JPH0370481B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は少なくとも１つの引張りレバー付き錠
を備えたトランクであつて、各引張りレバー付き
錠が、トランクの各半部に配置した第１及び第２
の錠部分から成り、第１の錠部分に、閉鎖フツク
を備えたレバーアームが取付けられており、第２
の錠部分にはこの閉鎖フツクにロツク位置で係合
するアンダカツト部が設けられている形式のもの
に関する。

従来、引張りレバー付き錠を備えたトランクで
は、この錠がトランク表面よりも外側に突出する
ように外側に係合されている。そのため、その突
出した錠が損傷を受ける危険がある。例えば中味
の詰められたトランクを搬送するためにトランク
が別のトランクの上に置かれると、上に置かれた
トランクの底が下に置かれたトランクの突出した
錠に損傷を与えてしまう。

このような形式のトランクを積み重ねる場合に
は閉鎖されていないトランクの錠が上に置かれた
トランクの機械的な力作用によつて急激に開けら
れてしまうこともある。当然ながらトランクから
外へ落ち、場合によつては紛失した内容物はそれ
自体様々な困難をもたらす。

他面において錠をトランクに深く配置するとい
うことは既に周知である。このためには一方のト
ランク半部だけに、両方の錠がトランクの取手の
両側に配置されているトランク面に両方の錠を配
置するための全長に亘つて延びるくぼみが設けて
おり、両方の錠はくぼみの設けられていない他方
のトランク半部の内側に配置された閉鎖フツクと
協動する。しかしながらこのような形式の錠は閉
鎖フツクが比較的に弱くしかもトランクが大きい
場合にはトランクを閉鎖するのに必要とされる大
きな力に基づいて大きなトランクにはあまり役立
たないという欠点を有している。さらにトランク
半部の内側に設けられた閉鎖フツクを有するこの
ような錠は可能な行程運動が僅かにしか与えられ
ていず、しかも閉鎖フツクはトランクに詰められ
たもの、例えば衣類によつて作用しなくなり易い
という欠点がある。なぜならばトランクを閉鎖す
る場合に錠と閉鎖フツクとの間に内容物がはさま
ることがあるからである。

従つてとりわけ大きいトランクにはルバーによ
つて大きな行程運動だけでなく大きな閉鎖力をも
与えることのできる引張りレバー付き錠が最も適
している。

しかしながら従来の引張りレバー付き錠は大き
いトランクにおいてトランクの外側に取付けられ
ているので、前述したような欠点が、すなわちト
ランクが急激に開き易くかつ引張りレバー付き錠
が外側に位置しているために損傷を受け易いとい
う欠点があつた。

それ故に本発明の課題は引張りレバー付き錠
を、トランクが意図されないのに急激に開く恐れ
がなく、汚れから保護され、しかも損傷から確実
に保護されるようにすると共に、くぼみの形成に
よるくぼみ領域の強度の減少を回避することにあ
る。

この課題は本発明によれば引張りレバー付き錠
がトランクのくぼみ内に配置されており、くぼみ
が、両トランク半部の周壁に設けた切欠き内に挿
入された２つの成形体から形成されており、両ト
ランク半部の上側の縁面を形成する成形条片が、
くぼみの底部の一部を形成するようにそれぞれの
成形体に適合して各トランク半部の内部へ向けて
曲げられた部分を備えており、この内向きに曲げ
られた部分内に錠が固定されていることによつて
解決された。

引張りレバー付き錠、それも引張りレバー付き
錠の協動する部分を両方共、本発明のこの構成に
よつて深く配置することによつて、引張りレバー
付き錠がトランクの他の、隣接する表面よりも含
く配置されることになるので、引張りレバー付き
錠はその閉鎖位置で損傷から保護される。

引張りレバー付き錠のものような深くされた配
置形式によれば実際には他の対象物が意図されな
いのに引張りレバー付き錠に接触するということ
がほとんどないので、トランクは急激に開いてし
まわない。

アルミニウム薄板から成るトランクは使用され
た金属薄板に必要とされる硬さに基づいて変形さ
せることが困難である。このためには本発明では
特にアルミニウムから成るトランクを考慮して、
このくぼみがくぼみの大きさに合わせられた成形
体から形成されてこの成形体がトランク半部の周
壁に設けた切欠きに取付けられている。ころによ
つて、トランク製作時のトランク半部のくぼみの
成形によるひずみ及び亀裂が回避される。

本発明の１実施態様においてはこのくぼみは平
面図で見てだ円形に構成されている。

次に本発明の実施例を図面について詳細に説明
する。

第１図に示されたトランク１０は２つのトラン
ク半部１１，１２とこのトランク半部１１，１２
を巡つて延びる縁面にそれぞれ設けられた成形条
片１３，１４とを有している。

トランク１０の上面１５の１つの面１５ａには
取つ手１６が設けられていて、この取つ手１６の
両側には引張りレバー付き錠１７，１８が配置さ
れている。

第１図に示されているように、この引張りレバ
ー付き錠１７，１８はその閉鎖位置でトランク１
０の上面１５よりも突出しないように、くぼみ１
９，２０内に設けられている。

第２図には両方のトランク半部を全開した状態
でくぼみが略示されている。くぼみ１９は取つ手
１６の付けられたトランク半部１１にあるくぼみ
１９ａと、向き合つたトランク半部１２にあるく
ぼみ１９ｂとから成つており、くぼみ２０も同様
にくぼみ２０ａと２０ｂとから成つている。成形
条片１３，１４がそれぞれトランク半部の縁を形
成していて、くぼみ１９，２０のところではその
形状に応じてトランク半部の内部へ向かつてわん
曲している。引張りレバー付き錠１７，１８も後
で詳述するようにくぼみ１９，２０に所属するそ
れぞれ２つの錠部分から成つており、それぞれ成
形条片１３，１４のわん曲した部分に固定されて
いる。

