JPH0367621B2 - - Google Patents
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- JPH0367621B2 JPH0367621B2 JP60247965A JP24796585A JPH0367621B2 JP H0367621 B2 JPH0367621 B2 JP H0367621B2 JP 60247965 A JP60247965 A JP 60247965A JP 24796585 A JP24796585 A JP 24796585A JP H0367621 B2 JPH0367621 B2 JP H0367621B2
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Landscapes
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は積層ポリエステルフイルムに関し、更
に詳しくは帯電防止性、平坦性にすぐれた二軸配
向積層ポリエステルフイルムに関する。 〔従来技術〕 二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れた
電気絶縁性の故に電気絶縁材料、誘電材料として
賞用されている反面、帯電し易いことからその用
途が制限されることもある。この帯電し易さを改
良し導電性ないし半導電性にすることで、ポリエ
ステルフイルムの用途拡大が期待できる。 ポリエステルフイルムに導電性を賦与する法に
ついて、従来、種々の方法が提案されている。 例えば、特開昭50−135181号公報には、未延伸
または一軸延伸ポリエステルフイルムをアニオン
または非アニオン系帯電防止剤を溶かした水溶液
に浸漬したのち二軸配向熱処理を施す方法が記載
されている。当該公報の実施例によれば表面抵抗
率は1011Ωのオーダーまたはそれ以上であり、昨
今の1010以下の要求には応じられない問題があ
る。 実公昭51−40778号公報には、カーボンを15〜
50%添加含有された静電除去導電シートが記載さ
れている。しかし、このカーボンの添加量ではベ
ースフイルムの強度、表面平坦性等、静電性と同
時に要求される諸特性を満足させることが難し
い。 特開昭53−46695号公報には、電界緩和フイル
ムの技術に関し、フイルムを海島構造にして導電
性の高いポリマーを海成分とすることが開示され
ている。しかし、このフイルムは導電性ポリマー
を混入する前のフイルムに比しステイフネス等で
大幅に変化している。 実開昭56−30438号公報には、磁気記録媒体中
にカーボン粉末を0.05〜6重量%混入することが
開示されているが、これは遮光を目的としたもの
で、6重量%程度の混入では導電性は発現しな
い。 特開昭56−51027号公報には、磁性層中に3重
量%以上のカーボンブラツクを添加することが開
示されているが、このものは磁性層を塗布する前
のベースフイルムは電気特性が何ら改善されてい
ない。今日、高記録密度化の要望に応える手段と
して磁気層の厚さを薄くすることが進められてい
る。それには磁気塗料に混入する磁性粉末以外の
添加物、例えばカーボンブラツク等の含有量は極
力少くして電磁変換特性の維持向上を企らねばな
らないが、その結果として帯電防止性が低下する
という問題がある。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、二軸配向ポリエステルフイル
ム本来の機械的特性を保持し、表面平坦性にすぐ
れかつ半導電性すなわち帯電防止性にすぐれた二
軸配向積層ポリエステルフイルム、特にフレキシ
ブルデイスクのベースフイルムとして有用な二軸
配向積層フイルムを提供することにある。 〔発明の構成・効果〕 本発明の目的は、本発明によれば、遮光剤を含
有しないポリエステルフイルムの両面に、表面粗
さRaが0.06〜0.002μm、相対湿度20%における表
面抵抗率が102〜1010Ωの半導電ポリエステル層
を積層してなる二軸配向積層ポリエステルフイル
ムによつて達成される。 本発明でいうポリエステルとは、ポリエチレン
テレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタリンジカル
