JPH06181113A - Fe基恒透磁率磁心 - Google Patents

Fe基恒透磁率磁心

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JPH06181113A
JPH06181113A JP4332946A JP33294692A JPH06181113A JP H06181113 A JPH06181113 A JP H06181113A JP 4332946 A JP4332946 A JP 4332946A JP 33294692 A JP33294692 A JP 33294692A JP H06181113 A JPH06181113 A JP H06181113A
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magnetic core
core
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particle diameter
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Takao Sawa
孝雄 沢
Yumiko Takahashi
由美子 高橋
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Toshiba Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/153Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
    • H01F1/15308Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals based on Fe/Ni

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切断等によりギャップを形成することなく、
高周波域において高飽和磁束密度および低損失を示し、
かつ優れた直流重畳特性が得られる、Fe基恒透磁率磁心
を提供する。 【構成】 Fe基結晶相とアモルファス相とを有するFe基
合金からなる磁心であって、Fe基結晶相は平均結晶粒径
が35nm〜60nmの範囲の微細結晶粒からなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、恒透磁率性を有するFe
基磁心に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スイッチングレギュレータ等の高
周波域で使用される磁心には、パーマロイ、フェライト
等の結晶質材料が主に用いられてきた。しかし、パーマ
ロイは比抵抗が小さいため、高周波域での鉄損が大きい
という欠点を有していた。また、フェライトは高周波域
での損失は小さいものの、磁束密度もせいぜい 5000Gと
小さいため、大きな動作磁束密度で使用すると飽和に近
くなり、その結果として鉄損が増大してしまう。近時、
スイッチングレギュレータに用いられる電源トランスや
チョークコイル等は、いずれも形状の小形化が望まれて
おり、この場合、動作磁束密度の増大を図る必要がある
が、フェライトの動作磁束密度の増加に伴う損失の増大
は実用上大きな問題となる。
【0003】そこで、結晶構造を持たないアモルファス
磁性合金が、高透磁率、低保磁力等の優れた軟磁気特性
を示すことから注目を集め、一部実用化されている。ア
モルファス磁性合金は、Fe、Co、Ni等を基本とし、これ
に非晶質化元素として P、 C、 B、Si、Al、Ge等を添加
したものである。しかし、これらアモルファス磁性合金
の全てが高周波域で鉄損が小さいというわけではない。
【0004】例えば、Fe基アモルファス合金は、安価
で、50Hz〜60Hzの低周波域ではケイ素鋼の約 1/4という
非常に小さい鉄損を示すが、 10kHz〜 50kHzという高周
波域にあっては著しく大きな鉄損を示し、スイッチング
レギュレータ等の高周波用磁性部品には適合しない。こ
れを改善するために、Feの一部をNb、Mo、Cr等の非磁性
金属で置換することにより低磁歪化し、低鉄損、高透磁
