JPH03688B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は高密度磁気記録に優れた特性を示す垂
直磁気記録方式における記録再生用の垂直磁気記
録ヘツドに関するものである。

従来例の構成とその問題点 近年、マイクロコンピユータ、パーソナルコン
ピユータ等の情報機器の普及に伴つて、補助記憶
装置としての、ハードデイスク、フレキシブルデ
イスク等の利用が増大している。同時にこれら記
憶装置の高密度化、高容量化が求められている。

この様な高密度記憶装置として従来の面内磁化
記録方式から記録媒体の厚み方向に残留磁化を形
成して、信号の記録再生を行う垂直磁化方式が注
目されている。

磁気記録媒体としては、ポリエステル等のプラ
スチツクフイルム上に、コバルト、クロムを主成
分にした合金を蒸着あるいは、スパツタリング等
により被着させたもの、又、バリウムフエライト
の微紛末を塗布したもの等がある。

一方、記録再生ヘツドとしては、大別して補助
磁極励磁型と、主磁極励磁型の２種類がある。

補助磁極励磁型ヘツドは第１図Ａに示すよう
に、磁性媒体１５を挟んで、一方にパーマロイ等
の高透磁率磁性膜１１を２枚の非磁性基板１２で
挟み、磁性媒体１５と接する面を滑かに仕上げ
た、いわゆる主磁極と、これに対向して配置され
るフエライト等の高透磁率材のバー１４に記録再
生用のコイル１３を着装した補助磁極の２つから
構成される。

手磁極励磁型ヘツドは第１図Ｂに示すように高
透磁率磁性膜１１の主磁極に直接、記録再生用の
コイル１３を着装した構成になつている。

この主磁極励磁型ヘツドは、補助磁性励型へツ
ドと異なり、コイル１３と、主磁極が一体になる
ので、磁気記録媒体１５の片側のみで、記録再生
が可能となる特徴をもつている。

ところで、上述した垂直磁気記録ヘツドは、い
ずれも、磁気回路が開磁路構造になつているため
に、いわゆるリング型ヘツドの閉磁路構造に比べ
て、外部磁界ノイズの影響を受けやすいという欠
点をもつている。垂直磁化ヘツドが外部磁界ノイ
ズに影響され易いことは、実際にデバイス化する
時に、大きな障害となる。特に装置のコンパクト
化を図る場合には、駆動系、回路系のノイズ源に
接近することになるので、ヘツド部分の磁気シー
ルドは必要不可欠になつてくる。

第２図には、磁気シールドを考慮した主磁極励
磁型ヘツドの例を示すが、主磁極を構成する高透
磁率磁性膜２１の回りに巻かれたコイル２３の周
囲をフエライト、パーマロイ等の高透磁率材のブ
ロツク２４で覆い、外部磁界がコイルと鎖交する
磁束を減じている。２２は非磁性基板である。

ここで問題になるのは、コイル２３のリード線
取出しである。コイル２３の周囲は固いブロツク
２４でおおわれるので、引き出されたヘツドの組
立時に押しつぶされ、断線や絶縁破壊のトラブル
が発生してしまう欠点を有していた。従来では、
第１図ｂに示したタイプのものについては第３図
Ａに示すように、コイルの周囲を固いブロツクで
おおうことなく、エポキシ樹脂３６等で樹脂モー
ルドしていたので、コイルの断線や、絶縁破壊等
のトラブルは発生しなかつた。図で３１は高透磁
率磁性膜、３２はサポート用の非磁性基板、３３
はコイル、３５はハウジングである。

また第２図に示したタイプのものについては、
第３図Ｂに示すようにコイル３３の周囲をおおう
ブロツク３４を一部分開けておき、このすき間か
らコイルを取出すようにしている。図で、３１は
高透磁率磁性膜、３２は非磁性基板、３５はハウ
ジング、３６はエポキシ樹脂である。

しかしこの場合は、ヘツドの周囲に強度的に弱
い部分が生じ、耐久性がもたないし、また外部ノ
イズ除去の効果も弱くなるという欠点を有してい
た。

発明の目的 本発明は、以上のような欠点を解消するもので
コイルの引き出しを容易にし、かつコイルの断線
や、絶縁破壊を防止した垂直磁気記録ヘツドの提
供を目的とするものである。

発明の構成 本発明による基本構成は、高透磁率磁性膜を挟
み込んでいる支持基板と、この支持基板に、記録
再生用のコイルを巻くための巻溝とが具備されて
いる磁極部と、この磁極部の周囲に磁気シールド
効果と磁束環流効果を持たせるために配置される
周囲ブロツクから構成され、これら磁極部又は周
囲ブロツクのいずれかに、コイル取出し用の溝を
形成したものである。

実施例の説明 以下に本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。第４図は本発明の第１の実施例
で、磁極部であるヘツドチツプ自身に、コイル取
出し溝を設けた主磁極励磁型ヘツドのヘツドチツ
プの斜視図である。図において、４１は高透磁率
磁性膜（図示せず）を挟み込んでいる支持基板で
あり、４２は記録再生用コイルを巻くための巻線
溝である。この巻線溝４２に交差して、コイル取
出し溝４３が形成されている。

