JPH0373654B2 - - Google Patents

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JPH0373654B2
JPH0373654B2 JP58068333A JP6833383A JPH0373654B2 JP H0373654 B2 JPH0373654 B2 JP H0373654B2 JP 58068333 A JP58068333 A JP 58068333A JP 6833383 A JP6833383 A JP 6833383A JP H0373654 B2 JPH0373654 B2 JP H0373654B2
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JP
Japan
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tanδ
tmax
fibers
dyeing
max
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JP58068333A
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Tetsuo Sato
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は易染性ポリエステル繊維に関する。更
に詳しくは、常圧沸騰状態で濃色に染色可能なポ
リエステル繊維に係り、本来のポリエチレンテレ
フタレート繊維の持つ優れた性質を保持したま
ま、易染性を付与した改質ポリエチレンテレフタ
レート繊維に関するものである。 ポリエステル繊維、特に、ポリエチレンテレフ
タレートを主成分とするポリエステル繊維(以下
PET繊維と略記する。)は、高結晶性でありかつ
高軟化点を有する為、強度、伸度等の機械的特性
はもとより、耐熱性、耐薬品性等に優れた性能を
示し、産業資材、衣料用品分野に幅広く利用され
ている。 一方、上述の長所とは別に、濃色に染色しがた
い事、ピリングが発生しやすい事、静電気を帯び
易い事、吸湿性が低い事等の短所も有している。
特に、濃色に染色する事が困難であるという点に
代表される染色に関する種々の欠点により、ポリ
エステル繊維の用途範囲は狭められている。 一般に、PET繊維を染色する場合は、繊維構
造中にある疏水基の影響のために分散染料を使用
して染色する。その際、PET繊維は、結晶性が
高く、構造が緻密である為、(1)120〜130℃で高温
高圧染色を行なう。あるいは(2)キヤリアーを用い
て110℃前後の温度か又は常圧沸騰状態で染色す
るなどのいずれかの方法を用いている。しかし、
上記(1)の高温高圧染色法では、染色に使用される
機械装置の操作が繁雑である事やエネルギーコス
ト的に高い事等の問題がある。更に、他種の繊維
と混紡する際、同浴染色を高温高圧染色法で行な
うと、他種の繊維(特に、アクリル、羊毛等)が
へたり等の物性低下の弊害を起してしまうという
欠点を生じる為、実質的に該方法を用いるのは困
難である。又、(2)のキヤリアーを用いる染色法で
は、染色助剤としてのキヤリアーは、一般に有害
な物質が多い為、取扱いが難しく、従つて、排水
処理等の面で実施が困難である。更に、キヤリア
ーが繊維中の染料の染着座席をうばう為に、濃色
に染色する事が難しかつたり、染料のマイグレー
シヨンが発生しやすく、染色時の染斑を作る原因
となる等の欠点がある。 従つて、かかるPET繊維の上述のごとき欠点
を改良すべく、多くの改質、改善方法が提案され
ている。その代表的なものの1つに、PETポリ
マー中に共重合成分を導入する方法がある。 例えば、特公昭34−10497号公報、特開昭49−
33766号公報などに開示されているように、(a)金
属スルホネート基含有化合物を共重合させる方法
や、特公昭54−38159号公報に見られるように、
(b)アミノ基含有化合物を共重合させる方法が提案
されている。上記(a)、(b)の方法は、分散染色に対
して易染化すると同時に、塩基性染料や、酸性染
料でも染色可能にする事を特徴としている。又、
分散染料だけに限つて染色性向上を狙つた共重合