ボキシレート、ポリシクロヘキシレンジメチレン
テレフタレート等の如き二軸配向可能なポリエス
テルであり、ホモポリマーは勿論のことコポリマ
ーであつても良い。 このポリエステルは触媒残渣、滑剤等を含有し
ていても良いが、積層フイルムの内層を形成する
場合には、この割合は75μのシートにしたときの
900nmの光線透過率が40%以上となる範囲にす
るのが良い。更にこの場合、ポリエステルは遮光
剤を含有しないことが必要である。もし、ポリエ
ステルに遮光剤を含有させると、フイルムのヤン
グ率が高くなり、得られる積層フイルムを例えば
フレキシブルデイスクのベースフイルムとして用
いると、デイスク回転時の固有振動周期が変化
し、ヘツドとデイスクの接触状態が不良になるこ
とがあり、好ましくない。 積層フイルムの外層を形成する半導電ポリエス
テル層は20℃における表面抵抗率が102〜1010Ω
であり、かつ表面粗さRaが0.002〜0.06μmであ
る。この表面抵抗率が1010Ωより大きいと、表面
に導電性をもたない磁性材料含有塗料を塗布した
とき帯電防止効果が得られず、好ましくない。好
ましい表面抵抗率は102〜108Ωである。このよう
な表面抵抗率を得るには、導電性の粉末、例えば
金属(例えば、銀、銅、アルミニウム等)の粉
末、カーボンの粉末等を20〜50重量%ポリエステ
ルに混合することが好ましい。フイルムの表面性
を粗くしないため、粒子の粒径は微小なほどよ
く、10mμ〜600mμの粒径が特に適している。
また、表面粗さRaが0.06μmより粗であると、例
えばその上に設ける磁気層表面が粗くなり、スペ
ーシングロスを生ずるようになり、また0.002μm
より平坦になると、塗布層の耐久性が低下する。
表面粗さRaが0.002〜0.06μmの表面を得るために
は、上述の導電性微粒子とポリエステルとを公知
の混合法等で均一混合し、更に製膜時に粗大粒子
を捕捉または裁断するフイルターにかけることが
好ましい。混合法としては二軸ベント押出機を用
いて混合する方法が特に好ましい。更に裁断フイ
ルターとしては平均目開き10μ以下のステンレス
繊維焼結フイルターが好ましい。また、シート状
に押出したポリエステルを急冷する冷却ドラムは
鏡面仕上げのものを使用し、要すれば製品フイル
ムをカレンダーリングしてもよい。カレンダーリ
ングは、好ましくは150〜200℃の温度、500〜
1200Kg/cmの線圧下で鏡面仕上げのロールにフイ
ルムを加熱押圧して行なう。更にカレンダーリン
グはフイルム両面に行なうことが好ましく、特に
逐次的に行なうことが好ましい。 半導電ポリエステル層の厚さは0.5〜tμm(こ
こで、t≦0.45×積層フイルムの厚さ(μm))
が好適である。これより薄くなると、均一薄膜の
形式が難しく、部分的に半導電層の欠けるところ
が生ずる惧れがあり、更に表面抵抗率が上昇する
傾向にあり、好ましくない。一方、厚くなりすぎ
ると、得られる積層フイルムの機械的特性が半導
電ポリエステル層の性質に左右されるようにな
り、柔軟性に欠け、製膜時に切断し易くなり、好
ましくない。 本発明の積層フイルムは、内層を形成する遮光
剤を含有しないポリエステルと、両外層を形成す
る半導電性ポリエステルとを、3層押出ダイスか
ら共押出し、急冷して未延伸の積層シートとし、
次いで該積層シートを常法に従つて二軸延伸、熱
固定することによつて得ることができる。各層の
厚みは各ダイスの厚みを調節することによつて調
整することができる。また、押出しダイス内で、
導電材を混入したポリエステルの溶融物(導管内
の溶融物)の中心部に導電材を混入しないポリエ
ステルの溶融物を導管で導き、開口させることに
よつても本発明の積層フイルムを得ることができ
る。 本発明の積層フイルムを構成するポリエステル
は、内層と外層にそれぞれ異種のポリエステルを
使用してもよく、例えば内層ポリマーとしてポリ
エチレンテレフタレートを、外層ポリマーとして
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート
とポリシクロヘキシレンジメチレンイソフタレー
トの共重合体を用いることにより磁性塗料との親
和性を保持しながら強靭なポリエチレンテレフタ
レートの性質を保持させることができる。 本発明の積層フイルムは、内層のポリエステル
フイルムの持つ優れた機械的性質を保持しなが