率を図っているが十分とは言えず、また例えば樹脂モー
ルド時の硬化収縮による磁気特性の劣化が比較的大きい
ため、高周波域で用いられる軟磁性材料としては十分な
特性を得られるには至っていない。
【0005】一方、 Fe-Si-B系にCuをNb等と共に添加し
た溶融合金を、超急冷して一旦アモルファス状態とした
後、その結晶化温度以上の温度で熱処理し、平均粒径10
nm程度の超微細な結晶粒を析出させることによって、優
れた軟磁気特性が得られることが知られている(例えば
EPO-0271657参照)。このような超微細結晶粒を有する
Fe基軟磁性合金の磁気特性は、例えば直流保磁力5mOe
、非透磁率105 (1kHz)であり、また高周波域において
も低損失を示す。
【0006】上述した超微細結晶粒を有するFe基軟磁性
合金は、高透磁率が必要とされるような用途には適する
ものの、優れた直流重畳特性が要求されるような用途、
例えばチョークコイルやトランス等として使用する場合
には、低磁場で容易に飽和状態に達してしまうことか
ら、そのままでは使用することができない。このような
場合には、上記超微細結晶粒を有するFe基軟磁性合金の
薄帯を巻回する等によって作製した磁心に、磁気的なギ
ャップを形成する必要があった。このため、樹脂含浸、
キュアおよびギャップ形成のための切断等の各工程が必
要となるため、磁心の製造工程が非常に複雑となり、製
造コストが大幅に増大してしまうという問題を招いてい
た。また、ギャップの形成に伴って生じる漏れ磁束は、
周辺機器に対するノイズの発生原因となるという問題も
あった。さらに、ギャップを形成することによって、ト
ランス等として使用する際の温度上昇が大きくなり、例
えば電源効率を低下させる等、特性上の劣化をも招いて
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、Fe基
の軟磁性合金は、基本的にCo基に比べて安価であるとい
う特徴を有するものの、従来のFe基アモルファス合金は
高周波域での低損失化が十分に達成されていないという
問題を有していた。一方、超微細結晶粒を有するFe基軟
磁性合金は、高周波域において低損失が得られているも
のの、チョークコイルやトランスのように、優れた直流
重畳特性が要求されるような用途には、直接的には適さ
ないため、磁気的なギャップを形成することにより対応
していた。しかし、ギャップの形成は、製造コストの増
大を招くのみならず、ノイズの発生原因となったり、温
度上昇に伴って特性を劣化させる等の問題を招いてい
た。
【0008】このようなことから、高周波域において高
飽和磁束密度および低損失が得られ、かつ切断によるギ
ャップ形成を必要とせずに、優れた直流重畳特性が得ら
れる、チョークコイルやトランス等に適したFe基磁心の
出現が強く望まれていた。
【0009】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、切断等によりギャップを形成するこ
となく、高周波域において高飽和磁束密度および低損失
を示し、かつ優れた直流重畳特性が得られる、Fe基恒透
磁率磁心を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段と作用】本発明のFe基恒透
磁率磁心は、Fe基結晶相とアモルファス相とを有するFe
基合金からなる磁心であって、前記Fe基結晶相は平均結
晶粒径が35nm〜60nmの範囲の微細結晶粒からなることを
特徴としている。
【0011】本発明に用いられるFe基合金は、Fe基結晶
相とアモルファス相とを有すると共に、Fe基結晶相は平
均結晶粒径が35nm〜60nmの範囲の微細結晶粒を有してい
る。本発明のFe基恒透磁率磁心は、上記したFe基合金薄
帯の巻回体や積層体からなるものであって、従来の磁心
のように、恒透磁率性を付与するためのギャップ形成を
必要としないものである。
【0012】すなわち、本発明のFe基恒透磁率磁心は、
Fe基結晶相の平均結晶粒径を上記範囲内に制御すること
によって、ギャップを設けることなく、例えば鉄損等の
磁気特性をあまり劣化させずに、保磁力を適度に増大さ
せ、これにより直流重畳特性の向上を図ったものであ