成分としては、(c)イソフタル酸、アジピン酸、等
のジカルボン酸類、ポリエチレングリコール等の
ポリアルキレングリコール類等が周知である。 しかし、いづれの場合も欠点を有している。例
えば、(a)の方法では、原料の金属スルホネート基
含有化合物が高価なうえ、重合、紡糸時の安定性
に欠ける等の問題があり、(b)のアミノ基含有化合
物の共重合PET繊維では、当該ポリマーの熱安
定性に問題がある。しかも、どちらの場合も、(c)
の場合と同様に、キヤリアー無しで、常圧沸騰状
態で、充分に濃色に染色する為には、多重に共重
合させることが必要で、その結果、PET繊維本
来の持つている優れた性質が著しく低下してしま
うのである。更に、ポリエチレングリコール等を
共重合させると、重合時の泡立ちや、ポリマーの
変色等の別な欠点も顕在化する。 染色性を向上させる別の方法として、特開昭55
−107511号公報に見られるように、いわゆる高速
紡糸を利用する方法がある。この方法を用いれば
確かに染色性は向上するが、未だ、キヤリアー無
しで、常圧沸騰状態で濃色に染色するには不十分
である。さらには、沸水収縮率が巻取り速度に従
つて極端に低下する等の欠点がある。又、金属ス
ルホネート化合物を共重合したポリエステルを高
速紡糸する事により、染色性の向上を意図した方
法も知られている(特開昭53−139820号公報)。
たしかに、染色性は向上するし、キヤリアーなし
で常圧沸騰状態である程度濃色に染色する事が可
能であるが、上述した如く、ポリマー自体の欠点
は、依然として存在し、かつ高速紡糸する事によ
る沸水収縮率の低下という欠点も解決されていな
い。 一般に、ポリエステルを高速紡糸すると、染色
性はある程度改善される半面、巻取り速度の増加
に伴う沸水収縮率の低下が著しく、特に6000m/
min以上巻取り速度域では、4%以下に低下して
しまう事は、従来避ける事が出来なかつた。高速
紡糸する事で染色性を向上させ、かつ、強度、伸
度のバランスを良くするには、5000m/min以上
の巻取り速度、好ましくは6000m/min以上の巻
取り速度で紡糸することが必要であり、染色性を
さらに向上させる試みとして、一般の共重合
PETポリマーを用いても高速紡糸にともなう、
沸水収縮率の低下の改善までには至らなかつた。 本発明者は、上述のごとき欠点を解決すべく共
重合ポリエステルの高速紡糸の研究検討の過程
で、上記の沸水収縮率の低下を防ぎ、かつ吸尽率
を向上させるには共重合ポリエステル繊維の結晶
化度(Xc)と複屈折率(△n)、及び測定周波数
110Hzにおける力学的損失正接(tanδ)が最大を
示す温度(Tmax)とtanδの最大値{(tanδ)
max}が特定の関係にある事の必要性をみいだ
し、本発明に到達したものである。 すなわち、本発明の目的は、PET繊維の優れ
た物理化学的性質、特に、沸水収縮率の値を、適
当な状態に保持しつつ、分散染料で染色する際
に、キヤリアーを用いずに、常圧沸騰状態で、充
分に濃色に染色する事の可能な易染性ポリエステ
ル繊維を提供する事にある。 尚、本発明において、沸水収縮率の値の適当な
状態とは沸水収縮率の値が、好ましくは6〜13%
の範囲にある事であり、常圧沸騰状態で充分に濃
色に染色するとは、この明細書に記載するところ
の吸尽率が、常圧沸騰状態における60分間の染色
条件で、好ましくは約80%以上、さらに好ましく
は85%以上の値になる事をいう。 本発明は、上記目的を達成する為に次の要旨か
らなる。すなわち、本発明は、繰返し単位の80〜
98%がエチレンテレフタレートからなる共重合ポ
リエステル繊維であつて、該繊維の結晶化度Xc
と複屈折率△nとのあいだに、下記の(1)式の関係
を満足し、更に測定周波数110Hzにおける力学的
損失正接tanδが最大を示す温度Tmax及びtanδの
最大値(tanδ)maxが下記の(2)式及び(3)式でさ
れる範囲に存在することを特徴とする易染性ポリ
エステル繊維である。 (1) Xc(%)<−710×△n+110 (2) 90℃<Tmax≦107℃ (3) 0.135<(tanδ)max≦0.300 更に、これについて詳しく述べると、本発明の
共重合ポリエチレンテレフタレートの、共重合成
分の比率は2〜20モル%の範囲にある事が必要
で、さらには、5〜13モル%である事が好まし