ら、帯電性の殆んどない性質を有し、塗布型フレ
キンブルデイスク用ベース、金属化デイスクベー
ス、磁気記録ベース等の、強靭、制電、遮光を必
要とする用途に有用なばかりでなく、IC用トレ
イ、IC用キヤリーバツク、電力ケーブルの芯線
をラツプする電界緩和テープ、電力ケーブルや通
信ケーブルの遮蔽層材料その他電磁気遮蔽材(例
えば電磁気シールドフイルム)としても有用であ
る。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明を更に説明する。な
お、例中の各特性は下記の方法によつて測定す
る。 1 表面粗さRa JIS B0601−1976に記載されている測定法によ
る。 すなわち、東京精密社製の触針式表面粗さ計
(SURFCOM 3B)を使用し、針先半径2μ、荷重
70mgの条件下に、フイルム表面粗さ曲線のチヤー
トをかかせ、その中心線の方向に測定長L(0.25
mm)の部分を抜き取り、部分の中心線をX軸と
し、X軸に直角の方向をY軸とし、粗さ曲線をY
=f(x)で表わすとき、粗さ平均は =1/L∫L Of(x)dx で表示でき、更にRaは Ra=1/L∫L O|f(x)−|dx で表示される。 この測定は8個の試料について行い、大きい方
から3個の測定値を除いた5個の測定値の平均を
もつて表面粗さ(Ra)とする。 2 表面抵抗率 JIS C2318に示される電極を用いて表面抵抗
(Ω)を測定し、下記式で算出する。 表面抵抗率(Ω)=6π(cm)/1(cm)×表面抵抗
(Ω) 3 帯電性 スタチツクネオストメーター(突戸商店:
TYPE S−4104)を用いて飽和帯電電位(V)
を測定し、下記の基準で評価する。 〇:帯電電位が100(V)以下である。 ×:帯電電位が100(V)より高い。 実施例 1 ポリエチレンテレフタレートと平均粒径30mμ
のカーボンブラツク(日本イーシー社製:ケツチ
エンブラツクEC)10重量%とも二軸ベント押出
機にて均一混合せしめた。得られたポリエステル
をポリマーIと略記する。 このポリマーIを押出機で溶融し、フイルター
で過し、スタテイツクミキサーで再混合してか
ら3層ダイに定量供給し、同時に遮光剤を含まな
いポリエチレン−2,6−ナフタリンジカルボキ
シレートを別の押出機で溶融し、スタテイツクミ
キサで混合して上記3層ダイに定量供給し、該ダ
イからポリマーIが両外層を構成するように共押
出し、回転冷却ドラムで急冷して未延伸シートと
し、続いて該シートを縦方向に3.4倍、横方向に
3.5倍逐次延伸し、更に220℃にて緊張熱処理して
厚み50μの積層フイルムを得た。この積層フイル
ムは両外層が夫々5μの厚み、内層が40μの厚みか
らなつていた。この積層フイルムに、所望により
表面平坦化処理を施した。この積層フイルムの特
性を表1に示す。 更に、この積層フイルムに常法により磁気層を
塗設してから帯電性を評価した。この結果も表1
に併記する。 実施例 2〜7 実施例1におけるポリエチレンテレフタレー
ト、カーボンブラツク及びその量を表1に示すポ
リマー、添加剤及びその量とし、またポリエチレ
ン−2,6−ナフタリンジカルボキシレートを表
1に示すポリエステルに変更する以外は、実施例
1と同様に行つて3層の積層フイルム、磁気層を
塗設したフイルムを得た。これらの特性を表1に
示す。
に詳しくは帯電防止性、平坦性にすぐれた二軸配
向積層ポリエステルフイルムに関する。 〔従来技術〕 二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れた
電気絶縁性の故に電気絶縁材料、誘電材料として
賞用されている反面、帯電し易いことからその用
途が制限されることもある。この帯電し易さを改
良し導電性ないし半導電性にすることで、ポリエ
ステルフイルムの用途拡大が期待できる。 ポリエステルフイルムに導電性を賦与する法に
ついて、従来、種々の方法が提案されている。 例えば、特開昭50−135181号公報には、未延伸
または一軸延伸ポリエステルフイルムをアニオン
または非アニオン系帯電防止剤を溶かした水溶液
に浸漬したのち二軸配向熱処理を施す方法が記載
されている。当該公報の実施例によれば表面抵抗
率は1011Ωのオーダーまたはそれ以上であり、昨
今の1010以下の要求には応じられない問題があ
