JPH0375341A - 軟磁性合金、その製造方法および磁心 - Google Patents

軟磁性合金、その製造方法および磁心

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JPH0375341A
JPH0375341A JP2098905A JP9890590A JPH0375341A JP H0375341 A JPH0375341 A JP H0375341A JP 2098905 A JP2098905 A JP 2098905A JP 9890590 A JP9890590 A JP 9890590A JP H0375341 A JPH0375341 A JP H0375341A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、軟磁性合金、特に、ノイズフィルター用磁心
に好適なFe基基磁磁性合金よびその製造方法と、この
軟磁性合金を用いた磁心とに関する。
〈従来の技術〉 ノイズフィルター用のコモンモードチョークやノーマル
モードチョーク等、スイッチング電源の出力平滑用など
に、チョークコイルが利用されている。
チョークコイルは、一般に直流電流に重畳して交流電流
が流れるように構成される。 このためチョークコイル
の磁心の磁気特性としては、印加磁界強度が変化しても
透磁率が余り変化しないこと、すなわち、恒透磁率であ
ることが要求される。 例えば、角形比(残留磁束密度
Br/飽和磁束密度Bs)が高いと、強力なパルス性ノ
イズが加わった場合に残留磁化Brの点に動作点が移り
、当初BHループの原点にあった動作点での透磁率と比
較すると、透磁率が大きく劣化するのが普通である。
従って、恒透磁率を得るためには、B−H特性図におい
て不飽和領域が広いこと、すなわちB−Hループを寝か
せることが必要である。
高透磁率を有する磁心材料としては、例えば、微細な結
晶粒を有するFe基磁性合金が特開平1−142049
号公報に開示されている。
同公報に記載されているFe基磁性合金は、アモルファ
ス合金に熱処理を施して微細結晶粒を形成することによ
り製造される。
同公報の記載によれば、このFe基磁性合金は、損失お
よびその経時変化、透磁率その他の磁気特性の安定性に
優れ、特に、飽和磁歪定数が+5X10−’以内と非常
に小さな値となっている。
この合金は飽和磁歪定数が小さいが高角形特性であるた
め、このFe基磁性合金をコモンモードチョークコイル
の磁心に適用する場合には、磁路(磁心として使用する
際に磁束が通る方向)と直角方向に磁場を印加しながら
熱処理することによりB−Hカーブ(ループ)を傾斜さ
せ、低角形比で恒透磁率とする旨が同公報に開示されて
いる。
しかし、磁路と直角方向に磁場を印加するためには、磁
心全体を均一な磁場中に置かなければならない。 この
ため、大型の磁石が必要となる。 しかも複数の磁心に
同時に均一な磁場を印加するためにはさらに大型の磁石
が必要とされ、実用的ではない。 このため、生産性が
低い。
従って、このような磁場中熱処理方法を用いる場合、磁
心を安価に量産することが難しい。
また、このように磁路と直角方向に磁場を印加して熱処
理を行なうと、低角形比は得られるが実際のコモンモー
ドチョークコイルの磁化方向と90’ずれているため、
使用中に透磁率が変化する危険性がある。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明は、上記したような事情からなされたものであり
、チョークコイル用の磁心材料として用いた場合に高透
磁率かつ恒透磁率を実現できる軟磁性合金およびその製
造方法と、この軟磁性合金を用いることにより、磁気特
性が高く、しかも生産性のよい磁心とを提供することを
目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により
達成される。
(1)微結晶相を有する軟磁性合金であって、原子比で
下記式(I)で表わされる組成を有することを特徴とす
る軟磁性合金。
[式(I)] (Fe+−aNta) l oo−x−y−x−p−q
−rcuxsiyBxcrpVJnr(但し、上記式(