い。共重合比が、この範囲外にあると以下に述べ
る(1)、(2)及び(3)式を同時に満す繊維を得る事が困
難であり、そのため染色性向上と繊維物性のバラ
ンスをとることができない。 共重合成分は、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール及び/又は2,2−ビス〔4−(2−ヒド
ロエトキシ)フエニル〕プロパンである。 本発明の共重合ポリエステル繊維においては、
その結晶化度(Xc)と複屈折率(△n)が次式
を満足する事が重要要件となる。 (1) Xc(%)<−710×△n+110 Xc(%)≧−710×△n+110であると、以下に
述べる(2)、(3)式を同時に満したとしても、該繊維
の沸水収縮率の値が極端に低下してしまうことに
なる。例えば、特開昭53−139820号公報の共重合
ポリエステルの高速紡糸繊維等がこれにあたる。 本発明において、共重合ポリエステル繊維の測
定周波数110Hzにおける力学的損失正接(tanδ)
が最大を示す温度(Tmax)及びtanδの最大値
{(tanδ)max}は下記の式で示される範囲に存
在しなくてはならない。 (2) 90℃<Tmax≦107℃ かつ (3) 0.135<(tanδ)max≦0.300 上述の範囲を図示すると第1図の斜線部とな
る。 Tmax>120℃の範囲および107℃<Tmax≦
120℃でかつ0.110>(tanδ)maxの範囲にある繊
維は、染色性の改善が期待できない。この値の範
囲に存在する繊維は一般のポリエステルの延伸糸
に相当する。 Tmax≦107℃でかつ(tanδ)max≦0.135の範
囲の共重合ポリエステル繊維は、染色性はよい
が、特別に粘度を低下させる等の操作を加えない
と安定して製造する事がむずかしいので好ましく
ない。 Tmax≦90℃でかつ(tanδ)max>0.135の範
囲および90℃<Tmax≦120℃でかつ0.300≦
(tanδ)maxの範囲の共重合ポリエステル繊維
は、共重合比が比較的大きく、そのために伸度、
強度、融点等の他の物性を低下させてしまう(共
重合比20%以上)。 107℃<Tmax≦120℃でかつ0.110<(tanδ)
max≦0.300の範囲の共重合ポリエステル繊維は、
物性的にバランスがよく、ある程度染色性も向上
するが、常圧沸騰状態で、充分に濃色に染色する
にはまだ不十分である(共重合比2%以下の高速
紡糸ポリエステル繊維に相当する)。 本発明のポリエステル繊維は、例えば、次の様
な方法で製造する事が出来る。即ち、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール及び/又は2,2−ビ
ス〔4−(2−ヒドロエトキシ)フエニル〕プロ
パンを2〜20モル%共重合したポリエチレンテレ
フタレートを、複数の紡糸孔を有する紡糸口金を
通して、5000m/min以上の巻取速度で溶融紡糸
する。その際、紡出されたモノフイラメント群を
該紡糸口金の下面より5cm以上の長さにわたり、
150℃以上、300℃以下に維持された加熱域を通過
せしめ、続いて、次のa、bの両条件を満足する
位置に配置した集束用ガイドで該モノフイラメン
ト群を集束し、フイラメント束を形成する。尚、
吐出量、フイラメントの断面形状および巻取速度
を適宜選ぶ事により製造可能である。 a モノフイラメント群の細化完了点よりも5cm
以上下部域。 b ガイド下の5cmにおけるフイラメント束にか
かる張力が0.4g/デニール以下。 かくして得られる本発明の共重合ポリエステル
繊維は、PET繊維が本来持つている優れた機械
的、熱的性質を保持することに加えて、分散染料
を用いて、キヤリアー無しで、常圧沸騰状態で、
充分に濃色に染色できるという染色性能を付与さ
れるものである。さらに、本発明の特徴は、従来
考えられていた高速紡糸通で染色性を改善する場
合に、5000m/min以上の巻取り速度域で発生し
ていた極端な沸水収縮率の値の低下の問題を解決
した事にある。これにより、しぼ立ち等の後加工
上の問題を一挙に解決するに至つた。さらには、
本発明でいう共重合成分のうち1,4−シクロヘ
キサンジメタノールを共重合成分にした場合は、
優れた耐光堅牢性を示すという特長も有する。こ