る。 実公昭51−40778号公報には、カーボンを15〜
50%添加含有された静電除去導電シートが記載さ
れている。しかし、このカーボンの添加量ではベ
ースフイルムの強度、表面平坦性等、静電性と同
時に要求される諸特性を満足させることが難し
い。 特開昭53−46695号公報には、電界緩和フイル
ムの技術に関し、フイルムを海島構造にして導電
性の高いポリマーを海成分とすることが開示され
ている。しかし、このフイルムは導電性ポリマー
を混入する前のフイルムに比しステイフネス等で
大幅に変化している。 実開昭56−30438号公報には、磁気記録媒体中
にカーボン粉末を0.05〜6重量%混入することが
開示されているが、これは遮光を目的としたもの
で、6重量%程度の混入では導電性は発現しな
い。 特開昭56−51027号公報には、磁性層中に3重
量%以上のカーボンブラツクを添加することが開
示されているが、このものは磁性層を塗布する前
のベースフイルムは電気特性が何ら改善されてい
ない。今日、高記録密度化の要望に応える手段と
して磁気層の厚さを薄くすることが進められてい
る。それには磁気塗料に混入する磁性粉末以外の
添加物、例えばカーボンブラツク等の含有量は極
力少くして電磁変換特性の維持向上を企らねばな
らないが、その結果として帯電防止性が低下する
という問題がある。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、二軸配向ポリエステルフイル
ム本来の機械的特性を保持し、表面平坦性にすぐ
れかつ半導電性すなわち帯電防止性にすぐれた二
軸配向積層ポリエステルフイルム、特にフレキシ
ブルデイスクのベースフイルムとして有用な二軸
配向積層フイルムを提供することにある。 〔発明の構成・効果〕 本発明の目的は、本発明によれば、遮光剤を含
有しないポリエステルフイルムの両面に、表面粗
さRaが0.06〜0.002μm、相対湿度20%における表
面抵抗率が102〜1010Ωの半導電ポリエステル層
を積層してなる二軸配向積層ポリエステルフイル
ムによつて達成される。 本発明でいうポリエステルとは、ポリエチレン
テレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタリンジカル
ボキシレート、ポリシクロヘキシレンジメチレン
テレフタレート等の如き二軸配向可能なポリエス
テルであり、ホモポリマーは勿論のことコポリマ
ーであつても良い。 このポリエステルは触媒残渣、滑剤等を含有し
ていても良いが、積層フイルムの内層を形成する
場合には、この割合は75μのシートにしたときの
900nmの光線透過率が40%以上となる範囲にす
るのが良い。更にこの場合、ポリエステルは遮光
剤を含有しないことが必要である。もし、ポリエ
ステルに遮光剤を含有させると、フイルムのヤン
グ率が高くなり、得られる積層フイルムを例えば
フレキシブルデイスクのベースフイルムとして用
いると、デイスク回転時の固有振動周期が変化
し、ヘツドとデイスクの接触状態が不良になるこ
とがあり、好ましくない。 積層フイルムの外層を形成する半導電ポリエス
テル層は20℃における表面抵抗率が102〜1010Ω
であり、かつ表面粗さRaが0.002〜0.06μmであ
る。この表面抵抗率が1010Ωより大きいと、表面
に導電性をもたない磁性材料含有塗料を塗布した
とき帯電防止効果が得られず、好ましくない。好
ましい表面抵抗率は102〜108Ωである。このよう
な表面抵抗率を得るには、導電性の粉末、例えば
金属(例えば、銀、銅、アルミニウム等)の粉
末、カーボンの粉末等を20〜50重量%ポリエステ
ルに混合することが好ましい。フイルムの表面性
を粗くしないため、粒子の粒径は微小なほどよ
く、10mμ〜600mμの粒径が特に適している。
また、表面粗さRaが0.06μmより粗であると、例
えばその上に設ける磁気層表面が粗くなり、スペ
ーシングロスを生ずるようになり、また0.002μm
より平坦になると、塗布層の耐久性が低下する。
表面粗さRaが0.002〜0.06μmの表面を得るために
は、上述の導電性微粒子とポリエステルとを公知
の混合法等で均一混合し、更に製膜時に粗大粒子
を捕捉または裁断するフイルターにかけることが
好ましい。混合法としては二軸ベント押出機を用
いて混合する方法が特に好ましい。更に裁断フイ