■)゛において、 O≦a≦0.5. 0.1≦X≦5. 6≦y≦20゜ 6≦2≦20゜ 15≦y+z≦30゜ 0.2≦p 0.2≦q O≦r 0.4≦p + q + r < 3 である。) (2)飽和磁歪定数λSが6X10−’〜20X10−
6である上記(1)に記載の軟磁性合金。
(3)微結晶相の割合が0.1〜95%である上記(1
)または(2)に記載の軟磁性合金。
(4)原子比で下記式(I)で表わされる組成を有する
アモルファス合金に熱処理を施し、微結晶相を有する軟
磁性合金を得ることを特徴とする軟磁性合金の製造方法
[式(1)] %式% (但し、上記式(I)において、 0≦a≦0.5. 0.1≦X≦5. 6≦y≦20゜ 6≦Z≦20゜ 15≦y+z≦30゜ 0.2≦p 0.2≦q O≦r 0.4≦p+q+r<3 である。) (5)上記(1)ないしく3)のいずれかに記載の軟磁
性合金の薄帯が巻回された巻磁心であることを特徴とす
る磁心。
(6)前記軟磁性合金の薄帯粉末を印加するための被膜
が形成されている上記(5)に記載の磁心。
(7)コモンモードチョークコイル用の磁心である上記
(5)または(6)に記載の磁心。
(8)上記(1)ないしく3)のいずれかに記載の軟磁
性合金の粉末を含有する圧粉磁心であることを特徴とす
る磁心。
(9)前記軟磁性合金の粉末を構成する軟磁性合金粒子
の粉末を印加するための被膜が形成されている上記(8
)に記載の磁心。
く作用〉 本発明の軟磁性合金は、CrおよびVをそれぞれ0.2
at%以上含有するため、良好な微結晶相が形成でき、
高い透磁率が得られる。 また、耐食性も良好である。
そして、本発明の軟磁性合金は、Cr、■およびMnの
合計含有量が3at%未満であるため角形比が低い。
このため、本発明の軟磁性合金は、特にコモンモードチ
ョークコイル用の磁心材料として好適である。
また、本発明では、Cr、VおよびMnの合計含有量を
3at%未満とすることにより、比較的大きな飽和磁歪
定数ルSが得られる。
どのため、磁路と直角方向に磁場を印加するような磁場
中熱処理を行なうことなく、応力印加によりB−Hルー
プの傾きを容易に減少させることができ、低角形比が得
られる。
従って、本発明の軟磁性合金の薄帯や粉末の表面に絶縁
性被膜等の応力印加作用を有する被膜を形成することに
より、容易に恒透磁率のコモンモードチョークコイルが
実現し、しかもコモンモードチョークコイルとして十分
に高い透磁率が得られる。
なお、従来、磁歪の大きい材料としてFe基アモルファ
ス軟磁性合金が知られているが、Fe基アモルファス軟
磁性合金は磁歪が大きすぎるため、磁気−機械共振を起
こし、実用周波数帯域f = 100kHz 〜IMH
zで実効透磁率μeの大きな変動を生じてしまう。
く具体的構成〉 以下、本発明の具体的構成を詳細に説明する。
本発明の軟磁性合金は、微結晶相を有し、下記式(I)
で表わされる組成を有する。
[式(■)] (Fe+−aNla) Ioo−x−y−z−p−q−
rcuxs1yBzcrpVqMnr但し、上記式(I
)において、 0≦a≦0.5. 0.1≦X≦5. 6≦y≦20゜ 6≦Z≦20゜ 15≦y+z≦30゜ 0.2≦p 0.2≦q O≦r 0.4≦p + q + r < 3 である。
Niが含有される場合、延性および展性が向上する。
N1添加はリボン製造を容易にし、また、耐食性も向上
する。
aが上記範囲を超えると、飽和磁束密度の低下が生じる
。 なお、好ましくはO≦a≦0.1である。
Cuは、後述する熱処理により微結晶相を形成する際に
、必須の元素である。 Cuの含有量を表わすXが上記
範囲未満であると微結晶相の形成が困難となり、上記範
囲を超えると合金溶湯の急冷に際して薄帯化が困難とな
る。 また、Xが上記範囲を外れると、磁気特性、特に
透磁率が低下し、例えば、コモンモードチョーク用巻磁
心に適用した場合、良好な実効透磁率が得られない。 
なお、好ましくは0.3≦X≦1である。
SLおよびBは合金をアモルファス化するために含有さ
れる。 本発明では、上記式で表わされる組成の合金溶
湯を、単ロール法や水アトマイズ法等の高速急冷法によ
りアモルファス合金を製造し、このアモルファス合金に
熱処理を施すことにより微結晶相を形成するため、Si
およびBは、上記範囲にて含有される必要がある。
SLの含有量を表わすy、Bの含有量を表わす2および