れにより、当該共重合ポリエステル繊維は、従来
のPET繊維の各種用途にそのまま適用する事が
可能であり、かつ、優れた染色性の為他種類の繊
維と混用が可能である。 以下、本発明を実施例をあげて具体的に説明す
る。 尚、本発明において使用される各種特性値の評
価方法は次の通りである。 〔強度、伸度〕 島津製作所、オートグラフDCS100型引張試験
機により、初長20cm、引張速度20cm/minで測定
する。 〔沸水収縮率(B.W.S〕 0.1g/デニールの荷重下での試料長をL0とし、
荷重を取除き、沸騰水中で30分間処理した後、同
じ荷重下で測定した長さをLとして、次式より、
沸水収縮率を定義し、求める。 沸水収縮率(B.W.S)(%)=L0−L/L0×100 〔吸尽率〕 染料:Resolin BlueFBL(C.I.Disperse Blue56,
Bayer社)3%o.w.f. 分散剤:DisperTL1g/ 酸度:PH=6(酢酸にて調整) 浴比:1:100 上記条件にて、常圧沸騰状態で、所要時間染色
した後の染残液を水とアセトンの1:1混合溶液
で稀釈し、島津分光度計UV−200により、1cm
のコレツクスセルを用いて、波長λ=620mμに
て、吸光度(=Uとする)を測定し、同様に稀釈
した染料原液の吸光度(=U0とする)より下記
式で定義し、求める。 吸尽率(%)=U0−U/U0×100 〔耐光堅牢性〕 染色濃度を1%o.w.f.、染色時間を90分とする
以外は、吸尽率の測定と同様な方法で染色した試
料を、JISL0842に準じ、フエドメーター中63℃
で27.5時間露出したあと、耐光堅牢性を肉眼観察
で、良い順に○、△、×の3段階に分けて評価し
た。 〔融点〕 パーキンエルマ社製Differential Scanning
Calorimeter−1B型を使用し、試料7mg、昇温速
度16℃/minの条件で、N2置換を行いながら測
定し、得られたチヤートの吸熱ピークの頂点を融
点とする。 〔力学的損失正接(tanδ)〕 東洋ボールドウイン社製、レオバイブロン
(Reo Vibron)DDV−型動的粘弾性測定装置
を用い、試料約0.1mg、測定周波数110Hz、昇温速
度5℃/minにおいて、乾燥空気中で各温度にお
けるtanδおよびE′(動的弾性率)を測定する。そ
の結果、第2に模式的に示すようなtanδ−温度曲
線が得られる。このグラフからtanδが最大を示す
温度Tmax(℃)とtanδの最大値(tanδ)maxが
得られる。 〔複屈折率(△n)〕 繊維軸に対して直角に偏光している光に対する
屈折率(n⊥)と繊維軸に対して平行に偏光して
いる光に対する屈折率(n‖)との差、即ち 複屈折率(△n)=n‖−n⊥ で表わされる。 ベレツクコンペンセーターを装着した偏光顕微
鏡を用い、常法により測定した。但し、侵液とし
てりん酸トリクレジルを使用した。 〔結晶化度(Xc)〕 赤道方向のX線回析強度を赤道反射法により測
定する事により結晶化度(Xc)を求める事がで
きる。 X線回析強度は、理学電機社製X線発生装置
(RU−200PL)とゴニオメータ(SG−9R)、計
数管にはシンチレーシヨンカウンター、計数部に
は波高分析器を用い、ニツケルフイルターで単色
化したCu−Kα線(波長λ=1.5418Å)で測定す
る。繊維試料の繊維軸がX線回析面に対して垂直
となるようにアルミニウム製サンプルホルダーに
セツトする。この時、試料の厚みは0.5mm位にな
るようにセツトする。50KV、100mAでX線発
生装置を運転し、スキヤニング速度2°/分、チヤ
ート速度20mm/分タイムコンスタント0.5秒、ダ
イバージエンススリツト1/2°、レシーピングス
リツト0.3mm、スキヤツタリングスリツト1/2°
において2θが38°から7°まで回析強度を記録する。
記録計のフルスケール内にはいるように設定す
る。 ポリエチレンテレフタレート繊維は一般に赤道
方向の回析で、回析角2θ=17°〜26°の範囲に3つ
の主要な反射を有する{低角度側から(010)、
(110)、(100)面}。第3図にポリエチレンテ
レフタレート繊維のX線回折強度曲線の一例を示
す(図中aは結晶部、bは非晶部を示す)。 かくして得られたX線回折曲線により、2θ=7°
と2θ=35°の間にある回折強度曲線を直線で結び