る。換言すれば、高周波域における損失が少なく、かつ
直流重畳特性に優れた、すなわち恒透磁率性に優れたFe
基磁心である。上記保磁力の大きさは、直流重畳特性の
観点から 1.0Oe 以上とすることが好ましく、さらに好
ましくは 2Oe 以上である。
【0013】上記Fe基結晶相の平均結晶粒径が35nm未満
では、保磁力が小さく、十分な恒透磁率性を付与するこ
とができない。また、平均結晶粒径が60nmを超えると、
鉄損等の磁気特性が劣化し、高周波域での使用に適さな
くなる。平均結晶粒径のより好ましい範囲は40nm〜55nm
であり、さらに好ましくは40nm〜50nmの範囲である。ま
た、上記Fe基結晶相はbcc-Fe固溶体を主とすることが好
ましい。
【0014】ここで、微細結晶粒の平均結晶粒径の測定
法について説明する。一般に、 1個の結晶は単結晶と見
なせる複数の結晶子からなる。しかし、本発明の磁心に
用いるFe基合金の結晶粒のように、微細な結晶構造を有
する場合には、 1個の結晶が単結晶であると考えられる
ため、結晶子の大きさがそのまま粒子径となる。結晶子
の大きさは、一般にX線回折法により測定されるが、結
晶子が微細になると得られる回折プロファイルの幅が拡
がり、その幅の取扱いによっては測定誤差が増大するお
それがある。一般に結晶子の大きさDと回折プロファイ
ルの幅βとの関係は、下記のScherrerの式で与えられ
る。
【0015】D=(K・λ)/(β cosθ) (式中、λはX線の波長を、θはBragg angle を、Kは
比例定数を示す) 本発明における微細結晶粒の平均結晶粒径は、上記のX
線回折法により、同一試料について10回以上測定して得
た結晶子の大きさ(測定値)を算術平均した値を指すも
のとする。
【0016】本発明のFe基恒透磁率磁心に用いるFe基合
金としては、例えば 一般式:(Fe1-x Mx 100-a-b-c-d Aa M′b M″c Xd ……(1) (式中、 AはCu、AuおよびAgから選ばれる少なくとも 1
種の元素を、 MはCoおよびNiから選ばれる少なくとも 1
種の元素を、 M′はTi、Zr、Hf、 V、Nb、Ta、Cr、Mn、
Moおよび Wから選ばれる少なくとも 1種の元素を、 M″
はAl、Ge、白金族元素および希土類元素から選ばれる少
なくとも 1種の元素を、 XはSi、 B、 P、Cおよび Nか
ら選ばれる少なくとも 1種の元素を示し、 a、 b、 cお
よび dは0.3≦ a≦ 2、 0.5≦ b≦ 4、 0≦ c≦ 5、15
≦ d≦30 (at%)をそれぞれ満足する数を示し、かつ xは
0≦ x≦ 0.5を満足する数を示す)で実質的に表される
組成を有するものが例示される。
【0017】上記 (1)式中における M元素は、飽和磁束
密度の改善に有効な元素であり、これにより磁歪や軟磁
気特性が改善される。ただし、その添加量をあまり多く
しすぎると、逆に飽和磁束密度が低下するため、Feとの
置換量を示す xの値が 0.5以下となるように添加量を設
定する。
【0018】A元素は、耐食性を高め、結晶粒の極端な
粗大化を防ぐと共に、鉄損、透磁率等の軟磁気特性を改
善するのに有効な元素である。特に、 bcc相の低温での
早期析出に有効である。その量があまり少ないと添加の
効果が得られず、逆にあまり多いと飽和磁束密度が低下
し、かつ直流重畳特性が劣化するため、 A元素の添加量
は0.3at%〜2at%の範囲とする。好ましくは0.5at%〜1.5a
t%の範囲である。特に優れた軟磁気特性を得る上では、
Cuを用いることが好ましい。
【0019】また、 M′元素は、結晶粒径の均一化に有
効であると共に、磁歪および磁気異方性を低減させ、軟
磁気特性の改善および温度変化に対する磁気特性の改善
に有効な元素である。特に、 bcc相を安定化させるのに
有効であり、 A元素との複合添加により bcc相をより広
い温度範囲で安定化させることができる。その量があま
り少ないと添加の効果が得られないが、あまり多いとFe
基結晶粒の粒径が極端に微細化するため、 M′元素の添
加量は0.5at%〜3at%の範囲とする。好ましくは0.7at%〜
2.5at%の範囲である。特に、NbTaMo Wの場合は、0.7at%