y+zが上記範囲を外れると、合金のアモルファス化が
困難となる。
なお、好ましくは、8≦y≦2016≦Z≦16、特に
7≦Z≦16.20≦y+z≦28である。
SLおよびBの他、ガラス化元素としてC1Ge、P、
Ga、Sb、In、BeおよびAsから選ばれる元素の
1種以上が含有されていてもよい。 これらのガラス化
元素は、SLおよびBと共にアモルファス化を助長する
作用を示し、また、キュリー温度および磁歪の調整作用
も有する。 これらガラス化元素は、SiとBの含有量
の合計、すなわちy+zの30%以下を置換するように
含有されることが好ましい。
これらのうち特にPは、耐食性を向上させ、かつアモル
ファス化を助長させる元素として好ましい。
Cr、■およびMnは、磁歪減少作用および耐食性向上
作用を有し、また、■およびMnは後述する結晶化のた
めの熱処理の際に、好ましい処理温度の範囲を広げる作
用も有する。
CrおよびVの含有量をそれぞれ表わすpおよびqが0
.2未満となると、微結晶相の形成が困難となる他、十
分な耐食性が得らず、また、磁歪が大きくなりすぎる。
 そして、Cr、VおよびMnの合計含有量を表わすp
+q+rが3以上となると磁歪が小さくなりすぎ、本発
明の効果が実現しない。
上記式(I)で表わされる組成を有することにより、飽
和磁歪定数えSとして6X10−’〜20X10−’ 
 特に7X10−’〜16X10−’の値を得ることが
できる。
また、本発明の軟磁性合金の角形比(Br /Bs)と
しては、50〜90%であり、特に50〜70%の値を
得ることができる。
そして、本発明の軟磁性合金は、100 kHzにおい
て5000以上の実効透磁率が得られ、10000以上
、20000にも及ぶ実効透磁率が容易に得られる。 
さらに、この場合、10kG以上の飽和磁束密度が容易
に得られる。
なお、本発明では、1.5≦p+q+r≦2.5とする
ことが好ましい。
以上に挙げた元素の他、本発明の軟磁性合金には、AI
2、白金族元素、Sc、Y、希土類元素、Au、Zn、
SnおよびReから選択される1種以上の元素が含有さ
れていてもよい。
これらの元素が含有される場合、その含有量の合計は、
上記式で表わされる組成に対して10%以下であること
が好ましい。
本発明の軟磁性合金は、微結晶相の占める割合が0.1
〜95%、特に0.1〜50%であることが好ましい。
 このような結晶化率範囲とすることによりλSを6X
10−’以上とすることができ、また、Brを小さくす
ることができる。 結晶化率は熱処理条件により制御で
きる。
なお、結晶領域は、透過型電子顕微鏡写真により確認す
ることができる。 また、軟磁性合金の微結晶相以外の
部分は、実質的にアモルファスで構成される。
本発明において良好な磁気特性を得るためには、微結晶
の平均粒径を好ましくは1000Å以下、より好ましく
は500Å以下、さらに好ましくは200Å以下、特に
好ましくは50〜200人とすることがよい。 この場
合の平均粒径は、各結晶粒の最大径の平均とする。 平
均粒径は透過型電子顕微鏡により測定することができる
なお、本発明の軟磁性合金には、磁気特性に悪影響を与
えない限り、N、O,S等の不可避的不純物が含有され
ていてもよい。
以下、本発明の軟磁性合金の製造方法を説明する。
本発明の軟磁性合金は、単ロール法、双ロール法等の通
常の液体急冷法によって製造されたアモルファス合金薄
帯、あるいは水アトマイズ法により製造されたアモルフ
ァス合金粉末に、熱処理を施して微結晶相を形成するこ
とにより得られる。
液体急冷法により製造されるアモルファス合金薄帯の厚
さは、5〜50μ、特に15〜25−であることが好ま
しい。
厚さが上記範囲を外れるアモルファス合金薄帯は、製造
が困難である。
液体急冷法により作製された合金薄帯の熱処理は、空気
中、真空中、あるいは窒素、Ar等の雰囲気中で行なう
ことができる。
熱処理の温度および時間は、熱処理される合金の組成、
形状、寸法などによっても変わるが、450〜600℃
にて5分間〜24時間であることが好ましい。
本発明によれば、このような温度範囲のほぼ全域に亙っ
て良好な磁気特性、特に高い透磁率が得られる。
熱処理温度が上記範囲未満であると、微結晶相を形成す
ることが困難となり、上記範囲を超えると結晶粒が粗大