ルターとしては平均目開き10μ以下のステンレス
繊維焼結フイルターが好ましい。また、シート状
に押出したポリエステルを急冷する冷却ドラムは
鏡面仕上げのものを使用し、要すれば製品フイル
ムをカレンダーリングしてもよい。カレンダーリ
ングは、好ましくは150〜200℃の温度、500〜
1200Kg/cmの線圧下で鏡面仕上げのロールにフイ
ルムを加熱押圧して行なう。更にカレンダーリン
グはフイルム両面に行なうことが好ましく、特に
逐次的に行なうことが好ましい。 半導電ポリエステル層の厚さは0.5〜tμm(こ
こで、t≦0.45×積層フイルムの厚さ(μm))
が好適である。これより薄くなると、均一薄膜の
形式が難しく、部分的に半導電層の欠けるところ
が生ずる惧れがあり、更に表面抵抗率が上昇する
傾向にあり、好ましくない。一方、厚くなりすぎ
ると、得られる積層フイルムの機械的特性が半導
電ポリエステル層の性質に左右されるようにな
り、柔軟性に欠け、製膜時に切断し易くなり、好
ましくない。 本発明の積層フイルムは、内層を形成する遮光
剤を含有しないポリエステルと、両外層を形成す
る半導電性ポリエステルとを、3層押出ダイスか
ら共押出し、急冷して未延伸の積層シートとし、
次いで該積層シートを常法に従つて二軸延伸、熱
固定することによつて得ることができる。各層の
厚みは各ダイスの厚みを調節することによつて調
整することができる。また、押出しダイス内で、
導電材を混入したポリエステルの溶融物(導管内
の溶融物)の中心部に導電材を混入しないポリエ
ステルの溶融物を導管で導き、開口させることに
よつても本発明の積層フイルムを得ることができ
る。 本発明の積層フイルムを構成するポリエステル
は、内層と外層にそれぞれ異種のポリエステルを
使用してもよく、例えば内層ポリマーとしてポリ
エチレンテレフタレートを、外層ポリマーとして
ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート
とポリシクロヘキシレンジメチレンイソフタレー
トの共重合体を用いることにより磁性塗料との親
和性を保持しながら強靭なポリエチレンテレフタ
レートの性質を保持させることができる。 本発明の積層フイルムは、内層のポリエステル
フイルムの持つ優れた機械的性質を保持しなが
ら、帯電性の殆んどない性質を有し、塗布型フレ
キンブルデイスク用ベース、金属化デイスクベー
ス、磁気記録ベース等の、強靭、制電、遮光を必
要とする用途に有用なばかりでなく、IC用トレ
イ、IC用キヤリーバツク、電力ケーブルの芯線
をラツプする電界緩和テープ、電力ケーブルや通
信ケーブルの遮蔽層材料その他電磁気遮蔽材(例
えば電磁気シールドフイルム)としても有用であ
る。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明を更に説明する。な
お、例中の各特性は下記の方法によつて測定す
る。 1 表面粗さRa JIS B0601−1976に記載されている測定法によ
る。 すなわち、東京精密社製の触針式表面粗さ計
(SURFCOM 3B)を使用し、針先半径2μ、荷重
70mgの条件下に、フイルム表面粗さ曲線のチヤー
トをかかせ、その中心線の方向に測定長L(0.25
mm)の部分を抜き取り、部分の中心線をX軸と
し、X軸に直角の方向をY軸とし、粗さ曲線をY
=f(x)で表わすとき、粗さ平均は =1/L∫L Of(x)dx で表示でき、更にRaは Ra=1/L∫L O|f(x)−|dx で表示される。 この測定は8個の試料について行い、大きい方
から3個の測定値を除いた5個の測定値の平均を
もつて表面粗さ(Ra)とする。 2 表面抵抗率 JIS C2318に示される電極を用いて表面抵抗
(Ω)を測定し、下記式で算出する。 表面抵抗率(Ω)=6π(cm)/1(cm)×表面抵抗
(Ω) 3 帯電性 スタチツクネオストメーター(突戸商店:
TYPE S−4104)を用いて飽和帯電電位(V)
を測定し、下記の基準で評価する。 〇:帯電電位が100(V)以下である。 ×:帯電電位が100(V)より高い。 実施例 1 ポリエチレンテレフタレートと平均粒径30mμ
のカーボンブラツク(日本イーシー社製:ケツチ
エンブラツクEC)10重量%とも二軸ベント押出
機にて均一混合せしめた。得られたポリエステル