〜2at%が好ましい。ここで、 M′元素としての各添加元
素は、上記した効果と共にさらにそれぞれ、4A族元素は
最適磁気特性を得るための熱処理条件の拡大、5A族元素
は耐脆化性の向上、6A族元素は耐食性および表面性の向
上に有効である。これらの中で、特にTa、Nb、 W、Moは
高周波鉄損の改善、 Vは耐脆化性と表面性の向上効果が
顕著であり、好ましいものである。
【0020】M″元素は、軟磁気特性の改善に有効な元
素である。ただし、その量があまり多いと飽和磁束密度
が低下するため、その添加量は5at%以下とする。 M″元
素の中で、特にAlは結晶粒の微細化、磁気特性の改善お
よび bcc相の安定化に、Geはbcc相の安定化に、また白
金属元素は耐食性、耐摩耗性の改善に有効な元素であ
る。
【0021】Xは、製造時における合金の非晶質化を助
成する元素であり、また微細結晶粒の主成分であるFeに
固溶し、磁歪や磁気異方性の低減に寄与する。その量が
あまり少ないと、Fe基結晶粒の粒径が微細化しすぎ、直
流重畳特性の向上効果が十分に得られなくなるため、 X
元素の添加量は 15at%以上とする。ただし、 30at%を超
えると超急冷効果が小さくなり、μm レベルの粗大な結
晶粒が析出し易くなるため、良好な軟磁気特性が得られ
なくなる。
【0022】本発明のFe基恒透磁率磁心は、上述した
(1)式の組成を基本的に満足するように調合した合金を
溶融した後、高速移動する冷却体上に射出して、一旦ア
モルファス状態の長尺薄帯を作製する。この際の板厚は
2μm 〜30μm とすることが好ましく、さらに好ましく
は 4μm 〜20μm の範囲である。
【0023】次に、上記アモルファス薄帯を所定の内
径、外径、高さとなるように、巻回または積層して磁心
形状に成形する。なお、この磁心形状への成形前に、薄
帯表面に金属アルコキシド等による絶縁処理を施しても
よい。この際、磁心の端末はレーザー処理、溶接等の熱
的付与により止めてもよいし、テープによる接着により
止めてもよい。
【0024】この後、使用した合金の結晶化温度Tx に
対して -50℃〜+150℃の範囲の温度で、上記成形体に熱
処理を施し、平均結晶粒径が35nm〜60nmの範囲のbcc-Fe
固溶体を主とする微細結晶粒を析出させる。熱処理時の
雰囲気は、窒素中やAr中等の不活性雰囲気中、真空中、
大気中のいずれでもよい。上記結晶化温度Tx は、熱分
析装置例えば示差走査熱量計を用いて、10℃/分の割合
で昇温して得られる最初の発熱ピークに基く温度を示す
ものとする。
【0025】上記した熱処理温度が(Tx-50)℃より低
いと、微細結晶粒の析出が不十分となり、結果として直
流重畳特性が悪くなる。また、(Tx +150)℃より高い
と、透磁率が低くなりすぎ、インダクタとしての機能が
得られなくなる。このような温度による熱処理時間は、
熱処理温度に応じて 1分〜 100時間の範囲から適宜設定
することが好ましい。
【0026】また、このような熱処理により析出させる
微細結晶粒は、面積比で 50%以上、100%未満とすること
が好ましい。微細結晶粒が少なすぎると、すなわちアモ
ルファス相が多すぎると、磁歪が比較的大きく、また鉄
損も大きくなるため、磁心としては好ましくない。ま
た、結晶相が100%である場合には、保磁力が大きくなり
すぎて、極めてインダクタンス値が小さくなり、高周波
トランスやチョークコイル等の用途には適さなくなる。
なお、上記100%とは熱分析法により溶融までの発熱反応
における変態を全て起こした状態をいう。結晶相のより
好ましい面積比は70%〜 98%の範囲である。
【0027】本発明のFe基恒透磁率磁心は、Fe基結晶相
の結晶粒径を制御することによって、ギャップ形成を行
うことなく、優れた恒透磁率性を付与すると共に、高飽
和磁束密度や低損失等の優れた軟磁気特性を実現したも
のであって、直流重畳特性が必要とされる高周波用途の
磁心に有効である。特に、高周波トランス、チョークコ
イル(ノーマルモード、コモンモード、平滑)等に有効
である。本発明のFe基恒透磁率磁心では、ギャップ形成
を行うことなく、優れた恒透磁率性が実現できることか
ら、製造コストの短縮が図れると共に、漏れ磁束による
