても、残留ガスが吸着さ
れるような連続気孔が表面に形成されていないことが望
ましい。このためには、密度が1.7以上2.2g/cm3以下の
高密度グラファイトが適している。密度が1.7g/cm3未満
のグラファイトの場合はスパッタされるターゲットの表
面の気孔に、炭素、水素、酸素を主成分とする有機物を
溶剤などで溶かして液状でしみ込ませ、しかる後炭化さ
せたガラス状炭素にし、表面をち密化するとよい。
そのほかターゲットとして望ましいことは、非絶縁性
であることと、熱伝導性がよいことである。前者の理由
は、ターゲットの表面に、ターゲット電圧が有効に印加
できる必要があり、後者の理由はターゲットの裏面を水
冷等の方法で冷却したときに、ターゲットの表面にセシ
ウムが吸着できるように十分冷却できなければならない
点にある。
ターゲットの形状は、第1図に示すように、スパッタ
で放出したイオンがイオン源の開口部5を通って、引き
出し電極20の方向に飛ぶように凹面形をしており、負の
電圧がかかるように外部電源10に接続されている。熱陰
極3は、W,LaB6などを使用する。これらの熱陰極の材料
は、カーボンと反応しやすいが、本発明に用いるイオン
源では、カーボンイオンビームの軌道から外れたところ
に熱陰極を配設できるので、該熱陰極の電子放射特性へ
の影響は極めて少ない。プラズマを形成するための不活
性ガスは、Ar、Kr、Xeであり、スパッタ効率を高めるた
めに、質量の大きな元素が望ましい。イオン源本体の外
容器8は、プラズマに対して陽極であり、かつプラズマ
を閉じ込めるために、多数のサマリウム.コバルトなど
の永久磁石7に張り付けてある。セシウムの入ったボン
ベをイオン源本体に接続し、該ボンベは外部ヒーター等
で加熱することにより、セシウム蒸気をイオン源内に導
入し、炭素質のターゲット1の表面に吸着させる。吸着
したセシウムは、仕事関数が低いので、ターゲットから
のスパッタされた粒子に電子を与え、負イオンになって
放出される。セシウムの吸着量は、ボンベに付属されて
いるヒーターで調節できる。イオン源と引き出し電極20
の間に電位差を与えることにより、イオンビームを引き
出すことが出来るが、同時に引き出される電子をトラッ
プするために、途中に磁場を設ける。第2図に示すとお
り質量分析器17を通して、金属や酸素などの不純物イオ
ンを取り除き、負のCまたはC2イオンのみをさらに加速
して、試料室に置かれたシリコン基盤18にイオン照射す
る。得られる炭素質物質はイオンビームのエネルギー次
第で、ダイヤモンドからアモルファスカーボンまで種々
の構造のものになる。
〔実施例〕
実施例1 密度1.65のグラファイトを、片面が曲率半径140mmの
凹面で外径50mm、厚さ5mmの円板に加工し、凹面部分に
フルフリルアルコールを浸み込ませ、硬化後、真空中で
1600℃までゆっくり昇温してターゲットを作成した。タ
ーゲットをモリブデン製のホルダー14で支持し、外部電
源10と接続した。ターゲットの表面以外は、スパッタさ
れないように、絶縁された石英ガラス2で囲った。熱陰
極3は、LaB6の焼結体をワイヤーカット放電加工機で切
り出し、モリブデンのホルダーで支持し、外部電源11で
直接加熱できるようにした。ターゲットと対向するイオ
ン源の外容器の一部にイオンビームを引き出すための開
口部5を設け、外容器の表面にサマリウム.コバルトの
永久磁石7を多数取り付けて、内部にプラズマを閉じ込
めるようにした。イオン源内には、導入口4からセシウ
ム蒸気を入れ、ターゲット表面に吸着させた。また導入
口6よりXeを供給した。イオン源の開口部の近くに絶縁
体15を介して設けた引き出し電極20とイオン源の間に20
kVの電圧をかけ、イオンビームを引き出し、磁石9で、
電子をトラップし、質量分析器17で、負のC2イオンのみ
分離し、シリコン基盤18にマイナス15kVの電圧を印加し
て、500eVで1mAのC2イオンビームを3分間照射した。透
明で、絶縁性の厚さ0.5μmのダイヤモンド状カーボン
膜が形成できた。レーザーラマン分光分析により調べた
結果、天然ダイヤモンドと同じ1333cm-1の位置に鋭いラ
マンスペクトルピークが現われた。このイオンビーム発
生装置を用いると、最初の1分間は5から6%の負の酸
素イオンが発生したが、それ以降はCとC2のイオンのみ
であった。
実施例2 実施例1と同型のターゲット1を、密度1.85のグラフ
ァイトで作り、実施例1と同じ方法で、20kVで0.75mAの
負のCイオンビームを6分間シリコン基盤に照射した。
透明で、絶縁性の厚さ0.5μmのアモルファスカーボン
膜が形成できた。レーザーラマン分光分析により調べた
結果、1333cm-1のピークのほかに、1550cm-1付近にもブ
ロードなピークがあり、ダイヤモンドとアモルファスカ
ーボンの両方を含んでいた。このイオンビーム発生装置
を用いると、最初の1分間は5から6%の負の酸素イオ
ンが発生したが、それ以降はCとC2のイオンのみであっ
た。この時の質量分析スペクトルを第3図に示す。
〔発明の効果〕
本発明のカーボンイオンビーム発生方法によれば、ハ
イドロカーボンやCOなどのガスの替わりに、高密度の炭
素質ターゲットを用いるので、CとC2を主成分とする大
電流のイオンビームがえられ、従来のイオンビーム蒸着
法に比べて、10から20分の1の時間で0.5μm程度の厚
さの炭素質膜を形成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明のカーボンイオンビーム発生
方法を達成する装置の要部断面図であり、第2図はイオ
ン源から発生するカーボンイオンビームのシリコン基盤
への経路を示す模式図である。第3図は本発明のカーボ
ンイオンビーム発生装置から発生したイオンの質量分析
スペクトルである。 符号 1……ターゲット、2……石英ガラス、 3……熱陰極、4……導入口、 5……開口部、6……導入口、 7……永久磁石、8……外容器、 9……磁石、10……外部電源、 11……外部電源、12……アーク電源、 13……引き出し電源、14……ホルダー、 15……絶縁体、16……イオン源、 17……質量分析器、18……シリコン基盤、 19……基板ホルダー、20……引き出し電極。
フロントページの続き (72)発明者 六川 昭雄 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気 化学工業株式会社電子材料研究所内 審査官 堀部 修平 (56)参考文献 特開 昭59−113175(JP,A) 実開 昭62−93366(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 27/00 - 27/26 H01J 37/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素質を主成分とし、表面にセシウム蒸気
    を吸着させたターゲットをプラズマ内にさらし、該ター
    ゲットをマイナスに帯電させて該プラズマ中のプラスに
    帯電した希ガスでスパッタすることを特徴とするコーテ
    ィング用の負のカーボンイオンビーム発生方法。
JP8278788A 1988-04-04 1988-04-04 カーボンイオンビーム発生方法 Expired - Lifetime JP2791034B2 (ja)

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KR20030065810A (ko) * 2002-02-01 2003-08-09 필터레이 화이버 옵틱스 인코퍼레이티드 광학박막 제조 장치 및 방법
KR100487880B1 (ko) * 2002-07-19 2005-05-06 플라스미온 코포레이션 탄소 박막 제조 장치 및 방법

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