第３図にはビンジ部材２１を中心として旋回さ
せられるトランク半部１１，１２が成形条片１
３，１４と共に示されている。

第４図に示されているように引張りレバー付き
錠１８を取付けるべき範囲にはトランク半部１１
の１つの面１５ａにトランク半部の内部へ向かつ
て引込められたくぼみ２０ａが設けられている。
このくぼみ２０ａはトランク半部１１の周壁に設
けられた切欠内に挿入された成形体３４によつて
形成されている。トランク半部の上側の縁面に配
置された成形条片１３は成形体によつてくぼみ２
０ａの形状に相応してトランク半部の内部へ向か
つて曲げられている。この成形条片１３はリベツ
ト２３を介してトランク半部１１の上側の縁面に
結合されている。このリベツト２３の頭はプラス
チツクバンド３９によつて覆われている。成形上
片１３の、内方に曲げられた部分には引張りレバ
ー付き錠１８が取付けられている。この場合には
引張りレバー付き錠１８の第１の錠部分は、成形
上片１３にリベツト留めされたベースプレート２
４にヒンジ２５を介して取付けられた取つ手２６
と、この取つ手２６にヒンジ２７を介して枢着さ
れたレバーアーム２８と、このレバーアームに枢
着された閉鎖フツクとから成つている。さにベー
スプレート２４には外方に向かつて曲げられた、
孔３２を備えた案内部分３０が設けられている。

反対側のトランク半部１２の上側の縁面には成
形条片１３とは異なつて構成された、上側に環状
溝３１を有する成形条片１４が設けられている。
このトランク半部１２及びこのトランク半部１２
の成形条片１４の上側の縁面には引張りレバー付
き錠１８の第２の錠部分がリベツト留めされてい
る。この第２の錠部分はトランク半部１１の第１
の錠部分の屈曲した案内部分３０に設けられた孔
３２にトランク閉鎖状態で係合する案内突起３８
を有している。さらにこの第２の錠部分にはアン
ダカツト部３３が設けられており、このアンダカ
ツト部３３に閉鎖フツク２９が係合する。

第５図には両方のトランク半部１１，１２がト
ランクのほぼ閉鎖状態で示されている。この図か
ら分かるように引張りレバー付き錠の両方の錠部
分は深く配置されているけれども、トランク室の
外に位置している。さらにこの引張りレバー付き
錠によつて強力な閉鎖力と大きな行程運動が得ら
れるということも見て取られる。

第６図にはくぼみを形成する成形体が平面図で
見てだ円形であることが示されている。

第４図及び第５図に示されているようにトラン
ク半部１１，１２の周壁には、打抜いた成形体３
４，３５が接着により、またはリベツトまたはく
ぎ３６，３７によつて取付けられるように、例え
ば打抜きによつて切欠が設けられている。この成
形体３４，３５はプラスチツク射出成形部品がら
成つているが変形された金属薄板、またアルミニ
ウム薄板であつてもよい。アルミニウム薄板であ
る場合にはこの成形体３４，３５は、トランク半
部の肉厚よりも厚い肉厚を有することができる。
このようにこの成形体３４，３５は変形させ易い
材料から成つている。しかしながらこの形成体３
４，３５はその他軽金属合金から成るダイカスト
鋳造部品であつてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるトランクの概略図、第２
図はこのトランクを開いた状態で上から見た概略
図、第３図は第２図の−線に沿つた略示断面
図、第４図は第２図の−線に沿つた詳細断面
図、第５図は第４図に示された両トランク半部を
閉じた状態で示した図、第６図は第５図に示され
た状態でトランクをの方向から見た図である。 １０……トランク、１１，１２……トランク半
部、１３，１４……成形条片、１５……上面、１
５ａ，１５ｂ……面、１６……取つ手、１７，１
８……引張りレバー付き錠、１９，１９ａ，１９
ｂ，２０，２０ａ，２０ｂ……くぼみ、２１……
ヒンジ部材、２３……リベツト、２４……ベース
プレート、２５……旋回軸、２６……取つ手、２
７……旋回軸、２８……レバーアーム、２９……
閉鎖フツク、３０……案内部分、３１……環状
溝、３２……孔、３３……アンダカツト部、３
４，３５……成形体、３６，３７……リベツトま
たはくぎ、３８……案内突起、３９……プラスチ
ツクバンド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１つの引張りレバー付き錠１７，
   １８を備えたトランクであつて、各引張りレバー
   付き錠が、トランクの各半部に配置した第１及び
   第２の錠部分から成り、第１の錠部分に、閉鎖フ
   ツク２９を備えたレバーアーム２８が取付けられ
   ており、第２の錠部分にはこの閉鎖フツクにロツ
   ク位置で係合するアンダカツト部３３が設けられ
   ている形式のものにおいて、上記引張りレバー付
   き錠がトランクのくぼみ１９，２０内に配置され
   ており、くぼみ１９，２０が、両トランク半部の
   周壁に設けた切欠き内に挿入された２つの成形体
   ３４，３５から形成されており、両トランク半部
   １１，１２の上側の縁面を形成する成形条片１
   ３，１４が、くぼみ１９，２０の底部の一部を形
   成するようにそれぞれの成形体３４，３５に適合
   して各トランク半部の内部へ向けて曲げられた部
   分を備えており、この内向きに曲げられた部分内
   に上記引張りレバー付き錠が固定されていること
   を特徴とする引張りレバー付き錠を備えたトラン
   ク。 ２ 前記くぼみ１９，２０が平面図で見てだ円形
   に構成されている、特許請求の範囲第１項記載の
   トランク。