ベースラインとする。2θ=20°付近の谷を頂点と
し、低角度側及び高角度側のすそに沿つて直線で
結び、結晶部と非晶部に分離し、次式に従つて面
積法で求める。 結晶化度(Xc)(%) =結晶部の散乱強度/全散乱強度×100 実施例 1 通常の重合方法で1,4−シクロヘキサンジメ
タノールを10モル%共重合させたPETポリマー
(融点233℃、極限粘度0.68)を、孔径0.23mm、孔
数24の紡糸口金及び長さ40cmの加熱筒を装着し、
紡糸口金面から3m下の位置に高速巻取機を配置
した紡糸機を用いて溶融紡糸し、50デニール/24
フイラメントの共重合ポリエステル繊維を得た。
尚、この時の巻取り速度は6000m/minであり、
紡口ヘツドの温度は285℃、加熱筒内温度は220℃
であり、紡口下110cmには給油用ノズルガイドが
設けられていた。 Tmax、(tanδ)max及び結晶化度(Xc)と複
屈折(△n)の値を測定し、第1表に示す通りそ
れぞれ本発明で規定する範囲に存在する事を確認
した。 物性測定の結果を第2表に示す。第2表より明
らかな通り、沸水収縮率の値が高く、通常の延伸
ポリエステル繊維と同程度の範囲にあり、かつ強
度、伸度とも充分な値を示している。さらに、60
分間沸騰状態の吸尽率の値が、80%をはるかに上
回り、常圧沸騰状態で充分濃色に染色されている
事がわかる。又、耐光堅牢性も良好であつた。 実施例 2 実施例1の共重合ポリマーを、巻取速度を8000
m/minにした以外は、実施例1と同様な方法で
紡糸した。Tmax、(tanδ)max及び結晶化度
(Xc)と複屈折率(△n)の値を測定し、第1表
に示す通りそれぞれ本発明で規定する範囲に存在
する事を確認した。 物性測定の結果を第2表にあわせて示す。巻取
り速度の増加にもかかわらず、沸水収縮率の値は
依然として高く、伸度、染色性ともさらに好しい
値である。 実施例 3 通常の重合方法で、2,2−ビス〔4−(2−
ヒドロエトキシ)フエニル〕プロパンを10モル%
重合させたPETポリマー(融点235℃、極限粘度
0.65)を、実施例2に記載した方法のうち紡口ヘ
ツドの温度を290℃とした以外は同様な方法で紡
糸し、繊維とした。Tmax、(tanδ)max及び結
晶化度(Xc)と複屈折率(△n)の値を測定し、
それぞれ本発明で規定する範囲に存在する事を確
認した(第1表参照)。 物性測定の結果を第2表に示す。第2表より明
らかな通り、沸水収縮率の値が高く、通常の延伸
ポリエステル繊維と同程度の範囲にあり、かつ強
度、伸度とも充分な値を示している。さらに、60
分間沸騰状態の吸尽率の値が、80%をはるかに上
回り、常圧沸騰状態で充分濃色に染色されている
事がわかる。 実施例 4 通常の重合方法で、1,4−シクロヘキサンジ
メタノールと2,2−ビス〔4−(2−ヒドロエ
トキシ)フエニル〕プロパンを5モル%づつ共重
合させたPETポリマー(融点230℃、極限粘度
0.66)を得、当該ポリエステルを実施例2と同様
な方法で紡糸し、繊維にした。Tmax、(tanδ)
max及び結晶化度(Xc)と複屈折率(△n)の
値を測定し、それぞれ本発明で規定する範囲に存
在する事を確認した(第1表参照)。 実施例1〜3の場合と同様に、沸水収縮率の値
が適当な値であり、かつ常圧沸騰状態で充分濃色
に染色されている事がわかる(第2表参照)。 実施例 5 通常の重合方法で、1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを5モル%共重合させたPETポリマ
ー(融点238℃、極限粘度0.68)を実施例2と同
様な方法で紡糸し、繊維にした。Tmax、(tanδ)
max及び結晶化度(Xc)と複屈折率(△n)の
値を測定し、第1表に示す通りそれぞれ本発明で
規定する範囲に存在する事を確認した。 物性測定の結果を第2表に示す。第2表より明
らかな通り、沸水収縮率の値が高く、通常の延伸
ポリエステル繊維と同程度の範囲にあり、かつ強
度、伸度とも充分な値を示している。さらに、60
分間沸騰状態の吸尽率の値が、80%をはるかに上
回り、常圧沸騰状態で充分濃色に染色されている
事がわかる。又、耐光堅牢性も良好であつた。 実施例 6 通常の重合方法で、1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを15モル%共重合させたPETポリマ
