JPH0377758A - 連続鋳造の鋳込開始方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は連続鋳造の鋳込開始方法に係り、特に鋳込開始
時のスプラッシュの防止、鋳型長辺と短辺との接合部へ
溶鋼の差し込み防止等を容易に可能とする連続鋳造の鋳
込開始方法に関する。

〔従来の技術〕

連続鋳造の開始に際しては、第４図（Ａ）。

（Ｂ）に示す如く、水冷鋳型１の下部にダミーバーヘッ
ド２を挿入して仮底を形成し、タンデイシュからの浸漬
ノズル３をダミーバーヘッド２の直上まで垂下し、必要
によってはダミーバーヘッド２の上部に捨材を配置して
、浸漬ノズル３の吐出口３Ａより溶鋼４を比較的小なる
鋳込速度で鋳込み、＃込んだ溶鋼４がダミーバーヘッド
２上、および鋳型ｌに接する部分から次第に凝固殻６を
形成し、該凝固殻６が可成りの厚さに達してブレークア
ウトのおそれがなくなってからダミーバーヘッド２を徐
々に下方へ引抜き、その後は次第に鋳込速度を大として
正常な鋳造に移行する方法を採っている。

しかし鋳型１は第４図（Ｂ）に示す如く、一般に長辺Ｉ
Ａと短辺ＩＢ鋳型銅板を突き合わせて組立てた構造とな
っているので鋳型１は、長期間の繰返し使用による鋳造
、停止による熱履歴を受け。

鋳造停止時には収縮して接合部にｒ目地間き」と称する
間隙を生ずるに至る。この間隙は鋳造開始後鋳型１の熱
膨張で閉塞されるので、健全な品質を有する鋳片の鋳込
がほぼ可能となるが、鋳造開始時に浸漬ノズル３の吐出
口３Ａから流出する溶鋼４のスプラッシュが接合部の間
隙に差し込むと、鋳片の掻き疵や縦割れ等の重大な欠陥
の原因となる。

かくの如き連続鋳造開始時の鋳型接合部の間隙への溶鋼
スプラッシュの侵入を防止する従来技術としては、実公
昭５７−３６３６０がある。この考案の要旨とするとこ
ろは次の如くである。すなわち、「水冷鋳型と、前記鋳
型の下部に挿入されたダミーバーヘッドと、前記ダミー
バーヘッドの直上まで垂下され下向きの吐出口を有する
浸漬ノズルとを包合する連続鋳造の鋳込開始時の鋳造装
置において、上記浸漬ノズルの吐出口に一端を挿入し、
他端を前記ダミーバーヘッドに向けて該吐出口より突出
せしめた鉄製パイプを有して成ることを特徴とする連続
鋳造の鋳込開始時の鋳造装置である。

また、本発明者らは、鋳型の長辺と短辺の接合部に鉄製
や木製のスプラッシュ防止板をおき、鋳込開始と共に撤
去する方法を試みたこともある。

しかし、実公昭５７−３６３６０の浸漬ノズルの吐出口
に鉄製パイプを設置する方法は、鋳型下部の接合部への
スプラッシュ侵入を防止できず。

また鋳込開始時には浸漬ノズルの温度も低く、その内面
に溶鋼の凝固殻が生成されて内径が細くなっており、更
に鉄製パイプの溶解熱として抜熱されるので、浸漬ノズ
ルの閉塞を起し易いという問題がある。

また、上記スプラッシュ防止板が鉄製の場合は鋳型内壁
に生成しつつある凝固殻と融着して、凝固殻の破断を起
しブレークアウトの原因となるおそれがある。また木製
のスプラッシュ防止板の場合は、浸漬ノズルの吐出口か
ら流出される溶鋼に接した部分で当然燃焼するので安全
上の問題がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は連続鋳造の鋳込開始方法における上記従
来の欠点を解消し、簡単な方法によってスプラッシュの
発生を防止し、あわせて鋳型の長辺、短辺の接合部の間
隙へのスプラッシュの侵入を防止し得る効果的な鋳込開
始方法を提供するにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の要旨とするところは次の如くである。

すなわち、水冷鋳型を組み合わせる段階と、前記鋳型の
下部にダミーバーヘッドを挿入する段階と、前記ダミー
バーヘッドの直上までタンディツシュの浸漬ノズルを垂
下する段階と、を有して成る連続鋳造の鋳込開始方法に
おいて、前記ダミーバーヘッド上部の鋳型の水平領域を
該鋳型のコーナー部もしくはコーナー部を含む領域と前
記浸漬ノズルの垂下された中心領域とをモールドパウダ
ーと同一もしくは類似組成の板状成形体で仕切る段階と
、前記設置した浸漬ノズルを介して溶鋼の注入を開始す
る段階と、を有することを特徴とする連続鋳造の鋳込開
始方法である。