をポリマーIと略記する。 このポリマーIを押出機で溶融し、フイルター
で過し、スタテイツクミキサーで再混合してか
ら3層ダイに定量供給し、同時に遮光剤を含まな
いポリエチレン−2,6−ナフタリンジカルボキ
シレートを別の押出機で溶融し、スタテイツクミ
キサで混合して上記3層ダイに定量供給し、該ダ
イからポリマーIが両外層を構成するように共押
出し、回転冷却ドラムで急冷して未延伸シートと
し、続いて該シートを縦方向に3.4倍、横方向に
3.5倍逐次延伸し、更に220℃にて緊張熱処理して
厚み50μの積層フイルムを得た。この積層フイル
ムは両外層が夫々5μの厚み、内層が40μの厚みか
らなつていた。この積層フイルムに、所望により
表面平坦化処理を施した。この積層フイルムの特
性を表1に示す。 更に、この積層フイルムに常法により磁気層を
塗設してから帯電性を評価した。この結果も表1
に併記する。 実施例 2〜7 実施例1におけるポリエチレンテレフタレー
ト、カーボンブラツク及びその量を表1に示すポ
リマー、添加剤及びその量とし、またポリエチレ
ン−2,6−ナフタリンジカルボキシレートを表
1に示すポリエステルに変更する以外は、実施例
1と同様に行つて3層の積層フイルム、磁気層を
塗設したフイルムを得た。これらの特性を表1に
示す。
【表】
【表】
比較例 1〜3
実施例3におけるポリエチレンテレフタレー
ト、カーボンブラツク及びその量を表2に示すポ
リマー、添加剤及びその量とする以外は実施例3
と同様に行つて積層フイルムを得た。この積層フ
イルムの特性を表2に示す。
ト、カーボンブラツク及びその量を表2に示すポ
リマー、添加剤及びその量とする以外は実施例3
と同様に行つて積層フイルムを得た。この積層フ
イルムの特性を表2に示す。
【表】
表1,2の結表から明らかなように、実施例の
複合フイルムは良好な帯電防止効果と平坦な表面
性を有し、特に実施例1〜3、5〜7のものはフ
レキシブルデイスク用ベースとして優れた特性を
有し、実施例4のものを遮光性を有するビデオテ
ープ用ベース、ケーブル用半導電性テープとして
優れた特性を有している。 以上の説明で明らかなように、本発明は帯電防
止性の強靭なフイルムを提供するもので、工業的
価値の高いものである。更に予期し得ない効果と
して、本発明のフイルムを製造するに際し急冷ド
ラムにダイから押出した溶融物を静電ピンニング
によつて押圧する作用が強力で、高速製膜を可能
とし、且つ縦方向に延伸するに際し、赤外線ヒー
タの吸熱効率が良好であり、これをまた高速製膜
性を可能にする。
複合フイルムは良好な帯電防止効果と平坦な表面
性を有し、特に実施例1〜3、5〜7のものはフ
レキシブルデイスク用ベースとして優れた特性を
有し、実施例4のものを遮光性を有するビデオテ
ープ用ベース、ケーブル用半導電性テープとして
優れた特性を有している。 以上の説明で明らかなように、本発明は帯電防
止性の強靭なフイルムを提供するもので、工業的
価値の高いものである。更に予期し得ない効果と
して、本発明のフイルムを製造するに際し急冷ド
ラムにダイから押出した溶融物を静電ピンニング
によつて押圧する作用が強力で、高速製膜を可能
とし、且つ縦方向に延伸するに際し、赤外線ヒー
タの吸熱効率が良好であり、これをまた高速製膜
性を可能にする。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 遮光剤を含有しないポリエステルフイルムの
両面に、表面粗さRaが0.06〜0.002μm、相対湿度
20%における表面抵抗率が102〜1010Ωの半導電
ポリエステル層を積層してなる二軸配向積層ポリ
エステルフイルム。 2 半導電ポリエステル層の厚さが0.5〜tμm
(但し、t≦0.45×積層フイルムの厚さ(μm)
である特許請求の範囲第1項記載の二軸配向積層
ポリエステルフイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24796585A JPS62108053A (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | 積層ポリエステルフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24796585A JPS62108053A (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | 積層ポリエステルフイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62108053A JPS62108053A (ja) | 1987-05-19 |