となり、いずれも高い磁気特性を有する軟磁性粉末が得
られない。
熱処理時間が上記範囲未満であると均一な加熱を行なう
ことが困難となり、また、上記範囲を超えると結晶粒が
粗大化し、いずれも高い磁気特性の軟磁性合金が得られ
ない。
なお、より好ましい熱処理温度および熱処理時間は、4
50〜550℃にて5分間〜6時間である。
なお、この熱処理は、磁場中にて行なわれてもよい。
以下、本発明の軟磁性合金の好ましい適用例として、巻
磁心および圧粉磁心を説明する。
【巻磁心] 本発明が適用された巻磁心は、本発明の軟磁性合金の薄
帯の巻回体である。
巻磁心の形状および寸法に特に制限はなく、形状は、ト
ロイダル状、レーストラック状等の各種形状から目的に
応じて選択すればよく、また、寸法は、例えば、外径3
〜1000mm程度、内径2〜500mm程度、高さ1
〜100mm程度である。
微結晶相を形成するための熱処理は、薄帯巻回後に行な
うことが好ましい。 すなわち、上記のようにして作製
したアモルファス合金薄帯を巻回した後、熱処理を施す
。 この熱処理は合金の歪除去を兼ねているので、巻回
後に熱処理すれば、歪除去後に新たな歪が発生すること
がない。
本発明では、軟磁性合金に応力を印加することによりB
−Hループを寝かせて恒透磁率とすることが好ましい。
 このような応力の印加は、薄帯表面に応力印加作用を
有する被膜を形成することにより行なわれることが好ま
しい。
このような被膜としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂の塗膜、水ガラス等の無機物質の塗膜、アルミナ、マ
グネシア等の無機粉末の塗膜などの絶縁性被膜が好まし
い。
また、これらの絶縁性被膜は、合金薄帯を巻回する前に
形成されることが好ましい。 合金薄帯を巻回すると薄
帯同士が接触する部分が生じるため、絶縁性被膜の塗布
を均一に塗布することが困難となって絶縁不良となり易
いからである。
このように絶縁性被膜を合金薄帯巻回前に形成し、これ
を巻回した後に熱処理を施す場合、絶縁性被膜には耐熱
性が要求される。 このため、絶縁性被膜材料として水
ガラスを用いることが特に好ましい。
このような絶縁性被膜を形成することにより応力を印加
することができ、かつ巻磁心の耐圧性が向上する。 ま
た、高周波領域で使用するコモンモードチョーク用磁心
に適用する場合、周波数特性が改善される効果がある。
この他、絶縁性被膜として酸化膜を利用することも好ま
しい。
酸化膜は、微結晶相を形成するための熱処理を酸化性雰
囲気中で行なうことにより形成されることが好ましい。
また、本発明の軟磁性合金はコモンモードチョークコイ
ルの磁心用として十分に低い角形比を有するので、上記
したような被膜を設けなくても実用上十分な性能が得ら
れる。
なお、熱処理は、基本的には不活性雰囲気で実施するこ
とが好ましいが、上記のように空気中等の酸化性雰囲気
にても可能である。
なお、本発明の巻磁心の角形比は80%以下、特に60
〜80%とすることができ、応力を印加する被膜を設け
た場合、50%以下、特に30%以下とすることができ
る。
このようにして得られた軟磁性合金薄帯の巻回体をカッ
トコアやギャップ付コアとする場合は、エポキシ樹脂等
の熱硬化性樹脂に含浸後、熱硬化して被覆を形成し、次
いで切断あるいはギャップ形成を行なう。
[圧粉磁心] 本発明が適用された圧粉磁心は、上記式で表わされる軟
磁性合金の粉末を含有する。
圧粉磁心の形状および寸法は、上記した巻磁心と同様の
ものを含み、さらに多様なものとすることができる。
このような圧粉磁心の製造方法に特に制限はないが、下
記の方法により製造することが好ましい。
まず、上記式で表わされる組成を有する合金溶湯を液体
急冷法により高速急冷し、アモルファス合金薄帯を得る
次いで、このアモルファス合金薄帯に脆化のための熱処
理を施す。 この熱処理は、300〜450℃程度にて
lO分〜10時間程度行なうことが好ましい。
脆化熱処理後、振動ボールミルなどにより10〜300
0μs程度の平均粒径となるように粉砕してアモルファ
ス合金粒子を得る。
得られたアモルファス合金粒子の表面に、絶縁性被膜を
形成する。 絶縁性被膜としては、上記した巻磁心と同
様のものを用いることが好ましく、特に耐熱性が良好で