本実施例によれば、コイルは巻線溝４２に巻線
された後、取出し溝４３にそつて外部に引き出さ
れる。その後、ヘツドチツプは第２図に示したよ
うに周囲からシールドブロツクで取り囲まれるよ
うに張り合わされる。従つて、コイルは取出し溝
４３に埋め込まれているので、周囲のブロツクに
挟まれて、断線や絶縁破壊を起こすことなく保護
される。第５図Ａ，Ｂは本発明の第２の実施例
で、ヘツドチツプの周囲ブロツクにコイルの取出
し溝を形成した例である。第５図Ａはヘツドチツ
プと周囲ブロツクとを分離した分解図であり、第
５図Ｂは組立後のヘツドをそれぞれ示している。
ヘツドチツプ（磁極部）５０は、高透磁率磁性膜
（図示せず）を支持基板５１で挟み込んだ構造を
しており、記録再生用コイルを巻くための巻線溝
５２が設けられている。５４，５５，５６，５７
は周囲ブロツクであり、周囲ブロツク５７の一部
には溝加工を施し、コイル取出し溝５３を設けて
ある。ヘツドチツプ（磁極部）５０の巻線溝５２
にコイル巻線後、周囲ブロツク５４，５５，５
６，５７を張り合わせ、コイルリード線を、この
取出し溝５３より、外部に引き出す。本実施例に
おいても同様に、コイルは保護され、断線や絶縁
破壊をなくすことができる。この場合、コイル取
出し溝５３は巻線溝５２に近接して設けられたこ
とになり、コイルはコイル取出し溝５３を通つて
導かれる。このように本実施例では、ヘツドチツ
プ、あるいはヘツドチツプの周囲に設けられるブ
ロツクにコイル取出し溝を形成することにより、
従来多し発生していた周囲ブロツクとヘツドチツ
プの間に、コイルとそのリード線が挟まれて起る
断線や、絶縁破壊のトラブルを起こしていたもの
を未然に防止できる。このことにより、磁気シー
ルドブロツクをコイルに近接させることができる
ので、よりシールド効果の高いヘツドを得ること
ができることと同時に、記録再生における磁気回
路においてもコイル近傍に軟磁性体が配置される
ことで、磁気抵抗が下がり、磁束環流が増大し
て、録再感度の高いヘツド構成にすることができ
る。又、コイルの周囲に固いブロツクを配置する
ことができるので、強度的に強いヘツドを得るこ
とができる。

また、このリード取出し溝は、シールドブロツ
クの接着時に、過剰の接着剤が逃げて、流出する
際の逃げ溝の役目を兼ねるものであり、シールド
ブロツクの接着を強固にする効果をも持つてい
る。

発明の効果 以上のように本発明は高透磁率磁性膜を支持基
板で挟持した構造を有する磁極部と、前記磁極部
の周囲を囲んで設けられた高透磁率ブロツクとを
備え、前記支持基板の一部に記録再生コイル用の
巻線溝を設け、前記巻線溝に交差または近接して
コイル取出し溝を設けたもので、コイルの引き出
しを容易にし、コイルの断線や絶縁破壊を防止す
ることができる利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来の補助磁極励磁型ヘツドの側面
図、第１図Ｂは従来の主磁極励磁型ヘツドの側面
図、第２図は磁気シールドブロツクを具備した主
磁極励磁型ヘツドの側面図、第３図Ａは従来の主
磁極励磁型ヘツドのリード線の取り出し方を示す
概略図、第３図Ｂは磁気シールドブロツクの一部
分が無い主磁極励磁型ヘツドのリード線の取り出
し方を示す概略図、第４図はコイル取出し溝を具
備した本発明の一実施例であるヘツドの磁極部の
斜視図、第５図Ａは周囲のブロツクにコイルの取
出し溝を具備した本発明の第２実施例のヘツドの
分解斜視図、第５図Ｂは第２の実施例のヘツドの
組立後のヘツドの斜視図である。 １１，２１，３１……高透磁率磁性膜、１２，
２２，３２，４１……支持基板、１３，２３，３
３……記録再生用コイル、１４，２４，３４……
高透磁率材、１５，２５……垂直磁気記録媒体、
３５……ハウジング、３６……モールド樹脂、４
２……巻線溝、４３，５３……コイル取出し溝、
５０……磁極部、５４，５５，５６，５７……周
囲ブロツク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 高透磁率磁性膜を支持基板で挟持した磁極部
   と、前記磁極部の周囲を囲んで設けられた高透磁
   率ブロツクとを備え、前記支持基板の一部に記録
   再生用コイルの巻線溝を設け、前記巻線溝と直交
   してコイル取り出し溝が前記支持基板、または前
   記高透磁率ブロツクに、ヘツド表面まで貫通して
   設けられていることを特徴とする垂直磁気記録ヘ
   ツド。