ー(融点228℃、極限粘度0.67)を実施例2と同
様な方法で紡糸し、繊維にした。Tmax、(tanδ)
max及び結晶化度(Xc)と複屈折率(△n)の
値を測定し、それぞれ本発明で規定する範囲に存
在する事を確認した(第1表参照)。 物性測定の結果を第2表にあわせて示す。第2
表より明らかな通り、沸水収縮率の値が従来の高
速紡糸では得られなかつた高い値を示し、かつ常
圧沸騰状態で充分濃色に染色されている事がわか
る。 比較例 1 実施例1の共重合ポリマーを、溶融温度282℃
で実施例1に記載の紡口を用いて、溶融押し出
し、冷却部を経て800m/minで巻取つた。さら
に該繊維を未延伸糸とし、ただちに3.617倍に80
℃の温度で延伸した。 Tmax、(tanδ)maxの値を測定したところ本
発明で規定する範囲に存在しない事が分つた(第
1表参照)。 物性測定の結果を第2表に示す。第2表よりあ
きらかなように染色性の向上は少なく、実用上、
高圧染色かキヤリアー染色法を用いる必要があ
る。 比較例 2 テレフタル酸とエチレングリコールとからなる
ポリエチレンテレフタレート(融点250℃、極限
粘度0.70)を、溶融温度を292℃とした以外は実
施例1と同様な方法で紡糸した。Tmax、(tanδ)
max及び結晶化度(Xc)と複屈折率(△n)の
値を測定したところ本発明で規定する範囲に存在
しない事が分つた(第1表参照)。 物性測定の結果を第2表に示す。第2表よりあ
きらかなように染色性に関しては、まだ常圧沸騰
状態で充分濃色に染色されていない。さらに沸水
収縮率の値が極端に低い。 比較例 3 比較例2のポリマーを、巻取り速度を8000m/
minとする以外は、比較例2と同様な方法で紡糸
した。Tmax、(tanδ)max及び結晶化度(Xc)
と複屈折率(△n)の値を測定したところ本発明
で規定する範囲に存在しない事が分つた(第1表
参照)。 物性測定の結果を第2表に示す。第2表より明
らかな通り、染色性に関しては、比較例2より若
干向上するものの、まだ常圧沸騰状態で充分濃色
に染色されていない。さらに、沸水収縮率の値が
低下する等の欠点が顕在化する。 比較例 4 アジピン酸を10モル%共重合させたポリエチレ
ンテレフタレートを実施例2に示す方法で紡糸し
た(融点240℃、極限粘度0.67)。Tmax、(tanδ)
maxの値が本発明で規定する範囲に存在し(第
1表参照)、従つて常圧沸騰状態で充分濃色に染
色されているが(第2表参照)、複屈折率(△n)
と結晶化度(Xc)の値が本発明で規定する範囲
に存在せず(第1表参照)、沸水収縮率の値が低
い事がわかる(第2表参照)。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図はTmaxと(tanδ)maxとの関係を示す
図、第2図はtanδ−温度曲線を示すグラフ、第3
図はポリエチレンテレフタレート繊維のX線回折
強度曲線を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 繰返し単位の80〜98%がエチレンテレフタレ
    ートであり、2〜20%のグリコール成分が1,4
    −シクロヘキサンジメタノール及び/又は2,2
    −ビス〔4−(2−ヒドロエトキシ)フエニル〕
    プロパンからなる共重合ポリエステル繊維であつ
    て、結晶化度Xcと複屈折率△nとのあいだに、
    下記の(1)式の関係を満足し、更に測定周波数110
    Hzにおける力学的損失正接tanδが最大を示す温度
    Tmax及びtanδの最大値(tanδ)maxが下記の(2)
    式及び(3)式で示される範囲に存在することを特徴
    とする易染性ポリエステル繊維。 (1) Xc(%)<−710×△n+110 (2) 90℃<Tmax≦107℃ (3) 0.135<(tanδ)max≦0.300
JP6833383A 1982-11-18 1983-04-20 易染性ポリエステル繊維 Granted JPS59199814A (ja)

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