あることから、水ガラス等の無機材料を用いることが好
ましい。
なお、脆化のための熱処理を酸化性雰囲気中で行なうこ
とにより酸化膜を形成し、これを絶縁性被膜とすること
もできる。 この場合、さらに重ねて水ガラス等の絶縁
性被膜を形成してもよい。
絶縁性被膜が形成されたアモルファス合金粒子を、プレ
ス成形する。 プレス成形する際には、必要に応じて各
種無機潤滑剤および/または有機潤滑剤を添加してもよ
い。
プレス時の温度は400〜550℃程度、印加圧力は5
〜20t/c−程度、圧力保持時間は0.1秒〜1時間
程度である。
なお、微細結晶形成開始温度で温間プレスすると、プレ
ス成形が容易である。 すなわち高密度成形体ができる
また、本発明の軟磁性合金は耐食性が高いので、高温で
のプレス時に粉体が安定である。
プレス成形した後、上記した条件により熱処理を施して
アモルファス合金粒子に微結晶相を形成し、本発明の軟
磁性合金の粉末を含有する圧粉磁心を得る。 なお、磁
心中の粉末の占積率は、50〜100%程度であり、好
ましくは、75〜95%である。
本発明の磁心は、スイッチング電源用出力平滑チョーク
コイル、ノイズフィルター用チゴークコイルなどに好適
であり、特に巻磁心は、コモンモードチョークコイルに
極めて好適である。
〈実施例〉 以下、具体的実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説
明する。
[実施例1] 原子比でF ess、 5cua、 scr+、 sV
+si+ Il、 sB+ aの組成を有する合金溶湯
を単ロール法により高速急冷し、アモルファス合金薄帯
を作製した。
この薄帯にN2ガス雰囲気中にて1時間熱処理を施した
熱処理後、薄帯の100 kHzにおける実効透磁率μ
e、飽和磁歪定数Lsおよび結晶化率を測定した。
なお、結晶化率の測定は、透過型電子顕微鏡により行な
った。
熱処理温度と各測定値との関係を、第1図に示す。
第1図に示される結果から、熱処理温度により結晶化率
が制御でき、所望のえsi3よびμeが得られることが
わかる。
[実施例2] 下記衣1に示す組成を有する合金溶湯を単ロール法によ
り高速急冷し、アモルファス合金薄帯を作製した。
得られたアモルファス合金薄帯を巻回し、外径14mm
、内径8mm、高さ10mmのトロイダル形状の巻回体
とした。
この巻回体をN2ガス雰囲気中にて495℃にて1時間
熱処理し、巻磁心を得た。 熱処理後に薄帯のX線回折
を行なったところ、結晶な表わすピークが明瞭に観察さ
れた。 微結晶相の確認のために透過型電子顕微鏡にて
その組織を観察したところ、平均粒径i oooÅ以下
の結晶粒を含んでいた。
得られた各巻磁心について、ノイズフィルター用コモン
モードチョークコイルに適用する場合の基本特性である
実効透磁率μeを、測定周波数100kHz、測定磁界
2  moeにて測定した。
また、各巻磁心の角形比(Br/Bs)を測定した。
さらに、巻磁心材料としたアモルファス合金薄帯に、巻
磁心と同様な熱処理を施して微結晶相を形成し、これら
について飽和磁歪定数几Sおよび角形比を測定した。
これらの結果を表1に示す。
表1に示される結果から、本発明の効果が明らかである
すなわち、CrおよびVをそれぞれ0.2at%以上含
有し、Cr、■およびMnの合計含有量が3at%未満
である本発明の軟磁性合金は、低角形比かつ高透磁率で
ある。 また、飽和磁歪定数が大きい。
[実施例3] 下記表2に示す組成を有する合金溶湯を単ロール法によ
り高速急冷し、アモルファス合金薄帯を作製した。
得られたアモルファス合金薄帯を、水ガラスまたはエポ
キシ樹脂に潜らせながら巻回し、外径141tIII+
、内径8mm、高さ10mmのトロイダル形状の巻回体
とした。
この巻回体をN2ガス雰囲気中にて510℃にて1時間
熱処理し、巻磁心を得た。 熱処理後に薄帯のX線回折
および透過型電子顕微鏡による観察を行なったところ、
実施例2の巻磁心と同様な微結晶相が確認された。
モして薄帯表面には、水ガラスまたはエポキシ樹脂から
なる被膜が形成されていることが確認された。
また、水ガラスおよびエポキシのいずれも潜らせずに、
熱処理を空気中にて施して巻磁心を作製した。 このよ
うにして作製された巻磁心の薄帯表面には、酸化膜が形