ノイズを防止することができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0029】実施例1、比較例1〜2 表1に示した各組成の合金をそれぞれ溶融し、それらの
溶湯を単ロール法によって超急冷して、まず幅10mm、板
厚18μm のアモルファス薄帯をそれぞれ作製した。次い
で、上記した各アモルファス薄帯を巻回して、外径26m
m、内径18mmのトロイダル形状に成形した後、それぞれ
表1に示す条件で窒素雰囲気中にて熱処理を行い、微細
結晶粒を析出させることにより、それぞれ目的とする磁
心を得た。また、本発明との比較として、Fe77Si8 B15
組成のアモルファス合金薄帯を、上記実施例1と同一の
磁心形状に成形し、 420℃× 1時間の条件で熱処理した
後に樹脂モールドし、ダイヤモンドカッタで切断してギ
ャップを形成して磁心(比較例1)とした。なお、ギャ
ップ長は、実施例1による磁心と同等の直流重畳特性を
持つように調整した。また、Fe77Cu1 Nb3 Si14 B9 組成
のアモルファス薄帯を、上記実施例1と同一の磁心形状
に成形し、 560℃× 1時間の条件で熱処理を施し、微細
結晶粒を析出させて磁心(比較例2)とした。
【0030】これら各Fe基磁心の平均結晶粒径および結
晶相の面積比を併せて表1に示す。なお、平均結晶粒径
および結晶相の面積比は、X線回折パターンとTEM観
察、さらに熱分析から評価した値である。熱分析は、熱
処理前後の試料について第2結晶化ピークから得られる
発熱量の比から求めている。
【0031】
【表1】 上記実施例1による各磁心、および比較例1、2による
各磁心の磁気特性として、100kHz励磁したときの直流重
畳特性、飽和磁化および保磁力を測定した。直流重畳特
性は、バイアス磁場を印加した状態で LCRメータを用い
て測定した。また、飽和磁化および保磁力は、直流BHト
レーサを用いて測定した。これらの測定結果を表2にま
とめて示す。
【0032】
【表2】 表2から明らかなように、本発明によるFe基磁心は、高
飽和磁化および低損失を示し、かつ適度な保磁力を有す
るために、磁気的なギャップを形成した比較例1の磁心
と同様な、優れた直流重畳特性が得られている。これら
のことから、本発明によれば、簡単なプロセス(低コス
ト)で、低損失でかつ優れた直流重畳特性を有するFe基
磁心が得られることが明らかである。
【0033】実施例2 上記実施例1による試料No.1のFe基磁心と、比較例2の
磁心を樹脂モールドした後に、ダイヤモンドカッタで実
施例1の磁心と同等の直流重畳特性を持つようにギャッ
プを形成した磁心とを、フォワード式のスイッチング電
源(スイッチング周波数150kHz、出力 50W)の出力チョ
ークコイルとしてそれぞれ使用して、スペクトルアナラ
イザで出力ノイズの評価を行った。その結果、基本周波
数成分でのノイズにおいて、上記実施例によるFe基磁心
は比較例の磁心に比べて、 3dB低減されていることを確
認した。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のFe基恒透
磁率磁心によれば、高周波域において高飽和磁束密度お
よび低損失が得られると共に、優れた直流重畳特性が再
現性よく実現できる。よって、切断等により磁気的なギ
ャップを形成することなく、高周波用のチョークコイル
やトランス等に適した、安価なFe基磁心を提供すること
が可能となる。
【0035】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 8834−5E H01F 27/24 J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe基結晶相とアモルファス相とを有する
    Fe基合金からなる磁心であって、前記Fe基結晶相は平均
    結晶粒径が35nm〜60nmの範囲の微細結晶粒からなること
    を特徴とするFe基恒透磁率磁心。
JP4332946A 1992-12-14 1992-12-14 Fe基恒透磁率磁心 Pending JPH06181113A (ja)

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