JPH0225302Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、筆入れなどに使用し、容器本体に対
して蓋体をスライドさせて開閉する形式の容器に
関するものである。

［従来の技術］ 例えば従来の筆入れにおいては、容器本体と蓋
体とを蝶番機構によつて連結したものや、容器本
体と蓋体とを別々にして蓋体を単に容器本体に被
せるようにしたものとが一般的であるが、前者は
蝶番機構を有するためにコスト的に割高になり、
また後者は蓋体が外れ易い等の欠点を持つてい
る。

また、従来においても容器本体に対して蓋体を
スライドさせて開閉する形式のものも知られては
いるが、製品が合成樹脂製の場合は蓋体をスライ
ドさせる案内機構を成型するのは比較的簡単であ
つても、金属板製の場合は案内機構の加工が面倒
でコスト高になるとか、スライド動作がスムーズ
にできないとか、或いは案内機構の凹凸が外観を
損なうとか、摺動部の塗装が剥れて見苦しくなる
等の問題がある。

［考案の目的］ 本考案の目的は、容器本体に対し金属板製の蓋
体をスライドさせて開閉する形式の容器におい
て、スライド案内機構を簡単に構成でき、しかも
蓋体のスライド動作がスムーズで、デザイン的に
も簡素で洗練された容器を提供することにある。

［考案の概要］ 上述の目的を達成するための本考案の要旨は、
容器本体に対して蓋体をスライド式に被せるよう
にした容器において、前記容器本体は金属板から
成る外ケースとプラスチツク材料から成る内ケー
スとの二重構造とし、前記外ケースの側壁上端縁
よりも上方に突出させた内ケースの両側壁上方部
に、横方向に突出する凸状を形成し、該凸条と前
記外ケースの側壁上端縁に設けた内カール部によ
つて、前記容器本体の長手方向の両側面に外方に
開口する凹溝を形成し、金属板で形成した前記蓋
体の両側壁端縁に曲設した内カール部を前記凹溝
内に摺動自在に嵌合し、前記容器本体と蓋体との
側面を略同一平面としたことを特徴とする容器で
ある。

［考案の実施例］ 本考案を図示の筆入れによる実施例に基づいて
詳細に説明する。

第１図は筆入れの外観を示し、１は容器本体、
２は蓋体を示している。容器本体１は第２図の断
面図に示すように金属板で作られた外ケース３
と、プラスチツク材料で成型された内ケース４と
の二重構造になつており、内ケース４の側壁は外
ケース３の側壁上端縁に設けられた内カール部５
よりも上方へ突出されている。内ケース４の両側
壁上方部は、横方向へ突出する凸条６が設けら
れ、この凸条６と外ケース３の内カール部５とに
より横方向へ開口する凹溝７が形成されている。
ただし、凸条６は外ケース３の側面よりも蓋体の
肉厚にほぼ相当する寸法だけ引き込まれ、蓋体２
を被せたときに蓋体２と容器本体１との側面が
略々同一平面になるようになつている。

なお、内ケース４の側壁には、外ケース３の内
カール部５に係止される抜け止め用凸体８が部分
的に設けられている。また、内ケース４には内部
に収容する物品、例えば鉛筆や消ゴム、ナイフ等
を位置決めするための凹凸９や、時間表などを収
納するための窓１０等が適宜に設けられる。

一方、蓋体２の側壁端縁には第３図に示すよう
に内カール部１１が設けられており、この内カー
ル部１１は本来はエツジによるけがを防止するた
めに形成されたものであるが、本実施例ではこの
内カール部１１を前述の容器本体１の両側面に設
けられた凹溝７に嵌合することにより、蓋体２の
スライド案内機構として積極的に活用している。
蓋体２の両側壁の内カール部１１を容器本体１の
凹溝７に嵌合できるようにするため、蓋体２の前
方側壁は切欠されて内側に折り返された偏平状に
なつており、この切欠部１２を閉塞するために内
ケース４の前方側壁には稍々高めの覆壁１３が連
設されている。なお、切欠部１２については偏平
とせずにカール部を設けてもよく、或いは閉塞時
にこの部分が覆壁１３上に重なるようにしてもよ
い。

内カール部１１を凹溝７に嵌合した状態では、
第３図に示すように容器本体１の側面Ａと蓋体２
の側面Ｂとは略同一面になるため、蓋体２を完全
に閉じた場合は容器本体１と蓋体２との間には殆
ど隙間のない状態となり、スライド案内機構は外
部には全く現われず、外観上もコンパクトとなつ
てデザイン的にも洗練され、更には蓋体２から容
器本体１にかけて連続した模様を付することがで
きる。

なお、蓋体２を完全に閉じた状態を保持するた
めのロツク機構は、容器本体１の内ケース４と蓋
体２との適当な場所に設けた凹凸によつて容易に
設けることができる。蓋体２のストツパとしては
覆壁１３をそのまま利用してもよいし、或いは蓋
体２の後方側壁１４を利用してもよい。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案に係る容器は、蓋体
の側壁端縁に設けた内カール部を、容器本体の両
側壁に設けた凹溝に嵌め込んで、蓋体のスライド
案内機構としたため、蓋体の摺動をスムーズに行
うことができる。また、容器本体と蓋体との側面
とが略同一面になつて、スライド案内機構が外部
に全く現われないようにしているので、デザイン
的にも簡素で洗練されたものとなる。更に、容器
本体の凹溝は外ケースと内ケースとの嵌合によつ
て自然に形成できるため、凹溝をわざわざ成型す
る必要がなくコストを低減にすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る容器の一実施例を示すもの
であり、第１図は外観斜視図、第２図は容器本体
の断面図、第３図は蓋体を被せた状態の断面図で
ある。 符号１は容器本体、２は蓋体、３は外ケース、
４は内ケース、５は内カール部、６は凸条、７は
凹溝、８は抜け止め用凸体、１１は蓋体の内カー
ル部、１２は切欠部、１３は覆壁である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 容器本体に対して蓋体をスライド式に被せる
   ようにした容器において、前記容器本体は金属
   板から成る外ケースとプラスチツク材料から成
   る内ケースとの二重構造とし、前記外ケースの
   側壁上端縁よりも上方に突出させた内ケースの
   両側壁上方部に、横方向に突出する凸状を形成
   し、該凸条と前記外ケースの側壁上端縁に設け
   た内カール部とによつて、前記容器本体の長手
   方向の両側面に外方に開口する凹溝を形成し、
   金属板で形成した前記蓋体の両側壁端縁に曲設
   した内カール部を前記凹溝内に摺動自在に嵌合
   し、前記容器本体と蓋体との側面を略同一平面
   としたことを特徴とする容器。 ２ 前記内ケースはその側面に形成した抜け止め
   用凸体により前記外ケースの内カール部に係止
   するようにした実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載の容器。