成されていることが確認された。
これらの巻磁心およびその材料である軟磁性合金薄帯に
ついて、実施例2と同様な測定を行なった。
結果を表2に示す。
表2に示される結果から、本発明の効果が明らかである
すなわち、表面に形成された被膜により応力が印加され
た本発明の軟磁性合金を用いて作製された巻磁心は、角
形比が極めて低く、また、実効透磁率が高い。
[実施例4] 実施例2のサンプルNo、8作製に用いたアモルファス
合金薄帯を400℃にて1時間熱処理することにより脆
化し、次いで振動ボールミルにより粒径105〜500
−の範囲になるよう粉砕した。 得られた粉末に水ガラ
スの被覆を形成し、さらに印加圧力Lot/cm2で5
10℃にて1分間プレスした。 さらに510℃にて1
時間の熱処理を施し、外径14aon、内径10mm、
高さ3mmの圧粉磁心を得た。
この圧粉磁心中の合金粉末の占積率は、95vo1%で
あった。
これをスイッチング電源用平滑チョークコイルとして用
いたところ、コアからの唸りは認められなかった。
なお、この圧粉磁心の1 kHzでの透磁率は380で
あった。
また、この圧粉磁心に含有される合金粉末を透過型電子
顕微鏡により観察した結果、平均粒径1000Å以下の
結晶粒からなる微結晶相を含むものであった。
以上の実施例の結果から、本発明の効果が明らかである
〈発明の効果〉 本発明の軟磁性合金の薄帯や粉末をチョークコイル用の
磁心材料として用い、その表面に応力印加被膜を形成し
て応力を印加することにより、熱処理の際に磁路と直角
方向に磁場を印加することなく容易に恒透磁率のチョー
クコイルが実現し、しかもチョークコイルとして十分に
高い透磁率が得られる。
このため本発明によれば、磁気特性が良好でしかも生産
性の高いチョークコイル用磁心が実現する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、軟磁性合金の熱処理温度と、その実効透磁率
、飽和磁歪定数および結晶化率との関係を示すグラフで
ある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)微結晶相を有する軟磁性合金であって、原子比で
    下記式(I)で表わされる組成を有することを特徴とす
    る軟磁性合金。 【式(I)】 (Fe_1_−aNi_a)_1_0_0_−x_y_
    z_p_q_rCu_xSi_yB_ zCr_pV_
    qMn_r(但し、上記式(I)において、 0≦a≦0.5、 0.1≦x≦5、 6≦y≦20、 6≦z≦20、 15≦y+z≦30、 0.2≦p 0.2≦q 0≦r 0.4≦p+q+r<3 である。) (2)飽和磁歪定数λsが6×10^−^6〜20×1
    0^−^6である請求項1に記載の軟磁性合金。 (3)微結晶相の割合が0.1〜95%である請求項1
    または2に記載の軟磁性合金。 (4)原子比で下記式(I)で表わされる組成を有する
    アモルファス合金に熱処理を施し、微結晶相を有する軟
    磁性合金を得ることを特徴とする軟磁性合金の製造方法
    。 【式(I)】 (Fe_1_aNi_a)_1_0_0_−_x_y_
    z_p_q_rCu_xSi_yB_zCr_pV_q
    Mn_r(但し、上記式(I)において、 0≦a≦0.5、 0.1≦x≦5、 6≦y≦20、 6≦z≦20、 15≦y+z≦30、 0.2≦p 0.2≦q 0≦r 0.4≦p+q+r<3 である。) (5)請求項1ないし3のいずれかに記載の軟磁性合金
    の薄帯が巻回された巻磁心であることを特徴とする磁心
    。 (6)前記軟磁性合金の薄帯表面に、応力を印加するた
    めの被膜が形成されている請求項5に記載の磁心。 (7)コモンモードチョークコイル用の磁心である請求
    項5または6に記載の磁心。 (8)請求項1ないし3のいずれかに記載の軟磁性合金
    の粉末を含有する圧粉磁心であることを特徴とする磁心
    。 (9)前記軟磁性合金の粉末を構成する軟磁性合金粒子
    の表面に、応力を印加するための被膜が形成されている
    請求項8に記載の磁心。
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