JPH0367621B2 true JPH0367621B2 (ja) | 1991-10-23 |
Family
ID=17171186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24796585A Granted JPS62108053A (ja) | 1985-11-07 | 1985-11-07 | 積層ポリエステルフイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62108053A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH054821Y2 (ja) * | 1990-09-26 | 1993-02-08 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0675864B2 (ja) * | 1988-06-30 | 1994-09-28 | 帝人株式会社 | 粒子をポリマーに均一に分散させる方法 |
JP2535422B2 (ja) * | 1989-11-16 | 1996-09-18 | 帝人株式会社 | 粒子をポリマ―に均一に分散させる方法 |
JP2567964B2 (ja) * | 1990-01-12 | 1996-12-25 | 東レ株式会社 | 二軸配向熱可塑性樹脂フイルム |
JP2575515B2 (ja) * | 1990-03-29 | 1997-01-29 | 帝人株式会社 | 粒子をポリマーに均一に分散させる方法 |
JP4683747B2 (ja) * | 2001-03-05 | 2011-05-18 | 大日本印刷株式会社 | 帯電防止防眩フィルム |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5555432A (en) * | 1978-10-17 | 1980-04-23 | Hitachi Maxell Ltd | Magnetic recording medium |
JPS58150129A (ja) * | 1982-03-01 | 1983-09-06 | Tdk Corp | 磁気記録媒体 |
JPS60115022A (ja) * | 1983-11-28 | 1985-06-21 | Teijin Ltd | 磁気記録媒体用積層ポリエステルフイルム |
-
1985
- 1985-11-07 JP JP24796585A patent/JPS62108053A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5555432A (en) * | 1978-10-17 | 1980-04-23 | Hitachi Maxell Ltd | Magnetic recording medium |
JPS58150129A (ja) * | 1982-03-01 | 1983-09-06 | Tdk Corp | 磁気記録媒体 |
JPS60115022A (ja) * | 1983-11-28 | 1985-06-21 | Teijin Ltd | 磁気記録媒体用積層ポリエステルフイルム |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH054821Y2 (ja) * | 1990-09-26 | 1993-02-08 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62108053A (ja) | 1987-05-19 |
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Legal Events
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