本発明の実施例を添付図面を参照にして説明する。第１
図は本発明による連続鋳造の鋳込開始方法を示す装置の
斜視図である。

先ず従来法と同様に水冷鋳型１を突き合わせて組立た後
、鋳型１の下部にダミーバーヘッド２を挿入する。次に
、浸漬ノズル３をダミーバーヘッド２の直上まで垂下す
る。

本発明法においては、上記の如き鋳込開始の準備をした
後ダミ−バーヘッド２上部の鋳型１の水平領域を仕切り
板１０で、鋳型１のコーナー部１２もしくはコーナー部
１２を含む領域■と、浸漬ノズル３の垂下された中心領
域■とに仕切る。仕切板１０は厚さ１０〜２０−程度の
通常使用するモールドパウダーと同一もしくは類似成分
の組成物を圧力成形した板である。仕切板１０は鋳型１
の上縁に懸架して使用するため、その便宜上成形時に第
１図に示す如く、５〜１０＋＋ａφ程度の丸棒１４を埋
設するか、もしくは適当な方法で固定する。この仕切板
１０の懸架装置は上記の如き丸捧に限定する要なく、そ
の他の適当な懸架装置が可能である。ダミーバーヘッド
２上の鋳型１内の水平領域の仕切りの態様は、鋳型ｌの
接合部の間隙の状況、もしくは浸漬ノズル３の吐出口３
Ａの吐出方向等を考慮し、通常第２図（Ａ）、（Ｂ）。

（Ｃ）にて示す３つの態様で使用される。

（Ａ）第２図（Ａ）に示す如く、コーナー部１２のみを
スプラッシュから防護する場合。

（Ｂ）第２図（Ｂ）に示す如く、コーナー部１２を含み
、短辺部ＩＢをスプラッシュから防護する場合。

（Ｃ）第２図（Ｃ）に示す如く、この場合は（Ａ）（Ｂ
）より仕切板を厚くして浸漬ノズル３の吐出口３Ａから
の飛散溶鋼スプラッシュを直接防護する場合。

なお、モールドパウダーの成分組成は、製造鋼種によっ
て種々異なるも、通常法の如き組成の粉体が使用される
。すなわち、ＳｉＯ，：３０〜６０％、ＣａＯ：２０〜
５０％、ＡＱ、Ｏ，：　１〜１５％、その他Ｎａ２Ｏ，
ＮａＦ、ＣａＦ２等を少量含むものが使用され１本発明
による仕切板１０は。

使用モールドパウダーと同一もしくは類似組成の粉体を
少量の水等を加えて板状に圧力成形したものである。

本発明によるモールドパウダーと同一もしくは類似組成
のスプラッシュ防止用の仕切板１０は、連続鋳造開始に
先立って鋳型１上に第工図、第２図に示す如く懸架して
セットした後は、正常の連続鋳造にそのまま移行するが
、本発明の仕切板１０は溶解して添加モールドパウダー
の一部として鋳片引抜時の潤滑剤として作用し、懸架用
の丸棒も鋳片の一部として溶解するので、正常の連鋳に
移行しても取り外す必要がない。

〔作用〕

連続鋳造の鋳込開始に役立ち、本発明によるモールドパ
ウダーと同一組成の板状の圧力成形体を。

第２図（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）等のｍ様で使用すること
により、浸漬ノズル３の吐出口から吐出される溶鋼４の
スプラッシュが防止されるので、鋳込前にたとえ鋳型コ
ーナー部に間隙が存在しても。

間隙内への溶鋼スプラッシュの侵入が防止され、鋳込開
始時のスプラッシュは、仕切板１０によって十分阻止さ
れるので、コーナー部の間隙はアスベスト等の密封材の
充填にて十分耐えることができる。仕切板ｌＯに当接し
たスプラッシュは、鉄板製と異なり、直ちに凝固する等
のことなく、仕切板１０面から流れ落ち、連鋳の正常鋳
込み移行時には、仕切板１０および懸架用の丸棒は、共
に鋳込溶鋼によって溶解され、仕切板１０は、鋳型内の
溶鋼表面に浮遊して添加モールドパウダーと混合して、
鋳片の引抜きと共に鋳型■と鋳片との間に存在して潤滑
剤としての役割を果たす潤滑膜として作用するので、ｖ
Ｊ込鋳片内に噛み込まれ、鋳片の内部品質の悪化をもた
らすおそれが全くない。仕切板１０に阻止された鋳込開
始時の溶鋼は鋳型１の内壁に付着することなく、また鋳
型１のコーナー部の間隙にも侵入することなく、静かな
乱れのない流れとなって鋳型１内に溜められ、凝固殻の
厚さが適正となった時点で、ダミーバーヘッド２が下方
へ引き抜かれ鋳込速度を徐々に上げて正常な連鋳鋳込み
に移行できるので、鋳込開始時のブレークアウトは全く
解消され、コーナー部の縦割れのない健全な鋳片を鋳込
開始時から製造することができた。なお、浸漬ノズルの
従来例として第４図に逆Ｙ字状を例示したが、本発明法
では水平向き、斜上方向きの吐出口を有するものであっ
ても同一作用効果を有する。

〔発明の効果〕

低炭素アルミキルド鋼の連続鋳造による鋳込開始に当り
、実公昭５７−３６３６０による鉄製パイプを浸漬ノズ
ルの吐出口に取付けた場合および取付けない場合、およ
び本発明によるスプラッシュ防止用の仕切板の有無を組
み合わせて次の３つの場合について、その他の条件を同
一として鋳込開始し、初期の製造スラブ鋳片について、
コーナー部縦割れによるスラブ手入れ率を比較試験した
。

Ｎｏ、　１　　鉄製パイプなし、　本発明仕切板なしＮ
ｏ、　２　　鉄製パイプあり、　本発明仕切板なしＮｏ
、　３　　鉄製パイプなし、　本発明仕切板あり上記比
較試験の結果は第３図に示すとおりである。

第３図より明らかな如く、Ｎ００３による本発明による
仕切板のみ使用した場合は、Ｎ００１で示す従来法の１
／３以下にコーナー縦割れが減少し、また実公昭５７−
３６３６０によるＩＩｊＣ製パイプのみのＮ　ｏ　、　
２に比しても半減に近いコーナー縦割れとなったことを
示している。

上記比較試験からも明らかな如く、本発明による仕切板
を連鋳の鋳込開始時に使用することにより次の効果を収
めることができた。

（イ）本発明によるモールド−パウダーと同一もしくは
類似Ｍ或の板状成形体より成る仕切板を使用することに
より、鋳型コーナー部に長辺、短辺突合せによる間隙が
存在していても、鋳込開始時の溶鋼スプラッシュが防止
され、コーナー部に侵入することがないので、初期鋳片
のコーナー部縦割れ欠陥が、従来の１／３以下に減少し
、実公昭５７−３６３６０による鉄製パイプ使用法に比
しても半減に近い欠陥率で、鋳込開始の初期から健全な
鋳片を製造することができた。

（ロ）本発明の仕切板は、鋳込開始前に鋳型上に懸架す
るだけで、取り外す必要なく、モールドパウダーの一部
として有効に使用され、懸架用の丸棒も鋳片の一部とし
て完全に溶解されるので、使用方法はきわめて簡単であ
り、その効果は大である。

（ハ）本発明の仕切板は、実公昭５７ −３６３６０の如く、効果はあるが１反面鋳込開始時の
浸漬ノズルのノズル詰まりを将来する弊害等は全くなく
、スプラッシュ防止の効果のほか。

溶解してモールドパウダーの一部としてなお副次的な効
果を顕わすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の連続鋳造による鋳込開始方法を説明す
る鋳型近傍の装置を示す模式斜視図、第２図（Ａ）、（
Ｂ）、（Ｃ）は１本発明による仕切板の使用態様を示し
、（Ａ）は鋳型コーナー部のみの防護態様を示し、（Ｂ
）は、コーナー部を含む短辺防護態様を示し、（Ｃ）は
浸漬ノズルの吐出口から噴出する溶鋼スプラッシュを直
接防止する態様を示す、第３図はコーナー部の縦割れ欠
陥によるスラブ手入率に及ぼす影響を比較試験した結果
を示す線図であって、ＮＯ６１は従来法、Ｎｏ、２は実
公昭５７−３６３６０による鉄製パイプ使用法、Ｎｏ、
３は本発明方法である。第４図（Ａ）、（Ｂ）は従来の
連続鋳造の鋳込開始方法を説明する鋳型近傍の装置を示
す模式断面図であって、（Ａ）は正断面図、（Ｂ）は（
Ａ）のＢ−ＢｊＩＡ矢視断面図である。 １・・・鋳型、　　　　　ＬＡ・・・鋳型長辺１Ｂ・・
・鋳型短辺　　　　２・・・ダミーバーヘッド３・・・
浸漬ノズル　　３Ａ、３Ｂ・・・吐出口４・・・溶鋼　
　　　　　６・・・凝固殻１０・・・仕切板　　　　１
２・・・鋳型コーナー１４・・・懸架用丸棒 第１図 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）水冷鋳型を組み合わせる段階と、前記鋳型の下部
   にダミーバーヘツドを挿入する段階と、前記ダミーバー
   ヘツドの直上までタンデイツシユの浸漬ノズルを垂下す
   る段階と、を有して成る連続鋳造の鋳込開始方法におい
   て、前記ダミーバーヘツド上部の鋳型の水平領域を該鋳
   型のコーナー部もしくはコーナー部を含む領域と前記浸
   漬ノズルの垂下された中心領域とをモールドパウダーと
   同一もしくは類似組成の板状成形体で仕切る段階と、前
   記設置した浸漬ノズルを介して溶鋼の注入を開始する段
   階と、を有することを特徴とする連続鋳造の鋳込開始方
   法。